あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
はるはなな 2005年04月16日(土)

春がぬくもり陽がゆるめども
飛ばぬ鳥がいる

わたらぬ鳥がいるよ、渡らぬ鳥がいるよ
川面はまだ冷たいのか
いや
熱い湯のようだ
太陽は容赦なく鞭打ちおろし
この世は煉獄のようだ
満開の

また花
白いものも紅いものも黄色のものも
順繰りに咲くことを
許されずに開いては開いては開いては
とどまり、
草は緑、山は緑、ああ、陽はいっこうに冷めない
鳥は
翼を忘れてしまったのだろうか
それとも
焼きつけられて動けずに
融けてゆく
のだろうか
その
はる
まなか
の場所で

(note 2005年04月05日(火)

撃ち抜いてしまえ
撃ち抜いてしまえ

(満開の)

花開くその前に
あなたは
大人になってしまうのだ

(優しく)

ひろげた指の間をすり抜けてゆく
わたしの声、は
雨よりも

(拒むことをおぼえながら)









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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe