瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
この映画の感想読みたい・・って思ってくださる方がいたら、画面下の検索機能からどうぞ。

2005年10月28日(金) 「シン・シティ」

2005年アメリカ 監督・脚本 ロバート・ロドリゲス&フランク・ミラー
キャスト ブルース・ウィルス ミッキー・ローク クライヴ・オーウェンジェシカ・アルバ ベニチオ・デル・トロ イライジャ・ウッド ジョシュ・ハートネット ブリタニー・マーフィ デヴォン・アオキ ロザリオ・ドーソン

うわ、どうしよう・・小声で言った方がいいかな・・私これ好きなんだけど。
見る前にエグいよ、血が飛ぶし、暴力シーンもすごいよって聞いてまして。
たしかに気持ち悪かったです。血は飛ぶし、人はいっぱい死ぬし、がんがん殴るわ、撃つわ・・。

でもね・・なんていうか、3つのパートのそれぞれの男たちの「愛するものを守る」っていうその心意気がね・・泣けるんですけど。だって、これはほら、もう究極の愛でしょう。自分の身を投げ出してだれかを守ろうとする。私もこんな風に誰かに守ってもらいたい・・愛に餓えてる?わたし(爆)
でも、もちろん、こんな街はいやですよね。警官は悪いのばっかり(まともだとハーディガンみたいな目に合う)市長も、役人も、神父さまだって信用してはいけないんです。身を守るためには、あの娼婦たちのようにアマゾネス軍団のようにならないといけないんですよね。それにしてもあの過激な衣装、男性達の目の保養でしょうか、もちろん私だってスタイルの良い女性には見とれますが。あんなの、よっぽどのナイスバディの方々でないとね、着れませんよね〜。

3つのパートのお話は、直接はかかわりはないのですけど微妙にリンクしていました。同じ酒場にいたシーン見て、私などは「3人で組めばいいのに」なんておバカなことを思ったのですけど、一匹狼だからいいんでしょうねぇ、きっと。

見る前は、ハーディガンとナンシーのお話が一番楽しみでした。そしてたしかに少女を守るブルース・ウィルスは素敵だし、ジェシカ・アルバは可愛いし(ダークエンジェルが懐かしい〜!!)最後も一番切なく終わっていましたね。
でもね、今回私の心はミッキー・ロークに持っていかれましたよ!
たった一人彼に愛をささげてくれた(と彼は思っていた)ゴールディのために、どんなに撃たれても、轢かれても殴られても決して止まらないマーヴの姿にちょっと泣きそうになったのでした。いえね、いっぱい人は殺してるし、別に彼を肯定しようとするわけはもちろんないんだけど。
人を殺しておいて血だらけの姿で、でも囚われた女にコートをかけちゃう彼に・・なんか、言葉ではいえないものを感じたのですけど。
イライジャ・ウッドは・・・いやあーー、聞いてましたけど・・すごかったですね。イライジャ、よくやりましたよねぇ。勇気あるわ、すごい・・・コワイ・・・気持ち悪い・・・メガネ・・・。
クライブ・オーウエン、カッコよかったですね!!ごめんね、今までで一番カッコいいと思いました。モノクロ似合うんですもん。マーブのあとだけに強いんだろうけど、でもちょっと繊細な感じもしてハラハラしながら見てました。
あのアマゾネス軍団の元締め、ゲイル、姉様キャラが好きなもので、私(笑)情熱的でしたね、二人。

ほかにも気になるキャストがいっぱい。デヴォン・青木のミホは超越してるし、デル・トロは・・・絶句でした。ルドガー・ハウアー出てましたねぇ!!
そうそう、ジョシュですよ、シーンは少ないですけど、とても印象的でしたよね。ある意味、一番酷いキャラなのでしょうけど、ごめん、ジョシュなので素敵に見えてしまいます(苦笑)
あ、それからどこかで観たなあって思っていた、ベッキー!印象的なあの子は「エバー・ラスティング」の彼女だったのね!!ビックリ〜。

モノクロの中に一点、ドレスの赤、唇の赤、ベッドの赤。目を奪われます。一瞬、薔薇の花が散らされたような。面白い映像ですね。
あと黄色もありましたね・・こっちは・・なんとも・・

観終わった後、頭に浮かんだのはチャンドラーの書いた私立探偵フィリップ・マーロウの「男は強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格が無い」でした。
(観る前までは買うつもりのなかったパンフ・・でも観て終わったら即買ってしまった)パンフをめくっていたらフランク・ミラーさんはチャンドラー派だと書かれていて、納得でしたね。



