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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「実録 連合赤軍 あさま山荘への道程」
そして人質救出直前、今までの落とし前をつけるという坂口に、未成年だった少年が、「何が落とし前だ!みんな勇気がなかっただけじゃないか!」と叫び、他のメンバーを黙らせます。勇気がないには、たくさんの意味が含まれるのでしょう。権力に武力ではなく立ち向かう勇気、リンチに対し間違っているという勇気、そして共産主義がなんであるか、革命が何であるか、本当は何も分かっていなかった自分に向き合う勇気。この叫びが、本当にあったのかどうかは、わかりません。しかしこの叫びこそ、若松監督の心なのではないかと思います。
この事件の主犯メンバーだった森は拘置所で自殺。永田・坂口は死刑を待つ死刑囚。吉野雅邦は無期懲役。坂東国男は超法規的措置で人質と交換で海外へ。その他の山岳ベースの生き残りメンバーは、既に出所しています。本当に彼らが心から同士の死を悼み、反省するなら、この作品を観るべきだと思うのです。彼ら以外でも、連合赤軍にかかわった人たちは皆。この事件がなかったら、日本の学生運動の歴史は、確実に変わっていたと感じます。映像で観るのは辛いでしょう、苦しいでしょう。しかし観て感じ自分の本心を知って欲しいと願います。決してなかったことには出来ない事件ですが、それが被害者への贖罪にもなり、事件からの解放になることだと思います。若松監督もこの作品を作る事で、解放されたかったんだなぁと、私は思います。
05月09日(金)
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