瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
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2003年12月21日(日) 「ブロンドライフ」

2002年アメリカ 監督 スティーブン・ヘレク
キャスト アンジェリーナ・ジョリー エドワード・バーンズ トニー・シャローブ クリスチャン・ケイン 

シアトルのTV局の売れっ子リポーター・レニー。恋人はメジャーリーガー、日々体力とプロポーションに磨きを掛ける彼女の夢は、ニューヨークの大手TV局の超一流リポーターになること!!
でも今日の取材には同じTV局に勤めるピートが一緒だと聞いて、彼女は憤懣やるかたない、どうやら、二人の間には過去に何かあったらしい。
そんな時、レニーは街角の預言者ジャックから、「あんたは来週の木曜に死ぬ」運命だと言われる!!ジャックの占いはいまだかって外れたことがない・・!

金髪で巻き毛のアンジェリーナはなかなかゴージャスで、はつらつとした演技も楽しいわ。なにやら、犬猿の仲のようなピートとの関係は、よくあるラブコメ風で、結末もきっとこうなるんだろうなあって分かってしまうんだけど、そこにあの占い事件がからんでくるので最後まで楽しませてもらいました。
預言者ジャックのトニー・シャロープは個性的で飄々としていて、役にはまってるし。メジャーリーガーの恋人との、ちょっとした心の行き違いなんかもなんだか分かるような気がして。フィアンセのアパートで、素の自分になって彼を待っているレニーが可愛い。

ピートが、レニーに作ってくれる朝のメニュー。
フレンチトーストにオレンジジュース。イチゴのスライスが、なんとも芸術的に美しくて。こういう朝食を作れる男性って素敵!!ま、日本人ならご飯と味噌汁を作ってくれる人ですか!?ううう〜ん、ご飯と味噌汁・・いや好きですけど・・ちょっと違う・・か。

運命の木曜日、デボラ・コナーズにインタビューするレニー。このインタビューは、なかなか緊迫感あって良いですよね。思わず観客になってこのインタビュー番組を見てるような気持ちになりました。

最後もちゃんと幸せな結末!!でもこうでなきゃーね!!
2003年最後の映画鑑賞は、明るく幸せな気持ちで終わりました〜。




2003年12月20日(土) 「ハルク」

2003年アメリカ 監督 アン・リー
キャスト エリック・バナ ジェニファー・コネリー ニック・ノルティ サム・エリオット ジョシュ・ルーカス

エリック・バナが観たかったのです。
「ハルク」ってあちらでは人気シリーズなのでしょうか。テレビ映画も作られているって聞きましたけど。
う〜ん・・・なんて言ったらいいのか。ハルクは超人なのですよね、でもヒーローじゃないわけで。この映画の中でも破壊行為しかしてないし。って思ったら!!いけない、いけない。愛する彼女を守ってましたよ!!忘れるところでした、そのあとの壊すシーンばっかり印象に残ってて。
ハルクを演じるエリック・バナの悩める顔は良かったけど、彼の周りの人々の思惑ばかりで物語が進んでゆくのはちょっとどうかな〜。もうひとつ彼自身の気持ちもはっきり分からないし、それ以上に分からないのは、お父さんですよね。いったい何がしたいんでしょ!?
父親とハルクの確執もよく分からなかったな。でもニック・ノルティは鬼気迫るものがありましたね。
ハルクの恋人ベティもね〜、彼のこと好きなんですよね?・・だけどどうも傍観者のような態度に見えてしまうのは何故?
しかも最後、なんでお父さんとハルクを会わせますか〜?会わせないでしょ、あの状況では〜。ああなることがミエミエですもん。
突込みどころ満載でした。
突込みどころといえば・・一緒に観ていた息子が「ハルクになっても(巨大化しても)ちゃんとパンツも一緒に大きくなるんやね〜」などとつぶやいておりました!いや、そりゃあねえ・・変身物のお約束ってわけですわ(爆)

緑のごむまりのようにはねるハルクは気持ち良さそうでした。
それから画面が分割されるところなんかは、アニメっぽくてなかなか面白い映像でしたね。



2003年12月09日(火) 「ラストサムライ」

2003年アメリカ 監督 エドワード・ズウィック
キャスト トム・クルーズ ティモシー・スポール ビリー・コノリー トニー・ゴールドウィン 渡辺謙 真田広之 小雪 中村七之助 管田俊 福本清三 原田眞人 小山田シン

明治維新の日本。近代化の波の中で、捨て去られようとする最後の“サムライ”たち。アメリカで政府に反乱を起こしたインディアンを討伐し、女性や子どもまでも殺戮したことで悪夢に悩むオールグレン。
自身の誇りまでも失いかけた彼に日本で与えられた仕事は、反乱士族を討伐することだった・・・

