2004年10月31日(日)  さくらんぼブービーが大好きです。
 
僕はこう見えても、っていうか他人からどう見られてるか知らんが、お笑いが大好きであって、エンタの神様とか笑いの金メダルとか必ず視聴するように努めている。
 
僕の妹の旦那もお笑いが大好きであって、先週帰郷した時に、僕は夜勤明けで帰郷して眠くてしょうがなくて土産話も早々にさっさと寝てしまいたかったけれど、これ見ましょうこれ! と、妹の旦那が異常な目付きでDVDを持ってきたので、んだよー。深夜2時に映画なんて観たくねーよーなんて思ってたら映画ではなくアンガールズのDVDで、僕はお笑いも大好きでアンガールズも好きなんだけど、アンガールズのDVDを買うほどアンガールズは好きではないので、ちょっと面倒くせーなーとか思いながらも頑張って深夜2時から視聴を始め、視聴が終わった午前3時。
 
もう眠くて眠くて何に対しても笑えそうな気がするー。ゲッツ! の、あれ? 誰だっけ。もう忘れてしもうた。ゲッツ! のギャグのあのお兄ちゃんのギャグでも笑えそうな気がするーなんて朦朧としながら考えていたら、次これ観ましょう! なんてドランクドラゴンのDVDを引っ張りだして、なんで鹿児島に帰ってきたその日にこんなにお笑い芸人責めに遭わなければいけないんだ俺は僕はという視線を妹の旦那にそれとなく投げ掛けたらそれとなく察した妹の旦那は、あ、あ、あれですよね。眠いっすよね。明日観ましょうね。なんて優しい言葉を投げ掛けてくれてようやく就寝。
 
ドンドンドンベタベッタ! と、安田大サーカスのネタを振り付きで披露しながら翌日、妹の旦那はすでに起きていて、わぁ。いやだなぁ。僕はお笑いも好きで安田大サーカスは好きなんだけど、安田大サーカスのネタを振り付きで披露するほど好きではないので、おはよう。それ何? 何かのネタ? なんて僕は安田大サーカスそのものを知らないから、そんなのやっても無駄だしまだ朝の7時だしという視線を妹の旦那にそれとなく投げ掛けたらそれとなく察した妹の旦那は、あ、だったらさくらんぼブービー知ってます? 「あれっ? カジくんじゃない? ってやつ」と、さくらんぼブービーの話を始めたので、僕はお笑いも好きでさくらんぼブービーも大好きでDVDが発売されれば保存用と視聴用の2枚買いたいくらいさくらんぼブービーが大好きな僕は、朝7時から妹の旦那とことあるごとに、「あれっ? カジくんじゃない?」と、さくらんぼブービーを知らない人が見たら何にも面白くないことを言い合っていた。
 
2004年10月30日(土)  秋葉原フレンドリー。
 
とあるゲームソフトを購入しようと思った休日。朝9時に起きて歯を磨いて顔を洗って、髭は、剃らなくてもいいや。どうせ買ってすぐ戻って来るんだし。服も適当でいいや。どうせゲームオタクだし。むしろリュックとか背負いたい気分だよ。頭にバンダナ巻いて。
 
と、自転車で隣駅まで向かってゲームショップに行ったのだが、現在品切れですなどと言われて、なんだよあのゲームってそんなに人気あるのかなぁなんて次のゲームショップに行ったら、「は? は? えっと、ちょっと調べますので。は? は? うーん。メーカーは? は?」と、こっちのゲームショップでは僕が購入したいゲームの名前すら知らないのでしょうがない、店員が調べている間に店を出て、もっとでかい店で買おう。商店街の中にあるようなゲームショップでは駄目だ。もっとでかい店で買おう。でかい店はきっとでかい道路沿いにあるだろう。
 
と、川越街道を池袋に向けて走っていたらほらあった。でかいゲームショップが。颯爽と中に入ると、なんだか悪臭。これはあれだ。オタク臭だ。ギャルゲーとかやってる人種が発する体臭だ。たまらん。たとえ僕が欲するゲームが売っていたとしてもここでは買わん。店員と客がフレンドリーに専門的な会話をしているような店では俺は買わんぞ。と、店を出て、外の綺麗な空気を胸一杯に吸おうかと思ったけど、外は外で川越街道沿いなので空気が甚だ汚く僕の肺臓は真っ黒け。再び自転車に乗り、訳のわからない方向へ進む。
 
