風にふわりと 〜こころのすきま〜


この手につかむために


ほしいものがたくさんある。
手の届きそうにない代物ばかりだ。
でも夢にするには現実と近すぎて、
あきらめきれないない代物ばかりだ。

努力しつづければ報われるのかな。
いつかはこの手につかめるのかな。

自問自答しながら階段を下りていたら、
ふと忘れ物に気がついた。
気をぬいたわたしは、三段一気に滑り落ちた。
目の前には大きな鏡。映るのはわたし。
鏡に映ったまぬけなわたしに向かって、
心の中でつぶやいてみる。

自由に生きればいいじゃない。

自分で測れない希望があるなら、
捨てる必要なんてないとも思う。
たくさんあるほしいものが遠くにあっても、
生きてゆく姿がそれなら、
いつかは手に入れられるかもしれないと思う。

すると、少し納得した鏡の中のわたしは
なんだか照れくさそうに回れ右して、
滑り落ちた階段を一気に駆け上がっていった。



2004年05月19日(水)

夕闇


夕闇が、わたしを覆い隠すかのように降りそそぐ。
フレームが曲がって、すぐずれるメガネを、
ぐいと上に押しあげて直してみても、
どうして、空を上手く見ることができない。
仕方なく、地面に夕闇が染みこむ様をじっと見つめて、
わたしはゆっくりため息をついた。

どうしてこんなに気分が晴れないの。
一日を振り返って流れの速さに愕然とする。

哲学の授業で、「正義」や「正しさ」について学ぶ。
価値観の違いに惑わされて、迷い続ける。
真実は一つではないかもしれない。
けれど、事実は一つだろう。

夕闇のせいにしてもただ虚しいだけ。
自分のせいにするとただつらいだけ。

何が正しいのかはわたしにはわからない。
全てを肯定できる日なんておとずれるはずもない。
落ちる夕闇が肩にのしかかる。

信じてやることができないのが悔しい。



2004年05月18日(火)



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Akira
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