2005年10月25日(火) 「デビルス・バックボーン」

2001年スペイン 監督ギレルモ・デル・トロ
キャスト エドゥアルド・ノリエガ マリサ・パレデス

両親を失ったカルロス少年は、人里離れた孤児院に連れてこられた。
なにやら、ちょっとワケありげな大人たち、そして孤児院の少年たちからのいじめ。
そして、夜毎に彼を呼ぶ少年の声は・・

人里離れた孤児院、少年の霊、ラム酒つけの胎児・・こう書くと、まったくのホラーのようだけど、違いましたね。
スペインの内戦下がどんなに辛い時代だったか、知識のない私には想像するだけだけれど、ここに描かれたように民衆の犠牲は大きく、大勢の子どもたちが孤児となったことは間違いないのだろうな・・と思います。

孤児院に出没する少年サンティの霊は、怖がりやの私にはやっぱり怖いけれど、でもなんだか怖さよりも、悲しさをひしひしと感じました。
戦争が生み出した屈折したひとの心や、欲望。そんなものたちの犠牲となってしまった・・・・。

カルロス君をいじめていたハイメ少年。彼もとてもよかったですよね。思いを寄せる年上の女性へ指輪を渡すシーン。そしてその指輪が再び彼に戻ってきた時、彼が浮かべた表情。
「怖かったんだ・・でももう怖くない」
ファシンドもまたこの争いの犠牲者の一人なのでしょうか・・幼い時の写真を見る彼はとても切なかった。

カサレス医師、彼の雰囲気もまたこの映画を盛り上げていました。
いい人みたいなのに、どこか怪しい感じがするんですよね、何か隠し持ってるみたいな(苦笑)
あのラム酒漬けの・・・
うう・・飲めないでしょう、あれは。

孤児院の庭に突き刺さった大きな不発弾。
爆発・・しないはずの・・でもそこにあるだけで、それは争いの絶えない、現実をどうしようもなく突きつけていて。とても印象的でした。




2005年10月21日(金) 「SINOBI」

2005年日本 監督下山天
キャスト 仲間由紀恵 オダギリジョー 黒谷友香 沢尻エリカ 椎名桔平
りりぃ 寺田稔 北村和夫 石橋蓮司

忍・・っていうと、サスケとカムイですね、私の中では。古いけど・・
でもSINOBIと書くくらいですからね・・・違うんですね、木の葉隠れとかじゃないんですよ、技もまるで超能力みたいなんです。X-MENや、ミュータントXの世界みたいな。
毒の息を吐いたり、黒い糸を操ったり(あれ、髪かと思いましたけど・・)主役の二人なんてほらもう!「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンド使いみたいじゃないですか?なんて思いながら見ていたら、隣の娘は「サイボーグ009」の島村ジョーかと思ったって・・(笑)加速装置ですか・・
戦いのシーンは、なので悲惨というよりクールな映像で見せますね。オダギリさんの弦之介が満月を背に跳躍するシーンなんてね、劇画のようでしたね。

甲賀と伊賀・・忍の世界のロミオとジュリエット・・絵になる美しい二人です。
なんてロマンティックでしょうかね・・超能力ワールドのような世界でも恋の世界はかなり古風です。母の形見の櫛を手渡すという・・奥ゆかしさですから!
トサカのような髪型で赤い衣装のオダギリと青の衣装が綺麗な仲間さん、映像も綺麗でした。出会いのシーンの紅葉とラストの雪のシーン。あの水をすくって飲む手つき・・(いや、あれでは飲めません・・がばっと両手ですくわなきゃ・・などと思ったことは内緒です 苦笑)の上品さ。

二人の周りの忍の仲間が、また良かったですよね。陽炎さん・・うう・・私としてはこの人がね・・一番胸にくる・・というか。蛍火ちゃんも可愛いし。
そして小四郎さんでしたっけ・・幼馴染の。この人の必死さも印象的でしたね。
あとはやっぱり天膳役の椎名さん・・。意外な最後でしたが・・(体内・・だとダメってことですかね?あれは・・・)

映像の美しさや、アクションシーンに目を奪われました・・が、主役二人の心のうちはもう少し深く見せてくれても良かったかなって思います。
仲間さんの朧は、なんだか早くから諦め・・ムードでしたから。やっぱり許されない恋・・純愛・・ってことでしょうか。

