雪さんすきすき日記
リサイクル戦術シミュレーション『リサイクルプリンセス』 倒れてもその場で復活するリサイクルSLG。全力で応援中!
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2018年11月11日(日) 休日のこと

 7時半頃起床。
 今日はジャパリパークで大騒ぎ!7に参加すべく上京。3週連続の上京である。
 11時ちょっと前に会場に到着して、入場列が無くなった頃を見計らって入場。島1つだけだったので、じっくり見て回っても30分程度で終了。
 その後、無性にオカピが見たくなったので、上野動物園に移動。券売機の前が物凄い行列で、さながらコミケ3日目のアイテム数が多い上に売り子が少ない壁サークルの列のようだった。20分くらいでようやく入場。ぶくぶくに太ったプレーリードックがやたら可愛かった。あと、日本の家畜のコーナーが実は好きだったりする。それらを経由してお目当てのオカピに到着。今日は屋外に出ていたので、全身をはっきり見ることができた。やはり、足の縞模様が美しい。

 その後、いつものようにアメリカバク(昼間なので姿を見せないけど)から鳥類をいくつか経由してユーラシアカワウソへ。今まで3匹いたのに2匹しかいなかったのだが、1匹は那須どうぶつ王国に行ってしまったらしい。ちょっと寂しい。
 動物園を満喫したので、先週に引き続き今週もWIZ craft beer and foodに行って、クラフトビールと料理を堪能。がっつり食べて呑んで5kで済んだのには驚いた。

 今日の戦利品。セイリュウの存在感が私の中で徐々に大きくなってきている。


 あと、上野動物園でオカピのぬいぐるみが売っていたので反射的に買ってしまった。かわいい。


2018年11月10日(土) 「秘封ナイトメアダイアリー」のこと

 9時半頃起床。
 衣類棚に入れた防虫剤にくっきりと「おわり」の文字が出ていた。どうやら、春に交換し忘れたらしい。今頃交換することに疑問をいだきつつ、それでも衣類を虫から守るという安心を手に入れるべくホームセンターに赴く。ところが、何故か2個一組でしか販売をしておらず、これでは2年分買ってしまうことになる。無駄な出費は抑えるべくホームセンターの近所のドラッグストアに行ってみたところ、ちゃんと個別で販売していたので無事購入することができた。
 午後に保険の人と話をしたところ、うつ病で入れない保険がある話から始まり、健康の話に広がり、最後は目の話に落ち着いた。最近視力が急激に落ちたことを話したところ、一度眼科で診察を受けた方が良いということに。来週のどこかで行くことにしよう。ゲームをプレイする上で視力は最も重要な身体能力の1つだから。

 「秘封ナイトメアダイアリー」(上海アリス幻樂団)の感想を書いてみることに。普段は東方Projectの作品の感想を書くことは無いのだが、余程気に入ったのか、あるいは単なる気まぐれか。
 東方Project第16.5弾。夢を見ているときにだけ幻想郷に行くことができる宇佐見菫子が主人公。ある日幻想郷を訪れた菫子は、霊夢から理不尽な攻撃を受けた。写真を撮ることで夢から覚めることができたが、それ以降幻想郷の住人から謂れのない攻撃を受け続ける羽目になる。果たして菫子はこの悪夢から覚めることができるのか、という固定画面シューティングアクション。
 操作は移動とショット、撮影、低速移動。ショットは前方に弾を出して敵を攻撃する。撮影は「文花帖」と同様の攻撃方法で、ボタンを押すと照準の場所にファインダーが現れ、ボタンを離すとファインダーのあった場所を撮影する。ボタンを離すまでの間、ファインダーは方向入力で移動できるが、徐々にファインダーは小さくなって一定時間経過すると撮影失敗となる。写真を撮影すると写真に写った弾は消滅し、敵にはダメージを与えることができる。写真はゲージが100%のときしか撮影できないが、ゲージは100%未満の時に限り撮影と低速移動の同時押しで超低速移動となりゲージを高速で充填できる。ショットと撮影で敵の体力を0にすると敵を倒すことができるが、このとき写真を1枚以上撮影していないとクリア扱いにならない。敵や敵弾に当たるとミスとなり、最初からやり直し。
 特定の面をクリアすると、菫子の能力が増えていく。このうち攻略上重要なのが水曜1面をクリアすると使用可能となるテレポーテーション。低速移動ボタンを2回押すと自機の周囲8方向に自機の影が表示され、方向を入力するとその方向に瞬間移動できる。その後は、ファインダーの移動距離が伸びるテレフォトグラフィー、ショットが強化されるパイロキネシス、撮影ゲージが100%の時に被弾してもミスにならなくなるデスキャンセルと増えていく。

