日々のあわ
あかり 



 あの頃の闇

友達と会社帰りに待ち合わせ。
昨年、急激に仲良くなった彼女とは、なんだか高校生同士のような
女の子同士のような、そんな感覚でいつも面白いことを見つけてきては
それについてあーだこーだ言い合う。新鮮。
タイプはまったく違う。それも新鮮。

で、お互いの共通の趣味っていうことで、映画を観た。
田口ランディ原作の「コンセント」

律子とユキのシーンは涙が出た。
私、18才の時に友達に
「椿ちゃんが死んだら私も死ぬ」
って言われたことがあった。
その後もすごい仲のいい子に
「もう近くに来ないで。一緒に居たいけど苦しいからやだ」
って言われたことがあって、それは21才くらいの時だったと思うんだけど。
そしてしばらく後にも、いっつもつるんで遊んでいた親友に突然、
「今の距離をちょっと変えたい。気持ちはなにも変わらないけどいままでみたいに同じラインにはいられない」
と言われ、非常に悲しんだことがあった。そんなことを思い出した。

なぜかそんな感じで10代後半から20代前半を過ごしてきた。
近かったんだよね。お互いの距離が。
今思うとそれは途方もなくかけがえのない間柄なわけですが、
当時は何で自分は周りの人たちみたく、
楽しそうに友達とコロコロわらいあっていられないんだろう。
普通でいいのに。
自分の何がいけないんだろう。と、かなり身体の芯が痛いほど悩んだ。

律子の「あなたには癒されたくないっ」って言葉にたまらなく反応して
その思いがよみがえって涙がでた。

今現在はどうかっていうと、その3人の友人みんなコロコロ笑いあえる仲になったんだけど。
自然に。
こうなったら百人力です。だてに濃い時代をすごしたわけでは
ありません。年とって消化して構築した、これはかなりの宝物になっているわけです。

時間が流れるって、年を重ねるって、なんて素敵なことでしょうか。




2002年02月26日(火)



 浄化の仕方。

昨日、一緒に映画をみた後は、とくに話さなかったのに、
今日になって彼女から、

「椿ちゃん(仮名)が癒されたいって思うことって、なんなのかしらね?
そもそも、人にそういうことを求めてるのかどうか。委ねていない感じです。」
ってメールが来ました。

あ、そっか。私。人に求めていない。心地いい人は必要だし大事だけど、
でもその人にどうして欲しいとか、そういうのは求めないなぁ。
例えば、もし結婚するときに彼に、「幸せにするから。」って言われたら
それだけでちょっとやだなー(笑)。
え?そんなの私は勝手に幸せになるから一緒に幸せになりましょう。
って思うもん。(かわいくない・・・)

すんごい苦しいときでも、たとえそれがカウンセラーとかのプロだとしても、救ってくださいっ!って思ったことはないな。
かえって、身近な友人の方が、聞いて流してくれるから楽な感じ。

自分で納得して解決しないと本当に安心できないってことでしょう。

他人の言葉に救われたり、気づかされるっていうのはあるけどね。いっぱい。
だから人の言葉を貪欲にあさってたことはある。本を読むのもそういう視点だったりして。
納得して解決する鍵を求めていたのかな。

メールでそんなやりとりをしていて、ふと気づく。

私は、こうやって、わかってくれる人と話をしながら
自分のことを確かめてゆくことが浄化なんでしょう。
とっても大切なことです。

勝手かな?「結局自分でしょ。」みたいなところがやっぱりあります。



2002年02月27日(水)



 

人1人が円だとして、
2人の円が全くぴったり重なり合うことは無いでしょ。
でも円が交わることはある。
その交わりの部分が大きいほど嬉しいじゃない?
でも反面交わらない部分が魅力になったり、
気になったりして惹かれたりする。
そんなことを発見しました。

2002年04月03日(水)



 特別な存在

「人間は実はとても弱いものだ」

ということを本当に受け入れること。
そして、

「自分が自分としてこの世に存在するだけで特別な存在。」

だと知ること。

以前一緒にフラメンコを踊っていた友達が私に言った。
今は自分が特別な存在になりたいだけで、自己顕示欲だけで、
踊っている人が多いと嘆いていた。
そうかもしれない。私だって無我夢中で踊っていた頃はそうだった。
とても、「存在するだけで特別」とは思わなかった。
もっと。もっと。と求めていた。
自己顕示欲の塊みたいな踊りでは、
音楽に耳がいかないんじゃないかと思うよね。今では。

なんでだろ。フラメンコ以外では実に自然に、
「誰か私をとめてくれ」ってなくらい純粋に好きになって求めるのに。
自分を通して表現するってことになると無駄な力が入ってしまう。
再び踊り生活再出発する暁には今までの私とは違うスタンスで踊りたいと
つくづく思った。
ま、5年も靴はいてないんだから、すべて一からスタートですね。

