ちょっときもので・・・...mao

 

 

三尺帯、または兵児帯のすすめ - 2003年01月31日(金)

年末に母が紬の無地の羽織を仕立てた。
羽織裏に選んだのは、異人絵のもの。
オランダの商人や商船のイラストが染められているものだ。
更に、無地の羽織だからおしゃれ紋をつけると、
あまり布部分のイラスト(オランダ商人さんね)を2人ほど選び、
それをパッチワークにするという。
はぁ、凝っていらっしゃいます、全く。

そんなこんなで絵柄選びなどをするために、
呉服屋行きのお供をしていたら、
いつのまにか、私も無地の羽織を仕立てるということになっていた・・・。
黒い無地の紬で、合わせる羽織裏はピンク。
絵羽に柄付けがしてある。
その柄がね〜、黄色いドレスが背中の真ん中にどーーん。
その周りに、靴やアクセサリーなどの小物が並んでいるのだ。
前の部分にも、靴が片方ずつ描いてある。
フランス風のイラストなのだ。
(最初に仕立てた長羽織の裏は、
黒地に大きめのフランス人形柄なんだけどね、
こういうのが好きなんだわ。)

こうなると、私のおしゃれ紋どうしよう、
とお決まりのコースにはまるのだった。
私はちょっと大きめの刺繍紋にしようと思っているのだけれど
、なかなかこれというアイデアが浮かばない。
画集を見てみたり、雑誌をめくってみたりするんだけどね。
やっぱり羽織裏のイメージと合わせたいし。
ま、急いでいるわけではないので、しばらく反物は預けておいて、
ゆっくり素敵な紋を考えることにした。

で、本日のお出掛け姿

仕事の書類提出の締め切り日だった。
送ってしまえばよかったんだけど、
まぁ、着物をきて出掛ける場所が欲しかったし、
わざわざ出向くことにした。
突然決めたから、半襟合わせる時間はなし。
そんな時は白い半襟(つけたままのを用意してあるの)。
今日は、絞りの三尺帯が主役。
雑誌の編集者で、着物の記事を担当している方をちょっと知っているのだけれど、彼女は大の兵児帯好き。
「あなた、兵児帯しなさい。いいわよぉ、兵児帯。」
といつも勧めてくれる。うん、私も兵児帯好きです。
三尺帯は子供が締めるもののことで、
兵児帯は男性のもの・・・でも、基本的には同じものよね。
母も三尺が大好きで、家には、名古屋帯を端の処理だけをしてもらって、
三尺ふうにしてあるものがけっこうある。






後ろはこんな感じ

兵児帯や三尺は簡単だって言われるけど、
私は、けっこう締めるのにセンスとコツが必要だと思う。
難しいのよ!結び目をしっかり締めてあるつもりでも、
だんだんと下に落ちてしまって、伊達締めが見えてしまうことがある。
リボンの大きさや、たれ具合もなかなかきまらないし。
プレゼントにつけるリボンもかっこよく結べないくらい、
ひも結びが苦手だから仕方ないか・・・。
今日は、黒のアクリルテープを使って、
結び目をぎゅっと締め上げてみた。
テープは帯の中に押し込んで隠してあるんだけど。
こうすると落ちてこなくて具合がいいみたい。

繰り返し締めて、慣れるしかないね。
オレンジ色の、これまた絞りの三尺帯がある。
春の着物に合わせよう。楽しみ。






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はきものフェチのお気に入り - 2003年01月27日(月)

ひどかった腰痛はだいぶよくなったけれど、
まぁ、今月は慌ただしいし、忙しいしで、
4日に着物に袖を通した以来さっぱり・・・。
昨日も、おがわやさん企画の新年会があったけれど、
仕事入りでキャンセルするはめになった。
夜、新年会の様子をメールで知らせてくれたのは、
いつも素敵に、粋に着こなしていらっしゃる
夢ジェンヌさま。皆様新年会ということもあり、
やわらかもので豪華なお着物だった。
私、とっておきのカメリアの小紋を着るつもりだったのにぃ。

今日は、私の大好きな履き物のこと。足下のおしゃれって、
わりと子供の頃から気になることだった。
(母の影響は否定できないんだけど・・・)
小学三年生の時に買ってもらった、黒に赤い刺繍のウェスタンブーツは、
まだとっておいてある。

