(SleepWalking)



棄てて下さい。
 

あたしになんか


もう用は無いといって


棄てて下さい


あたしは貴方を捨てられないから


あたしを


棄てて


……


なんて


残酷なお願いでしょう


出来ないって知ってる


(だから言ってるのかもしれない)


誘導問題だと気付けば


簡単に解けることなのにね


あたしにはそれが出来ないから


あたしに言わせないでと


言ってるのに。

2003年10月19日(日)


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すみっこから
 

席替えをした


今まで前三列にしか居なかったけど


今回はなぜか一番後ろの席で


おべんと友達は2人とも私の前に居て


日当たりも良くて


ただそれだけだけどとても幸せで


すみっこから広い世界を見ている


こんなに教室って


開放的だったかしら、と思って


成る程背後からのプレッシャーって大きいのだと


気付く


何よりあのひとたちは此処の席から容易に見えるから


これからは少しずつ人間観察をしよう


少しずつ少しずつひとをすきになりたい


日向ぼっこするみたいに


気持ち良い生活が出来ますように。

2003年10月29日(水)


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明日の陽の光を。
 


もう二度と一緒に見ることは無いのでしょう


朝焼けの空の帯を


けれど私は後悔などしない


だってこれは運命なのです


そんな気がするのです



2003年10月31日(金)


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浮気性。
 

不謹慎だなぁと思いながらも


やっぱり人間観察が趣味の私は


太陽の光にハイソックスを纏わせた脚をさらしながら


たくさんの後ろ頭を観察しているわけで


近くがはっきり見えないこの目で


あのこの睫毛は長いなぁとか


先生どうして半袖なんだろうとか


彼はよく寝てるなぁとか


あのひとの手首が色っぽいとか


色々と考えてるわけで


授業に集中できない気の浮ついた私は


なるほど浮気性なのだと気付かされて


がっかりしながらもやはり


発見する事を止められないのです。

2003年11月09日(日)


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邪悪
 

はじめてのキスは確か


口止めの手段だった


了解も抵抗もかなぐり棄てた


ただ貴方を殺していた


全身から舞う毒で


だから貴方はあたしを


蛾でなくむしろ蝶であると言って


泣きもせずに切り刻んだのを


うっすらと思い出し始めている


あたしの身体はいつも貴方を殺す


あたしの心はいつもあたしを殺す


死んでしまえば良い


要らないものは皆死んでしまえば良い


貴方は世界に必要のない私とともに


ただの犠牲者として連れ去られるのだ


あたしの最後のかなしみのために。

2003年11月26日(水)


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なみだ
 
哀しみで泣けるほど


あたしは愚かじゃないって


信じてたのに


あたしはあたしに従えないくらいの


愚者だったらしい。

2003年12月14日(日)


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青い星
 

星を見に行ったのだ


樹にたくさん実っている


あの星を


これはこれで悪くないのだけど


チルチルミチルになるよりは


ヘンゼルとグレーテルになりたい


なんて


思うあたしは欲張りだ


そもそも童話に近親相姦なんて


ありえないのだし。

2003年12月18日(木)


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