訳のわからない方向は訳のわからない店ばかりで、いや、訳はわかるんだけど、いわゆるいかがわしい店ばかりでここって風俗街! やっほー。一丁行ってこますか。氏名料二千円とか払って朝っぱらからやってこますかー。と、そんな気になれず、僕はゲームがしたいのであって、最近は仕事の他にバイトをしているのであって、自由に使える時間があまりないので、今日の休日くらいは自由に使いたい。自由に使うということは真っ暗な店内で初対面の女の子といかがわしい行為をすることではなく、たまにはしたいと思うけど、彼女の顔を思い出せばそんないかがわしい思いが雲散霧消する裏技を僕は知っている。よって性欲を雲散霧消させた僕はペダルを止め、現在地を確認する。池袋北口。
 
あちゃぁ。自転車で池袋まで来てしもうた。なんなんだこの休日は。みんなちょーオシャレしてるし。僕なんてどうせ近所のゲームショップ行くだけだからって感じでヒゲも剃らずにオシャレもせずにリュック背負ってバンダナ巻いて秋葉原でゆうこりんの握手会に行くような格好をしている。ギャルゲーの攻略法をゲームショップの店員とフレンドリーに会話しそうな装いをしている。なんなんだこの休日は。と、思いながらワイヤーとかちぎれて落っこちるんじゃないかしらというくらいの満員のエレベーターに乗って西口のビックカメラ7階のゲームコーナーでお目当てのゲームを買ったけれど、マンションに帰るのが面倒臭くなんてバンダナ姿でスタバでコーヒー。
 
2004年10月29日(金)  明日も仕事。
 
確かにあの日のテレビでは「3人生存」というテロップが出ていた。仕事中だった僕はテレビの前で足を止め、惨事の中の奇跡に感動を覚えたが、結果は周知の通り、悲しい結果になってしまったが、悲しい結果になってしまったのは素人のような判断で空喜びをさせたマスコミの責任であることは否めない。今日の新聞にTBSの広報部長のコメントが掲載されていた。
 
「情報を発表する側と取材する側双方に『助かってほしい』という思いがあり、そういう空気が醸成された中のやりとりで、結果として誤解が生じてしまったのではないか」
 
このコメント、なんか馬鹿である。この原理でいくと、『平和になってほしい』という思いで、結果として戦争が終わってしまうのである。他マスコミが残したコメントも似たようなもので、そのコメント全てに「オレのせいじゃねぇよ」という空気が漂っており、被害者に謝罪するコメントは1つもない。ただ一人謝罪しているのは、その記事の左側の記事に載っている島田紳助だけである。
 
「100%ぼくが悪い」なんてやけに潔いが、謝って当然のことをしでかしたのであって、カメラの前で泣いたからってしゃくれたアゴが治るわけでもなし、行列のできる法律相談所に相談しても敗訴するのは当然であって、島田紳助の件は、もうほんとどうしようもない。その下の記事もまたどうしようもない。
 
『カルーセル麻紀さん「堂々女性風呂に」笑顔の会見』
 
戸籍の性別が変われば女性風呂に入れるのかとビックリしたけど、自分とはあまり関係のないことなので考えを巡らすことなく、ただ少しビックリしただけだった。自分とはあまり関係のないことだから。誤報を流したTBSも女性を殴った島田紳助も、61歳のカルーセル麻紀も、そして僕も、これを読んでるあなたも、いつも少しビックリするだけ。明日も仕事があるからね。
 
2004年10月28日(木)  俺々詐欺。
 
新潟県中越地震の時、「元気ですか。連絡下さい」と、NHKで安否を気遣うメッセージが名前、住所付きで流れた時、あ、これは絶対オレオレ詐欺に使われるなと思っていたら案の定、詐欺を働く奴がいて、ホントにしょうがないなぁと思っていた昨今、我々が働く医療現場でも医療過誤を偽るオレオレ詐欺が流行しているらしく、どこに行ってもしょうがない人ばかりでそういう奴は周囲の制止を振り切って半ズボンでイラクにでも行けばいいと思う。
 