大学に入った頃は、母の持っている高田喜佐さんの靴がすごく素敵で、欲しかった。
だけど、すごく高くて手がでない。でも、クロワッサンの店の企画に、
キサ・シューズからズックみたいな靴がでた時、
飛びついて買ってしまった。真っ赤なズック。
オーストラリアに一人で旅行した時にはそれが大活躍だった。

大学三年生の春休み。貧乏旅行だったけど、シドニーのオペラハウスでお芝居を見たくて、
黒いレースのノーマ・カマリのワンピースを持っていった。合わせる靴はその赤いズック。
向こうで知り合い、お芝居に行くのをエスコートしてくれるという男の子が、
「えーー、ズックはいちゃうの?」
と言ったけれど、実際にはいてる私の足下を見て、
「びっくり。ぴったり合ってるね。」
と誉めてくれたことは、今でも覚えている。

私の友達にも、靴が大好きな人がいる。
NYのかずみちゃんの部屋には、ブーツ、靴、サンダル、スニーカー・・・と、
彼女のこだわりの履き物が並んでいる。
どの靴にも、彼女のストーリーがあって、眺めているだけでも楽しい。
これ素敵、あれ素敵、これどこの靴・・・と、うらやましくなるものばかりだった。
この冬はNYから離れて、雪深いAspenにいるから、あの靴たちは冬眠中なんだと思うけど。

私の履き物好きは、着物の場合も変わらない。
お草履よりも、下駄に惹かれる。
初めての着物を選んでくれたのは母だったけれど、そんな母も、私の履き物好きを知っているから、
草履は彼女が自分で選ぶから、と手を出さずにいてくれた。
最初の着物でのお出掛けは、お草履が間に合わず、母のものを借りることになった。
かなり地味だし、着物に合わない・・・というのが、率直な気持ちだったけど。


どちらも畳表のぽっくり型の下駄。
下駄でも、畳表ならば、普通のお草履と同じ位の格になるというので決めた。
私は背が低いので、ちょっと高さがあるものの方が、着物をすっきりと着ることができるし。
初めて買ったのは、桜の花の刺繍の黄色い鼻緒のもの。けっこう登場機会の多い下駄である。
その後、同じ畳表で、色の濃い、からすのものも購入。この鼻緒とおそろいの半襟もあるのだ。
着物とのコーディネートも考えてあるのだけれど、まだデビュー前。












いくら下駄派とはいえ、やっぱりお草履もないとね。
黒いエナメル台には、絞りの鼻緒をすげた。紬にも合うので、お気に入り。
ただ、鼻緒の黒い色が白い足袋にうつってしまうのが難点だけど。
グレーのエナメル台に薄いピンクの縮緬の鼻緒のものは、おがわやオリジナル草履。
真綿をぎゅっとつめた台は、ものすごく履き心地が良い。
普段、高さのある下駄が多いから、お草履を履いた時は、ちょっと視界が低いような・・・気がする。












これはお遊び下駄。黒い台に、いろいろ文字が書いてあるものは、母所有。
花柄がパッチワーク風に描かれているのは、私所有。どちらもまだデビュー前である。
一目惚れで、着物に合わせるなんて考えずに飛びついた。フェチなるゆえ・・・。













普段よく履くのがこの下駄。赤い塗り下駄は、テディベアの鼻緒なのだ。
実は母のものなのだけれど、すっかり私のものと化している。
母は、紺色の松阪木綿の着物に合わせて買ったらしい。
私は、格子の紬に柄足袋を合わせた時によく履いている。
奥のねじりの鼻緒の下駄は、花井幸子ブランドのもの。
一昨年買ったんだけど、去年の夏には、あちこちのデパートで、
同じスタイルの色違い(紫と黄色のねじり)を目撃した。
そっか、量産ものなのね・・・と思ったけど、活躍してくれる下駄だからそれも有りとする。

実はとっても欲しいなぁ・・・と思っているお草履があるんだけどな。
ご多分にもれず、京都祇園のないとうのお草履。
もう「これ」っていう台と鼻緒の組み合わせが、頭の中にあるから困ってしまう。
贅沢、贅沢。自分磨きを先にしてからお誂えすることとしよう。




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新年初きものは普段着で - 2003年01月02日(木)

私としては、お正月だから着物・・・って感じでもないのだけれど、
今年はちょっと改まって着てみようか、などと思った。
でも、やっぱり家にいると、あれやこれやそれや、動かなくてはならないし、
水仕事なんてこともやらなきゃならないし。
そうなってくると、お正月だからと言って、所謂、「晴れ着」というわけにもいかなくなる。
そこで、こんな感じにしてみた。



