台所のすみっちょ...風子

 

 

よろしく計画失敗の予感! - 2002年09月29日(日)

義理の兄から、兄嫁のことをよろしくされてから、

もうすぐ一ヶ月。(詳しくは9月3日の日記)


・・・・兄嫁からまったく連絡がない。


「よろしくされたからには!」と自分なりの”よろしく!”を考え、

早々に兄嫁の方へ電話をし、義理の弟とのバーベキューに誘ったり、

食事行こうね!とも言ってみたりもしたのだが、

バーベキューは予定があるからとダメになり、

食事は「暇な日連絡すんね〜」と言われたまま日にちが経つばかりで、

もう義兄が出張から帰ってきてしまうではないか!

このままでは”よろしく”の実績を残せない。

お土産も頼んじゃったのに、

どういう顔して受け取りゃいいんだ?


義兄が出張してるという地には、私の大好物のそばがある。

土産のリクエストは迷うことなくそれを頼んだ。

で、そこには、他に豆腐を腐らせた聞いたこともないような

怪しい土産もあると聞く。

なんの結果も残せなかったことを義兄が知り、

土産がそっちの方になってしまったら・・豆腐の腐ったヤツかぁ〜・・

・・・・困るな〜、食えるだろうか・・・?

いや、、、そういう問題じゃ無い。(笑)


秋の夜長、何故こうなったのか?と考える。

結局、よろしくを頼みやすい女とされたい女とは違ったってことなのか。

しかし、こればっかりは「よろしく対象者」の好みもあるから仕方ない。

それとも、たまの”よろしく依頼”だったので、張りきり過ぎた私の

勢いがストーカーっぽく受け取られたのか?



私の心の中にも、秋の風。

頼まれた時は私も誰かに”よろしく”されたい気持ちになって、

ちょっと寂しくなったが、今は”よろしく”されなかったことの方が

もっと寂しいのである。

再度、電話をかけてみることも考えたが、万年日曜の私と違って

何しろ彼女は働く職業婦人。

常に忙しい。

無理矢理食事なんか誘って、かえって迷惑になって

しまっては申し訳ない。

彼女にはのびのびと私のよろしくを受けて欲しいのだ。

あ〜、あと2日で10月になってしまう。

タイムリミットが来てしまう。

明日にでも、もう一度兄嫁に電話をしてみようか?と

「よろしく計画」が失敗に終わる事を予感しながら、

一人考えるのであった。

                     おしまい。


...

不揃いの電化製品たち - 2002年09月28日(土)

電子レンジを壊して、早一年。

掃除機のホースをちぎって2週間。

おまけに、冷蔵庫のドアのパッキンもすっかり緩くなり、

閉めたハズがパッカリと開いていたりする。


冷蔵庫のドアはぐっと押しつける容量で閉めりゃーいいし、

電子レンジについても、

料理は作り置きをやめて、食べる直前に用意し、

解凍するものに関しては、ビニール袋に入れて湯煎

で解凍する等の工夫もできるからいいのだが、

掃除機だけはそうはいかない。

吸えないなら、掃け!で、ほうきという手もあるだろう。

しかし、めったにホコリを取ることがないこの家、

ほうきを動かせば動かす程、盆踊りするホコリ達で

部屋の空気は悪くなるに違いない。

しかも、ほうきとは、なんと、ばあさん臭いことか。

私もまだ30代。

年寄りと若者(?)の狭間というこの時に何も無理矢理

自らそっちの方に行くことは無い。

かといって、私が口で吸うわけにもいかないし・・。

チェッ、、しょうがない、掃除機だけは買うか。ボーナス一括で。

私でさえ、30うん年間やっとこすっと生きているというのに、

まったく、我が家の電化製品は根性なしのダメなヤツばかりである。



で、この〜、金食い虫達!と日々思っていたら、

電話まで怪しくなった。

呼び出しのベルが鳴らない。

それは今日、母からの電話を受けようとして発覚したのであった。

久しぶりに用事があったので電話をしたら、

折り返しすぐかけ直してくれるという。

受話器を置いて、パソコンしながら待つこと5分、10分、20分。

いっこうにかかってこない。

おや・・?

彼女は私以上にせっかちな人間。

これは不思議?と気合いをいれて電話を注視してみると、

カチカチと変な音と供に、かかってくると

必ず点滅するランプが反応している。

もしや!と思って取ったら母の

「あんた、どーして電話出ないのよ!」

のおしかりの声。

私はその時初めて家の電話に何事かのハプニングが起きた

ことを知ったのであった。


これは困った。冬のボーナス一括で掃除機買って、正月に

新潟帰って、その上電話まで新調したら、もう我が家は破産である。

家賃だって来年上がるし。

お寒い冬になってしまう。

そう思ってすっかりガックリし、旦那の帰りを待って

すぐさま報告。

こういう一大事には

家庭内”ほうれんそう”

ー(ほう)こく、(れん)らく、(そう)だんが大切だ。

「ねえ、ついにさ〜、電話も行かれちゃいましたぁ〜」

私が言うと旦那は何も答えることなく、電話をいじり始めた。

そして、1,2分後。

自分の携帯から電話をし、ベルをチェック。

すると、リリリリリ!

勢い良くベルがなった。

「音量の設定が一番小さくなってただけだよ。おまえいじった?」

旦那はあきれ顔である。

そりゃそーだろう。私も驚いた。


悔しかったので、

「この家では私がソフト、君はハード担当でしょ!」

と言ってみたりする。

思いつきで勝手に線引きした役割分担だったが、

IT関係の仕事をしている彼には”ハード担当”という

位置づけがうれしかったらしく、まんざらでも無い様子。

その表情を見て、「悔し紛れに言ったにしては、私も上手いことを言う。」

なんて悦に入り、ご飯の準備に取り掛かったのであった。

          おしまい


...

R君の呟き・・。 - 2002年09月26日(木)

昨日友人が名古屋から私の大好物のきしめんと佃煮、

そして自分の子供であるR君と供にやって来た。

彼女の実家はこっちだが、6年ぐらい前から旦那さんの仕事の関係で

名古屋に住んでいる。

土産のきしめんと、佃煮、それに同級生だった友人が経営しているという

お菓子の詰め合わせまでもらっちゃって、口元が軟体動物みたいに

ぐにゃりんとほころぶ。


R君は3才の男の子。

男と言えば普段ごっついゴジラ顔に、人前はばからず

ブオ〜ンとスカンク並みのオナラをしたりする旦那としか接していないので、

マシュマロほっぺとクリクリした瞳を持ったR君の汚れのない

姿になんとも心が洗われるのであった。

きしめん、佃煮、ケーキはとってもうれしかったのだが、

R君と遊べることが私にとって、やはり一番の土産なのであった。


で、そんな良いものばかりをいただいて、彼女らを迎え撃つ私の

方はといえば、これが相変わらずで、ズバリ、出前攻撃。

お昼に来ることが分かってて、出前。

前々日の電話で「なんにも用意できないけど・・」

と言っていたものの、こんな時だけ予告通り。

やけに一本筋が通っていてそんな風でいいのか、私!