医療過誤を偽ったオレオレ詐欺とはどういったものかというと、「看護師をしている娘さんが、インシュリンの過剰投与で患者を昏睡にした。家族は表沙汰にはしたくないと言っている。そのため1500万円が必要である。病院側が1300万用意すると言っているので、不足分の200万をすぐ銀行に振りこんでほしい」といった内容で、そんなのすぐ娘に電話して確認すれば済む話で、実際娘に連絡して被害はなかったということだが、問題はなぜ詐欺を働く側が、娘が看護師をしているのか知っているかということである。とまぁ、そういう疑問も起こるけど、他人の個人情報なんて案外簡単に手に入れる方法があるのかもしれない。
 
例えば、と書いて、その後の事例が思い浮かばず断念したけれど、とにかく案外簡単なんだと思う。世の中より複雑な方向に向かっているけど、一つ一つの事例に焦点を当てて考えてみると意外に簡単に構成されているものである。例えば、と書いてまたもやその後の事例が思い浮かばなかったのでもう知らない。
 
「お宅の娘が運転する自動車とトラックが衝突事故を起こした。事故に関しては自動車保険で補償できるが、トラックの積荷のうまい棒20万本が全て折れてしまったので、その弁償をしてもらいたい」
 
なんだよかった車の保険がおりるみたいだし。娘も馬鹿だな衝突事故起こすなんて。あいつは昔からおっちょこちょいなんだ。しょうがない。積荷が駄目になったら商売にならないもんな。どうせうまい棒だし。うまい棒何本だっけ? 20万本? そんなに需要があるものかねぇ。しょうがない。銀行に振り込んでやるか。どうせうまい棒だし。
 
と、うまい棒10円×20万本で、総額200万円を銀行口座に振り込んだというオレオレ詐欺の方が、地震の救済や医療過誤の詐欺より引っ掛かりやすいのではないかと思ったけど全然面白くない。
 
2004年10月27日(水)  無産階級アルバイト。
 
何の因果か、看護師としての仕事の傍ら、とあるレストランで勤務することが決まり、白衣を脱いで蝶ネクタイを締めて一皿何千円もするようなフランス料理を口元に小さな笑みを浮かべながら運んだり、ワインを注いだり、本日の前菜のメニューの説明をしたりしている。嘘のような本当の話。何の因果か僕はこうやってレストランでウェイターをやることになった。
 
別に日々の暮らしが苦しくてバイトを始めたわけではなく、いや苦しいわけじゃないけど楽でもないわけで、お金はないよりあった方がいいんだろうけど、このバイトは決してお金の為ではなく、頼まれたからやっているのであって、僕は学生の頃、とあるホテルのレストランでアルバイトをしていたのであり、昔取った杵柄。ちょいと頑張ってみようかな。人が少なくて困ってるみたいだし。と、ボランティア精神をふんだんに駆使して本日の前菜は人参のムース、サーモン添えで御座いますなんて気取った口調で言っているので御座います食ったこともないくせに。
 
本日も、というか昨日鹿児島から帰ってきたばかりだというのに、朝から仕事に行って、仕事が終わったらナースステーションで歯を磨いて髪の毛を整えて大都会のブルジョアジーたちに1本何千円何万円もするようなワインを運ぶプロレタリアートな僕はこのバイトの時給がどのくらいかさえ知らない。なんで知らないのかというと、聞くタイミングみたいなものを失ってしまったからであって、今更マネージャーに「すいません。シャトー・クレール・ミロンを1つ。それと僕の時給は一体いくらですか」と言うわけにもいかず、これは一種のボランティアであって、その本質ももしやボランティア、無償の労働なのではないかとひやひやしながらフランス料理を運ぶ毎日。
 
2004年10月26日(火)  フルサトアミューズメント。
 
鹿児島には4日間滞在して、何が変わっていたかといえば、甥が見間違えるほど成長していて鹿児島中央駅に観覧車ができていて母が新車を買っていた。
 
昨夜は前の職場の後輩や先輩たちと居酒屋に行って、飲んで飲んで飲んだくれて、いつのまにか僕のauの着せ替え携帯の着せ替え部分を割られていた。何すんだコノヤロー! と怒るわけでもなく、まぁいいや、着せ替えだしね。と、やけに穏便になっているのは酒の所為であって、一夜明け、無惨な姿の携帯を見て驚愕。誰だ着せ替え部分を壊したのは。と、昨夜の出来事を思い巡らすけど、誰がどのような状況で着せ替え部分を壊したのか思い出すことができず、ちょっと怒りながらも、まぁいいや、着せ替えだしね。と怒りの中の穏便、穏便の中の怒り。
 
