ジョージ・エルスの日記...ジョージ・エルス

 

 

タイ レストラン - 2003年01月15日(水)

僕の勤める工場はこの国マレーシアにどこにでも
あるような普通の工業団地の中にある。

しかしカスタム(税関)の視点からみるとこの工場
は保税工場となる。すなわち”国外工場”なのだ。

ローカル企業と違って、あいまいさの無い正確な
手続きと書類の整備が求められている。

そのカスタムの職員が監査のため、抜き打ちでこ
の工場に訪れる。



午前11時ちょうど。

百戦錬磨の担当官と思いきや、年齢31歳と若い。

当社の経理担当が1時間ほど各書類を説明、見解
を述べてた後、担当官から「問題なし。」との判断
が無事おりた。

あとは少し高めのレストランでランチを共にすれば
乗り切れる。

もちろん隠し立てするような事は何ひとつしていな
いのだが、役人ときいただけで少し緊張してしまう。



タイ料理レストランのスリ・ピナンへ。

多民族国家のマレーシアだが、役人はほとんどが
この地に元々住んでいるマレー人。今回の担当官
ももちろんマレー人だ。

イスラム教徒ゆえ酒は固く禁じられている。

日本式でいうなら「ビールから始めましょうか。」
だが、そうもいかない。

ウェイトレスがやってきた。彼はどんな飲み物を頼
むのだろうか。

「ウォーターメロン・ジュース。」

いわゆる ”すいかジュース”。彼は単に自分が飲み
たい飲み物を頼んだだけ。

なんだか拍子抜けするのと同時に、それまでの緊
張が一気にほどけた。

僕も 「セイム(同じものを)。」と答える。

白いごはんのランチゆえ、チャイニーズ・ティーか
ミネラル・ウォーターにでもしておけばよかった、
と言った直後に思ったのだが。



そしてそれは、お客さんと同じものを頼むのが無難
という日本の慣習が、僕の中に相当染み付いてし
まっている事を確認できた瞬間でもあった。










...

ニュー・イヤー - 2003年01月02日(木)

この地に赴任して1年4ヶ月ほどが過ぎた。

ここに来た当初と比較して、変わったこととい
えば、騒々しい東南アジアに合わせるがごとく
車の運転が荒っぽくなった事、

「まぁ、いいか。」と呟く事が多くなった事、

そして、日本が少し懐かしくなってる事。



この地マレーシアでは、日本のようなしみじみと
した味わいのある年末・年始に浸る事は不可能だ。

長袖のシャツが必要な寒さもないし、もちろん、
雪も降らない。いつまでも暑いままだ。

休日も1月1日のみ。今日から出社している。

12月初めのハリラヤ(断食明けのお祭り)に
比べれば、この地マレーシアの新年はまだまだ
地味な方だ。



そして相変らずマレーシアの人々はおおらかだ。



12月31日 午後11時55分。


マンションの窓から小さな打ち上げ花火がみえる。

地元の人達があちこちで、新年を祝う歓声ととも
に、打ち上げ花火をあげている。

おかしい。12時ちょうどまで まだかなり時間が
あるというのに。



きっと皆、本当の12時かどうかなんて気にもせず、
それぞれ勝手に 自分の時計の12時ちょうどに 花
火をあげているという事なのだろう。






 






...




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