反省している間もなく、早速、20枚ほどため込んでいた

デリバリーのチラシをテーブルに広げ、検討に入る。

お腹が以上に空いていたので、茶を出すのが先か、チラシを出すのが

先か、ぐらいの勢いであった。

色とりどりのチラシがばらまかれたさまは、とても専業主婦をなにわいに

している女の家とは思えん。

散々考えて、結局R君も食べられるようにとワンディッシュにハンバーグ

やら、ポテトやら、コーン、パスタが一緒にてんこ盛りになったゴージャス

なヤツにする。

そこの店はハンバーグがウリらしく、種類も7つぐらいあって、

もうハンバーグのパイオニアとしか言いようがない。


注文の電話をすると出たのはやけに明るい愛想のいい中年女性。

お目当てのヤツを頼むと、いきなり「ちょっと待ってください」

と数秒間待たされる。

すると、今ハンバーグの個数が少ないので、限られた3種類のメニュー

から選んでください。と言う。

まったく、不可思議な返答であった。

7種類ほどあるベースのハンバーグはどれも一緒に見えるからである。

敢えて言うなら、ソースがイタリアンと和風の違いだとか、

目玉焼きが乗ってるの乗らないのだとか、付け合わせが違うとか

ぐらいの差でしかないように見受けられる。

だから「足りないのでお作りできません」なら分かるが、

「メニューが限られます」は納得できない。

もしかして、素人には分からない秘密が個々にあるとか。

例えば、和風ハンバーグ用の物にはコラーゲン。

イタリアンハンバーグ用のヤツにはローヤルゼリーが含まれてい

るとか・・。

そうかもしれない、それなら許す。

で、頼み直すとまた待たされ、オーブンが壊れてしまっているので、

ハンバーグ等の焼き物は出来ませんとキッパリ。

信じられない。ハンバーグがウリなのに。

というか、それで良く毎日営業できるな。

それじゃあ、家事をしない開店休業主婦の私と一緒で、あまりに驚いた

ので「いつ頃直るんですか?」なんて、ムっとしなければならない

ところを、つい聞いてしまい、向こうも向こうで

「今月いっぱいかかります」と意味不明な会話がなされる始末。

スムーズに注文が進まなかった挙げ句、結局、見た目には数段落ちる

スパゲッティーとスパイシーポテトで腹をごまかすことにしたのであった。


そして待つこと40分。

ようやく食い物がやってきた。

配達人は、20才ぐらい可愛い顔した男の子。

こいつもやけに明るい。

店のダメさ加減に文句の一つでもかましたいところだったが、

私の物言いに危機感を抱いてる旦那から

「おまえ、いつかそんな風だと刺されるぞ」

と常日頃アドバイスを受けていることもあり、

今回は黙ったままピザ屋が入れてくるような四角く平べったい

ビニールの入れ物から頼んだ物を出す彼の手をじっと

見守ることにする。

スパゲッティーを出し〜〜

付いているというサラダを出し〜〜〜

紙おしぼりを出し〜〜

フォ−クを出し〜〜したところで彼の手が止まった。

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

2人の間に沈黙が流れること数秒。

そしてそのにいちゃんが一言。

「スパイシーポテト忘れました。」

「・・・・・・・・・・・・・」

彼はニコニコしながら、取りに帰って10分で持って来る

と言う。

こんな腹ぺこなのに待ってられるか!

注文時からの店の対応に怒りは沸点寸前である。

これは責任とって貰わねば!

「ポテトはキャンセルします」

そう、もし作っていて忘れただけなら少ない金額でも、店の損は損。

赤伝票を切るがいい!

かっこよく断って、このくらいの抵抗は当然だ!と自分の処理に

満足していた私。

だが、いざテーブルの上にのっぺりとしたスパゲッティー達

を置くとなんともわびしい食卓。

そして、それを見て、R君が一言。

「ポテトは・・・・・・。」

寂しそうなのであった。私も食べたかったが彼も食べたかったのだ。

そんな可愛らしい顔で言われると、おばさんはなんとも辛い。

その言葉を聞き、私は心に誓った。

今度来るときは絶対手料理にしようと。


いや、もう心で思っているだけではダメなのだ。

宣言しとかないと!

だって、この前も彼女が来た時は出前だったのだから。

ホント!すまん!ごめんなさい!


           おしまい。


...

うっかりと・・仕事。 - 2002年09月25日(水)

デザインソフトの「イラストレーター」なんて、

さして使えもしないくせに、あまりの貧乏さ加減に

ホイホイと振られたイラストの仕事を受けてしまった私。

今さら本を見ながらの大格闘戦である。


もともと、私はアナログな女。

じかに紙に描くのなら、筆をひとたび持てば、

構想 → 描き → フィニッシュと、40分ぐらい

で終わるのに、イラストレーターを使うと倍、いや、

ヘタすると3倍ぐらいかかってしまう。


早食い!早風呂!早トイレ(?)と何かとせわしないキャラの私は、

当然、絵を描く時も早描きが命。

大学の時などは、じっくり描いてこそ味の出る油絵の課題を、

100号キャンパスで5日間。50号サイズなら3日で仕上げていた程なのだ。

私の天才ぶりは才能とか絵の出来ではなく、スピードだけ

だったとも考えられる。

が、今回ばかりはデジタルな作業を前にして、ちっとも

その天才ぶりを発揮できない。


マウスを握る手はスムーズには動いてくれず、滑らかな

線を引いてるつもりが、いつの間にかウソ発見器のような

ガギガギした線になってしまうこともしばしば。

最近悪い事もしてないのに、「すいません・・私がやりました・・」

と、画面に向かって無理矢理白状してしまいそうである。


ツールも使いきれない。

こういうタッチが良いんだってば!と、心でわめくものの、

どこをどう使って良いかも分からず、

友人に聞きまくるわ、半泣きになりながら、

深夜、昔Webデザイナーだった妹に電話でSOSを出すわの大騒ぎ。

みんな、積み木を上手く組み立てられず、泣いている子供に

接するかのように、丁寧に、そして親切に教えてくれるのであった。

人騒がせもいいとこの中年女である。

すんません・・・、、、、。


まったくぅ〜、私はうっかりばかりの女だ。

感情で動いてしまうところがあるのか、

思い立ったら吉日的に全てにおいて、考えなしに行動するタイプ。

そういえば、人生で一番重要と言って良い結婚も

決めるのは早かったっけ。

が、今までは自分でうっかりして、自分で責任とっていれば

ことは済んでいた。

そういう大ざっぱなところがいいんじゃん?と周りから言われて

「そうね、結構こんな自分も可愛いか〜もネ。」

等とお気楽に思っていた私だったが、

今回は相手のあること。

赤の他人が私の為に責任をとらなきゃいけないなんてこと

になるやも。

担当者が首になっちゃったりとか。

そうそう「オット!やっちゃいました!ハァ〜ハハ、、」と、笑って

ごまかすワケにはいかないのだ。


そんなこんなで、先週から一日の大半をパソコンの前

で過ごす私。

一人固まってる自分に「このうっかり八兵衛・・」

と、呟く日々なのであった。

             おしまい。


...

トビハゼの誘惑! - 2002年09月24日(火)

この前、エレベーターでオバサンのボタン操作によって

挟まれるハメになり、一緒に連れていた犬にまで敵意をむき出し

にしてしまったが、私自身、実は非常に犬好きなのであった。

もう、犬を飼いたくてたまらない。

が、このマンションはペット禁止。

こっそり飼うワケにはいかない。ご近所さんはもちろん、

はしゃげないこの環境では、犬も可愛そう。

犬はキャンキャン、バウバウと元気が一番なのであって、

妙に遠慮がちに生きる様はもはや犬ではない。

で、何か他の良い生き物はないものか?

とずっと考えてはいたのだが、

どうも良いペットが見つからない。

友達がウサギを飼っていて、その意外なまでの人間臭い行動と、

人へのなつき方を聞き、「それ良いじゃん!」

と一時は思ってみたが、なんせウサギはデリケート。

で、私はバリケードのような女。

ウサギの行く末は飼った時点で読めるではないか。

あと、考えたのはブタ。

少し前に話題になった、絶対大きくならないという座敷ブタである。

ブヒ〜、ブヒ〜と鳴きながら、ひづめがあるがゆえにカタカタと

音をさせ、フローリングを駆け回る姿はきっと可愛いに違いない。

フローリングは滑るから、やはり時々、ブヒっとコケたりして。

が、旦那はブタがイヤらしい。

どうも、養豚場の汚い!臭い!のイメージがあるらしい。

ブタはキレイ好きなのに。

そんなこんなで、それこそ”トン”挫していたペット

選びだが、昨日来た客人3人から良い話を聞いた。

そのうちの一人Kちゃんがトビハゼという魚を飼って

いるらしく、やけに可愛いらしい。

インターネットで調べた結果、ムツゴロウの

兄弟みたいなモンであることを知った。

エメラルドグリーンの目はクリクリしていて、

ケロヨンみたいにぴょんと飛び出している。

聞けば、水槽の中に置いてある植木鉢に登ったりして、

飼い主をきょとんと見る事もあるそうだ。

魚なのに、意思表示ができるらしい。

水槽の水交換は2週間に一度と、世話も簡単ときたもんだ。

これは、良いかも!

