2010年09月30日(木)  内情とお通し。
 
「あれ? 今日もお一人?」

と、仕事帰りの焼き鳥屋。ここに行く時は決まって後輩と行くのだが、妻と御ハナが鹿児島に行ってからは一人で食べるコンビニ弁当が涙が出るほど寂しくて、どうせ飯食ったあと酒も飲むのでまとめて済ませてしまおうと、連日焼き鳥屋でもつ煮と焼き鳥と瓶ビールで用を済ませている。
 
いつもよりお通しが一品増えたり、注文していない焼き鳥が出てきたりと、いきなり連日訪れるようになった客の内情を知りたい雰囲気をぷんぷん感じたので里帰り出産で家に誰もいないんですよと話し始めると期待していたゴシップ的話題ではなかったので以来お通しはいつものように一品のみとなった。
 
2010年09月29日(水)  適応不適応。
 
「今日御ハナ連れて公園行ってきたよ」
「歩いて?」
「車に決まってるでしょ」
 
と、既に自ら運転し日常生活を送り始めている妻の適応能力は素晴らしい。妻から電話をひったくって「ママねー、運転ねー、上手だったよ」と御ハナもすかさずフォローを入れる。
 
何かと心配した里帰り出産だったが、導入部分は何とか大丈夫な様子。大丈夫じゃないのは私の方で、久々に食べたコンビニ弁当で胃がもたれ、そんな食欲もないので飲酒量が増え続けるのではないかと危惧。
 
2010年09月28日(火)  たまには真面目に闘争を(6)
 
先日ポストに投函した書面が功を奏したのか、マンションの偉い人に話し合いの日時を確認したところ、役員達との日程調整がつかないという理由で話し合いを先延ばしにしようとするため、その30分後に消費者センターと都宅地建物取引業協会に打診して得られた結果を書面にまとめ、再度全役員のポストに投函。
 
50万円という思い切った請求をしておいて少し牙を剥いたら尻込みを始めるなんて大人って悲しい。賃貸契約した不動産会社に問い合わせたら「何卒穏便に」という姿勢のため当てにならない。妻と御ハナもいないしこれから独りでなんとかするしかない。
 
反抗とは皆無の人生を送ってきたのでこういうのって本当に怖い。ポストに投函したあと駆け足で部屋に帰ってプレステ。
 
2010年09月27日(月)  229-55.
 
にんにく卵黄のCMの最後に「にんにく卵黄売り上げ日本一」とテロップとナレーションが入るが、あれは何の日本一なんだろう。例えば資生堂TSUBAKIが売り上げ日本一なんていったら、ああシャンプーで一番売れてるんだろうなと思うけれど、いきなりにんにく卵黄が日本一売れてますといってもどのカテゴリで日本一なのかさっぱりわからない。
 
にんにく卵黄というジャンルで日本一なのだろうか。であればにんにく卵黄には何種類あるのだろうかと思い調べてみたら類似品が12種類くらいあった。すげえ。
 
なかには「229-55」と何かのコード番号のような商品名のニンニク卵黄もあってメディカルチックな響きがカッコイイ。このコード番号は何だろうと調べてみたら、「229-55(ニンニクゴーゴー)」と書いてあったファック。
 
2010年09月26日(日)  味わわなければ。
 
妻と御ハナを鹿児島に残して単身東京へ戻る。帰りの飛行機は新興航空会社である運賃がべらぼうに安いスカイマークを利用したのだが、神戸経由の便だったため、鹿児島を出発して1度神戸で降りて再び羽田へ向けて出発するという、離陸時のぐわんぐわんの耳の痛みを2度味わわなければならず、「味わわなければ」って書いてて変な言葉だなと思ったけれど、ワ行五段動詞「味わう」+助動詞「ない」の仮定形「なけれ」+助詞「ば」であって「味わ・う」の未然形の活用語尾は「わ」なので、「味わわ・なければ」で正解のような気がします。本日より単身独居生活。
 
2010年09月25日(土)  新鮮な感覚。
  
運転教習3日目。3日目といっても私が東京へ戻る明日が最終日である。土地勘が全くないところで場所の把握と同時に運転を覚えるのは酷な話だが、これをやらなきゃ何もできない。
 
最低でも、出産前後に御ハナを預ける保育園、母の職場、通院・出産する産婦人科、最寄のスーパー。最低でもこの場所は覚えてもらって且つ安全に運転してもらわなければいけない。
 
昼過ぎから外が暗くなるまで母の職場→保育園→産婦人科→スーパーのルートを繰り返し運転する。生来方向音痴の妻が短期間でこのルートを覚えるのは至難の業で、来月出産を控えている大きなお腹をさすりながら運転する姿は助手席から見ているとあまりに可哀想で代わってあげたくもなるが、そんな憐れみや優しさは何の得にもならない。ここは心を鬼にして。しかし最低限の運転技術さえ習得すれば、この田舎は東京に戻りたくないほど住み易いこと甚だしく、出産後過ごすにはうってつけの場所だと思う。
 
なんとなく上記のルートを把握した後、ちょっとドライブしてみようと妻の運転で夜のドライブ。徐々に慣れてきたハンドルさばきで、最初の頃は全くできなかった運転中の世間話も徐々にできるようになってきた。
 
妻が運転して僕が助手席でゆっくりくつろぐという新鮮な感覚。夫婦ってのは何年経ってもいろんなところに新鮮な感覚が眠っているので飽きることはない。そして1ヶ月後は、大きな大きな新鮮な感覚が僕達家族を包むのだろう。
 
2010年09月24日(金)  里帰り教習。
 
私の田舎は電車が走っていない。バスだってそんなに通らない。生活するには車に乗れなければならない。最寄のスーパーといっても、車を使ってでの最寄なのだ。それでも10分かかる。
 
妻はペーパードライバーである。結婚前に熱海に旅行に行った時に運転を代わってもらったことがあったが、窓から顔を出した私の鼻すれすれにダンプカーが接近して依頼、運転をさせていない。
 
私が田舎に滞在する4日間で、妻を日常生活が送れる程度のドライバーテクニックを教えてやらなければならないってちょ、ちょっ、ぶつかるって。サイドミラーちゃんと見て。こっちの車に当たっちゃうよ。
 
「えー。そっちのミラーも見なきゃいけないの。いっぱい見るとこありすぎてわかんないわよ」と、教習初日、最寄のスーパーの駐車場にバックで入ることができず、かといって前進でも入ることができず、運転を代わった私も、どこでどうハンドルを切ったらいいのかわからないほど駐車の袋小路にはまってしまい立ち往生。
 
「鹿児島に何しに来たんだっけ?」
「里帰り出産のためだけ」
「そうだよね」
 
二人顔を見合わせて笑うことしかできない状況。
 
2010年09月23日(木)  妻の里帰り。
 
妻の第二子出産予定まで残り1ヶ月余りとなったため、本日より里帰り出産のため家族で鹿児島へ帰省。
 
本来ならば妻の実家がある島根県で里帰り出産すべきだが、私の実家がある鹿児島へ里帰りしたいと妻は言う。私は4日ほど滞在し、妻と御ハナを鹿児島に残し再び東京に戻るので、妻は姑と共に2ヶ月余り暮らすということになる。 
嫁と孫が来るということもあり母は大喜びだが、妻自身は姑と暮らすことにそれなりのストレスは感じないのか訊ねたところ、「だってお母さん看護婦さんだから安心するんだもん」と実にあっけらかんとしている。
 
約一年振りの帰省。鹿児島は母がいて二人の妹もいて親戚もいて、人との関係に希薄な東京とは比べ物にならないくらい情に溢れている。二人の妹は結婚していてそれぞれ子供が二人いて、現在それぞれお腹の中にも子供がいる。
 
母は来年の春までに孫が7人できるということになる。「はあ大変だ大変だ」と実に嬉しそうに話す。
 
私は二人目の娘ができるということになる。「はあ大変だ大変だ」と言ってはみるものの、まだ実感が沸かない。
 
2010年09月22日(水)  一度もないもの。
 
行く店行く店で会計の際、「Tカードはお持ちでしょうか?」と聞かれるのでそんなお得なカードなのかとファミマで作ると日数がかかるらしいので、近くにツタヤはないがわざわざ一番最寄のツタヤに行ってTカードを作ってこれから「Tカードはお持ちでしょうか?」と問われたらピチカートファイブの野宮真貴ばりのウキウキ口調で「もっちろん!」と答えてやろうと思っているが、カード作って1週間ほど経つがTカードお持ちでしょうかと問われる機会はまだ一度もないものねだり。
 
2010年09月21日(火)  たまには真面目に闘争を(5)
 
そもそも今回の件は、年配の性根が悪い人達に軽侮されていたのがいけないのであって、それは無精髭で保育園に娘を送る姿とか、朝遅くに緩い服装で仕事に出て行く姿とか、繋がりが希薄な人は概ね相手を見た目で判断するので、組合の人達は、私を今時の若い者という定義を当てはめ、理不尽なリベンジを果たそうしたのであろう。悲しい。今時の若い者全てにリベンジすりゃあいいのに、よりによって私に焦点を当ててそんなひどいことをするなんて。
 
高校の頃、新聞配達をしていたのだが、新聞配達を辞めることになりその最終日の午前4時。股引姿のオヤジが突然包丁を持って道路から飛び出してきて私は原付ごと電柱に激突。激突後も私を見下ろして包丁を振り上げながら奇声ともとれる怒声を発し続け、あの時は死ぬかと思ったけど、その件にしたって、
  
オヤジの家の前の道路を何度も暴走族が通るので、ついに業を煮やしたオヤジが包丁を持って恫喝してやろうと包丁を手に取ったタイミングで、数分前まで暴走族が通っていたとは知る由もない真面目な新聞配達少年であった私が、走馬灯のように新聞配達生活を振り返りながら原付を走らせていたところ、今時の若い者へのリベンジを果たすべくオヤジが股引姿で飛び掛ってきたのだ。
 
俺が何をしたっていうんだ。ただ運がひたすら悪いのはわかった。しかし俺が何をしたっていうんだ。今回の件にしたって、別に夜中まで騒ぎ立て隣人に迷惑を掛けていたわけではなし、朝遅く出勤するっつったって夜遅くまでちゃんと真面目に働いているわけだし、どちらかというと模範的住民寄りの生活を送っていたはずなのに、あの性根が悪い人達は何が気に入らないんだろうと考えたところ、やっぱりプライドの問題だと思ったのです。それはとても小さなプライドなんだろうけど。
 
2010年09月20日(月)  真剣味コロッケ。
 
とあるカレー屋でコロッケカレーを注文したところ、男爵コロッケと牛肉コロッケどちらがいいですかと訊ねられ、男爵も牛肉も何も味の違いが全くわからないので限りなくどっちでもいいと思ったけれど、コロッケカレーなんて注文するやつはコロッケに対してある程度の思い入れがある者に決まっており、私のようにコロッケの違いもわからぬ者は食べる資格がないのかもしれぬ。
 
昔、板橋区の大山というところに住んでいたことがあり、大山駅東口を出たところにあった「コロちゃんコロッケ」というテイクアウト専門コロッケ屋のコロッケを毎日食べていた時期があったが、あの頃もうちょっと真剣にコロッケと向き合っておけばよかった。そうそう真剣味が足りないんだよ私は。
 
2010年09月19日(日)  真理9秒。
 
好きな食べ物はと訊ねられると、私は特にこれといったものはなくいつも迷ってしまって即答で好きな食べ物を答えられる人を羨ましく思っていたのだが、「ラムレーズン入り」と書いてある商品は必ずときめいてしまうという自分の習性に先日ようやく気が付き、これから好きな食べ物はラムレーズンですと答えるようにしたいのだが、よくよく考えてみると好きな食べ物を問われる機会なんて年に3回あるかないかの頻度だと思われるため、仮に年に3回だとして、「好きな食べ物って何?」との質問は3秒。1年を秒になおすと31536000秒であって、3秒の質問が3回くるとして、31536000秒分の9秒のためにラムレーズンと答えようと心構えしておくのはあまりにも馬鹿らしい。発想からすでに馬鹿らしい。いつも考えれば考えるほど真理から遠ざかる。
 
2010年09月18日(土)  言ってしまえば僕らなんか似せて作ったマガイモノです。
 
先日携帯を変えたのだが、機能の一つに「フェイク着信」というものがあって、これは何ぞやとボタンを押してみたところ、突然着信が鳴り出したのでとってみると機会音声の女性が「これからいくつかの質問をしますので普段通りの会話をしているようにお話し下さい」と言うので合点がついた。
 
これは飲み会などでイヤな上司に絡まれている時や会話が弾まないグループに入った時にフェイク着信を鳴らして会話をしてるように振る舞いその場から自然に離れることができる飲み会用便利ツールなのである。
 
質問内容は、「今どこにいますか?」「あとどのくらいでつきますか?」「今日は楽しかったですか?」など自然な会話が成立するように構成されている。一体どのくらい質問されるんだろうと数えてみたところ、15種類もの質問があり、最後に機会音声の彼女はこう質問した。
 
「まわりのようすを確認してください。まわりに人はいますか。知らない人はついてきていませんか」
 
本日二度目の合点。これは飲み会専用ツールなのではなく、暗い夜道での一人歩きのときに通話しているように見せかけて、通り魔・変質者等に対して牽制し、使用者が心理的に安心感を得ることを想定した機能であると理解したと同時に、飲み会のみにフォーカスを当ててこりゃあ便利だとほくそ笑んでいた自分の汚れた人間性に失望した。
 
2010年09月17日(金)  たまには真面目に闘争を(4)
 
「どうだった?」
「全然ダメ。全然ダメっていうか全然大丈夫」
「どっちなの!?」
「ねえ、管理規約ある?」
「あるけど」
「じゃあ持ってきて」
 
「はい」
「じゃあしばらく部屋にこもるから僕がいいって言うまで部屋に入っちゃだめだよ」
「何その鶴の恩返し」
 
と、自室にこもり、管理規約を隅から隅まで読破し、今回の請求にある矛盾点・異論を列記する。
 
まず、重要事項説明書ならびに管理規約に鍵の管理に関する説明ならびに紛失時の対応に関する記載が盛り込まれていない。
 
次に、自己負担分も負担などそもそも馬鹿げた話で、管理規約に記載されている『不足の事故その他特別の事由により必要となる修繕』に該当するのではないかと思われる。
 
また、過去の鍵紛失時の対応を調査するために過去の組合議事録の請求が可能だとわかった。
 
しかも請求費が高額なため、理事会決議外の決議が必要になるのか、前回各戸自己負担分を鍵を紛失した個人が負担することへの法的根拠がなければ、民法上の不当利得に該当するとも思われるため上記全てを小難しく記載して書面にまとめ、更に書面での回答を求めた。
 
これは、あの管理組合の偉い人(理事だか副理事だか)は、感情論優先で物を語るため、あえて小難しい書面にして更に書面での回答を求めることによって、簡単に請求できると思ったが意外と面倒臭いことになったと思わせるということプラス、「居住者が怒るから」「前回は可哀想だと思った」など、口では簡単に説得力を込めて言えることも書面ではきっと書けないことばかりなので、やはり相手も管理規約を元に交渉せざるをえない状況に持っていくためである。
 
「じゃあ行ってきます」
「どこに?」
「この書面、組合の役員全てのポストに入れてくる」
 
ここでようやく生粋イエスマンは、管理組合全員に対して喧嘩を売ったということになる。
 
2010年09月16日(木)  たまには真面目に闘争を(3)
 
今回50万円請求した組合の偉い人に請求額の内訳を訊ねたところ、全戸シリンダー交換プラス鍵3本で約35万円で残りの15万円が追加でスペアキーを作って欲しい居住者の分(例えば4人家族だと4本必要で、3本しか支給されないため、残り1本分)の総計の値段だと言って滅茶苦茶である。
 