鹿児島空港で今から帰ると彼女に電話すると、彼女は飲み会の最中らしく、ハイテンションな彼女の友人たちが支離滅裂で荒唐無稽なことばかり話し掛けてくるので、僕はどちらかというと、このような荒唐無稽な話は大好きなのであって、空港内で1人えへらえへらと笑いながら応対していると、友人から携帯を取り上げたシラフの彼女が出てきて、「今口説いてたデショ!」と怒り出す。いつも彼女の友人と電話で話した後、口説いてただの浮気しただの騒ぎ出すので、そんなこと言うんだったら友人に電話渡さなければいいと思うが、彼女は彼女の都合や目論見があるのであって、私は今夜は飲み会だけれども、決して合コンとかオフ会とか、そのような誰しもが根底にリビドーの泉が沸いているような、そういう会合ではなく、友人たちと楽しく飲んでいるだけですよ。と、嫉妬の回避、身の潔白の証明をしているのであって、僕は彼女が浮気できない女性であることくらい知っている。もうすぐ付き合って1年経つし。経たないか。じゃあ知らない。
 
本日東京に帰ってきて部屋に帰ってパソコン開いて溜まったメールをチェックして、と、そんなに溜まってはおらず、溜まっているのはキャリーバッグの中の洗濯物であって、面倒臭いなぁ。しかし東京はやっぱり寒いなぁ。明日から仕事かぁ。でも、故郷を離れてから故郷の素晴らしさを知るというのは、多分真実であって、故郷にいながら故郷が素晴らしいと思わないのは、故郷が日常になってしまうからであって、故郷が非日常になった途端、なんていうのかな、それは一種のアミューズメントと化してしまうのだろうと思った。
 
2004年10月25日(月)  スッカラカン。
 
僕の甥はもう7ヶ月である。股関節の骨がそろそろ完成するお年頃である。人見知りだってそろそろ始まるし、離乳食だってスタートしてるのである。僕の鼻の穴に異常な関心を示し、よだれにまみれた小さな手を煙草の煙で穢れた僕の鼻の穴に無造作に突っ込むのである。むかつかない。ちょーかわいい。
 
ベビー服を何着も購入して帰郷した。僕が住んでるマンションの近くにOshKosh B'Goshの専門店があって、OshKosh B'Goshといっても何のことやらさっぱりわからない僕は、保母さんのような格好をした店員に、これは何と読むのかと訊ねたところ、「オシュコシュ・ビ・ゴッシュと読むのでございます」ととろけるような笑顔で話し掛けるので、僕はオシュコシュ・ビ・ゴッシュのことなどどうでもよくなって、とろける笑顔の女性店員に夢中になり、店員にいわれるがまま5点のベビー服を購入し、2万7千円支払い、店を出て、とろけるような笑顔を享受した代価が2万7千円ってちょっとおかしい。僕の彼女だってとろける笑顔を与えてくれるけど2万7千円なんて値段は徴収しない。ちょー高けーよ。なんでこんなちっこい服が2万7千円もするんだよと、むかつかない。ちょーかわいい。僕の甥が着る服だから。
 
と、5点で総額2万7千円のベビー服をプレゼントして、これ全部で2万7千円もしたんだぜ。いっぱい感謝しなさいなんて野暮なことは言わず思わず、ただ黙って7ヶ月の赤子の母となった妹にはいお土産とオシュコシュを渡し、すぐ倒れてしまうが少しの間おすわりができるようになった甥に早速着せろとせがみ、せがみ倒し、オシュコシュを着せてもらった僕の甥はちょーかわいい。先日購入したデジカメでメモリースティックの容量が尽きるまでパシャパシャ撮影していると、7ヶ月の赤子の母となった妹が私もそれ欲しいと言い出したのでしょうがない。妹の車を拝借し、近所のヤマダ電機へ行き、オシュコシュ5点と同じ値段、すなわち2万7千円のデジカメを購入し、妹にプレゼントした僕の財布はスッカラカン。久々の帰郷でいっぱい遊びに赴きたいところがあるというのにスッカラカンになってしまっては何もできない何処にも行けない。よって甥をお腹に乗せて、鼻の穴によだれまみれの指を入れても決して怒らず、スッカラカンだけど幸せだった。
 
