瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
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2005年05月31日(火) 「ホワイトライズ」

2004年アメリカ 監督 ポ^ル・マクギガン
キャスト ジョシュ・ハートネット ダイアン・クルーガー ローズ・バーン
ジェシカ・パレ

フランスの映画「アパートメント」がオリジナルなのですけど、少し前にお薦めされて観たばかりなので、まだ記憶に新しくて。二重の意味で楽しめました。

お話はほとんど同じなのですけど、やっぱり少し雰囲気とか違いますよね。キャストの雰囲気とかもあるし。
「アパートメント」の方が、洗練された雰囲気がするかな。冷たい感じも。
「ホワイトライズ」こちらも同じ冬の公園で冷たい白い息が舞うのですけど、でもなんだかその息もふわ〜〜と舞うようで寒そうだなあって思うけど、冷たい感じはあまりしないのね。これってジョシュ君の持ってる雰囲気もあるかな?
彼だとバンサンのように突き放して観れなくって、(母性本能くすぐるタイプですよね)ついついしっかり〜って応援したくなってくるから(笑)

ストーリーはほとんど同じなのですね。でも3人の出会いのシーンとか今風(?)になってましたね。あとアレックスが先に恋した様子がはっきり描かれていたり。
出会いや、別れや、愛も別離も。ほんの少しのすれ違いや、タイミングで変わってくるのですよね。
観ている分には、もうなんていうか、歯がゆいというか。
劇場のシーンがオリジナルと違ってましたね。
そして、マシューとアレックスが友人を挟んで話すシーン。やっぱりジョシュってなんだか優しいんだわ。アレックスのことを責めきれてないよね(苦笑)

「トロイ」の美女さんたち。ダイアンは正統派の美女ですよね。踊る姿も綺麗。スタイルも抜群だし。(クツを履く時)あんなふうに美しい足を差し出されたらねぇ・
ローズは美人じゃないんだけど(ほら、最初の頃なんて、やぼったいメイクとか格好だし、余計そう思ってしまうのだけど)泣き顔とか、とても印象的なのですよね。

ラストがね、オリジナルと違うって聞いてたのですよ。どう違うんだろうってドキドキ。いつダニエルが〜〜って思うと余計に。
「アパートメント」のラストのほうが、やるせない分だけ後引いてなんだかいかにもフランス的〜なんて思ってしまったのですけど。
こちらのラストは、こちらで(キャストの雰囲気からしても)合ってると思いました。(いろいろ考えちゃったから)ある意味意外なラストかもしれません。

あ、それからマシューの出張先、東京から中国に変わってましたね(笑)



2005年05月17日(火) 「キングダム・オブ・ヘブン」推奨月間?  ネタバレあり

え〜っと、ということでまたまたKOHです(笑)
いや、ギア様も見たいのですよ、「エターナルサンシャイン」でぐっと株が上昇したジム・キャリーも見たいのです。

でもね、でもほら・・推奨月間だからね(笑)

前回は全体の感想だったので、今度は好きなシーンあげちゃおう。

グレーがかったブルーのトーンが寂しくも美しい冒頭のシーン。道端に置かれた遺体の顔に巻かれた布が風でさっとあおられて・・・ドキッとしました。

傷を負った父親に、「私が(おまえを)離さないから」みたいなことを言われたバリアンの顔に一瞬浮かぶなんともいえない表情。いろいろな感情が交錯しているような。

エルサレムの街で目覚めるシーン。
朝の光の中に、香の煙がたちこめて、流れてゆく。階段を下りるバリアンの指がアップになって、イベリンの領主の指輪が見える。ゴッドフリーが渡したときにははっきり見せないで、ここでアップにするところがニクイよね。でも、どうして小指につけてるんだろう?