本来、スペアキーなんてのは自己負担になるのではないかと訊ねたところ、「だってそうでしょ? 誰かが鍵を失くして全戸交換することになったのでそれぞれ今まで使ってたスペアキーを再度自己負担で作り直して下さいって言ったらみんな怒っちゃうでしょ?」と、瀬戸際外交のような手段を使ってきてこんな滅茶苦茶な人がこのマンションを仕切っていることを考えると味方であれば心強かったのになぁと考えながら現在ラスボス級の敵となっている。
 
「前回、同じことがあった時には最初120万請求したけど、そりゃあんまりだから60万にしたんですよ」と笑ってらっしゃる。緊張を高めて交渉相手に譲歩を迫るどこぞかの国のような人だと思いながら、誰かが怒るだのしょうがないことだの可哀想だの表面的な感情論ばかり語るので話し合いにならないと思ったので本日は支払いの意思を示さず撤退。部屋に戻り、心配そうな顔をして出迎えてくれた妻に笑いながら首を振った。
 
2010年09月15日(水)  たまには真面目に闘争を(2)
 
いかなる事象に対してもまず一旦受容してから対応策を思案するという癖がついているので、今回の件も無条件で受理しようとしたのだけど、一旦受容してから対応策を思案するということが私が職場でイエスマンと呼ばれる所以であって、別にそれは業務を遂行するにあたって苦ではないけれど、職場ではイエスマン、今回の件のように私生活でもイエスマンであったならばイエスマンではない私は一体どこにいるのだろう。もしかしてイエスマンではない私など存在しないのではないか。生粋イエスマンなのではないかと考え、まあ生粋イエスマンなんだろうけど今回は自分の新たな可能性を見つけるために一丁牙を剥いてみようと思ったのです。
 
2010年09月14日(火)  たまには真面目に闘争を(1)
 
現在、分譲マンションを賃貸契約で居住している。
 
先日、妻が部屋の鍵を紛失し、シリンダー交換のために業者を呼ばなければいけないので紛失した旨をマンションの管理組合に伝えたところ組合の偉い人が出てきて、オートロックとの兼ね合いもあり防犯上、全戸シリンダーを交換しなければいけないとのことで約50万請求され、あまりの突飛な要求に驚き、オートロックの兼ね合いって何ですかと訊ねたところ、
 
部屋の鍵はマンション入口のオートロックも開けることができる。ということは誰か悪い人が拾ったらその鍵でこのマンションに侵入できることができる。それぞれの居住者の部屋に入ることはできないが、マンションに侵入できる可能性がある以上、全戸の鍵を交換するのは当然のことである。

と、胸を張って仰るので、世の摂理はこんなものなのかと、意外と世間知らずの私はその要求を一旦受理しようとしたがいやいやいやまてまてまておかしいおかしい。ということは居住者全員が50万円の価値がある鍵をいつも持ち歩いているということですかと質問すると、そういうことになりますねとやはり胸を張って仰るのでこれは完全にナメられてるなとここでようやく気が付きまして断固闘う決意を抱いたのでありました。
 
2010年09月13日(月)  不義理の結末。
 
某医療系学会に参加し演題発表。この1・2年、この手の学会はほぼ全て演題発表しているので別段緊張しないというかステージに立つとステージを照らすライトで客席がほとんど見えないので独り言のように進めれば勝手に終わったりするのだが、今回発表前に行ったトイレから出たところ、前の職場の婦長さんにばったり会ってマズイ。
 
私は前の職場をちょっとした不義理をして辞めてしまったのであって、不義理といっても一方的に私が悪いわけではなく、あれは病院側も悪く、どちらかというと私は被害者であると言ってしまうと自分が穢れてしまいそうで結果として職場を辞めた私が7割方悪かったと思って今まで生きてきて、この状況で当時懇意にしてくれた婦長さんとバッタリ会うとは思ってもおらず、ご無沙汰しております。あの時は本当に申し訳ありませんでした。では私はそろそろ発表を控えておりますのでとそそくさと退散しようとしたが引き止められて、「発表、頑張ってね。私ちゃんと見てるから」と、こんな私に優しい言葉を掛けてくれて涙が出そうになり、感動の最中、発表者席で発表の準備をしていたところ、発表原稿が見当たらず焦ってもしょうがないので権威ある学会発表をアドリブで凌ぐ不義理野郎。
  