2004年10月24日(日)  兄妹喧嘩。
 
約半年振りの帰郷。7月に結婚したばかりの妹が空港にお出迎え。半年振りの妹の姿になんだか違和感を覚えた僕は、「お、お前、顔だけ藤原紀香になってるじゃないか」と、その違和感をそのまま口に出したら、妹は「迎えに来るんじゃなかった」と不機嫌になり、「僕だって今更藤原紀香では残念でたまらない」と、車中で兄妹喧嘩勃発。
 
途中で寄ったローソンで「うまい棒」10本入りを購入し、「なんか表面がパリパリしててヤだ」と、タコ焼き味を食べずに、うまい棒ローテーションを勝手に壊す妹に対し、「コーンポタージュ味ばっかり食うな!」と、兄妹喧嘩は更にエスカレート。
 
うぇーん! と、妹夫婦宅に戻るなり、旦那に泣きつく妹を尻目に、キャリーバッグを開き、はいお土産。婚約祝いだよ。と、先日買ったグッチのネックレスを妹にプレゼントして即和解。呆れるくらいに上機嫌になった。
 
妹夫婦は一戸建ての賃貸に住んでいて、その家といったら僕の部屋の5倍の広さがあろうというのに、家賃ときたら僕の部屋の半額にも満たない。田舎に帰りたいと思ったけど、妹夫婦の家から最寄のコンビニまで徒歩で3年かかる。その事実を妹に告げ、再び兄妹喧嘩が勃発。
 
2004年10月23日(土)  本日帰郷。
 
本日から4日間鹿児島へ帰郷いたします。帰郷いたしますけど、出発日である本日、10月23日土曜日、可燃ゴミの日、僕は白衣を着て働いているのであります。現在午前3時。夜勤中であります。夜勤中でありますので、この日記は深夜のナースステーションで書いているのであります。
 
仕事は午前9時半に終了します。職場からマンションまで10分の距離なので10時には部屋に到着します。飛行機は正午に出ます。よって部屋に帰ってから2時間で羽田まで行かなくてはならんのです。しかも夜勤明け。夜勤明けというものは、常に睡魔に襲われている状態であります。そんな朦朧とした状態で池袋から山手線に乗って浜松町で降りて、そこからモノレール乗って、わぁ。東京湾景だ。キレイだなぁ。いやきったねーなぁ。なんて一喜一憂しながら羽田に行けると思いますか!
 
時計が深夜3時半を回りました。あと2時間でオムツ交換の時間です。深夜の病棟は闇に包まれております。暗い暗いと嘆くより、進んで明かりをツケマショウ! ツマケショウ! マツケショウ! マツケン! マツケン!
 
と、腰を振りながらサンバのリズムで病棟を巡視して、何事もなければ「何事もなし」と看護記録に記入する。そして午前9時半に「万事何事もなし」と記入してさっさと帰る。さっさと帰りたい。さっさと帰りたいナァ。と、本日、帰郷するにあたり、キャリーバッグの中に何を入れればいいのか、そして何が不必要なのか再検討する。
 
まず「恋愛歪言」これ部屋に20冊くらいある。帰郷してまずこれを無作為に配布する。そして代金を徴収する。徴収したお金はまるまる僕のものだし、更に数ヶ月したら印税として僕の財布に入ってチョー金持ちになる。毎日回転寿司の「大江戸」で300円の青い皿ばっかり取って食らう。発泡酒なんて飲まない。ちゃんとしたビールを飲むし、つまみもスルメなんてイカ臭いものは食べない。毎日レバ刺しを食べる。あと、僕の彼女の涙腺をどうにかしてもらう。
 
というのも僕の彼女、冗談のつもりでちょっと苛めただけで「ふぇーん!」と泣き出すので、これ冗談ではなく本気で泣き出すので、ちゃんと専門の医者に見てもらって、涙腺を鍛えてもらいたい。でも泣いた顔も可愛いのでこのままでもいいような気がする。
 
午前4時。まだ夜は明けぬ。でも今日の午後には僕は鹿児島にいる。それが、わかりきっていることだけど、なんだかおかしい。深夜のナースステーションでサンバのリズムで腰を振り、えへらえへらと笑い続ける。
 