前半のこのオールグレンの悩み、アメリカで夢を失った彼の失望。(彼が)討伐したインディアンと日本のサムライの姿が重なってゆくところなんてとても上手いと思う。最後のサムライ、勝元とオールグレンの出会い、そしてしだいに芽生えてゆく友情に無理を感じないのはこういう背景があってのことだと思う。
勝元とオールグレンの会話がいい。(ただ・・こんなに英語が堪能なサムライがいるかなあってことは思うけど。謙さん、英語上手いですね!)
捕らえられて過ごした村の冬、そして春の情景が美しくて。日本の国ってこんなに美しかったんだ・・ってしみじみと思いました。
村のサムライたちも良かったですね。勝元を演じる謙さんの素晴らしさに圧倒され、オールグレンに厳しくあたる氏尾(真田さん)まっすぐな眼差しと若さが潔い信忠(小山田くん)も良かったし。
そして何より私はオールグレンのあとをいつも黙ってついて歩く老サムライ(福本さん)、彼がいいなあって思って。
その静かな存在感がとても気になって、彼の名前を知りたさに今回パンフを買ってしまったくらい。福本清三さん、16歳で京都の撮影所で仕事を始めて以来、44年間通算2万回以上も斬られ役を演じてきたという方。立ち振る舞いから、着物姿までまさにもうサムライそのもの。パンフに写る福本さんのショットが美しいのですよ〜。

散ってゆくサクラのように、戦場で死に向かうサムライたち。戦闘シーンはやっぱり悲しいわ。ただ、最後討伐兵たちが、サムライたちに礼をするシーンは・・・あそこまでしなくてもいいかなって思ったな。ラストはちょっと出来すぎって感じでした。勝元の心を伝えたいって気持ちは分かったけど。

かって長い間、日本の国を支えてきたサムライの時代。そんな時代があったことをもう忘れかけているけれど。激動の時代、変化してゆく時代には、去ってゆくものもあるのだけれど。
忘れてはいけないもの、大切にしていきたいもの・・そういうものがあるんだなぁ、・・そんなことを思い出させてくれた映画でした。
日本の国をこんなに美しく描いてくれたトム・クルーズとズウィック監督に感謝したい。



ええ〜っと、ちょっとおまけ。
最後の戦闘シーンに参加するオールグレンの鎧姿をチェックする(真田さん演じる)氏尾の目の下に黒いクマ!?(化粧だよね)。長い髪とあごひげ・・・で思わず「ジャック・スパロウ!?」とつぶやいてしまった私・・あぁ・・すっごく感動するシーンにこんなことを思う私って・・バカバカ〜。でもちょっと似てたよぉ・・



2003年12月02日(火) 「オルランド」

1992年イギリス・ロシア・イタリア・フランス・オランダ合作
監督 サリー・ポッター
キャスト ティルダ・スウィントン シャルロット・ヴァンドレイ ヒースコート・ウィリアムズ ロテール・ブリュトー ジョン・ウッド ビリー・ゼイン
ジミー・ソマービル クエンティン・クリスプ

原作は「ダロウェイ夫人」などで著名なヴァージニア・ウルフ。
少し前に読んだのですが、かなり長くて四苦八苦したのでした(汗)

16世紀のイングランド。エリザベス1世の寵愛を受ける青年貴族オルランドは、「決して老いてはならぬ・・」と女王に言われた言葉通り、その後400年の時を超え、性別さえ超えて、若く美しく生き続ける・・

映画はこの長編をかなり思い切ってカットし余計な解説も一切無し・・という思い切りのよさ。なんとも不思議なムードを漂わせる映画でした。
オルランド役のティルダ・スウィントンは中性的な美しさを持ち、なおかつ中世的で。その昔の肖像画に描かれた人々のような、この世のものとは思えない不思議な存在感。顔がアップになったときの彼女の瞳は、まるで宝石のように硬く冷たく輝いていました。

失恋、詩作の断念、そして戦争の痛手。6日間眠りつづけた彼が目覚めた時にはなんと女性になっていて。鏡に映った自身の姿を見て「同じ人間・・何も変わってない」そうでしょう・・っとまるで問い掛けるかのように映像の中から見つめるオルランド。思わず「うん」ってうなずきそうに(笑)

女性としてなんら臆することも無く(しかし、使用人たちも全然驚かないのが面白いよね・・)強く生きてゆく彼女。恋をし、娘を産み。
現代の世界にまで登場するのだから。
娘と微笑みあい、空の天使(天使なんだよね・・ちょっと怖いけど・・歌は素敵)を見て幸せだと涙する彼女。
なんか不思議だけどすごく爽やかな感動を覚えました。
いやぁ・・あの原作がこんな風に映画化されるとは、ちょっと予想外だったけど良かったです。

サリー・ポッター監督は「耳に残るは君の歌声」もそうでしたけど、音楽をとても印象的に使う方ですね。この映画の中でも歌声が素敵に使われていました。

後で知ったのですがエリザベス1世役の方は男性だったのですね〜。
分からなかったわ・・・
寒波で氷の都とかしたロンドンでの氷上のダンスや、サロンでお茶を飲む様子(カップが小さい〜)、オルランドの髪型や衣装などもなかなか楽しいです。
 



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