ミドルエイジのビジネスマン
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2006年10月29日(日) ウォークマン購入

そこは秋葉原のはずれにある地下に潜った小さな店。最安値でウォークマンを買ってきた。25,980円、一週間に千円ずつ安くなっているのかな。型番はNW-S706FVという。最後の「V」はVioletで濃い青色のことだ。この型番を告げると、店員がカウンターの下からモソモソと取り出してくれる。

ノイズキャンセリング機能は抜群だ。全くの静寂になるわけではないが、電車が地下に入っても、車両がすれ違う時のものすごい騒音の中でもボリウムを上げなくてはという気にならない。街中でこの機能を働かせれば、カセットテープ式の赤いウォークマンを初めて聞いたときの感動を思い出す。まさに、「あなたがこの世界の主人公」だ。

ただ、容量が大きすぎて、なかなか聴きたい曲が出てこない。携帯電話付属で128メガバイト、20曲くらいしか入らず、これを聴くにはあれを削除するしかないという程度の方が、曲に対する思い入れが試されることになり、幸福度は高いかもしれない。

週末は、自分で栽培した落花生を炒って食べてみた。乾燥が足りないらしく、殻が焦げるくらいに炒ったにもかかわらず、実はしけっている。冷えてからの方が美味しいくらいだった。今年の収穫はこれでおしまい。

それから、ランの植え替え。既に二度目の花を咲かせて、十分堪能させてくれた胡蝶蘭を一株ずつに分けて越冬させる試みだが、うまくいくかどうかは分らない。


2006年10月22日(日) ノイズキャンセリング機能付きウォークマン

9月3日の日記で「万歩計付きウォークマン」のことを書いて、実際ソニースタイルという通信販売で登録し、予約手続きまでしたのだが、待っている間に新しいウォークマンが出ることになったので、方針を変更する。

わざわざ新規に登録してまで通販にしようとしたのは、アメリカで(海外で?)しか売っていない容量2倍の2ギガタイプにしようと思ったからなのだが、新発売されるのは4ギガ。しかも外部の音を4分の1に減衰してしまうノイズキャンセリング機能が付いて3万円(ネット販売では2万7千円位らしい)。

先週、早めに会社を抜け出して銀座のソニービルで視聴してきた。音質は良く、ノイズキャンセリングもなかなかと思える。もっとも、店の中は最初からそんなにうるさくないのだが。

普通のイヤフォンの外側に針の先ほどの小さな穴が10個くらい開いていて、それがマイク。外の音を拾い、瞬時に対照的な波形を作り出して打ち消してしまうという。そんな高度なことが、この小さな機械でできるのだろうか、素晴らしい。

実は、一番の特徴は電源。通常、ノイズキャンセリングを働かせるには別の電源が必要なのだが、ウォークマン本体に回路をつけたので、途中に二つ目の電池を加えたりしないで本体と共通にすることができたのだそうだ。

ノイズキャンセリングと言えばBOSE社。地下鉄通勤の身としては「万歩計つき」やら「大容量」とは別の課題として元々関心があり、ヘッドフォンタイプでやや小ぶりの新製品を出したというのを聞いていた。高くて買えるかどうか分らないけれどもそちらに興味を持っていたのだが、これで決まりかな。

特に他意はないのだが、最近ミソばかりつけているソニーの宣伝のようになってしまった。


2006年10月15日(日) 先輩の俳句

花の金曜日、秋葉原に行って新型ウォークマンやノイズ・キャンセリング機能付きヘッドフォンの情報でも仕入れに行こうと思っていたら、何歳か年上の先輩からちょっとした問い合わせの電話があり、話の延長で今夜一杯やろうかということになった。

東京は不思議なところだ。街並みは延々と続き、大きな駅も小さな駅も身の丈に合わせた繁華街を持ち、そのどこにでも異邦人として訪ねることができる。二人で飲んだのは、都心から遠く離れた小さな駅の商店街の、そのまたはずれの、金曜日でもあまり込んでいない焼き鳥屋さんだった。

いつも物静かな先輩は、著名な会社から小さな子会社の上場担当として移り、そのプロジェクトを成し遂げた後も引き続き在籍している。おそらく、定年までそこで働くことになるだろう。お子さんは成人し、家も建て替え、仕事も順調で羨ましいことだというような話が続いた。ゴルフやマージャンも本人から誘う訳ではないのに話がまとまっていくのだという。

こちらも身辺報告などして、もう話題も尽きかけた頃、ふと、最近俳句をやっているという話が出た。別に、どこかに習いに行ってもいないし、団体に所属してもいない。それどころか、新聞の短歌俳句欄にも目を通しておらず、ただ、自分の心の有り様を季節の情景に託しているのだそうだ。だから、別に季語が入っていなくてもいいのだそうだ。最近のベストスリーというのも教えてもらったのだが、了解も得ていないので、代わりに帰る途中に自分で作った句を掲げる。

旅客機の 雲をかすめて 街路灯

飲んだ帰りに住宅地を歩いていると、ゴーッという飛行機のかすかなエンジン音がする。見上げると街路灯の遥か上空を点滅する灯りをつけた旅客機が飛んでいて、清澄な秋の夜空にかかる薄い雲をかすめて遠ざかっていくところだった。飛行機の中には出張に向かうビジネスマンや、海外旅行に胸を躍らせる家族など様々な人たちがいて、ちょうど機内食を食べている頃だろう。それら想像した乗客たちの姿は実は過去や未来の自分の姿でもあるのだ。