ただの魚なら、魚屋で見るので十分だが、

トビハゼはもう少し進化したヤツに見えるので、

私も十分、同居人として可愛がれそうだ。


「でも、大丈夫か?」

ここまで考えて、私はハタと立ち止まる。

魚より進化したように見えても、やっぱり魚。

私は過去、グッピーを6匹ほど飼っていたことがある。

飼った当初は水槽の中でキラキラと光に反射しながら

泳ぐ姿がなんとも可愛らしく、その名前も友人の名前にしていた程。

だが、その愛すべき同居人は私の性格について行けなかったのか、

わずか2ヶ月程で一匹一匹サヨナラして行き始めたのであった。

あっ、今日は○○ちゃんが死んじゃったみたいな・・・。

そして、半年も経たないうちに全員がいなくなってしまったのだ。


ふと、考える。

こんなんで、魚を飼う資格が私にあるだろうか?

ハァ〜・・・。

トビハゼを飼うまでに、自分の精進の方が先かもしれんな。

             おしまい。


...

ウタちゃんと私 - 2002年09月22日(日)

ウタちゃんと私

私は昔っから、世の中でキャーキャー騒がれて

いるモノに対しては、まったくと言って良いほど、

興味を引かれない女であった。

もし、今私に子供がいて、昼下がりにママ友達と

お茶かなんかしながらお喋りをしても、

ママさん達に人気の仮面ライダーアギトの主役の

青年やら、NHKの歌のお兄さんの話を出された日には、

きっと話についていけず「話の弾まない○○ちゃんのお母さん」

と思われること間違いナシだろう。

なので、この夏、多摩川に”こんにちは”したタマちゃんにも、

さして、特別な感情も湧かなかったワケである。


タマちゃんが目撃されたあたりは、私はちょうどお盆の帰省中。

東京にいる時はテレビが友達の私ではあるが、

帰省中は結構忙しかったので、タマちゃんのことは東京にいる旦那から

「多摩川にアザラシが出たんだよ〜」

と電話で聞いて初めて知ったのであった。

「大人気者になっている!」

そう聞いて、そこまで言うのなら話のタネにと思い、

次の日早速ワイドショーで確認。

が、テレビに映し出された彼の顔を見て驚いた。

顔が北島三郎の鼻に水戸黄門の髭を持つ、若いんだか

年寄りなんだか判別不可能なモノだったからだ。

”タマちゃん”と言うよりは、

まるで”タマ之介”又は”タマ左右衛門”。

しかし、癒される!可愛い!と大人気者のタマちゃんを前に

誰に心を読まれているワケでもないのに

「ゲッ!可愛くない!じいさん面じゃん!」

と言い切ってしまうのは気が引ける。

しかも、「動物好き」と普段から言ってはばからないこの私。

可愛いに違いない・・・。可愛いのだろう・・・。

可愛いいかぁ〜??

もう、心の中で大葛藤。

結局、誰にもこの気持ちをうち明ける事なく、日々は過ぎて

行ったのであった。


そう、私はこのようなモヤモヤした気持ち、同じような感覚を

過去にも経験したことがある。

それは、ラッコ。

ラッコが世間で人気者になり、サンシャイン水族館に生ラッコ

を初めて見に行って、顔の愛らしさとは全然つながらないその

異様なまでの長い胴体に唖然とさせられたのであった。

「ラッコとはこんなに胴が長かったのか・・・」

私が時折目にするマンガやキャラクターデザインとは大違い。

テレビに映っていたその映像はお腹だけ出して、

カンカンと貝を割る可愛らしいもの。

水面下にあんな胴が隠されていたとは・・・。

サンシャインのデカイ水槽でウミヘビのようにクネクネと泳ぐ

ラッコを見ては、

可愛いに違いない・・・。

きっと可愛いのだろう・・・。

可愛いかぁ〜???とこの時も自分に問いかけて

いたのだった。


先日ウタちゃんが宮城県の歌津川に”こんにちは”した。

またもや、旦那からの情報であった。

いや〜、またタマ之介、タマ左右衛門クラスでしょ〜と

24時間ニュースでチェックしてみる。

「ゲ!可愛い!かっわいい〜〜!」

ビックリした。

鼻の穴のサイズも普通なら、髭もあることはあるが黄門ではない。

こうでなくっちゃ!!

今度は自分の気持ちを、胸をはって堂々と言えるかと思うと、

なんか晴れ晴れする私であった。

                 おしまい。


...

世帯主 - 2002年09月21日(土)

「野菜切る手間とか、鍋に醤油入れるこっちの手間を考えろ!」

結婚生活当初から一環して腹が立つのが、

夕飯をスタンバイしているにも関わらず、

旦那が連絡なしに飲みに行き、ご飯まで食べて来ることである。

面倒臭いところ、わざわざ作ってるのに、飲みに行くとは

何事だ!の気持ちを抑えきれない。

私の時間を返せ!

(自由な時間はタンマリあるけど。)


で、3週間前も、連絡なしのドタキャン事件があり、非常に

憤慨し、きつく叱ったのであった。

それ以来、彼は前の日に

「明日飲みに行きますから、ご飯はいいです」

と申告し、当日も夕方電話してきて

「昨日も言ったけど、飲みに行きます」

等、気配りを忘れない。

気配りというか、なんかビクビクしているのであった。

しかし、そんな風だからと言って、早く帰ってくるわけでもなく、

逆に「2日間に渡ってお知らせしているのだから」

とでも言わんばかりに遅く帰って来る。

飲みに行った日はまるでフラフラと糸の切れた凧のように

いったいどこで、何をしてるやら。


彼は30過ぎのいい大人である。

そして、所帯持ちの世帯主である。

そのフラフラ加減と責任感の無さは

いったいどういうことであろうか?

こんなことなら、私が世帯主でも良かった。


もともと、私は結婚したときは自分が世帯主になりたかった。

彼は年下なので、こういう場合は

「年上である私が家を引っ張って行かなければ!」

とまで思っていたのだ。

でも、本当の理由は「世帯主」という響きが何より

偉そうだから。

だって、聞いただけでも専制君主っぽい。

これは威張れる!なっとかなければ!

最初は取り敢えず彼の顔を立て、世帯主という重職を

任せたものの、そのうちすり替わってやろうと思って

早8年。

チャンスを待っているうちに、私は会社を辞め、収入も

無くなり、世帯主のチャンスどころか

資格まで失ってしまった。

当分、私個人に彼を養える程の収入が確保できる予定

もない。

あ〜ん。

旦那が遅く帰って来るたび、自分の社会的非力さに

涙する私であった。

            おしまい。



...

女は愛嬌 - 2002年09月19日(木)

女は愛嬌

昨日、エレベーターに挟まれた。正式にはドアだけど。

それは、夜の10時頃、

コンビニに行こうとした時のこと。

部屋のある6階で到着を待つ。

そして、ようやくエレベーターが着いたその時、

何故か犬と目があった。

犬は耳の垂れた、毛足の長い室内犬であった。

ヤツは「待たせたワン」とでも言いたげに、

60才ぐらいのオバサンにちょこんと抱かれて

乗っていたのであった。

で、ドアが開いて、私が一歩足をエレベーターの中に

入れたその瞬間にモーレツな衝撃が!

ガン!!

左肩から腕に痛みが走る。

まだ、体を1/3しか入れてないのに、早くもハプニング。

無事に隣りのコンビニまで着けるのか!?