2010年09月12日(日)  なんとかロッククリア。
 
そんな不満ばかり垂れているケータイライフを送っていてもちっとも気分が晴れないので、アキバの携帯ショップに立ち寄ったところ中古携帯コーナーというものがあって、高い金出してデザインの気に入らない携帯を買うよりは、デザインがあともう一歩の安い携帯を買ったほうが精神衛生上健全なのではないかと思い、手続きの仕方はよくわからぬが5千円程度の去年のモデルの携帯を購入し、店員になんとかロッククリアの手続きをしなくてはならぬため直ちにauショップへ向かえと言われてauショップに行き、中古を買った際の機種変更に必要な何とかロッククリアを依頼するために古い携帯を若い男性店員に差し出したところ、待ち受け画面の妻と御ハナを見て、ご結婚されているんですか。お子さんは何歳ですか。僕にも姪がいましてねなどとプライバシーに関わることばかり質問されるのでこれがアキバの携帯ショップの店員が言っていたなんとかロッククリアのことかと合点して、一通り個人情報を暴露した結果、契約事務手数料2100円を取られデザインがあともう一歩の安い携帯が私の物となった。
 
2010年09月11日(土)  カードサイズスリム。
 
現在使用している携帯はauのW55Tという3年前に発売された携帯で、厚さ9.9mm、本体の大きさがクレジットカードのサイズとほぼ一緒でなんだかペラッペラでスタイリッシュなのだが、ボタンの押し辛さ甚だしく、日頃携帯メールを返信しない私が余計返信しなくなるような使い勝手な悪さで、この携帯を購入して3年、知り合いを大勢失いました。
 
そんなことなら早く買い替えればよかったものの、現行の携帯のデザインにどうしても納得がいかず、次の春モデルで、次の夏モデルで、いや冬モデルで次こそはなんて決意を固めても残念なデザインばかりで月日ばかりが経ち、一昔前はタダ同然で購入できた携帯もいつの間にか数万払わなければ手に入れられない時代になり減退する購入意欲に反比例するかのごとく失われる知り合いの数。
 
メール無精の私が悪いのではない。auがいかんのだ。ちなみに私のPCのプロバイダーはKDDIなのだが、それもそれでauとまとめて請求するだの手続きをした結果、プロバイダーがKDDIなのかDIONなのかau oneなのか未だにさっぱりわからない。月の携帯代がだいたい3〜4千円くらいなのでそもそも私に携帯は必要ないのかもしれぬ。
 
2010年09月10日(金)  道楽未遂。
 
道頓堀のかに道楽ってのは有名だが、そのかに道楽が上野にもあると聞いて、少々値は張るらしいが、日頃神に背くようなこともしてないわけだしたまに贅沢したって罰は当たらないと思うから行ってみましょうと家族で上野かに道楽。
 
カニすき鍋が5300円から7300円と、日頃30000円の小遣いでやりくりしている私にとっては驚愕の値段だったがとりあえず間をとって6300円のやつを注文してさあカニ食いまくるぞーと腕をまくってまずカニの酢の物がきていいね美味しいね。
次にカニの刺身がきてうわー濃厚だなあ。好き嫌い別れる味だなぁ。僕は好きだけどねー。結構ボリュームあるねー。と、次のカニ茶碗蒸しはまあ当たり前だけどカニが入っているなあ。すごい大きいの入っているなあ。カニの出汁が効いて美味しいね。さて次は……カニの唐揚ですか。
 