でも最後は驚きでしたね!!
いや、まさかああするとは・・・ううう。痛い・・



2005年10月15日(土) 「夢のチョコレート工場」

1971年アメリカ 監督メル・スチュアート
キャスト ジーン・ワイルダー ジャック・アルバートソン ピーター・オーストラム

お友達から、こっちの「チョコレート工場」もいいよ!ってお薦めいただいたのですけど!!
いやぁ〜〜、これすっごく楽しかった。
まず、オープニング。チョコレートができていくシーン、これがとっても美味しそうで。甘い香りがだたよってきそう〜、これでもうすでに目がクギ付けに。
子ども達が集まるお菓子屋さんも可愛い。店員さんが急に歌いだすのです、ミュージカル調。キャンディやらチョコやばらまいて。
こちらのチャーリーはかなり苦学生風(?)なんとお父さんがいないのね・・そして新聞配達とかして頑張ってました。

ジーン・ワイルダーのワンカさんは、笑顔が優しそうだけど、でもちょっぴり寂しそうで。そして謎めいているのです。あの船に乗ったシーン、あそこのワンカさん・・目が怖かったですよ〜。
4人の子ども達、あのなんでも欲しがる女の子!!上手いね〜、あんまり上手くて憎憎しいことったら。
バイオレットは・・膨張してたけど・・顔はそのまんま・・でした(爆)
もちろんCGとかないので、工場のシーンは可笑しいほど手作り感に溢れているのですけど、それがほのぼのしてて、なんだかとても楽しかったのです。次、何がどんな風に出てくるんだろう・・って期待で。
あの砂糖で作ったピンクの船(原作では)がピンクでないのが残念でしたけど・・
そしてリスは・・・なぜかガチョウでした(笑)だって・ほらリスは無理ですよね、きっと。でもなぜガチョウ?金の卵・・を出したかったのかな?いかにも童話風だから。

チャーリーとおじいちゃん!!あららら・・意外と普通ぽくって。あんなことやっちゃってましたから!でもあのふわふわ浮いてるシーンは可笑しかったです。(あ、おじいちゃんが、工場に出かけようとベッドから立ち上がってふらふら・・するシーンも楽しい)

最後はね、意外な終わりでした。でも、人間不信に陥っていたワンカさん・・ということを考えると、納得・・の終わり方で上手いなあって思いましたよ。チャーリーのとった行動も子どもらしくて、でもいい子で、素直に感動しちゃいました。あの老人の謎もね・・

おおっと、忘れちゃいけません!ウンパ・ルンパ。
子鬼さんみたい。顔と体の比重が怪しい(笑)でもこれがすごくツボにはまって、可笑しくて楽しくて。

バートン監督の作品の方が、ブラックな風味が効いてビターなチョコの仕上がりなら、こちらはちょっぴりスイートでしょうか。
甘党の私は、こちらも大いに気に入って、即効DVDを買ってしまいましたよ〜。



2005年10月06日(木) 「シルヴィア」

2003年イギリス=アメリカ 監督クリスティン・ジェフズ
キャスト グウィネス・パルトロウ ダニエル・クレイグ マイケル・ガンボン
ブライス・ダナー

シルヴィア・プラスはアメリカを代表する女性詩人で没後ピューリツアー賞を受賞している詩人さんだとか。私は全然知らなくて、彼女の詩も読んだことはなかったのですが。
なので何の予備知識もないままこの映画を観たわけですが・・・う〜〜ん、やっぱり詩人さんってここまで繊細で情熱的な心を持ってないと人の心を射抜く詩は書けないのでしょうか。

夫は桂冠詩人のテッド・ヒューズ。ケンブリッジ大学のパーティで知り合った二人は、強く惹かれあい、卒業と同時に結婚。ニューヨークで賞を受けたテッドとは裏はらに結婚後の彼女は詩が書けないことに悩む。
そして夫の浮気を疑い始めた彼女の心は、どんどんと追い詰められてゆく・・・・

なんだか悲しい。
幸せな蜜月には思うような詩が書けなかった彼女が、彼と離れて憑かれたようにペンを走らす姿。溢れるように流れでてくる言葉。
悲しみと絶望が彼女のミューズを呼び、それによって賞賛の言葉を得ることになるなんて。映画の中で実際に語られる彼女の詩は、激しくて、痛い。

詩人同士の結婚、今のようにお互いが家事をする・・っていうことが無い時代なのでしょうね、結婚したら家事と育児に追われて疲れてゆくシルヴィアの姿が描かれているけれど、そういう普通の主婦の生活の中では彼女にインスピレーションは降りてこなかったわけですよね・・・・