どうやら、おばさんが「閉」のボタンを押してしまったらしい。

が、人に被害をあたえたのにも関わらず、

おばさんは能面のみたいに無表情。

しかも蚊の鳴くような声で「・・すみません・・・」

と何の抑揚もなくポツリ。

私が乗り込んでも、シラ〜りとしているのであった。

・・・・・・・・・・。

シーンとした静けさの中、ふつふつと湧いてくる心の声

「おばさん、ここはペット禁止だ!ルールを守れ!許さんぞ!」

その誠意のない対応への”怒”加減がすっかり犬に向いている

のであった。


言っておくが、私は大の犬好き。

どのくらい好きかというと「ハチ公物語」で号泣した程。

店の前かなんかに繋がれていれば、必ずなでなで。

散歩の犬とすれ違う時には「GOOD BOY」と心で呟く

こともしばしば。”赤の他犬”なのに。

しかしこの犬は飼い主がこの誠意のないおばさんかと思うと、

なんか可愛くない。

垂れた耳には「へにょへにょしてんな!気合い入れろ!」

と喝を入れたくなるし、抱っこされているのも

「動物なのに、そんな人間にへつらってどーする!
たまには、猫を見習え!」

と思ってしまうのである。


ペットは話せない。なので、見た目以上に好感度を

高めようと思ったら、それは、飼い主の行動で決まるのだ。

飼い主が愛想のいい人だった場合、

はなぺちゃへなちょこのブルドックだって可愛く見えるに違いない。


ふ〜ん・・、もしかしてこれは、女性にも当てはまるのではないか?

例えば、若い女の子。

多少ブスでも、暗いブスより愛嬌のいいブスの

方が好感度高いに決まってるし、愛嬌具合によっては、

「まあ、顔はこの際いいっか!」ってことにも

成り得なくもないではないか。

そう考えると、若くもないおばさんはさらに注意が必要だ。

ただでさえ、衰えていく外見を、カバーするにはもう愛嬌が鍵である。

それしか砦は残されてないとさえ言える。

なのに、どうする。

私を挟んだおばさんは、そっけない素振りをしたばかりに

自分を誤解されたばかりか、一緒にいた犬の”犬格”まで

疑われてしまった。

これは、両方にとって損なハズ。

おばさんも今一度、自分を振り返った方がいい。



コンビニの帰り道、またマンションの前でそのおばさんにあった。

「○×△○×△○×△○×△○×△○×△・・・」

何やら、散歩をさせながら、耳垂れ犬に話かけている。

「話かけても答えないよ〜だ!」

心で悪態を付く私。

なんか、性格わる〜〜。

自分を振り返ればいけないのは、私の方かもしれないのであった。

              おしまい。


...

顔の上でくるくるとぉ〜。 - 2002年09月18日(水)

16日、無事ハッピバースデーを終えた私。

ロウソクの数、一本、一本が私の人生。(BY22才の別れ。)

で、その数の多さにのけ反る私。

こんなに生きて、何にもしてない。

く〜〜、焦るな〜、、三十路女はきついな〜、、


サテ、ロウソクを吹き消し、ケーキの入刀が終わると、

何やら旦那が隣りの部屋からモゾモゾと小さな袋を出してきた。

また、THANK YOU SO ”マッチ”って書かれた

マッチじゃあないでしょうね〜。(詳しくは9月16日の日記)

等と用心して、袋を覗くと、中には小さな丸い容器が入っていた。

良く見てみると化粧品のようである。

「プレゼントだよ〜。それ、今、巷で大流行らしいよ。」

旦那はプレゼントを用意できた自分にご満悦のようだ。

そして、さらに「綺麗になってもらおうと思ってさ〜。」と

言葉を足す。

・・・悪かったな!ブスで!

はっは〜ん・・。最悪だった去年の誕生日を払拭すべく、

女心を根こそぎ虜にする作戦と見たね。

化粧品は塗ってマッサージすると、ボロボロと角質が

取れるというジェルであった。

使い終わった後は真珠のような透明感、肌が一皮剥けたような

白さになるらしい。

いわゆるピーリングってヤツだ。

ふたを開けると、なるほど、真珠をおろし器ですったような

粉が透明なジェルの中にチラチラと見える。

ばあさんに向かってまっしぐらの私には、眩しいぐらい。

なるほど、顔につけるだけで、綺麗になりそうだ。


早速風呂上がりに試してみる。

何々?説明書を見ながら、小豆大の量を顔につけ、

くるくると指先を動かす。

そして、優しくマッサージすること5分。

ジェルが水みたいな液体になってきた。

で、そのまま続けていたら、白い固まりが顔全体に浮き出てきた。

これが、角質なのね。

顔中が怪しい病気みたいに白いブツブツだらけになったところで、

洗い流してみる。すると、ホントに顔が一皮、

いや、二皮ぐらい剥けたかのように白く、くすみが無くなっていた。

肌もつるっつる。

鏡にぐ〜〜っと顔を近づけて、問うてみた。


「私って、綺麗??」


・・・う〜ん、いまいっちょ。


肌は、マシになったようだが、

顔そのものはあんまり綺麗じゃぁ〜ない。

当たり前だ。 鼻や、目、口といった肌の上に乗ってる

パーツの位置、形はいつもと同じなのだ。

肌の角質よりも、造作の方が問題なのだな。

ちょっとぐらい”くるくる”しても、持って生まれたもの

には勝てなってわけだ。

ふ〜、、、、。

しかし、ローマは一日にして成らず、千里の道も一歩から。

このオチョボ目が大きくなることはないが、

続けてれば、何かいいこともあるやも。



ピーリングは一週間に1〜2回やればいいらしい。

今週はこれでやめて、どれ、来週もくるくるしてみるか。

           
                 おしまい。


...

大丈夫か!?力! - 2002年09月17日(火)

好きな芸能人は?と聞かれると、

「三国蓮太郎と、佐藤浩一です」

と答えていた私だが、最近になってようやく新たな一人

が加わった。

竹内力(たけうち りき)である。

(以下、力と省略)

この当たりには、ドトールはない。が、ケーブルテレビがある。

そのケーブルテレビ経由の衛星放送で、ちょくちょくVシネマ

を目にするようになって、私は力に目覚めたのであった。

それまで、Vシネマなんて邪道だぜ!なんて思っていたけれど、

意外や意外。おもしろいではないか。

もう、力の「ミナミの帝王」にはまりまくり。

さらに、先日、彼が私とほぼ同い年だということまで

分かって、同級生だったのでは?と思う程の親近感。

力との距離もぐっと近くなったってもんだ。


しかし、彼のデビュー作は「彼のオートバイ、彼女の島」。

なんだ?そのくすぐったいタイトル!

内容は忘れたが、確か原田知代の姉が原田知代の七光りで

出ていた映画だったような・・気がする。

感じからして、爽やかな青春モノ。

金貸したり、追い込みかけたりしない。

金融や、はたまた任侠とは全然無関係。

そういえば、力は101回目のプロポーズで浅野温子に

想いをよせる「僕、東京芸大音楽科出ました」みたいな

良い子の楽団員の役だったではないか。

なので、

大丈夫か力!?

現状で満足しているのか力!?

本当はお茶の間ドラマに帰って来たいのではないか力!?


たまたま、今の路線で仕事してみたら、それが当たっちゃって、

”ずるずると・・。”では、ファンとしては、見るに忍びない。

好きな人には「納得のいく仕事をしてもらいたい!」という

のが心理である。

そんなプロフィールを頭に浮かべながら、

彼のドスの利いた声や、最近の肥えた貫禄ある体を

見るにつけ、たびたび不安になる私である。

同じVシネマ王、哀川翔も最近お茶の間に顔を出している

ことだし、この際、力もどうだろう?