 「文花帖」と「弾幕アマノジャク」の良いとこ取りをしたようなゲームシステム。攻防一体となった写真撮影という「文花帖」システムの完成度の高さは非常に気に入っており、そこにショットを付け足すのは蛇足にならないかと最初は危惧を抱いていた。実際に序盤は正にそんな感じで、これなら「文花帖」みたいに写真だけでクリアしてもいいのではと思ったほどである。しかし、そこから程無くしてショットと撮影の役割分担が明確になるような弾幕がちゃんと用意されていて、なるほどこれなら2つの攻撃手段を持たせる意味合いがあると納得した次第。そして、自機の攻撃手段が増えたことで弾幕の攻略への幅が広がったことから、弾幕の方もそれに応じるように趣向が凝らされており、「文花帖」等のときに比べて弾幕を攻略することへの面白さが一段と高くなった感があった。なので、最終的には冒頭に書いたように、「文花帖」と「弾幕アマノジャク」システムの良いとこ取りをしたようなシステムという印象に落ち着いた。
 難易度は全体的に高め。攻撃手段が増えたことから選択肢も増えて攻略がより複雑になったというところもあるが、単純に敵の攻撃が激しいところも多々見受けられた。撮影で弾が消せることで実力避けの場面を減らすことはできるが皆無とはならないし、ゲージの充填速度を考慮して撮影を行わなければならないところはシステムに十分慣れないと中々発想が至らないかと。さらに、テレポーションの存在と操作が攻略の複雑さをさらに増している。救いとしては、写真は敵が映っていなくても1枚でも取ればクリア扱いになるというところだが、これも気休め程度にしかならない面もある。あとは、その曜日を1面でもクリアすれば次の曜日に移れるという措置もあるが、これも十分機能しているというと微妙なところ。個人的には難易度調整が「文花帖」システムの敷居を上げてしまった感があって、このシステムのファンとしては正直なところ複雑な心境ではある。

 とはいえ、過去「文花帖」「ダブルスポイラー」を全面ツーショット達成するまでやり込んできた私には十分楽しめる内容となっている。難易度は手応え十分だし、ショットと撮影、そしてテレポーテーションを使い分けての弾幕の解法を探すのも実に楽しい。特に熱中しているのが、ツーショットかつハッシュタグ5つ以上で止めを刺すというプレイ。今作ではショットが使えるので敵に接近することが難しい面が非常に多いものの、それでも接近できるような隙はちゃんと残されており、このようなプレイも可能になっている。最後の1枚になったらテレポーテーションで接近して撮影という運任せになってしまうことも多いが、そもそも繰り返しの攻略が前提の難易度調整であり繰り返すこと自体もさほど苦にはならないし、決まったときの高揚感が極めて高いのでそれまでの苦労など一気に吹き飛んでしまう。ただ、普通にツーショットで止めを刺しても楽なところがあったので、ハッシュタグ5つ以上という縛りも設けた。これにより、大体の場合敵弾と敵にかなり接近した状態で止めを刺さないとならなくなり、一層手応えが増えるようになっている。
 また、今回は写真の得点の累計ではなく、最も高得点だった写真の得点が採用されるようになっている。ここで、高得点を得るには単に弾を多く撮影するだけでなく、写真に付くハッシュタグの多さも関係してくる。なので、ツーショットで止めを刺すとその分ハッシュタグも付くので必然的に高得点になることが多く、スコアアタックもある程度兼ねている。
 敵が2体になる面では当然スリーショットでの止めを狙うが、これが非常に難しく、なので狙い甲斐も非常に大きい。スコアよりツーショット、スリーショットが優先である。
 あと、ドレミーさんが実にいいキャラをしている。どうもこの事態の真相を把握しているようだが、意味深なことばかり言って中々明らかにしてくれない。「深秘録」に続いてこの作品でドレミーさんの株が上昇中である。