ゴルゴダの丘で神の声を待つバリアン。夕方から夜へ。
それまで流れていた音楽が消えてしまうのです、静寂の訪れ。

ホスピタラーが「宗教は言葉にすぎない」「大切なものは、ここと、それからここにある」とバリアンの頭と胸を指すシーン。
ボードワン4世に謁見するシーン。チェス盤が見える・・
「王に仕えるとも、自分の魂は誰のものでもない」「あの時ああしておけば良かったなどと神にいいわけは出来ない。魂は自分のもの」
このふたりの、この言葉はバリアンの後の行動に大きな影響を与えていますよね。これはね、私も心にしっかと留めました。

イベリンの地に水を引くシーン。布で口をおおっているバリアンが可愛い(笑)
この水を引くために働くバリアンを格子のついた窓から見ているシヴィラ。このシーン、プレミアではなかったような(?)
水が引けてから荒れた地が、やがて緑の水田になっているシーンへと移りますよね。これって、だいぶ月日が経ったってことでしょうか?
ということは、シヴィラはずいぶん長くここにいたってことですよね。

臨終のボードワン王にシヴィラが会いにゆくところ。
若く、美しかった時の私を覚えていてくれ・・という王の言葉に涙するシヴィラ。

戦闘シーンは、重いよね。なんというか、ずどーんとくる。あまりCGを使ってないって聞きましたけど。あの飛んでくる火の玉、すごい迫力でした。
必死の形相で、城の上に上がったサラディン軍の旗を奪って投げるシーンには、思わず力が入ります。

平和な解決を申し入れてきたサラディンと交渉するシーン。
バリアンの聞く「エルサレムとは?」の問いに答えたサラディンの言葉。これはね、これは書かない。実際聞いて欲しいから。そしてその答えを聞いたバリアンの表情。

民が去ったあと、エルサレムの街で倒れた十字架を見つけたサラディンが、静かにそれを立てて置くシーンは、なにかとても象徴的だ。

そして、ラストシーン。自分の住んでいた村に戻ったバリアンが、花を咲かせた木をそっと愛でるシーンがある。私はこのシーンが好きでたまらない。
ここを観た時、なぜスコット監督がこのバリアンという主人公にオーリィを選んだのかそれがわかるような気がした。
強くてたくましくて堂々としたヒーローなら彼よりもっと上手く演れる人はいっぱいいると思う。けれどもバリアンはそんなこれまでのヒーローもののヒーローとは違う。
もっと繊細で、未熟で。けれども芯の強さや、情熱を秘めた。そんな騎士の心をもった一人の若者。バリアンはオーリィが演じるのに相応しい。



2005年05月15日(日) 「スウィングガールズ」

2004年日本 監督 矢口史靖
キャスト 上野樹里 貫地谷しほり 豊島由佳梨 平岡裕太 竹中直人 白石美帆
小日向文世 渡辺えり子 谷啓

野球部の応援に出かけたブラスバンド部員に弁当を届けに行った補習組の友子たち。でも炎天下の中、のらりくらりと出かけた彼女たちの弁当を食べたバンド部員が食中毒になってしまったから!!
かくして、一人難を逃れたブラスバンド部員中村君と、友子たちでビッグバンドジャズを組み野球部の応援をすることになったのだけれど・・

スウィングガールズ&ボーイなんだね〜。強〜い女の子たちに押されながらも頑張ってる黒一点の中村くん、なかなかいい味だしてますよね。
意外なことに練習で一番上手くなりそうなのが、大人しくて、ちょっと根暗で(はっきり意見をいえない)女の子っていうところも上手いなあって思った。彼女に対抗心を燃やして俄然やる気になる友子・・一番普通っぽい、少し気の強いちゃっかりものの女子高生って感じだよね。

ストーリーも、先とか読めるんだけど、でもなんだか楽しくて。
最後の演奏なんて、素晴らしかったですよね。いいなぁ・・ジャズとか普段全然聞かないけど、とても楽しかった。
先が読めるといえば・・やっぱりあの方、ああいう役でしたね(笑)でも、上手いけど(笑)

久しぶりにルーズソックスの女子高生を見ましたよ。今じゃもう見かけませんもんね。東北弁もいいよね。なんだか同じこと言っても、ストレートにキツく響かないんですよね。

すぐその気になるから、ジャズのCDでも欲しいなあって思ったり。
楽器も憧れますよね。縦笛しか出来ない身としては(苦笑)
いや、でもやろうと思えばきっとできるはず、なんだって。
そういう気持ちをもらった映画です。