「……ねえ、当たり前なんだけどさ……カニばっかだね」
「……私もそう思ってた」
 
と、日頃から小食な夫婦は前半戦で既にカニに食傷気味となり、カニ唐揚を食べてもこれからくる予定のかカニすき、カニ雑炊が美味しくいただけない可能性が高くなり、しかし一人6300円のディナーで2600円分くらいしか満喫できない小市民振りが悔しくて悔しくて「頑張って食べようね」「うん」と、もはや負け戦を呈した会話を始め、御ハナがトイレに行きたいと言ったのでトイレに連れて行き座席に戻る際、店員が御ハナにカニのお面をプレゼントしてくれて御ハナは嬉々として「ママー、カニさんだよー!」と両手をチョキチョキしながら妻の元へ戻った時のどんだけ道楽させるんだよとでも言いたいような妻の顔はとても辛そうであった。
 
2010年09月09日(木)  愛を誓い、やがて尻に敷く。
 
運転中にラジオを聴いていたらDJが「リングピローって何のことだかわかりますか」と訊ねており、何のことも何もリングは輪っかでピローが枕でしょう。ということは痔の人が使用するドーナツの形をした円座のことじゃないでしょうかと、一人ハンドルを握りながらDJに返答していたらリングピローとは結婚式の際に結婚指輪の交換まで結婚指輪を置いておくためのリングのクッションのことらしい。
 
そんな物にまで名前があったのかと関心するも束の間、だったら痔の人が使う円座は英語で何というのだろうか。リングクッションかしらと、出先で携帯の楽天でリングクッションと検索してみたら正解であった。リングピローで始まった結婚生活も、二十年経ったらリングクッションを尻に敷き。なんて綾小路きみまろのようなフレーズが頭によぎったあたり、私も歳を取ったなあと思います。
 
2010年09月08日(水)  ぐぬぬ。
 
平凡な日常生活を送っていると、あ、今度あれ百円ショップで買っとこうという物が必ず出てくるが、そういう物は必ずといっていいほど百円ショップに行っても買うのを忘れる。変わりに何を買うかというと目新しい便利グッズだったりするのだが、そういう便利グッズって使用するまでが面倒臭くて結局使わなかったりする。そんな私の性格を知ってか妻と一緒に百円ショップに行くと私が欲しいものは悉く却下される。御ハナもいろいろ却下されている。だからたまに御ハナと二人で百円ショップに行ったりするのだが、日頃から余計な物を買わないという躾をされているものだから、二人手を繋いで興味がある物を手に取っては妻の顔を思い浮かべてぐぬぬと呻いている。
 
2010年09月07日(火)  個人差に溢れた素晴らしき世界。
 
ダイエット食品のCMで「※効果には個人差があります」ってテロップはなんとか納得できるが、とある食品のCMで「※味覚には個人差があります」という小さなテロップが流れてこんな世の中になってしまったことがただただ悲しい。
 
そのうちちょうどいいホンダなんて言っても「※広さの感覚は個人差があります」なんて出てきたりして映像から流れる真実なんて何一つもない。百聞は一見に如かずだなんつって昼間に外に飛び出しても、この歳になると飲み仲間っつうのは何人もいるのだが昼間に遊ぶ相手は誰一人おらず、結果昼間はだらだらしながら菓子などを食らい、夜は酒を飲み、結果体重が増え、ダイエットしようとテレビで流れていたダイエット食品のCMで「※効果には個人差があります」なんてテロップは何とか納得できるが(文頭に戻る)。
 
2010年09月06日(月)  ちょうどいい。
 
10人中6人は「ちょうどいいホンダ」とCMのモノマネをしてあまりの似てなさに愕然としていると思うが、そういう私も人の特徴を掴むことが下手ではないので職場などでスタッフのモノマネなどして結構手応えを感じたりしているのだが、「ちょうどいいホンダ」は一見ハードルが低そうにみえて呟いた途端、羞恥と絶望に陥れる恐ろしい言葉であると痛感。それでも諦めない私はトイレに座っているなどの折にそっと「ちょうどいいホンダ」と呟いてみるのだけど全然ちょうどよくないが100回に1回はちょうどいいホンダができるような気がして折をみては呟き続けるというハングリー精神をもっと人生の別の部分で生かしたい。
 