 現在裏金曜の4面までクリア。あまりにも楽しいので一気に攻略するのが勿体なくて、1日1面の割合でしか進めていない。その分1面に集中できるので、かなり詰めたプレイを楽しめている。どうやら3周目は敵が2体になるようなので、スリーショットでの止めを最後まで維持できるよう頑張っていきたい。「百万鬼夜行」では1万枚撮影して全面ツーショットを撮ったのだから、やれるかどうかではなく、できるまでやる。


2018年11月09日(金) 「例えそれが人形でも」のこと

 今週はデジゲー博の疲れがずっと残って大変だったが、ようやく終わりを迎えた。

 「秘封ナイトメアダイアリー」裏金曜3面は、解法が分かれば楽勝だし高得点も取れる弾幕であった。前の面が難しかっただけに、こういう面が来ると安心する。

 合間合間にプレイしていた「例えそれが人形でも」(ヌゥ氏製作)をクリアしたので感想を。
 今作の主人公は敏腕の人形遣いアリス。彼女の評判を聞きつけて、古明地さとりからとある依頼が舞い込む。その依頼とは、写真の少女の精巧な人形を作成すること。依頼を受けたアリスだが、その依頼の裏にある狂気が徐々に明らかになる。
 ゲーム内容は東方二次創作ADV。舞台となる島には多数の敵が登場するので、アイテムを入手したり購入したりしてアリスを強化し、要所にいる強敵を倒すことで物語が進む。

 最初はADVで敵やお金が登場するのは何だか面倒な予感がしたのだが、実際にプレイするといい具合にパズルとして作用していて、その予感は杞憂に終わった。敵を倒す以外にも普通のパズルも多数登場して、パズル要素の強いADVであった。
 物語は、さとりさんの迫真の表情がとにかく印象的。普通の二次創作では物静かで落ち着いた感じに描かれることの多いさとりさんだが、今作では感情をむき出しにする姿が見られる。ヌゥさんの可愛い絵柄でも鬼気迫るものがあり、それが非常に新鮮であった。
 ただ、さとりさんの感情を描いた場面があまり多くなかったのが勿体ない限り。もっと感情に焦点を当てた展開にすればホラー要素が増したであろうけど、どちらかというとパズル要素の方が強く、ホラー要素が薄れてしまったのが惜しいというのが正直なところである。とはいえ、1か月という製作期間でそこまで掘り下げるのは難しいかもしれないが。
 結末については何だかすっきりしないところがあって、アリスのように割り切ることはできなかった。しかし、誰も不幸にはならなかったので、これはこれで良かったのであろう。


2018年11月08日(木) 「秘封ナイトメアダイアリー」のこと

 地道に集めていたけものフレンズマンチョコがようやく二組揃った。ここまでくるのに69枚食べたらしい。三組目もあと4枚で揃うのだが、未開封のチョコが残り25枚しか無いので難しいかもしれない。まあ、目標の二組が揃ったので良しとする。

 「秘封ナイトメアダイアリー」裏金曜2面。単純な全方位弾なのだが、そこはさすが純狐さんだけあって純粋に殺意が宿っている。最初は弾密度も低いのだが、体力を減ると弾密度が上がっていく。さらに、写真を撮った枚数に応じても密度が上昇する。というわけで、あまり暢気に写真ばかり撮っていると近づけなくなってしまうどころか、画面一番下でも避けるのが難しくなる。
 ツーショットを狙うと私の腕前では4枚が限界だった。6枚撮ろうとすると、テレポーテーションを2回連続で成功させなければならなさそうだが、それには相当の運が必要になるので、とりあえず4枚で切り上げることに。