DVDの特典にキャラたちの性格設定とか、生い立ちの設定とか、細かく考えられているのが紹介されてて面白かったです〜。



2005年05月14日(土) 「キングダム・オブ・ヘブン」初日  

2005年アメリカ 監督リドリー・スコット
キャスト オーランド・ブルーム エヴァ・グリーン ジェレミー・アイアンズ デヴィッド・シューリス リーアム・ニーソン ハッサン・マスード
エドワード・ノートン

初日行ってまいりました!!プレミアの時は、(あまりにも嬉しいことに)超前列の席だったので全体が見えなかったのですが、今回万全の席で、しかも落ち着いて見てこれました。で、改めてじわじわと感動しています。
1度目観た時は、十字軍や宗教的なことが分からないと難しいな・・って思ったのですけど、2度目観てそういう知識とかはかえって必要ないのでは?っと逆に思ってしまったのでした。

悲しみから自分を見失った青年が、答えを求めて旅立った先に待ち受けていたもの。
異なる宗教の人々が同じ社会で暮らしているエルサレムに身をおいて。父の教えや偉大な王の言葉に耳を傾けるうちに、宗教などのしがらみを越えた「自分の魂に従う生き方」こそが「天国の国」への道なのだと気付いて。
他者を認める気持ちの大切さや、何より、人の命の重さ。守るべきものは城壁の石ではなくって、民の命だということ。
この時代から何世紀も経った現代の時代でも、もっとも欠けているものを監督は訴えかけているような気がします。
単にスペクタクル映画とか、戦闘ものにするんだったら、いくらでももっと派手に出来たでしょうに。痛快さとか、すかっとする・・なんていうところからは遠く離れた重さ、悲しさを感じます。
戦いはいつだってどうしたって、悲しいものなのです。カッコいいものではないのです。

それにしても、バリアンが出会う人々、みんないいですよね〜。
父親ゴッドフリーは、登場時間は短いですけど圧倒的な存在感で最後まで彼の教えが見えるようだったし。
司祭ホスピタラー役のデヴィッド・シューリス!!彼がまたいいのです。飄々としてて優しくて。最後に馬上から手を振る姿なんて、泣けますよ。
ティベリアス役のジェレミー・アイアンズも素敵だし、ボードワン役の(あ、これって秘密かしら?)方がね、声だけなのにあそこまで演じられるとは。
そんな方々の言葉にじっと耳を傾けるバリアンの表情から目が離せませんでした。
そしてそんな彼らが去っていってしまった後、バリアンは動き出すのですよね。

初日は、家族みんなで観にいきました。いつも辛口なだんな様に「ね、ね、Oちゃん(今ではすっかりこの愛称に 笑)どうだった?頑張ってたよね?」って聞いたら。意外なことに「まあまあやな」って(やった!!笑)
下の子なんて、時間が長いし、大丈夫かなって思ったけど歴史ものキライじゃないので良かったって。ただなんで、バリアンはあのくらいのことで人を殺してしまったの?って聞かれましたね、あの冒頭のシーンね。
うんうん、あれはね、そう思ってしまいますよね。でもね、でもね、あの前にはね、牢獄で〇〇されるシーンとかね、奥さんのお墓の前で〇〇されるシーン(怪しいね、〇〇って )とかね、カットされてるわけですよ。だからねぇ・・どうしても唐突に思ってしまうのですけど。
ま、このあたりはDVDに期待ですね。

あ、感想まだ書き足りない〜。
でもまあ、このあたりで。またたぶん観にいくので(汗)



2005年05月06日(金) 「エイプリルの七面鳥」

『初めての料理は、ママのためにつくる最後のディナー。
大キライだったママとの思い出を切り刻み、いろんな人に助けられて焼きあがった七面鳥のおなかには、言えなかった「ありがとう」がつまってた』

