たそがれまで
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2003年10月14日(火) 解体工事





3連休の最終日、衝動的に里帰りしたくなった。
子供達もまだ秋休みの最中だし、夫に迷惑はかけるが
帰れる条件だけは整っていた。

急に帰りたくなった理由は一つ。
30余年暮らした家を今日から解体するからだ。


物心ついた頃から暮らした家。
楽しかったことも、嬉しかったことも、
悲しかったことも、寂しかったことも、
全てがあの家の想い出なのだ。

その家が全て壊れて無くなってしまう。
その前にもう一度だけ、あの家を見たいと思った。
もう手入れもしていないのでおばけ屋敷のようになっているのだけれど、
私にとっては大切な大切な思い出の塊なのだから。


夫の転勤でここへ越してすぐに処分する筈だったのだけど、
養父母が残してくれた「形あるもの」を壊してしまうのが忍びなかった。
築37年の古家。
リフォームも考えたけれど、匠の手でも借りなければ
あの痛んだ家はどうすることもできないだろう。


春には故郷へ帰ることになっている。
それまでに私達家族の新しい住居を用意しなければならない。
その為に決断したのだけど、やはりとても寂しい。



もう一度あの家を見たい。
もう一度目に焼き付けたい。




と思いつつ、結局家は見に行かなかった。
一日中頭痛に苦しんでいたこともあるけど、
おそらく夫に反対されるだろうと思ったからだ。

見に行ってどうなる。

そんな言葉を聞きたくなかったからだ。
400劼鯀ってまで、見に行く価値があるのかと
そう問われそうで嫌だったから。

そう自己満足をするだけだ。
ただ想い出に浸るだけだ。
それは後ろ向きな感情で、夫には理解不能だろう。

大切なのはこれからのこと。
夫と私と子供達の未来。
新しい生活の設計図をひくことが優先だろう。




次に故郷へ帰った時には、更地になっているだろう。
だけど私には見える気がする。
赤い屋根の私の実家が。
そこで楽しく暮らした養父母と私の、
たくさんの想い出達が。







東風 |MAILHomePage

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