僕らの日常
 mirin



  星視月夜 =設定=

= 星 視 月 夜 =
  ホシ ミ ヅキ ヨ

ID:A-00223 暁生 【aki-o】 <<通常組>>

ID:T-00099 鳥羽 【to-ba】 <<通常組>>

ID:S-00111 宇宙 【so-la】 <<夜学組>>

ID:S-00232 終司 【syu-ji】 <<朝学組>>

ID:H-00231 晴臣 【ha-ruomi】 <<通常組>>


【ID】この都市で生存するためになくてはならないもの。

【学校】朝学組(1:00〜6:00) 通常組(8:00〜15:00)
夜学組(18:00〜0:00)で構成されたクラス割。
すべては生徒の自由意思に委ねられた放任主義システム

【猫】学校に住みついているのか、どこからか集まるのか
1日に何度もお目見えする生物。時々、庭園内で猫嫌いの
新入生の悲鳴が聞えるとか聞えないとか...

*作成当初の設定のため本編と一部異なる部分があります。

2002年06月27日(木)



  雨@鳥羽

梅雨は嫌いだ。
空気がじめじめするから
雨はスキだ。
何もかも洗い流してくれそうだから

嫌な出来事、忘れたい事。そういうことを一瞬でも全て
無かったことに出来る、そんな気がするんだ。

『風邪引くよー』

校庭で、サッカーの試合中の生徒達を保健の先生が
呼んでいる。最初は聞く耳も持たない皆だったけど、
声を大きく張り上げ、怒鳴り始めた校医を目の当たりに
して、渋々と小走りで校内に入っていく姿が見えた。

小降りの雨が本格的に降り始めて
いつのまにか、雨は大降りに変わった。

こんなぼくを見たら、誰か怒ってくれるかな…
それとも、気がおかしいんじゃないか?と
見なかったことにするだけなのかもしれない。

ぼくは、降りしきる雨の中で
ただ呆然と屋上で立ち尽くしていた――。

蒸した空気の中、冷たい雨は嫌な記憶を洗い流すどころか
ぼく自身を突き刺すかのように降り続いた。

2002年07月22日(月)



  月光@???

会えて良かったと思う人がいる?

"繋いだ手を離したくない"
そう思うくらい誰かを想ったことがありますか?

自分のすぐ隣に立っている筈なのに
時々すごく遠くに感じたことはある?

寂しさを紛らわすように
2人して、喧嘩をして、笑いあったり

"どこまでも一緒に居たいね…"
そんなことを願ったりしたことってありますか?

 ・・・

人の心の奥底まで見透かしてしまいそうな、丸い月が
今日もただ金色に輝いて、空から人を見下ろしている。
ずっと見つめてると、鏡月になって、自分の心の中を
暴かれてしまうよ・・・。と、曽祖母が言っていた。

ただ1度だけ会って、交した言葉がソレだった。
そして、彼女はどこにもいない・・・。

自分と会った日が最初で最後。彼女は不思議な人だった。

何もしてくれないけど
何もかも許してくれたから

もう一度ここに立つことが出来て、今の自分が
ここにいることは、きっと彼女ナシでは不可能だから…

誰に会うのも不可能だから

ただ ただ 今日も彼女の声を思い出して感謝してみる。

 ・・・

遠くでは、あの人の笑い声が聞こえていた。

2002年09月06日(金)



  前夜祭@晴臣

--- 文化祭の前夜祭 --- 朝から学園内は騒がしい。

今日は朝から宇宙も登校していて、ボクと宇宙は一緒に
天文部の出し物の準備をしている最中。今は地下の古い
倉庫に押し込められた機材や何かを取りに来ていた。

「電球6コ。豆電球3コ、蛍光灯2つっと...
晴臣。あと、何を持ってけばいいんだっけ?」

棚の上の箱から、手探りで電球類を掴み取りながら
宇宙はふと首を傾げて、ボクに聞いてくる。

「プラントンに繋ぐ機材が2つ」
「あぁ...これ?」

棚2段目にある四角く黒いアンプの様な機械を片手で持ち
上げてみせる。プラントンってゆうのは科学部が開発して
天文部に寄贈した機械で、星や月の見える位置・方角の
計算を正確に割り出すことの出来るものだった。

「そう。あ、いいよ。ボクが持つから」
「重いよ?」

だいじょうぶだよ、宇宙に持てるんだから。ボクだって・・・
そう思って、片手で持ち上げた瞬間 ---ズンッッッ ---

「・・・晴臣・・・ホントに・・平気?」
「う、うん。軽い・・よ」

引きつりそうな顔を内心必死になって笑顔に変えてみせる。
まさか、こんなに重いとは思わない。だって、彼はあんなに
軽々と・・・

「半分、持とっか?」
「平気だって!」

心配気な声をよそに、半身よろめくままボクは同型の機材
1つと蛍光灯2本を小脇に抱えた宇宙の後に続いた。

2002年10月12日(土)