出会ったときの幸せそうな二人、詩を語り合い暗誦しあう姿はとっても素敵だったのに、彼女が最後に選んだ道はあまりにも辛い。
あの日、子供たちにはちゃんとミルクとクッキーを用意していましたね・・涙。
アパートの階段で電燈を見上げて放心する姿や、ベッドの上で動かない・・・どんどんと心が壊れてゆくシルヴィアをグウィネスは熱演していました。
詩人仲間の夫婦が訪ねてきて、一緒にご飯を食べるシーンの彼女もすごかった・・居たたまれない雰囲気に刺が見えるようで痛い。

夫とやり直そうと髪をカールし、唇にルージュを引いたシルヴィアの美しさ。
その真っ赤な口紅の色と、雪の日に運び出される柩の赤がシンクロして。忘れられないシーンになった。

映画では、夫であるテッドの心のうちはあまりにも語られないけれど、彼の側からしたらどうなのだろう、彼女との生活や、愛し切れなかった痛みや。
彼の不倫相手のあの女性も何年後かに、シルヴィアを同じ道を選んだと聞きました。壮絶です・・・

この映画を観て彼女の詩を読んでみたくなった。そして夫のテッド・ヒューズの詩も。

凡人で普通の神経でよかったのかもしれない・・こんなに繊細で傷つきやすいと・・生きていくのはきっとかなり困難なのだろうから。



2005年10月03日(月) 「ルパン」

2004年フランス 監督 ジャン=ポール・サロメ
キャスト ロマン・デゥリス クリスティン・スコット・トーマス エヴァ・グリーン パスカル・グレゴリー

ルパン生誕100周年だそうです。
私がルパンを初めて読んだのは中学生の時かな。カーやクイーンやと一緒にいわば初めて出会ったミステリーもの。以来図書室にあるルパンシリーズはほとんど全部読みましたが、なにせかれこれもう30年近く前ですからねえ。

タイトルバックから豪華なジュエリーが登場して、期待感溢れます。

ロマン・デゥリス(「スパニッシュ・アパートメント」の彼ですね!)のルパンは私のイメージよりはちょっと細め、小柄な感じがしました。時々モンキーフェイスに見えちゃう小顔は、どちらかというとアニメの「ルパン3世」を思い出しちゃうのですけど(笑)だって、豪華客船上で逃げる姿、あの走り方は、あれは「不二子ちゃ〜ん」のルパンでしょう〜(爆)まさか、監督さん、知らないですよね!?
でも小顔でスリムな彼には、シルクハットにあの衣装、とっても似合ってました。もみあげも(笑)帽子や衣装も(赤と黒のあのボーダー!!可愛いけど微妙に可笑しい)いろいろ見れてね。変装は1度だけでしたけど。
ルパンが女性達の首や、手からジュエリーをするするっと盗んでゆく、鮮やかな盗みのシーン、楽しいです。

ストーリーは、シリーズ中の「奇巌城」(あのお宝の隠し場所、うわ、「奇巌城」だわ!って叫びそうになりました)「813の謎」「魔女とルパン」を取り混ぜたからでしょうか、2時間ちょっとは、少し長い感じもしましたけどたっぷり親子3代まで見せましたね。
ルパンをめぐる二人の女性、カリオストロ伯爵夫人とクラリス、そして謎の人物ボーマニャン。ルパンシリーズには、美しい女性は必要不可欠!そしてやはりなんといってもシリーズ中女性キャラではこの二人を登場させないことにはね!謎めく、艶と影のある伯爵夫人は大人の黒のイメージ、一途なクラリスは白のイメージ・・の衣装や、ジュエリーを身にまとって。まるでほら、バレエでいうと、黒鳥と白鳥のようでしたよね。それにしてもドレスも宝石も見事!ため息もの!あの扇も!!
クラリス役のエヴァ・グリーンは「キングダム」とは全然違う役柄で、でも彼女が演じるとやっぱり原作のクラリスよりもしっかと強い女性になってました。目に力がある女優さんですよね。

お話は、かなり突っ込みどころもありましたが(下に突っ込ませていただきましたので)でもこの映画の持っている雰囲気が私は好きだなあ。
なにより、フランスで作ってくれたことがね!やっぱりルパンにはフランス語でしゃべって欲しい。
そしてただただ爽快な怪盗もの・・っていう風に描かれていない、原作を読んで感じていた、ルパンシリーズの中の影の部分が出ていたところが良かったって思いました。
原作のルパン、もちろん粋でお洒落で、颯爽とした怪盗紳士ですけど、結構捕まったり、「奇巌城」では高校生探偵さんにやられたり、完璧じゃないのですよね。
そしてどんな女性に心惹かれても彼の心の中に影を落とす悲しみが生まれた瞬間も描かれていましたから。