2010年09月05日(日)  あったあった。
 
スーパーでおばちゃんが女性店員にカルピスのカロリーオフない? と訊ね、女性店員が捜索したところそんなものはないと返答したところ、以前この店に置いてあったからあるはずだと食い下がり、ありましたかねぇと女性店員は首を傾げ、近くの別の女性店員にありましたっけと訊ねたところ、別の女性店員も記憶にないと返答し、ないものはないのだから引き下がればいいものの、おばちゃん、あったあった、前はあったのよと大声で応戦したため最初の女性店員が更に別の男性店員にカルピスのカロリーオフって置いてましたっけと訊ねたところ、ああ、あったあったと即答したため事態は急転。そうそうあったのよ。あったあった。とおばちゃんは息を吹き返し、その後もあったのよあったあった。ねえ? あったのよねえ。と、男性店員に同意を求めながら、現在置いてない商品が過去に置いてあったことをアピールし続ける意味を店を出るまで考えていた。
 
2010年09月04日(土)  いわれなき気苦労。
 
あの予測レジはやめてほしい。予測レジとはコンビニなどの会計で1504円だと言われた場合、先に千円札出して次に500円玉出して、それから1円、2円と1円玉を出している最中に勝手に1504円とレジに入力することで、店員はこの調子だと1504円出すだろうから先に1504円とレジに打っておいて業務の合理化を図ろうという思惑であろうが私としては1円玉が4枚あるとは自信を持っていえるわけではなく、もしかしたら1円足りないかもしれぬ。しかし店員は既に1504円と入力しているわけだから、1円足りませんでしたと申告した際、舌打ちされることは必至で、この舌打ちは俺の所為じゃなく手前が勝手に客が出す金額を予測して合計額を入力したからであって舌打ちされる筋合いは全くないのだけれど舌打ち怖いから焦る。もう1円ありますようにと祈る。焦るも祈るもいわれなき気苦労。いわれなき気苦労に溢れた世界で私は今日も生きる。
 
2010年09月03日(金)  暇を持て余した。
 
手をかざすとセンサーが反応して水が流れるトイレがあるが、時々センサー部分に手をかざしてもウンともスンともいわないトイレがあって本当に焦る。センサー部分を直接触る、バイバイするようにセンサー部に向かって手を振る、しばし時間をおいて手をかざすなどの紆余曲折を経て思い出したかのように突然流れたりするのはきっと神々の遊び。
 
2010年09月02日(木)  五十払い。
 
都心で渋滞に巻き込まれると妻は決まって「ゴトオビだもんね」と言う。ゴトオビとは五十日と書くらしく、日本では5の倍数の日に決済を行う企業が多いらしく、妻曰く、結果五十日はトラックが多いらしい。
 
なぜ決済を行う五十日にトラックが多くなるのか経済のことは不勉強なので理屈は全くわからぬが、都心なんてのは五十日じゃなくても日常的に渋滞が発生しており、そういう時に妻は「ゴトオビじゃないのにねえ」と呟いている。五十日関係なくねと思いながら私はゆっくりとアクセルを踏み続ける。
 
2010年09月01日(水)  駆けぬける歓び。

BMWのCMの最後に決まってロゴと一緒に「ゴーン、ゴーン」と鳴るあの効果音が怖い。何の目的があってあの音を流しているのかしらないが、追い詰められるような感じがして辛い。
 
だいたいBMWのCMは夜に流れているのだが、小さい頃あの「ゴーン、ゴーン」という音を聞くと、早く寝ないと鬼が出るよ的な脅迫様のメッセージが送られているようで容易に小便を漏らしそうになっており、大人になった今でもその感覚は変わらないと妻に打ち明けたところ、別にそれはどうでもいいけど、ほら丸い円が4つ連なったロゴの外車あるじゃない? あれって何ていうメーカーだっけ? と、質問されてこの3日間思い出せずにそのメーカー名だけを思い出すことに必死で、4つ連なった丸い円を想像すると背景でゴーン、ゴーンと効果音が勝手に鳴るので辛い。
 

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