2004年10月22日(金)  破壊と再生。

最近彼女に電話すると、受話器を取った瞬間に切られたり、さっきは呼出音が鳴っていたのに、次掛けると電波の届かない場所にいると言われたり、電源が入っていないので掛かりませんなど、融通の利かなさそうなオバサンの声のメッセージが流れて、むむむ。
 
とうとう彼女は僕に愛想を尽かしたんだ。彼女が僕の部屋にやってくる時くらい部屋の掃除しとけばよかった。彼女より先に寝息を立てるんじゃなかった。彼女がヒールで歩きにくそうなのに、その先をさっさと歩いて、更に「遅ぇよ! たったか歩けよ!」なんて罵倒しなければよかった。しかもたったか歩けなんて。たったかなんて。何だたったかって。と、悔恨の念に支配され、彼女と過ごした楽しかった思い出が走馬灯のように蘇る。ゴメンなさい。もう少し、優しく接してやればよかった。ゴメンなさい。
 
と、そんなことはなく、単に彼女の携帯が壊れているからであって、はよ修理するなり新品を購入するなり何らかの手段を取ればいいものの、「もうちょっと待って。来月まで待って。ポイントが、ポイントが」などと、そのポイントとやらが彼女にどのような影響を及ぼすか何もわからないけれど、彼女にいくら改善を求めたって、「来月まで」と「ポイント」この二つの言葉を繰り返すばかりで全く埒が開かない。
 
もういいよと怒って、彼女が最近「リヴリー」というインターネット上のペットを飼い始めて、そのペットがブタに羽根が生えたような奇妙な生き物なので、「ブータ、ブータ」と馬鹿にすると、彼女は自分自身に「ブータ」と言われたと思い込み、烈火の如く怒り出し、さっきまで「来月まで」と「ポイント」の二つの言葉しか使えない不憫な女性だったのに、今度は、「出るとこに出るよ」など意味不明なことを喚き始め、出るとことは何処のことだろう。と首を傾げていたら、本日、家庭裁判所から呼出状が届いた。
 
訴状には「名誉毀損」と記してある。僕はあのインターネットペットにブタと言ったのであって、彼女には決してブタとは言ってない。しかも彼女はどの角度から見てもブタではない。ちゃんとキレイな腰のくびれだってある。僕はそのくびれが好きで、一緒にベッドに入ってる時、彼女のくびれにかぶりつくんだけど、くすぐったいのか単に不快なのか、彼女はその僕にとっては愛の行為を極端に嫌悪しており、もしかしたらこれがいけなかったのかもしれない。くびれにかぶりつくなんて何の意味もない行動を繰り返していたことがもしかしたら悪かったのかもしれない。反省すべきだと思う。謝罪すべきだと思う。
 
と、彼女に謝罪の意を伝えようとするけれど、糞電話は相変わらず「電波が云々、電源が云々」などと同じ言葉を繰り返すばかりで、とうとう彼女との連絡手段が途絶えてしまったと、部屋の真ん中で四つん這いになり肩を落としていたら、ドアのポストに何かが投函された音がして、一体何ぞと、ポストを覗くと、毎週必ず届く、彼女からの手書きの手紙が届いていた。嬉しかった。他の言葉で言い表すことができないけど、ただただ、嬉しかった。僕は彼女を愛している。彼女も僕を愛しているし、細いくびれも持っている。でも携帯は故障していてペットはブタである。
 
2004年10月21日(木)  スルメでアッチッチ。
 
毎晩、ビールのつまみはスルメと決まっているのだが、どうして決まっているのか僕自身もわからず、たまにはスルメ以外も食いてぇなぁ。と、そんなこと思うんだったらスルメ以外を購入すればいいのに、僕はそういう所が融通が利かない性格なので、夜はスルメ! と決まっているからしょうがない。今夜も暗い部屋でスルメを齧りながらビールを飲んで小説を読んで睡魔が訪れるのを待っているのでございます。
 
いつもの夜、スルメをサランラップに添えたマヨネーズにつけて食べていたところ、本当にもう飽きがきて、だからなんでスルメなんだよ! と怒ってもしょうがない。僕は融通が利かないのだから。よって、この限定された状況の中で、創意工夫をしてみようと。この創意工夫だけは小学校の通知表で二重丸をもらっていた。創意工夫。やってみよう。レンジでチンしてみよう。と、スルメをサランラップでくるみ、電子レンジに投入。
 
