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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「仕掛人・藤枝梅安」
愛之助の彦さんは、今回は凄腕の一端を見せるものの、良きバディぶりを描く事が中心でした。トヨエツを立てる演技は好感が持て、続編は彦次郎がメインのようで、期待充分です。
殺しの場面は鮮やかなれど、仕掛人は一瞬に仕留めるので、殺陣は無し。そこで大立ち回りをみせてくれるのが、早乙女太一の浪人です。出演者の平均年齢が高い中、彼のスピーディーな殺陣は見応えがあり、華やかでした。子供の頃から舞台を積んでいる成果ですね。
重厚な空気の中、その空気を緩ますのが、梅安の女中のおせき(高畑淳子)。野次馬的好奇心満タンの俗人ですが、主人の事を心から案じる善人でもあります。「おせきは幸せだねぇ」と言う梅安に、「何が幸せなもんですか。幸せなのは、私の亭主ですよ」と言うおせき。彦次郎とはまた別の意味で、おせきもまた、梅安の心の癒しになっていると思います。高畑淳子は、やり過ぎ一歩手前の演技で好演。流石の腕前だなと、ここも感心しました。
見どころと言えば、全編見どころとも言える作品です。池波正太郎と言えば、江戸時代の料理の蘊蓄が楽しみですが、その再現も見どころの一つ。私は彦次郎のお粥が作りたくなりました。お粥もお米から炊くと、格別の味わいです。時代劇もきちんとした時代考証からかな?丹精込めた時代劇は少なくなったと、お嘆きのご貴兄にも、時代劇には馴染みのない方にも、同じように堪能できる作品です。
02月11日(土)
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