アクション部分、スマートな格闘技(?)を見せてくれましたね。でも得意な「柔術」が出なかったのが残念だな、見たかった。

さてさて、で、突っ込ませていただこう〜っと。
ちょっとねたばれ・・ぽいところもありますから、まだ見ていない方はやめといてくださいね。












その一 ボーマニャンの謎、分かり易すぎ(苦笑)あ、あとボーマニャンの心のうち、今ひとつ分かりませんでしたね。
その二 伯爵夫人を葬るのに、何故に海で?悠長すぎ!ま、ルパンが助けないとお話が進みませんから・・ね。魔女だと普通は火あぶり・・ってひどすぎだね(汗)
その三 十字架の秘密の見つけ方!あれでいいの〜(笑)いや、あれ笑うところかしら?。
その四 クラリスが居場所を知ってるんですから、彼女に使いなんて出させている場合じゃないのでは?さっさとそこに行って十字架を奪えばいいのでは?
その五 そして十字架引渡し、なぜにカフェで?可愛らしすぎでは?待ち合わせ場所。古城とか、もっと辺鄙なところとか。そして爆破はやりすぎでは・・・テロリストみたいですよ、あれじゃあ。あ、でも最後も彼女やりかけてましたから。

まだあったかも。思い出せないけど。


でも突っ込みどころのある映画、好きなんですよ、ほんと(笑)



2005年10月01日(土) 「読書する女」

1988年フランス 監督ミシェル・ドヴィル
キャスト ミュウ=ミュウ マリア・カザレス クリスチャン・リュッシュ
マリア・デ・メディロス マリアンヌ・ドニクール パトリック・シュネ

ベッドで夫に本を読んであげるコンスタンス。
手にした本「読書する女」に登場するのは、美しい声の持ち主マリー。友人の勧めで“物語を朗読する仕事”を始めた彼女に仕事を依頼してきた人々は・

大勢の前でじゃなくって、ひとりの人と向かい合って、物語を読む。
そこには、かなり個人的な空間が生まれるのかなあ。
美しい声は罪?なのかしら(笑)
彼女の声が身障者の男の子や、妻と別れた社長さんにおよぼす、官能の世界。彼女はプロとして徹底しようと思うんだけど、1対1でね、向かい合って、ひとつの物語を共有していると・・どういうのかな、突き放せないつながり・・みたいなものが生まれてくるのかしら。

ほかにも右翼寄りの老婦人や、ひとりで留守番する女の子。
それぞれに彼女が読み上げる本がね、どういうの選ぶんだろう?って興味深くて。思わずメモしてしまったわ。

彼女みたいに、キュートでお洒落な女性が、なんとも美しい声でドキッとするお話を読むと、それはもう、読んでもらう方には、違う気持ちが生まれてきちゃうよね。男の子もかなり大胆なこと言ってましたけど(ビックリ)社長さんも可笑しかった。なんだか憎めなくって。ザブトンみたいな、クッションから、変な形のイスが登場。ベッドの中から、最後は、彼女のおしりに本を乗せたりしてましたもん(目のやり場に困りました〜、でもなんとも乗せ心地の良さそうな感じでしたけど〜笑)
なんとも必死な彼に比べると、あの判事さんたちはね〜、なんですかね、やり方が嫌ですねぇーー。

映像もお洒落な映画でした。彼女が歩く、あの街角はグレイがかったオフホワイト。
老婦人は、赤いカーネーションにショール。赤のイメージ。
男の子の部屋はグリーン。誕生日会のキッチンや、ケーキも可愛い。
そしてマリーはブルーの帽子が印象的。眼鏡も似合ってましたね。公園のベンチに寝そべって本を読む姿も、キュートでしたね。
雨の日のレインコートや、裾をあげるワンピース。ファッションもいろいろで楽しいし。
ミュウ・ミュウって、少年っぽいのに、母性本能も持ってるような、不思議な魅力をもった人ですねえ。

彼女が読んだおはなし、全部じゃないけどこんなのでした。
モーパッサン「手」
ボードレール「悪の華」
マルクスは題メモできなかった。
トルストイ「戦争と平和」
キャロル「不思議の国のアリス」
デュラス「愛人」
知ってるのも多くて、嬉しかったな。

その人に、どんな本を読んであげるか、それを選ぶのって、大変な選択のような・・気がします。

原作が残念ながら絶版らしいのですが、嬉しいことに図書館で見つけたのですよ!!読んだらブログに載せようと思っています。




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