 「Bot Vice」は21面をクリア。残り4面。


2018年11月07日(水) 「Bot Vice」のこと

 未だにデジゲー博の疲れが完全に抜けていない様子。まだSTGをプレイできるまでは回復していないようだ。

 というわけで、帰宅後は「秘封ナイトメアダイアリー」裏金曜1面をクリア。純狐先生だった。本編同様、簡素だけど容赦ない弾幕で攻めてきそう。
 その後、「Bot Vice」をプレイ。実績のために多少やり込む必要があるため、いつもは1〜2面しかプレイしないのだが、今日は一気に5面ほど進めて20面までクリア。残るは5面。
 あと、「例えそれが人形でも」もプレイ。物語は佳境に入ってきた。感情をむき出しにするさとりさんの二次創作は珍しい。


2018年11月06日(火) 続・「秘封ナイトメアダイアリー」のこと

 今日の「秘封ナイトメアダイアリー」裏木曜5面。最初は派手な攻撃に面食らったけど、攻略は簡単だった。ヘカーティアは全体的に楽な面が多かった気がする。

 あとは「Bot Vice」をちょっとだけ進めて今日のゲームは終了。


2018年11月05日(月) 「秘封ナイトメアダイアリー」のこと

 昨日のデジゲー博の疲れが仕事中に襲ってきて大変だった。まあ、家に帰ればすぐ治ってしまうのだが。

 「秘封ナイトメアダイアリー」を再開。今日は裏木曜4面。弾幕が目に痛いが、完全にパターンなのでさほど苦労せずツーショットでクリア。「紺珠伝」でのヘカーティアの強さは一体どこへやら。


2018年11月04日(日) 休日のこと

 7時半頃起床。昨日の頭痛はお酒のせいではなく、「Return of the Obra Dinn」を根を詰めてプレイしたことによる疲労のせいだと発覚。その証拠に、昨日はお酒の量を控えたのに、今日も頭痛が残っている。

 今日はデジゲー博に参加。11時前に会場に到着し、開場直後に入場。今回は2階と4階に会場が分かれていたので、先ずは4階から。
 4階は2階よりも面積的には狭いのだが、それでも十分な見ごたえがあり、うっかりすると4階だけでデジゲー博が終わってしまいそうだった。特に、Project ICKXの180度スクリーンによる「Concept Model 1」は圧巻の一言に尽きた。
 4階を何とか1時間ほどで切り上げて、2階へ移動。ここでも数多くの魅力的な作品に出合うことができたが、中でも今回初プレイの注目作は以下のとおり。
・「RuinsStory」(イリリ
 少女とロボットが赤と青の属性を切り替えて迷宮を攻略する探索アクション。ボス戦での属性切り替えが非常に面白かったので、今後の面構成に期待が持てた。
・「まつろぱれっと」(SleepingMuseum
 7日間以内に完成させないと殺される呪われた絵を題材としたホラーゲーム。プレイヤーは画家となって、絵に描かれた少女の機嫌を損ねないように様々なオブジェクトを描き込んでいく。
 発想の勝利ともいえる作品。恐らく何度も機嫌を損ねては死亡を繰り返して、少女の機嫌をいかにとるか、そして絵の完成形を探っていく内容になるかと。ホラーゲームは苦手だけど、少女の絵が可愛いのでこれなら頑張ってプレイできそう。
・「そこへ向かう」(いくちおすてご
 巨大な竜を使役して、同じく竜と対峙するアクションゲーム。
 前作「救う」で見せてくれた素晴らしい竜の数々を、今度は自分で使役できるのだから、期待するなというのが無理というもの。巨大な竜同士の戦いは画面の大部分を覆い、非常に迫力があった。

 全てのスペースを見終わった頃には、閉会30分前になってしまったので、あとは近場のスペースを見て回って終了。とても楽しいイベントだったが、じっくり見て回るにはとにかく時間が足りなかった。

 イベント後はようはくさんと淡路町のWIZ CRAFT BEER and FOODで打ち上げ。美味しいクラフトビールと食事と共に、今日のイベントの事とかプレイしているゲームのこととかいろいろと話していたら、あっという間に2時間以上過ぎてしまった。