  前夜祭 2@宇宙

眩し・・・

カーテン端から、溢れている一寸の陽差しに軽い目眩を
覚えた。・・・そんな廊下、目を細めながら暗幕に手を
伸ばす、自分が隠した光の筋を勿体ないと思いながら

ぼくは、廊下に入り込むすべての光を失わせ息を吐く

久々に見た白く綺麗な光の筋は
恐ろしくも 眩しくも 感じられて

温もりに触れたくて仕方ない、そんな誘惑にかられた。

階段横の渡り廊下。
まだ彼は登りきっていないらしく

『・・・っ・・』

階下から、何かの重圧に耐える様な声が聞こえてくる。
本当に、大丈夫なんだろうか…半分持ってあげるって
言ったのに、変な意地を張った彼に対し苦笑を漏らす。

「宇宙、何してる」

壁に背を預けたまま、誰も通らなかった廊下の方に
目をやると、朝学組の柊が来ていた。

「おはよ、柊。人待ちだよ…」

右手を軽く上げて、階段の方を指差して見せる。
ちょうど晴臣の頭が遠めにわかるくらいに見えていて
柊は怪訝そうに少し目を細めて見てる。

「これ、運んでるんだけどさ」

ぼくが肩にかけていた機材を指差して言うと、柊は
さっきよりも、ずっと強い疑問に当ったような顔をした。

「重いのか、それ」
「・・・たぶん。」
「たぶん?」
「ぼくは、あんまり、かも」

一瞬だけ目を見開いたと思ったら、柊は少し声を出して
ハハッと、笑った。彼がこんな風に笑うのは珍しい・・・

「待ってろ」

一言だけ、告げると柊は晴臣の元へと降りていった。
階段途中から、響く声が騒がしく聞えて

晴臣の持っていた機材片手に階段を2人が競う様に駆け
あがるってくる様が見えて、ぼくは思わず吹き出した。

2002年10月27日(日)



  ぼくを呼ぶ@鳥羽

ぼ く を 呼 ぶ

あ な た の 声 が 聞 え て い ま す



だけど、あなたにはぼくの姿は何処にも見えなくて
あの頃のぼくは、いつも不安でいっぱいでした。



「姉さん」

ひとたび声をかけると彼女の足は即座に止まり
ぼくの方を振りかえった。

『大丈夫?』

あの頃は、ぼくがあなたにかけていた台詞だったのに
今は全く立場逆転。彼女から遙後方で揺らぐ足を
押さえながら戻ってきた、彼女の肩を借りて歩いてく



正直、悪いな

そんな気持ちが芽生えてた。
あなたも、あの頃はこうだったんですか?



少しずつ欠けていく、ぼくらの身体
壊れてくのは、ただの遺伝で

ぼくらの身体は、ぼくらだけが慈しむものだと感じた

そんな、あの頃から



あ な た の 声 が 聞 こ え て い ま す

だ け ど 夜 は

誰 か の 声 も 聞 こ え て き ま す

あ な た 以 外 の 寄 り 所 を 見 つ け た 時 か ら

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Another _ toba→kudukki

2003年02月07日(金)



  World@?

もう誰も居なくなってしまった
白い霧だけがここには残り
白く澄んだ様な静寂が包み込む様に街は音を奪われた。

そこに残っていたのは、たった一つの


  " d o l l "

白い手足には、くっきりとした管節部分が残っていた。
繋げて、ただ貼りつけた後といった感じの身体だった。
その固体の名前は、dollという

数年前、朽ち果てた街に捨てられていった
心を引きぬかれていった"doll"

その頃、"doll"の心は人間という生物にとっては
大変に高価な代物だった。

「狩」そんな言葉に近い

身体の胸を開き、その固体にとっての心の臓を取り出す
取りだし、用のなくなった身体は、感情を忘れ廃棄物と化す

廃棄された"doll"は、心臓を失うことにより
それが当然の行為だと思い何も気づかない。

dollの心の臓は、本当はただの鉄クズだ。
木材から生まれる doll 機材から生まれる doll
偶然の産物か人の手の温もりか、生まれ方は様々で・・・

けれど、その内部の鉄クズの変化によっては
秘宝になり、人の懐を温かくしていた。

 人の心も温もりに満ちていく
   それを願って作られた筈の "doll"なのに

一体、いつの間にこんなことになってしまったのだろうか

人が亡者となる程に荒んだ世界に誰が彼らを生み出した。


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2003年03月01日(土)
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