いきなりホームドラマが恥ずかしいのなら、取り敢えず、

サスペンスで金絡みで殺される役から刑事役へと、

だんだんと体を慣らしていき、最終的には、

「ランチの女王」の江口洋介みたいな役に行くとか。

手はいろいろあるはずだ。

悔しい!本人と話すことさえできれば、

的確なアドバイスもできるというもの。

でも、まあ、年間多くの人がデビューしては消えてゆく

厳しい世界。

はまり役が見つかっただけでも、いいのか。

渥美清だって、ず〜っと寅さんやってて

人気があったわけだしね。

                 おしまい。


...

オメデトウ!私! - 2002年09月16日(月)

今日は”待ちに待たない”私の誕生日。

この歳になると、誕生日も「仏滅か!?」てな感覚だ。

で、暗い気持ちの中、

前夜祭として昨夜、旦那と食事に行った。

仏滅に匹敵するような日に、別に金まで使って、

わざわざ行くこともなかったのだが、「誕生日は食事しよう」

とか「プレゼントは何がいい?」と例年にない張りきりようなので

こんなことも夫婦のメンテナンスの一環と思い、

トコトコ着いていったのだった。


この頑張りよう・・・

それは、去年彼のやらかした失敗から来ているのであった。

なので、昨日、今日の2日間は、彼にとって汚名挽回にはもって来いの

チャンスなハズ。

なんたって、私の去年の誕生日の日、ヤツは千葉で、

波乗りジョニーと化してしていたのだから。

去年は「夫婦も長くやっているとこうなっちゃうのね〜」

というような見本の年であった。

誕生日の月がやって来ても、その話題がちっともでない。

どのくらい出ないのか、試してやろうと思い、こっちも

粘っていたら、ようやく4日前ぐらいに

「そういえば、今週の日曜日って〜」と言ってきた。

そう、誕生日は祝うには好都合の日曜日に当たってた。

しかし、彼はそう言いながらもサーフィンに行く日にちとの兼ね合い

を模索している様子。

「私の誕生日なんだもの、行かないよね〜?」

ヤツの心はお見通し。私がダメ押しすると、

「当たり前だろ〜。」と彼。

鼻から煙りをゴジラばりに出し、

もちろんだぜ!ぐらいの勢いである。

しかし、その約束は2日後、予想通り破られる事に・・。


私は自慢じゃぁないが、普段、ヤツのする事には口を挟まない。

のびのび育てるのが私の教育方針。

波乗り〜〜?行って来い!行って来い!の肝っ玉妻。

数年前から、誕生日がもはや仏滅モードになっているのだから、

セレモニーがなくても、良いって言っちゃー良いのだが、

こっちが「別にいいよ」と言うのと「ぶっちぎられました」では

大違いである。

ひじょーに険悪な雰囲気になり、口を聞くのも面倒臭く、

黙り続けて日曜日。

一人ぼっちのハッピーバースデー。

そして夜、パソコンを打っていたら、サーフイン帰りの

旦那が小さな袋を「これ見てみて」と渡す。

きっと、悪がってプレゼントを慌てて買ってきやがったんだと

中を開けると

「なんじゃこりゃ?」

何故か小さなマッチが入っていた。

よく見てみると、なにやらボールペンで文字が書いてある。

「いつも、ありがとう助かってます。」

よし、よし、分かってんじゃん!とここまでは良かったが、

もう一行を読んで、目が点になった。

「THANK YOU SO マッチ!!」

何故英語なのか!?

何故”マッチ”だけが日本語なのか!?

しばらく考えた末、

「あ〜、マッチだけに・・・”マッチ”か・・・。」

この最悪なシチュエーションにしてこのダジャレ。

あまりのバカバカしさに、私はポツリと呟いた。

今まで生きてきて、一番情けない誕生日であった。

              おしまい。


...

そして彼女はいなくなった・・。 - 2002年09月15日(日)

私が生まれ、18才まで過ごした街、新潟市。

その新潟市の浜から消えた少女がいる。

今から、二十数年前、私が中学生だった頃の事だ。

彼女が忽然と姿を消したことを、私は母から聞いて知った。

「事件に巻き込まれた・・。」

あの当時、彼女の失踪を誰もが、そう考えていた。

特に学校関係者だった母は彼女と同い年だった

私の事が気にかかったのか、

「学校から戻る時には、気をつけなさい。」と不安な顔で話した。



それ以降、街中に彼女のポスターが貼られ、私は進学の為に

上京するまでの5年間、彼女の全身の写真と、やや斜めから写された

ふっくらとした顔写真を目にしながら新潟での日々を過ごした。

その失踪が拉致だとハッキリ認定されたのは、それから

20年近くも後だ。


新潟の浜で拉致され、船で目的地に連れて行かれる間中、彼女は

暗い船室で、壁を叩き、掻きむしりながら、

ずっと「お母さん、お母さん!」と叫び続けたのだと、

そういつか本で読んだ事がある。

着いた時には、両手の爪がはがれ、血まみれだったとも。


新潟で私と彼女に流れ続けるべき時間の長さは一緒になるハズだった。

彼女はそれを失い、私は、その時を当たり前のように過ごした。

中学一年の時には、初めて好きな人ができ、

片思いにドキドキした。

高校に進学してからは、

友達と買い物をしたり、たわいないお喋りに時間を費やした。

勉強よりも、むしろ彼氏の事にいつも意識を向け、化粧も覚えた。

「どうしてこういつも、自分は理解されないのだろう」と、

親や大人達との接点を、半分本気で半分どうでもいいと思いながら捜し続け、

意味もなく喫茶店にたむろして、タバコを吸っていた。

毎日が感情のままに動くだけの日々。


小泉首相が”見えない国”へ行く。

そこで、国交正常化に向けた微妙な駆け引きが行われるのだろう。

けれども、政治の狭間で彼女のように拉致された人々の問題が

今までのように深い闇に包まれてしまってはならない。

彼女は確実にいなくなったのだから。

私が安穏と新潟で暮らしていた時、

彼女はそこにいなかったのだから。

住むべき場所、持つべき権利、そしてごく普通の女の子の

楽しみを一瞬にして奪われて。


彼女が姿を消したのは、11月。

まだ、雪は降らなくとも風は冷たく、新潟は空も海も街も、

どんよりとしたグレー一色に包まれる。

どんなにか心細かっただろうか。


彼女はいなくなった。

愛する人、愛する場所、自分が大切にしたすべて、

そう、心さえ残したままで。


...

挑む! - 2002年09月14日(土)

新潟の実家から、レンジでチン専用のレトルト

食品を貰ってきた。

うちはレンジ壊れてるのに。

多少不具合があっても、求めてしまうこの強欲な性。

だって、商品名は「完熟トマトのリゾット。」

ホレ!聞くだけでもおいしそうではないか。

はるばる350キロの道のりを、

わざわざ持って返って来た以上、

ナントしても食わなければ。

いや、絶対、食って見せる。

開けて、容器に入ってるご飯粒を一口食ってみると、

な〜んだ、ただ固いだけじゃん。

「生米じゃなきゃ大丈夫じゃん!」

と、私が手に取ったのは蒸し器。

心の中に沸々と自身が湧いてくるではないか。

そう、私はこの蒸し器さえあればどんな食品でも、

ふっくら再生できる女。

この前のガチガチに凍ったご飯一膳を蘇らせた実績もある。

蒸し器に水を入れ、沸騰したところで、意を決して完熟トマト

のリゾットを入れる。

シュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。待つこと10分。

ふふふふ・・・・。やったね・・・。

思わずこぼれる笑みと不気味な独り言。

できたね〜。できていたのだ!

ちょっと汁を吸いすぎていたけど、食べるコトに何の支障ナシ。


また一つ大きな山を越えた。

また一つ私は大きくなった。

世の中、やってできない事など何もない。

自身を胸に、昨日からの腹痛なんてどこ吹く風で、

リゾットをすすったのであった。


ごちそうさまでした。

                 おしまい。


...

ピーヒョロロ - 2002年09月13日(金)

お腹イタッ!