10秒もしないうちに、レンジ内から小さな破裂音が聞こえる。わぁ。なんだなんだ。と、ベッドの上であぐらをかいて、電子レンジを外から眺め、中身を確かめようとしないのは怖いからであって、僕はこの電子レンジという機器とは昔から相性が悪く、パンを入れたら加熱しすぎでアッチッチ。弁当を入れたら蓋の部分が溶けてしまってアッチッチ。と、そんなアッチッチアッチッチ言ってるのなら加熱時間を調節すれば問題は解決するというのに、僕はこのように融通の利かない性格だから、電子レンジは最低でも2分温める! と決まっていて、パンなんて2分も温めると、原型も留めないくらい小さくなって、畜生。パンが団子みたいになってしもうた。使えねぇなぁこの糞レンジは。と、僕の怒りの対象は決して内には向けられず、外に向けられるのであって、あんまりストレスが溜まらない。
 
と、そういうわけではなく、このスルメ、2分間途絶えることなく小さな破裂音をこだましていたのであって、2分経ち、レンジを開けるとスルメから煙が出ている。しかもレンジに投入する前にスルメをサランラップで包んで入れたはずなのにサランラップが消えている。おかしなこともあるものだと、スルメをアッチッチしながら取り出すと、僕の指にドロドロに溶けたサランラップがまとわりついてアッチッチ。当のスルメはというと、あの小さな破裂音はスルメについていた何かの卵が破裂する音だったらしく、電子レンジをのぞきこむと、その卵から出てきた小さな8本足の虫で覆いつくされていた。
 
2004年10月20日(水)  注意書きで人の痛みを知る。
 
「開封時に指を傷つけぬようご注意下さい」
 
なんてコンビニで買った弁当についていた爪楊枝入りの割り箸の注意書きを見ていつも思うんだけど、こんなんで指を傷つける人がいるのだろうか。一体どういった開け方をして傷がつくんだろうか。こんなんで怪我をするなんて阿呆ではないだろうか。と、僕は常にこの爪楊枝入り割り箸の注意書きを内心馬鹿にしていたのだが、今日、ちょっとストップミニストップで購入したのり弁を食べようとした時、人差指に爪楊枝が突き刺さり、僕が阿呆になった。
 
どのくらい突き刺さったのかというと、爪楊枝が人差指に突き刺さって、「痛っ!」と咄嗟に手を払っても尚且つ人差指に爪楊枝が刺さっているという、結構深い刺さり方で、よく時代劇でお腹に刺さった刀を自分で抜いたりするけど、爪楊枝を抜くときもまさにあんな感じで、痛いから抜きたい。抜きたいけど抜くとき痛い。しかも抜いてから血とか出てもっと痛いような気がする。血とか出るんだったらもう刺さったままにしておきたい。でも刺さったままでも痛いものは痛い。見てるだけで痛い。実際痛い。
 
という、どっちに転んでもマイナスの状況が発生する状況に追い込まれ、実際抜いて、指先から血が出てきて、痛い痛いと人差指を口に咥え、ってかもうちょっと注意書きでっかく書けよ! 見えねぇよ! なんて逆ギレする始末で、あんなに注意書きを馬鹿にしていたのに、実際その被害を被ってみると、こんな痛い思いをしたのはきっと僕だけじゃないはずだ。僕だけじゃないこの世のどこかに存在する僕の同志の為に僕は怒る。ちょー怒る。などと、人の痛みをわかるってメカニズムは実際こんなもんなんだろうなと、1人狭い部屋で人差指を口に咥えながら、のり弁摂取ストライキに突入した僕は、ベッドに横になり自分の指を乳首に見立て、ちゅっぱちゅっぱ舌を駆使して吸っている自分に気付き更に自己嫌悪。指から血が出て、それを口で吸って、腸で吸収されて、それがまた僕の血になるわけで、これって自給自足じゃね? 自分の血ぃ吸うだけで生きていけんじゃね? などとどんどん阿呆になっていく。
 
2004年10月19日(火)  絶対誰にも言わないで。

今日職場で「絶対誰にも言わないで」という話を聞いて、絶対誰にも話さないようにしているのだが、僕はどうも昔から、絶対誰にも言わないでほしいという話をよく聞かされる。
 