 今日の戦利品。フライヤーは全て収まりきらないので代表的なもののみ。可愛いアクリルスタンドが頒布されていたので、つい買ってしまった。



2018年11月03日(土) 続々・「Return of the Obra Dinn」のこと

 8時半頃起床。昨日はサッポロフォーナインの500mLを1本と缶ビール350mLを1本呑んだのだが、しっかり頭痛が残った。フォーナインはあの軽い口当たりでしっかり翌日に残るのだから恐ろしいお酒である。

 昨日は「Return of the Obra Dinn」(Lucas Pope氏)を手記が完成するまでプレイして、今日は最後の実績を取れたので、感想を。
 1803年に洋上で疾走したオブラ・ディン号が、4年後にその姿を現した。プレイヤーは保険調査官となり、損害額の算定と共にとある人物から託されたオブラ・ディン号に起きた悲劇を記した手記を完成させるために、オブラ・ディン号の調査を行う。
 この作品は一人称視点の推理ADV。プレイヤーはオブラ・ディン号の内部を調査して、乗組員の消息を調べていく。とはいえ、オブラ・ディン号の中に生存者はおらず、直接的な証言は得られない。ここで、プレイヤーに手記と共に渡された不思議な懐中時計の能力を活用することになる。この懐中時計は乗組員の死体の側で使用することで、その乗組員が正に命を落としたときの光景や会話が残留思念として再現される。実際にその場面を歩き回ることもできるが、残留思念なので会話はできない。
 そして、残留思念で再現された状況や手記に記された船員名簿などの情報を元に、その死体となった乗組員の名前と死因を推理する。名前と死因を選択して手記に記録し、3人正解したところでそれらの情報が確定される。こうして乗組員60名全員の名前と安否確認を行い、手記を完成させるのがこの作品の目的となる。

 個々の残留思念から得られた情報を繋ぎ合わせて推理を進めていくのだが、この情報を得るためにはかなりの観察力が求められる。死因は残留思念により明示されるので、ほとんどの場合すぐに分かるのだが、問題は人名の特定。名前を呼ばれるなどの人名の特定に直接つながるような情報は滅多に得られることはなく、会話の内容や服装、職名、出身地などあらゆる観点から推理をする羽目になる。例えば、会話や服装にはその人物の立場が現れるので職名の特定に有効だし、使用言語からは出身地が特定できる。なので、残留思念の内容をくまなく観察しないとこれらの情報は得ることができないし、残留思念と同じ位オブラ・ディン号の情報が記された手記を見返すことになる。
 しかも、作中で堂々と推理だけでは解けず、推測や消去法に依る場合もあるだろうと明言している。これは、主に行方不明者の名前と安否確認を行う場合にそうせざるを得なくなる。死体が無いので残留思念による直接的な死因の情報が得られないので、他の残留思念に登場していたときの状況などから推測するしかない。また、航海士や各種職長、医者、料理人など特徴的な役職であれば会話の内容からその役職の推理は容易であるが、檣楼員や甲板員などいわゆるモブキャラは決定的な情報が無いと特定は困難である。このような場合には、消去法や総当たりも止む無しとなる。
 そして、この作品の難易度を上げているのが、3人正解しないと答え合わせが行われないというところ。乗組員は60人で安否内容(主に死因)は25通り。しかも、死因の中で他殺については誰にという情報も求められるので、場当たり的に答えを出すのはほぼ不可能。ちゃんとした推理に基づく解答が求められる。
 このように、謎解きの難易度は決して低くは無い。というか、高い部類に入るだろう。なので、いくつもの残留思念の情報を組み合わせて推理を行い、そこから確定的な結論が導き出されたときの解放感と快感は半端ではなく高い。3人正解したときの喜びといったらそれはもう天にも昇る気持ちであり、それを何度も味わううちにすっかり推理中毒に陥ってしまい、プレイ中は中々止め時が見つからなかった。そして、その喜びと同時にそれらの情報を散りばめた構成の妙に、毎度のごとく感心させられた。推測で求める解答も十分に納得できるし、消去法や総当たりもそれをちゃんと絞り込める情報がしっかり用意されていて、理不尽と思える解答は一切無かった。