2006年10月09日(月) のんびり三連休

週末に大雨を降らせた低気圧が去った後の三連休は風こそ強いが、秋晴れの日々となった。スポーツクラブで気休めの水泳をした後、昼過ぎからビールを飲み、小さな庭に咲く花々がお陽様に光り輝く姿ををボンヤリと眺めたり、借りてきたDVDを観ているうちにソファの上で眠りこけるという平和な暮らしを楽しんだ。

途中で目が覚めて、朦朧としたままベッドに倒れこむと開け放した窓の向こうには青空に浮かぶ雲が見え、秋の風が部屋の中に流れ込んでくる。空を見上げながら夕方まで本格的にお昼寝だ。

レンタルビデオ屋さんの棚からは古いVHSビデオが次々と撤去され、100円で叩き売られている。そして、通路にはDVDの再生専用機が積み上げられて5千円で売られている。2006年はビデオがその生命を終えた年として記憶されることになるだろう。

先日、トイレのスイッチを換えて気を良くしたので、リビングも2ヶ所交換した。スイッチ自体のダイオードのランプが時には弱々しく点滅し、時には全く点かない状態になっていたのが解消され、気分がすっきりした。

ところが家族に感想を聞いても、最愛の妻はこれまで、さほど気にも留めていないようだったし、兄弟のうち、弟にいたっては前の状態を説明しても「そうだったっけ?」という有様だ。お父さんだけが一年以上も気に病んでいたのだろうか。リビングのスイッチを見る度に来週やろうか、再来週でいいか、と先送りにする自分を責めていたのに。

実際には、前回の経験が生きていたので、2ヶ所換えるのに要した時間はほんの15分くらいのものだった。


ところで、10月9日のお昼のニュースで北朝鮮が原爆の地下実験を強行したと報道していたらしい。コーヒーを飲みに出掛けていたので夕方まで知らなかった。大方の予想は、年末までに実行するというものだったと思うが、実験をするぞ、するぞという振りをしながら、おねだり交渉を続けるのではないかという見方を覆して、一刻も早く核クラブの仲間入りをするという選択をした。今の時代、核兵器を持っていても、それだけで世界の尊敬を得ることはできないということも解らないのだろうか。

よりによって、安倍総理大臣が韓国を訪問している日に核実験をするのだから、これはもう、「こっちを見て、こっちを見て」とせがむ子供と同じ、あてつけだ。

北朝鮮は手持ちのカードを全て切ってしまった。残された脅しは「戦争するぞ」くらいしかない。国家が暴走するのか、諸外国の圧力を受けて内部から崩壊するのか、いずれにしても加速度がついてしまう一線を越えてしまったのだと思う。


2006年10月01日(日) 富の未来(アルビン・トフラー)

夏休みの読書用に買ったアルビン・トフラー、ハイジ・トフラー共著「富の未来」をもう一度読み返している。と言うのは、同じ著者の「第三の波」も「パワーシフト」も読んでいるはずなのに、何の御利益もなかったからだ。当時ちゃんと真面目に読んでいれば、この日記もハワイの別荘で波の音を聞きながら書いていたかもしれない。

読んでいる途中で「いい事言うねえ」などと思っても、本を置いた途端、何かに感心したような気がするけれども、うまく自分の口では説明できない、というのがいつものパターンだ。欲張らず、気の利いた言葉の一つでも覚えておくと、ビジネスマンの日常会話の中で賢そうにできる。

それがこの一文。
「科学技術の発達をそれぞれ独立した動きとしてとらえるのは間違っている。知識の面でも、経済的利益の面でも、本当に大きな成果が得られるのは、二つ以上の飛躍的な前進が収斂するか、組み合わされたときだ。」

初めて聞いた台詞ではない。ちょっと目端の利いた経営者や研究者なら身をもって実践しているはずだ。多分、「おや、アレとコレを結びつけたら新しい商売になるじゃん」とか「あの分野の研究の方法と成果を自分の研究テーマに当てはめて実験してみると、こういう結果になるんじゃないか」などと日々考えているはずだ。

トフラーが言うのは、もっと発現の規模や飛躍の幅が大きいものだろう。現代は科学技術の進歩が著しいので、色々な成果が様々なものとぶつかり合い、スパークする。思わぬところで、思いがけなく大きな果実を手にすることになるケースが多発するはずだ。

つい先日も仕事で、「半導体の技術と機械的な微細加工技術が細胞の研究と結びつくと、こんな事象を見ることができます。」という映像を見せてもらった。しかも、「この映像を見た人は、まだ日本で百人もいないんじゃないでしょうか。これは研究の道具に過ぎないので、皆さんに使ってもらえば、色々な成果が期待できます」という話だ。

もう一つ気がついたことがある。最近雑誌の記事や評論家のコメントで、コンバージェンスという言葉がやたら出ているような気がしていたのだが、多分その出典がここでいう「収斂(しゅうれん)」だ。確かに、投資分析用の数学用語では使うかもしれないが、そんなに一般的な言葉ではないはずだと思っていたのだ。いち早く英語版で読んでいた人達が使い始めたのだろうか。日本語で言ってよ。収斂でも古臭くて分りにくいな、収束、集中でも分かると思う。

アルビン・トフラー「富の未来」、読みはじめから45ページ目にしてこんなに(偉そうに)語ることのできる安い本だ。実際は上下巻それぞれ1,900円。


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