昼からお腹がピーヒョロロ。

これは、下剤を飲んだからに他ならない。


今日は30歳以上対象の区の癌検診。

胃のレントゲンを取ったのだ。

ドロっとしたバリュームを飲んで事が済むと、

保健婦さんから、

「じゃあ、お腹の中で固まっちゃうかもしれないので、

あちらで、下剤飲んで行ってくださ〜い」とのアドバイスあり。


お気遣いなく。

心配ご無用。

私はすぐ出る。


そう、私は下剤なしでも、バリュームを外に出せる女。

去年もその前も、レントゲンを取り終わるや否や、ピーヒョロロ。

下剤なんてぜんぜん要らない口と肛門が一直線に結ばれた

ミミズのような体質である。

なかなか、もよおさず、

「腹の中で石みたいに固まって手術になったらどーしよう〜」

と嘆く旦那とは大違い。

さすが私!できが違う。ミミズだから。



出具合には悔いナシ。が、せっかくもらった下剤。

飲まないのも何だと思い、結局下剤を飲んだ私。

そしたら、それからピーヒョロロ。

こんな夜までピーヒョロロってわけだ。

効きやすいのもいい加減にしろ。


「素直に出せる時は下剤は飲むな!」

今日の検診で分かった事である。

              おしまい。


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敏いとうとハッピー&ブルー 絵を描いていた日々 - 2002年09月12日(木)

私は画家になるつもりであった。

小さい時から、絵を描くことしか取り柄のない女であった。

筆をひとたび動かせば、学校の先生や同級生も派手なリアクションで

驚いてくれるので、もしかして、自分は天才ではないか?とも思っていた。

どのくらいの才能ぶりを思っていたかというと、ゴッホとかルノアールとか・・。

バカか。

画家になるには美大でしょ〜、と思うも、天才だからそれ用の受験勉強もせず、

高校時代は散々遊びほうけ、結局浪人。

美大専門の予備校に通いながら、浪人生活を東京でおくるハメになった。

親に仕送りして浪人生活をする手前、絶対次ぎの年には入らねば

ならなかったのだが、天才なので、イマイチ「がむしゃら」という言葉とは

無縁だった私。

予備校に通いつつ、寮の友人達と敏いとうとハッピー&ブルーの歌

”私祈ってます”の替え歌、”美大浪人バージョン”等を歌っていたりして

喜んでいた。


では、せっかくなので、披露しましょう。
さあ、皆さんもご一緒に!


題「形狂ってます」

(出だし)

かぁ〜たちに十分〜注意をする〜のよぉ〜
ちょ〜しも ちょっぴり〜控えめにして〜〜

(サビ)

あな〜たは浪人でしょぉ〜〜
上手く描けなきゃ〜ダメなの〜〜
学科のぉ〜こと等〜〜心配しないでぇ〜〜

(終わり)

ほにゃらら〜〜らほにゃらら〜(忘れました)
形狂ってますぅ〜〜〜


これは、デッサンは上手く描かなきゃだめだよ!という教えを

歌にしたもの。

”ちょ〜し”というのは、タッチのことで、エンピツでタッチを

つける時に「あんまり描き込みすぎないで、真っ黒になっちゃうし。」という事。

”学科のこと等〜心配しないで〜”は、美大受験は

実技と学科の2本立てなので、今さら勉強しても無駄、とりあえず技術の精進を目

指せ!という意味。

作詞担当者の意図は今となっては、推し量るべくもないが、

こんな感じで解釈してる。

で、天才がその後どうなったかというと、大学には入ったものの、

第一志望には落ち、今はこうして、適当に夕飯を作ってみたり旦那のパンツを洗っ

たりするだけの日々である。

浪人している時から、どういうわけか、デッサンが狂いまくりだった天才の私。


狂ったのは、絵のデッサンだけではなく、人生のデッサンも、であった。

                  おしまい。



...

大橋巨泉 - 2002年09月11日(水)

夕方友人から
「今日は近くの博物館に大橋正の作品を見に行ってきたよ〜」とメールが入った。

ハテ?誰だろう?と思い、

「大橋正は、大橋巨泉の本名か?」と返信したら、
「キッコーマンのマークとか明治のチョコレートの
包みなどの図柄をデザインした有名なグラフィックデザイナーだよ」
と返事がきた。



まったく、私ときたら。


大橋と聞いて、巨泉を思い出すこの情けなさ。
そして大橋姓の有名人を巨泉しか知らないこの世間知らずさ。


いったいどうしたことか!!



原因は、こうしてパソコンを打っている私の斜め後ろにある棚にあった。
そこに飾ってある大橋巨泉と無関係ではないハズ。
旦那がもらったというオーストラリア土産だ。

ただの置物ではなく、ボールペンとしての用途があるのがミソの代物である。
巨泉のお尻の下からが緩やかに先細っていき、先っちょに芯が付いているのだ。
キャップもある。先が吸盤になっているのでそれに差し込むと、わざわざ、巨泉を立たせることができる。

わざわざである。

しかも、こめかみの部分を2本の指で挟み、力を入れると
目の玉がみゅ〜〜んと飛び出る仕掛け。

なんのために?

だからどうした?

2つの目が飛び出ている様は、黒い乳頭を持つ、まさにオッパイ。

で、そこから何の価値も見出せない私。


何もオーストラリアから来たボールペンのキャラが
「巨泉でなくても!」とも思うが、
巨泉はなんたってオーストラリアに拠点を移している。
もはや、コアラやカンガルーより有名な”ほ乳類”ってことか。

それとも、巨泉をキャラ化すれば日本人観光客への売り上げが伸びるとでも思ったのか。

海外では、日本は何かと誤解されがち。

「イツモ キモノヲ キマス。」

「チョンマゲ シテマス。」と同じノリで

「キョセン ダイスター ニホンジン ミンナ スキデス。」みたいな。



そんなこんなで、少しでも顔を左後ろに、大橋巨泉。

チラっと真後ろのテレビを見ようと、大橋巨泉。

いつも、大橋巨泉。

視界に入る確率、かなり高し。

そうやって日々暮らしているうち、潜在意識の中に
巨泉が埋め込まれてしまったんだな。


私は巨泉と一緒に生ている。

            
                おしまい。



...

サラバ・壊れゆくもの。 - 2002年09月10日(火)

「ホコリで人は死なね〜よ〜〜だ。」

と2週間、部屋の隅で軽やかに舞うホコリたちに目をつぶっていた私。
だが、狂ったように乱舞するホコリ達の様に、さすがにこれ以上耐えられないと思い、やっと掃除を決意した。


まず、顔を洗い、歯を磨き、服を着替え、気合いを入れる。

ヨシ!!

「ふ〜、今日は長い一日になりそうだ・・。」と呟く。


一通り、はたきをかけ、サテ、いよいよ掃除機の出番。

コンセントを入れて、ヒョイとなにげにホースをつかんだその瞬間・・・・、


ス〜〜ッポ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!

ヘッ?・・・・ホースが・・・・・抜けた。


エ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?


どういうことだよ!?

よくよく覗いてみると、本体に付いていたはずのホースが根本からちぎれ、蛇腹を形成していた中の針金がビヨ〜〜ンとこんにちは!しているではないか。

これは大変!もう何も吸えない。



実はこの掃除機は、前勤めていた会社の同期の友人達からの結婚祝いだった。

結婚して8年。

すっかり衰えてしまったのか、確かに、半年前からその吸引力にやや怪しいところはあった。

しかし、ナント言っても結婚祝い。夫婦になったという証の品のようなもの。

たとえ、大きな物が吸えなくとも、大丈夫!負けるな!とエールを送りながら、今日まで騙し騙し使っていたのだ。

が、もう彼には小さな物さえ吸い込むことはできない・・・。

畳の上にヘナヘナとへたる私。

そして、ダラ〜〜ンと象の鼻のように横たわるホース。


そのホースは、まるで結婚生活そのもののようであった。

長く一緒にいれば、「いつまでも初めの時のような気持ちではいられないさ」という象徴。

そういえば私達も、最近はお互い好きな事ばっかりのやりたい放題のしほうだい。

”結婚”という本体から外れっぱなしである。

掃除機はきっと捨てることになるのだろう。

「もうちょっと早く気がつけば、ちぎれるのを防げたな〜。」

掃除機を見ながら、夫婦の間も常にメンテナンスが必要だと、なんだか深く思う私であった。


...