 そして、推理に没頭するのに大きく影響したのが、緻密に描かれた船内のグラフィック。白黒の2色のみの色数とはっきりした輪郭、点描による陰影のつけ方が特徴的で、その描写はまるで中世の小説の挿絵のようでもある。それがこの作品の世界観にとても良く合致していて、写実的な描写とは一線を画す魅力があった。また、この2色の世界を動き回り、様々な角度から船内の様子を観察するにつれて、船内の描写がいかに丁寧に緻密に行われているかをつくづく思い知らされた。この丁寧で緻密な描写があってこそ、オブラ・ディン号を調査する臨場感が生まれたわけで、それが推理へ没頭する大きな原動力の1つになったといえる。
 また、色の設定にMacintoshやIBM、Commodoreなど往年の名機の名前が使用されているのも注目すべきところかと。この作品のグラフィックは正にこれらの機種が活躍していたころの描写手法に近いものがあり、当時を知る人には懐かしさを覚えるかもしれない。もちろん、当時は処理能力が低くて静止画であったが、この作品ではその静止画の世界を自由に動き回れたらという当時多くの人が抱いていたであろう想いをかなえたという側面もあるように思えた。
 あと、演出面では最初から全ての死体があるわけではなく、進行に応じて徐々に表れてくるというところが面白い。死体の残留思念を見終わると、時系列的に次に死体が現れる場所が示され、そこに行くと死体が実体化するという何とも超常的な展開が続くが、これがオブラ・ディン号に起きた出来事を一層謎めいたものにしている。あと、死体から死体へは煙のようなもので誘導してくれるのだが、視界から外れると止まってくれて、ちゃんと迷わないようにしてくれるのには感心した。

 推理が本格的なので物語も本格的ミステリであるかというと実はそうでもなく、それを期待してプレイすると肩透かしを喰らうかもしれない。とはいえ、懐中時計の能力も超常的であるし、それならばこういう設定もありかなとは思えた。また、その設定をちゃんと推理に活かしている構成にはなっているので、違和感は抱かなかった。

 手記の完成までに費やした時間は12時間ほど。Steamのレビューを見ると大体10〜15時間くらいでクリアしている様子。手記が半分くらい埋まるまでに7時間ほど使っていたので、これは20時間以上かかるしなんでみんなそんなに早くクリアできたのと疑問に思ったが、やはり最後の方になると人物も限られてくるので手記が埋まる速度も加速していった。
 そして、この12時間のうち半分以上は考えていた時間であり、体感時間はこの倍は優に超えていた。これほど濃密な推理の時間を提供してくれたこの作品には感謝しかない。


2018年11月01日(木) 続・「Return of the Obra Dinn」のこと

 今日明日と東京で不確かさの講習。場所は田町駅の東側であり、私が通っていた芝浦工業大学と同じ側。講習前に前を通りかかってみたところ、私が通っていた頃の雑居ビルの面影はまるでなく、随分とこじゃれた建物になっていた。あと、建物が半分になっていた。どうやら、ここは私の卒業後に新設されたデザイン工学部のみが使用しているようで、私が在籍していた工学部は豊洲に移転した様子。ともあれ、四半世紀ぶりくらいに母校の姿を見てきた。
 講習は、不確かさという分かりにくい概念を丁寧に、かつ実務的に教えてくれてかなり良い感じ。これなら職場に戻って活用できそう。

 講習後は都内で遊ぶことなく真っすぐ帰宅。というのも、「Return of the Obra Dinn」がプレイしたくて仕方なかったのである。
 今日は27人まで名前と死因が判明。とはいえ、今まで明らかにしてきた人は、何かしらの職務に就いていたり、あからさまに名前が出てきたりと、比較的ヒントが与えられていた。今後は一甲板員など特徴の薄いキャラの割合が増えていくので、さらに大変になりそう。
 オブラ・ディン号に起きた悲劇も徐々に明らかになってきた。ゲーム内容は純粋な推理物だが、物語は割と荒唐無稽なパニックサスペンスかもしれない。


氷室 万寿 |MAIL
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