そうそう。
先日、長男Rは、豪雨が地面にたたきつけられているのを見て、

「ママ、雨がお星様みたいにキラキラ跳ねてるよ!」

って大興奮していっていた。
子供は感性豊か。すてき。すてき。
子供に対しては「存在するだけで特別なんだよー」っていえるのにな。




2002年08月21日(水)



 蝉の抜け殻

保育園の帰りにいつもの道を通ろうとしたら、
長男Rが急に、「今日はこっちの道からかえろうよ」と後ろから急に言った。
「なんで?いいけどさー」と言いながら曲がりかけた道を戻って、遠回りして帰った。
そうして、初めて通る線路脇の砂利道を自転車3人乗り(笑)で、
よたよた走っていたら、
すんごい高齢のおじいさんがぼやーーーんと立っていて、
通りすがりに、「お母さん。ご苦労様。大変だねぇ」って声をかけてくれた。
日々忙殺されている私には、こういったお言葉が胸にしみるのだ。

結構、高齢の方って「昔はもっと大変だった。」とか、云々といわれる方が
多いのだけれど、たまにいるのよ。こういう、戦争を知っている世代の人で、明らかにそれだけで今より大変だっただろうに、
ちゃんと私ごときに労いの言葉をかけてくれる方が。

うれしくて、テレながら「いえいえ。」なんて言って走り出したら、
後ろから「おーい。」ってまた、そのおじいさんが呼ぶの。
長男Rが「おじいちゃんが何か言ってるよ!!!」と教えてくれて、
再び止まったら、そのおじいちゃんが、長男Rの手にそっと蝉の抜け殻をのせてくれた。

なんだろう。もうすぐ夜の暗闇になる手前の時間で、その光景がとても幻想的で、不思議な出来事だった。
長男Rが急に遠回りして別の道を通りたかった理由はこれなの?
って思ってしまうほど。

世の中には小さいながらも美しい光景はたくさんありますね。


2002年08月27日(火)



 懺悔

私は小学生の時の自分が大嫌いだ。

かなり嫌な子供だった。
転校を2回したので3つの小学校にいったけど、どこでも
嘘ばかりついていた。
都合が悪くなると人のせいにしてばかりいた。
友達の持ち物をこっそり家に持って帰ってきたこともあった。
友達の家の猫がきらいで見ていないところでいじめた。
仲の良かった子がいじめられていた時、
自分もされるのが怖くて一緒になって悪口を言った。
人一倍自意識が過剰だったと思う。

ほんとに嫌な子供だ。

こんな子供だった私が、お母さんになって子育てをしているなんて
考えるとぞっとする。
ぞっとするけど、「今は違うんだ」っていう都合のいい思い込みで
子供を育てる。「嘘はついちゃいけないんだよ」とか言いながら。

結局、仲が良かったのにクラスの皆でいじめたために、
それ以来遊ばなくなってしまった友達のYちゃん。今どうしているんだろう。
引っ越してしまったし、今ではまったく消息がつかめない。
5年前に無性に気になって、彼女のお父さんが勤めていた工場に電話して聞いてみた。
電話口で女の人が、「その方(彼女のお父さん)はもう亡くなられましたよ。」と告げた。
彼女はいったい今どこにいるんだろう。
会いたい。会って謝りたい。
そんなことして、自分が楽になりたいだけなんだろう。と、
わかっているけど、それでもちゃんと謝りたい。

担任の先生が私の母親に
「この子は、大物になるかものすごくグレるかどちらかでしょうね。」
とはっきり言ったらしい、小学生の私。
結局大物にもならず、グレもせず来たけれど(苦笑)

だいっきらいだけど、人はそんなに変わらないんじゃないの?
そんな要素、今もあるんじゃないの?って自問自答すると、
怖くて眠れない。
横で寝息をたてる息子達の顔を見ながら途方にくれてしまう。
長男Rはさ来年には小学生になる。
「お母さんのような小学生にはなるんじゃないよ」と、つい言ってしまいそうだ。
勝手だな。


2002年09月20日(金)



 探し本。

昨日の続き。

その友人だったYちゃんに借りて読んだ本が今でも忘れられない。
大好きだった。
ずーーーーっと、20歳になるくらいまでその本の題名は
『長くつしたのピッピ』だと思っていた。
だから、読みたくなって迷いもせずこの本を買ったんだけど、ち・が・う!

内容を友達に話してみたら、『ナルニア国物語』じゃない?って言ったので、みてみたら、これも、ち・が・う!
うわぁん。あの本はなんだったの???

覚えていることは、押入れのなかから違う世界にいくの。
なんか、細い通路をくぐっていくの。
その途中にはきのこの形をしたランプがあって、
ほんの表紙にはその絵も描いてあるの。
その違う世界に行って何をするかってのはちっとも覚えていなくて(苦笑)
とにかく、その、きのこランプの通路を這っていくところが妙にはっきりと覚えていて。

すっごーく読みたい。あの本は何の本だったんですかっ????

ダレカゴゾンジアリマセンカ?


2002年09月21日(土)
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