怒られる上野 - 2002年09月08日(日)

今日、渋谷に出掛けた帰りに、本を見たくて、

ちょいと上野駅に寄り道してみた。

上野もすっかり変わった。

小ぎれいな場所は丸井だけ!なんてもう言わせない。

駅ビルアトレができ、その中にはフラワーショップやら

、輸入食材のTHE GARDENやら、若い娘さん向けの

こじゃれた服屋や食べ物屋があって、

女性にとってはかなり楽しめる

空間になったではないか。

昔の上野駅のイメージとは、ちと違う。

さて、私がお目当ての本を見つけられずに、

アトレ内にある本屋を後にし、

チッ!なんだい!とブツブツ歩いていると、

薄ねずみ色の着流し風な着物を着たオヤジが、

女の子で溢れかえるキッチュな雑貨屋のショーウインドーの

前にドンと立っていた。

オヤジがお呼びでないことは一目瞭然。

腰には黒い帯をキリリと締め、手を後ろ手に組み、

胸を鳩のように突きだしている。ぽっぽー。

威張ってる。

立ってるだけでも近よりガタイのに、オヤジは

なんだか、怒っているようだ。

眉毛がフニ〜とVの字に星一徹調子だった上に

口をむんずと一文字に結び、

下唇は「次行ってみよう!」といかりや長介。

その顔は、怖いけどおかしい。

何故か・・・。

私は気がついた。で、心で静かに言ってみた。

ム〜ラ〜タ〜だぁ〜〜〜。

そう、村田英雄そっくりではないか。

王将を口ずさんでしまうところであった。

惜しい、王将は出だしの部分しか歌えない。

でもその時、なんだか、体が自然に

反応し、気づけば、私の下唇も出ていた。

で、出した瞬間オヤジと目があってしまったのだった。

ゲッ!見られた!怒られてしまう!

慌てて引っ込め、顔を整え、足早にそこから立ち去った。


オヤジは何を怒っていたのか?

私が思うに、失われていく下町情緒を嘆いていたのだ。

若い娘でごった返す店のショーウインドーを一心に

見つめながら、愛するこの上野が、チャラチャラした自由が丘や

原宿、代官山のようになってしまうかもしれぬ、

と腹を立てていたのに違いない。

大丈夫だ、オヤジ、安心しろ!所詮上野は上野だ。


いくら変わったといっても、アメ横当たりが裏原宿の

ように、ファッションチックに変貌するとは考えられない。

あの「へぇ〜い、松茸、買わない松茸。これでぇ〜5000円〜」

というダミ声は死なないのだ。

だから、そんなに怒るな。オヤジ。

これも、時代の流れだ!とドンと構えてこそ、

村田英雄似というもの。

吹けば飛ぶような将棋の駒ではいけないのである。             


                  おしまい。


...

隣りの奥さんと箱の中! - 2002年09月07日(土)

今日、隣りの部屋の奥さんと会った。

ここに住んで2年半になるが、これでやっと2回目。

隣りなのに。

そう考えると一年に一回しか会えないということになる。

織り姫とひこぼしみたいだ。


バッタリ会ったのは、集合郵便受けの所。

我がマンションは高層マンモスなので、

郵便受けが、ダーッと連なる一角がある。

ヒュ〜〜、その光景だけでも、圧巻。

隣りのヤツはうちの郵便受けのすぐ上。

新聞を取ろうと寄ったら、先に隣りの奥さんが

いたのだ。お隣さんが手紙などを取り出してる間、

邪魔になっちゃーならない。

待った。じーっと待った。会話もしないで。

お隣だと、わかったのに話したことがないので、

何を話せばいいかわかんない。わからなすぎる。

奥さんがハンカチでも落としてくれれば、私が

「お嬢さん落ちましたよ。」と拾って会話もできようと

いうもの。

が、そんなことはあるはずもなく、私が新聞を取って

エレベーターに行ったら、これまた鉢合わせ。

まさか、ここまで来て「あっ忘れ物!」等と小声で呟いて

その場を離れ、マンションの周りをぐるぐる回って

時間をずらすワケにもいかない。

結局、一緒のエレベーターに2人だけで乗るハメに。

すごく気が重い。なんてったってお隣さん。

このマンションに友達がいない私。ここは、一人でも

捕まえとくチャ〜ンスではないのか?

でもいったいどんなテンションで?

第一声めはどんなセリフで?

緊張する。


エレベーターが開いても、やっぱり無言で乗り込む2人。

そして、ドアが閉まっても、やっぱりシ〜〜ン。

降りる階は6階である。

1っかぁ〜〜い。2かぁ〜〜い。3かぁ〜〜い。

4かぁ〜〜〜い。・・・・ここは番長更屋敷か。

そう思いたくなるくらい、四角い箱の中は

不気味で恐ろしいぐらい静かな雰囲気。

隣りの奥さんは見た目もとってもおとなしそうだ。

そして、スゴク可愛い。年は20代半ばと見た。

髪を両脇で2つに縛るその姿は、初々しく

ビバ!若妻!といった感じ。

郵便と買い物袋を持ち、うつむいている。

きっと、普段でももの静かな人に違いない。

”静か指数”を推測するに

私が110デシベルで大型旅客機並みなら、

ささやき程度の音である20デシベルのようだ。

そんな奥さんの様子を見ながら、

話しかけなければ!話しかけなければ〜!と

今にも飛びかからんばかりの勢いの私。

フフンガァ〜!と鼻息も興奮も緊張も頂点に達したところで

「6階デス」の音声が。

タイミングを失って、その後もお互いの部屋の前まで

無言で歩いた末、ぱたんとお隣り。バッタァ〜〜ンとうち。

ドアを閉めての解散となり、都会の小さな箱の中、

大切なコミュニュケーションの機会を逃したことが

悔やまれる私であった。

来年頑張ろう。

               おしまい。


...

ババを引く女。 - 2002年09月06日(金)

今日は一日中頭痛はするは、お腹は痛いはで、

最悪の日だった。

そんなワケで、私がやる数少ない家事の中で、

もっとも旦那に恩を着せられる「夕飯作り」の為に

台所に立つのもままならなかった次第である。

幸い、旦那も早く帰ってきたので、しょーがない

外から弁当を取ることにした。

昨日、うちの郵便ポストに新参者の弁当屋

のチラシが入っていたのを思い出したのだ。

メニューの写真がどれもこれも旨そうだったので、

いつかは頼んでみようと思っていたのだが、

なんたって、慎ましく、良い奥さんの私のこと

こんなに早く頼むとは、ある意味予想通り、、、

いや、考えてもいなかった。

さて、弁当がやって来て、いよいよ食う時がやって来た。

旦那は見た目もジューシーな焼き肉弁当。

私は見た目も乾燥した固そうな鰆の西京焼き弁当である。

なんだこりゃ。食してみるとホントカチカチ。

ばあちゃんが縁側でギーコギーコと削る鰹節の

固まりのよう。


しかしこんなことは私の人生には良くあるコト。

だって私はそういう女。

そういう女とは、お初の店でわざわざ一番頼んではいけない

物を選んでしまう女という意味である。

例えば、去年の冬、雨の中「スッゴイ旨い!」と

言われるラーメン屋に旦那と並んでまで入って、

その店で一番まずそうなナントカカントカという

やけに凝ったネーミングのラーメンを注文し、

ババを引いたこともあった。


それは、食の領域だけにとどまらない。

他でもそんな感じ。

これは、墓場まで持って行こうと思っていた

話だが、ナント私はカラスのウンコにまで当たった

経験の持ち主。

あれは、5年前、フリーで友達の仕事を手伝って

いた時の出来事。

遅刻しそうになり、打ち合わせ場所に急ぐべく

家を出て、足早に駅に向かっていた私に

ぽっとん、べっちょんと落ちたカラスのウンコは緑色。

頭から肩にかけて、それがツ〜〜〜〜っと。


大変な確率である。

半径何メートル内は危険地帯!なんていうなら納得がいく。

だが、その時の危険地帯とはカラスの肛門の半径である。

ちょー狭いではないか。

しばらく呆然としていたが、我に帰りとりあえず

近くの駐車場の影に隠れてウンコをふいた。

残りの駅までの道、

「まあ、”うん”(運)が付いたってことで・・、”うん”が

付いたってことで・・、”うん”が付いたってことで〜〜!!!」

とオヤジのダジャレのような言葉で自分を励ましたのだった。


どっかの方言では「うんこ」は”ババ”というらしい。

こんな「ババ引き」の人生に少なくとも5年前に気がつく

べきであった。


                    おしまい。


...