これね、この映画のキャッチコピーなのですけど、もうこれだけで伝わってくるものがあると思いません?いいなぁ・・このコピー。この映画への愛情が感じられる素敵なコピーだわ。

家族と上手くいかなくて一人家を出て恋人(この恋人がまた優しいのですよ〜)と暮らすエイプリル。
料理なんてしたことない彼女が、感謝祭の料理を作って家族を招こうと決めたのは、もう余命いくばくもない母親と仲直りのチャンスが欲しくって。

でもお料理は上手くいかない。ポテトを切る様子なんて、もう叩き切ってるって感じだし。オーブンは壊れてしまって貸してくれる人を探してアパート中をかけずりまわるし。
このアパートの住人さんたちがまた、とても個性的でね。
最初は(オーブンを貸して)っていうことも上手くいえないエイプリルが、いろんな人と話していくうちにだんだん素直になってくる様子とか。

招かれた家族たちの胸中もなかなか複雑なものがあるようなのです。
ドライブの途中のいろんな会話や姿からエイプリルとのことや、家族の間の思いなんかも見えてきて。
神経質そうで、不安定な様子の母親役の女優さん、うまいですよねぇ〜。
きっとエイプリルとの間にも、いろんな期待や、思いが行き違って、お互いに距離が出来てしまったのでしょうね。
でもあのトイレで見た女の子の姿に、心の奥深くにしまわれていたエイプリルの幼い頃の姿とか、思い出とかが、ふわっと浮かんできたんでしょうね。これはね、なんかすごく分かる気がしましたよ。

ラストシーン、みんなで(いろんな人も一緒に)感謝祭のテーブルにつく姿があったかいね。セリフや説明のない、このシーンが好き。抱き合ったり笑顔が見えたり。

誰かのためにお料理をする。
それってすごくシンプルな愛情表現だけど、その過程や味付けで、ひとりひとり愛情のレシピも違ってきちゃう。
愛情表現もお料理も不慣れなエイプリルの七面鳥。でも、まわりの人々に助けられて、いろんなスパイスが加わった七面鳥は、きっといい味になってたんじゃないかしら。



2005年05月04日(水) 「解夏」

2004年日本 監督 磯村一路
キャスト 大沢たかお 石田ゆり子 富司純子 松村達雄 田辺誠一 柄本明

ずっと、気になっていたこの題名「解夏」。
仏教の修行僧が行う、行から来ているのですね。
“結夏”に自分に課した行を始め、その行から解き放たれるのが“解夏”

しだいに視力を失うベーチェット病(こういう病気があるのですね、悲しい)に冒された隆之。目が見えなくなってゆく・・という恐怖の日々が彼に課せられた行だとしたら・・解夏は、彼がその恐怖から解き放たれる日・・失明する日なのですね・・・
でも修行僧は、解夏から普段の日々に戻ってゆくけど、隆之にはそこから新しい日々が始まってゆくわけですよね。
目が見えない生活・・という日々が。

そんな彼の怖さ、悲しみが、すごく自然に伝わってきました。けっして押し付けがましいものではなくって、とても自然に。
そしてそんな彼を支えようとする、恋人や、母親や、友達や。
淡々とした日々の中で、それぞれの人々の気持ちがとても素直に感じられました。
中でも富司さん演じるお母さんと、隆之に解夏の話を教えてくれた林老人(松村達雄さん)は、いい雰囲気でした。

長崎の自然も、綺麗でしたね。坂も印象的でした、坂の町ですもんね。
自分の育った町の風景を目にやきつけておこうとする隆之。
最後に見たいものって・・もし、私だったらなんだろう・・そんなことを考えてしまいました。
でも、本当に目が見えなくなるって辛いですよね。想像したくないほど、悲しいです。

暗闇というのは、光が見えないものには存在しないという話も印象に残りました。
盲目の世界は暗闇ではなくって、そこは乳白色の世界だと。

もし、自分にも背負わなければいけない行があるとしたら。
こんなに辛い行はどうか背負わさないでください・・思わずそう願った弱虫の私でした。





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