こんな感じにしてみた・・・っていうか、どれにでも合いそうな半衿のついている二部式の長襦袢に、
ちょいちょい着物をいれてある箪笥の中の、一番上にあるものにしただけなんだけど。
この着物は、地元の駅前にある、ショッピングセンター(うーーん、他に呼び方が浮かんでこない。
駅ビルとも違うし、やっぱりひなびたショッピングセンターと呼ぶのが正しい気がする。)の古着コーナーで、
母が1000円で買ったもの。いきなり洗濯屋さんから着物が届いて、「どしたのこれ〜?」と私が驚いたもの。
洗濯代の方が高かったのは確か。裄が短いのは、昔きものだから仕方がない。
ばち衿なので、ちょっと半衿を多くだすように着付ければ大丈夫。
身丈、幅は、問題なし。裏地はもみ(やった!)の銘仙。

この前これを着た時には、帯締めに、京都のえり正で買った赤い丸ぐけを合わせたんだけど、
普段着にはもったいない・・・と母からクレーム。まぁ、共同使用の丸ぐけなので致し方ないか。
なので、本日は、木綿の細い丸ぐけをしてみた。くるりオリジナル。
帯は、渋谷パルコのふりふで衝動買い。ちょっと見るだけ・・・と入ったのに、
そこへ行く前に、すでに問屋さんで着物と帯を買ってしまったお友達のようちゃんが、
彼女にさんざん「かわいいよぉ」と勧めた私へのリベンジ・・・と思うほど、「普段着にいいよぉ〜」と言ったので、
ついついお財布を開いてしまった次第。小物をいれても、一万円以下というこのoutfit。


角だしにしようと思ったんだけど、教えてもらってから、
一度試したきりだったので、見事に忘れてしまっていて断念。
途中まではお太鼓と同じなんだけど、肝心の違うところを忘れているから・・・ってだから出来ないんじゃないのよぉ。
今度、またポイントだけ聞いてみよう。




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大好きなお正月の帯 - 2003年01月01日(水)

2003年がやってきてしまった。お正月だけど、いつもの休日とほぼ同じ。
NYから戻ってきて、2回目のお正月。向こうでも、クリスマスの頃から冬休みだったし、
こっちでも仕事柄、クリスマスから冬休み。

「お正月」という作品名がついているのは、作家、山本由季さんのこの帯。
一昨年の秋に、地元の呉服屋さんが開いた個展で一目惚れしたもの。
動物や、花のモチーフが、いろんな色の布地の上で遊んでいるのだけれど、
私には、この帯しか目に入らなかったぐらい、インパクトがあった。


山本由季さんは、50代半ばの方らしい。
「大人のロマンチック」をテーマにして、宮城県で創作をしていらっしゃる方で、
たくさんのファンがいる。だって、由季さんの帯を締めると、
すごく楽しくて、嬉しくて、自分がものすごくかわいくなった気分になる。

でもね、その「かわいらしさ」っていうのは、所謂「かわいこちゃん」的なものではない。
なんていうのかな、自分になんだか自信がわいてきて、ふと気が付くと、しっかりと胸をはって顔があげて歩いている自分を見つけてしまう・・・。


そして、なんだか今日の私って「かわいいところあるじゃん」みたいな。
媚びとは違う、強さの中のかわいらしさ・・・うーーん、ちょっと定義が曖昧すぎるかな・・・。
つまり、それはきっと、由季さんの強さが作品に宿っているから。厳しい自然の中で生まれるロマンチックだから。



後ろ姿はこんな感じ。大きい真っ赤な花と一緒に、双六のさいころと、
はねつきの羽が描かれている。黄色や緑の大きな水玉も、良い感じ。
この帯、合わせたわけじゃないのに、私の着物にははどれにでもいけてしまう
(ってそんなに持ってないけどね)。好きなもの同士って、相性がいいのよね♪

ちなみにこのピンクの紬は、雑誌でテーブルコーディネーターのクニエダさんが着ていらした色に、
やられた〜!!ので、それをまねっこして、白生地に染めてもらったもの。
クニエダさんのものは、おそらく草木染なのだろうけど、
私は、化学染料でビシバシに染めてもらった。



背中のおしゃれ紋は、小さいハートの刺繍。
8個のハートが円を描いている。ふふふ、my design。これもまた大人のろまんちっく♪


この写真は、お正月じゃなくて、去年のクリスマスに友達とパークハイアットのNew York Grillでランチをした時のもの。




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