朝顔の君・・・・その後のホームレス通信 - 2002年09月05日(木)

私が日頃から気にかけているご近所の川にある青い小屋。

その小屋とは、7月にこの日記で書いた

洗濯上手で巣箱作り上手なあのホームレスが住む

青いビニールシートの小屋のこと。

遅ればせながら、その後をご報告。


まず、台風でどうなっちゃったかと

思われた巣箱は今も健在。

強風でもびくともしないその良い仕事っぷりにも驚いたが、

久しぶりに訪問した私をあっと言わせたのは、

小屋がよりグレードアップしていたことだ。

小屋をすっぽりと覆うように廃材利用の

藤棚のようなものが作られていて、

朝顔のツタがその棚全体にいい感じで絡みついている。

種まいたな!

さらに良くみてみると、たくさんの朝顔のつぼみが

天に突き出すようにチョンと空を仰いでいる。

通りかかったのが、午後2時頃だったから、きっと

朝は咲いていたのだな。

朝、私が朝起きることのできる女だったら

清々しい空気と供に満開の朝顔を堪能できるハズなのに。

悔しい。

おまけに窓もないのに、葦簀まで下げてある。

風流ったらありゃしない。



大半の現代人はクーラー等々、文明の利器に

どっぷり浸かって”涼”を求めたがる。

なのにどうよ!知恵づくしの彼の演出は。

ツタが縦横無尽に絡まる小屋は、直射日光を

避けられるし影もできると、良いことずくめ。

他のホームレスの家よりぐっと涼しいに違いない。

それに、そんな全体観は見る者の体感温度を下げる

のにずいぶん効果的。

スゴイ計算だ。

大工としてはすでに私に認知されてる彼だが、

ホント、もったいないの一言に尽きる。

ガーデニングプランナー、または住まいのアドバイザー

として働くのはダメなのか!?


冷房をガンガンかけ、アイスコーヒーをがぶ飲みして

時たまひどい下痢なんかしたりする

あたしとは大違い。

「朝顔のぉ〜〜・・・・」と一句詠みたくなる

粋な生き様ではないか。

                  おしまい。


...

こんな日があってもいいってことで。 - 2002年09月04日(水)

連日の暑さがついに私の脳をぐちゃぐちゃ

にしてしまったかと思うほど、今日の私はダラ〜〜

っとしている。

ダラ〜というかボ〜っとしている。

だからと言って、一日うちに居たわけではなく、

出掛けるべきところには行き、帰ってきて夕飯も

作った。

エライ。

が、それ以上のことをやる気がまったくせず、

風呂に入るのも面倒臭い。

ここで風呂に入らないとする。

そして明日を迎えるとする。

でも、急に涼しくなるワケでもないので、

このままボ〜っとした状態が続くハズ。

すると、また、風呂に入らなくなってしまう

可能性も考えられる。

そして、あさっても、その次の日も・・・。

いったい、人間はこの暑さの中、何日ぐらい風呂に入らないで

いられるか?

またどのくらいで臭い始めるのか?

あー、その先を考えるのも面倒臭い。

今日はたぶん入るだろう。いや、入らないかもしれません。

明日の最高気温は何度だろう?

天気予報が見たい。

すべては天にまかせてしまおう。

そうだそうしよう。

一年365日、こんな日があっても良いってことで。


          こんなんでごめんなさい。


...

私にもよろしく! - 2002年09月03日(火)

今朝、9時という私にしたら新聞配達

の時間に匹敵するような早い時間に

義兄から電話が入った。

聞けば、今日から一ヶ月、もしかしたら

それ以上に長い出張に行くという。

「だからさ〜〜あの〜○○のことよろしくネ!」

と義兄。

○○はちなみに兄嫁のこと。

私は一瞬戸惑った。

よろしくとは何を”よろしく”すればいいのか?

どういう風に”よろしく”すればいいのか?

そしてどの程度”よろしく”すればいいのか?

ぜんぜんピンと来ない。

義兄と私の家は電車で一時間半ぐらい。

頻繁に行き来するというわけにはいかない距離なのだが、

わざわざ電話してくるぐらいなのだから、

かなりの”よろしく”を期待しているのか?


義兄が「お土産は何がいい?」なんて聞いてくる。

あれがいい!これがいい!と言ってる

傍らで、”よろしくネ!”を考える私。

結果、「女一人の留守宅、何かと心配なので

電話でもしてやってくれ。」

という意味なんだとやっと気がついた。

なるほど〜〜、兄嫁は愛されている。想われてる。

そうと分かったからには”よろしく”されるぜ!

最後には「まかしとき〜!」と答えたのだった。



それにしても、義兄はなんて優しい人なんだろう。


ふ〜〜・・。電話を切って何故かため息。

ふと私は今まで兄嫁のように、

こんなふうに男性に優しく気遣って

もらったことがあるだろうか?と考えたのだ。

・・・・・・・・ない。

なんたって、私がマズイ。

男の人が私に持つイメージはどうしたワケか骨太女。

ほっといても、何しても平気ってな印象。

だから、到底義兄のような優しさが

この家庭で暮らす旦那に生まれるわきゃぁ〜

ないのだが、それにしてもちょっとぐらい気にかけられたい。

だって私は何かとキツイ三十路の女。

とってもよろしくされたいお年頃なのだ。


              おしまい。







...

私の旦那はサラリーマン。 - 2002年09月02日(月)

旦那は連日の暑さですっかり参っている。

Yシャツ、背広と連日「ひとり我慢大会」。

いくら我慢しても、賞金とかもらえるわけじゃあぁ

あるまいし、ちょっと可愛そう。

夜、2人でタバコを吸ってた時

「あ〜〜、明日も暑いのかな〜〜、

俺、明日裸でいっていい〜〜。」と旦那。

「いいよ〜、行けるもんなら行ってみろ!」と私。


彼はもともと一年中、家に居るときは

「あ〜〜、素っ裸が気持ちいい!」

と服が嫌いな"ブリーフ一丁"の男。

冬でもブリーフ一丁で

「う〜〜さむっ!」

・・・当たり前だ!

「風邪引くから、Tシャツでも着てみなよ。」と

アドバイスしても、返ってくるセリフは


「いや〜〜、多少寒い方がキリリと身が引き締まる思いです。」

男気があるではないか。

だったら、ふんどしにしろ。


家でも素っ裸なのに、長袖に身を包むなんて、

「素っ裸で行きて〜〜!」と嘆く気持ちも良く

わかる。

でも、いきなりブリーフ一枚で街を歩いて

警察のお世話になっても困る。

そうなっても、私は身元引受人として

迎えには行かないよ〜〜ん。




旦那のぼやきはまだ続く。

「も〜〜、、、イヤだな〜〜、、、、裸で営業して〜〜!

で、さあ、名刺にも

”裸一貫!頑張りマス!!”って印刷すんの。どう?」

どう?って聞かれても、、、。


私の旦那は男気がある上に、やる気もあるサラリーマン

なのであった。

              おしまい。


...




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