ID:102711
声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
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■この世に不思議なものなど無いのだよ
「魍魎の匣オフィシャルガイド」を手に入れました。
非常に丁寧な作りの本で、解説の一つ一つに(絵の隣の短い紹介文に至るまですべてが)丁寧かつ思い入れを込めて作られていて驚きました。非常に原作とアニメ作品世界に精通している人の手による仕事です。
いままで見てきたオフィシャルガイドの中でも、かなり傑出しているのではないかと思います。
キャラクターの紹介文一つ読んでも、的確だなぁとうなりました。
絵はアニメ雑誌に掲載されていたもの、コンテや原画などをメインにしていて、昔のアニメージュの記事を読んだ時に感じたアニメ作品の制作へのこだわりや信念みたいなものも、感じます。
斜めにだだっと眺めている限りは、普通のムック本とどこも違いが見つけられないのですが・・・
特にすごく面白かったのは、インタビューです。
京極堂の平田さんと関口の木内さん、榎木津の森川さんと木場の関貴昭さん、そして頼子の高橋美佳子さんと加菜子の戸松遥さん。それぞれ役の上で非常に因縁というか関わりが深いキャラどうしを組み合わせて、声優さんを対談形式でインタビューしているのが、コンセプト的にも良かったです。
それと、本作品をもっともこだわりを持って仕上げた監督の中村さん(なんとアニメ初監督だったんですね、どうりで力が入っていたし、一分の手抜きもなく最後までこだわりぬいて作られていたわけだ、納得です)と、シリーズ構成の村井さん(この人も京極作品をすごく理解しているんじゃないかという印象)。
監督さんと構成さんの作品へのこだわりも半端じゃなくて、彼らがイメージしていた世界が、本当に綺麗に作品に生かされ仕上がったんだなぁと感心。
どれも読み応えがありました。制作者、演者が演じながら思っていた事や、キャラクターを作り上げていく作業の話など、税込み2200円は安かったなぁと思えるほど内容が濃くて良かったです。
森川さんの榎さんも、あそこへ至るには平坦な道ではなかった様子で、音響監督の本田さんの(他のインタビューでも話題になっていました)独特の指示、「今の演技から炭水化物を抜いて」などのやりとりの過程、どういう気持ちで演じたかなどが、非常に興味深く、森川さんだけでなく他の方たちも含め、こんな風に役者さんが思いを強く込めて演じてもらえる作品は素晴らしいなぁと思いました。実際アニメをみても、その制作者側の熱は十分伝わってきていましたし、たった1クールの作品でありながらも、まるで半年か1年ほど見続けたかのような印象深さと内容の濃さを感じました。これは原作の持つパワーがアニメ化にかかわった人々に影響しているのもあるんじゃないかと思います。原作者を謎の男として引っ張り出してしまったのも、そこら辺のスタッフの思い入れに尽きるかと。実際、出てきた本人の京極さんがインパクトありましたし・・・
森川さんにも、原作者の京極さんと直接スタジオで話すチャンスがあったとのこと(あの京極さん出演回ですねきっと)、そこで京極さんから貰ったコメントが、榎木津が笑うシーンのある日に立ち会えて良かったとのこと。これまた榎木津というキャラへの原作者の思いが入っているコメントだなぁと思いました。
関さんとの対談、森川さんのアニメレギュラー初体験で大変だった関さんへの思いやりあるコメントが多くて、そんな中で森川さんの役者としての素直な気持ちも出ていて、これまた拾い物だなぁと、この組み合わせにしてくれて有り難うと思いました。
平田さんが、森川さんがセリフが少なくてズルイって・・・笑
しかし、本当に平田さんの、あの凄まじい量のセリフの嵐を、テストでも本番でもぜんぜん噛まないぐらいに事前に予習してきていたという、森川さん曰くの平田さんの血のにじむような努力は報われた、に納得です。
森川さん、オーデションのテープを事務所のスタジオで録音したときのリクエストは、木場、関、榎木津だったそうで、受かるなら木場かなと自分では思ったとのこと。マネージャと演技に関してかなり喧々囂々で録音したそうです。きっとその喧々囂々の結果が上手く行って、役をゲットするのに成功したのかな。
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04月03日(金)
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