ミドルエイジのビジネスマン
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2002年11月10日(日) 大部長、大シティホテルに登場

取引先の祝賀パーティで、都心のシティホテルに行ってきた。主催者は大企業でも、成金会社でもない。39歳という若さの社長が率いる社員60名ほどの生真面目な会社にとても嬉しいことがあって、少々お手伝いした縁で招かれたのだ。

巨大な宴会場に4〜5百人位もいそうな沢山の人たちがさんざめき、ゲストの皆さんも喜色満面だ。ステージの上では型どおり社長のご挨拶や主賓の祝辞もあったが、全社員一人ひとりが紹介され、若い社員が晴れがましさと緊張の面もちで会場を見渡している。皆、いい顔だ。

会社の規模から見てこんな大がかりなパーティを開くのはどうかねという声もありそうだが、そうは思わない。ステージの上の張り詰めた社員の顔を見れば、この晴れがましいパーティにかかった費用も彼等がこれからアッという間に稼ぎ出してしまうであろうことは明らかだ。お金だけではなく、使命と達成感をバネに働こうという気概にあふれている。

この会社、先端技術が売りではない。むしろ、旧来型に属する業種であるのだが、先行大企業が環境の変化に身悶えするだけで変革を遂げられない中、お客様の要望を丹念に先読みすることで着実に成功してきた。

会社を訪問すると女性が多いのに驚かされる。そこでは、中核社員も女性が多くを占め、キャリアウーマンとして肩肘を張るでもなく、ましてや職場に花を添えるだけでもなく、自然体で働いている。今の社風のまま、どこまで成長していけるのか考えるだけでも楽しみだ。日本中のあちこちで、こんな透明感のある会社が誕生しているのであれば、私たちの将来も捨てたものではない。

さて、久々に都心のホテルに足を踏み入れた大部長、例によって乾杯の一杯で雲の上の人となり、フワフワと楽しいひとときを過ごした後、キョロキョロあたりを見渡せばホテル内は早くもクリスマス気分、きれいなクリスマスツリーがあったので同僚に一枚撮ってもらった。出来がよいので、しばらくホームページの表紙に飾ることにする。一杯機嫌の主が表紙を飾るホームページ、まあ悪くはないか。


***表紙が変わったのでここに飾りましょう***


2002年11月04日(月) 主婦の知の世界は爆発するか

来週、全社員が受けるテストがあるので勉強しようと思ったが、内容空疎な模擬試験はネットラジオでも聴きながらやるのが相応しいとパソコンのスイッチを入れたのが運の尽き、何気なくネットを見ているうちに30代のある主婦の尊敬すべきチャレンジ日記に遭遇したので、勉強もそっちのけで1年分の日記を拝読することとなった。

その方は、元々大学で英文学を専攻していたらしいが、今は子育て中の専業主婦。昨年9月11日のテロをきっかけに、多分、英語で直接情報を取りたいと思ったのだろう、英語の勉強に目覚め、毎日英文を読み、インターネットでボイスオブアメリカなどを聴いている。どんなに忙しくても英語を聞き、読む方は、なんと5万ページのリーディングが目標だという。どうやら、ペンパルならぬ外人のE-Palと意見交換までしているようだ。

図書館から本を借りてきたり、昔買った本を自分の本棚から引っぱり出してきたりというケチケチぶりが主婦らしくて微笑ましいが、既にかつてのご自分の水準を乗り越え、新しい世界に突入している。どれくらいすごいかというと、スーパーに買い物に行こうと道を歩いていると、雀が英語で鳴いているのだそうだ(冗談ではなく本当らしい)。

英語学習を通して、歴史や環境や社会問題など様々なテーマにも造詣が深まってきており、想像するに、既に旦那様も及ばぬ知の世界が確立され、彼女はそこに住んでいる。ウーム、知らぬは亭主ばかりなりか。

さて、これから先どうなってしまうのだろう。ここまで高められた知の世界が容易に生活に押しつぶされてしまうとは思えない。そう言えば、私の先輩でリタイアされた方の奥様は今、旦那を置き去りにしてロンドンに短期語学留学をしているという。現代の日本には、このように知性にあふれ、実力を持て余している女性が何万人といるに違いない。いつか、どんな形でか分からないが、若い専業主婦の方の知の世界がブレイクする日が来るのではなかろうか。

オッと、しまった。自分の知の世界はほとんど手つかずだ。来週のテスト、大丈夫だろうか。


2002年10月27日(日) 母の看病

母の看病のため、週末にあわただしい帰省をした。命にかかわりはないが、既にいくつかの慢性疾患を抱えている母が週初に入院したので、義姉と付添いの泊込みを一日だけ交代したのだ。

日本海に程近い地方都市の大きな川の向こう岸に最新設備の病院が移転したので、7階の病室から自分の十代後半の心の成長を育んだ街の全体を見渡すこととなった。変わりやすい天候は今年初めて初冬の趣を帯び、足早に雲が流れる夕暮れの大河の上空を雁が連なって下っていく。

老いた母が眠るベッドの横で自分の高校生時代を想い起こしながら、子育てをしている今の自分のことも考えてみる。最近、「世代を紡いで行く」ということを考えることが多い。

老いた母と成長した息子が空調の快適に効いた窓の広い病室で、言葉を交わすこともなく静寂の時間を一緒に過ごしている。これも親が子に与えてくれた恵みであろうと思う。


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