まぁ、「絶対誰にも言わないで」なんて話は、既に絶対誰かに言っているであろう話なので、僕だけがその人とある種の秘密を共有してるような、そんな感じにはなかなかなれないのだけど、問題は何故僕に言ってくるのかということである。
 
しかし理由は簡単。人は皆、王様の耳はロバの耳と叫ぶことのできる井戸を探し続けているのだ。井戸の底がどこかの井戸に繋がっていたりすると、秘密が漏れてしまうので、完璧な井戸を探そうとする。完璧な井戸である条件はただひとつ。周囲に無関心であること。秘密を伝えても周囲に何の影響ももたらさないもの。職場でいうと、僕のような存在なのである。
 
どうせこいつに言ったってどうにもなりゃしないんだけど。そう思いながら人は皆、僕に「絶対誰にも言わないで」と、深刻な顔をして、僕にしてみれば「絶対誰かに言ったってどうでもいい話」を聞かされる。だから僕はその秘密をすぐに忘れてしまう。自分の関係のないことに無関心であることの利点は、どうでもいい秘密を共有しなくてもいいということなのかもしれない。
 
僕に植えつけられた「絶対誰にも言わないで」の種は、芽を出して、花を咲かせ、その種子を他人にまきちらすことなく、今日も静かに僕の中で、その小さな命を遂げることになる。「絶対誰にもいわないで」の種は、他の人の心にも飛びたいだろうけど、というか、その行為こそが、「絶対誰にも言わないで」の目的だろうけど、僕はそんなこと知らない。今日聞いた秘密すらも既に忘れてしまっているというのに。
 
2004年10月18日(月)  雨。煩悶。就寝。
 
天気がいい日に限って朝から仕事だったりする。仕事中、「天気いいなー。洗濯しとけばよかったー。布団干したいなー」なんて愚痴ってたら、「午後から洗濯しに家に帰っていいですよ」と言うので、「ホントですか!」と目を輝かせて振り向いたその視線の先には患者さん。
 
「すぐ干して、何事もなかったように帰ってくればいいんだよ」なんて平気な顔で言うので、それもそうかもと思い、婦長さんの行動を伺いに行ったら、「ちょっと私今から婦長会議行かなくちゃならないからヨシミ君ここお願いね。今から入院あるし」と、婦長代理兼入院の手続きなどを依頼され、洗濯物を干しに帰りたいだなんて馬鹿みたいなことを、そもそも不可能なことを考えたばっかりにこんなことになってしまった。僕をそそのかした患者さんはナースステーションの前でケラケラ笑っている。むぅ。
 
と、婦長さんのデスクにぽつねんと座って、窓からこぼれる晴天の光の中仕事を進め、今日は真っ直ぐ家に帰って洗濯しようと、勤務終了時間と同時に病院を飛び出し、部屋に帰り早速洗濯をして、洗濯物を干してはーすっきりしたとテレビをつけたら天気予報をやっていて、明日はかなりの高い確率で東京は雨だという。
 
馬鹿じゃねーの。何のために今日仕事頑張ったと思ってんだよ。と怒っても洗濯物を干すために仕事を頑張っているわけではないので、晩飯も食わずにベッドの上に倒れこみ煩悶。そのまま就寝。
 
2004年10月17日(日)  還ります。
 
来週、久し振りに帰郷する。前回の帰郷は多分4月くらいだったから約半年振りとなる。夜勤明けで飛行機に乗って、4日間滞在する。4日間のんびりしようかと、もとい東京でものんびりとした生活を送っているのだけど、鹿児島ではもっとのんびりしようと思っていたが、そうもいかないようで。
 
4日間滞在するということは3回の夜が訪れるということで、この3回の夜全てがアルコール漬けになった。前の職場の後輩。幼馴染の友人たち。看護学校の頃の友人。東京に来てもう1年以上経っているのに、大した土産話もない僕は一体何を話せばいいのだろうと、そんなことは杞憂しておらず、ただいつものように、そもそも東京になんて引っ越していなかったような振る舞いで、ただただ酒を飲むんだと思う。
 
看護学校の同級生たち。彼等とはもう5年くらい交際がない。なぜか。彼等とはいってみてもその大多数が女性であり、看護学校を卒業したら次々に結婚してしまったのであり、結婚している女性をそう飲みには誘えないし誘われない。しかも僕はこのように非常に義理人情に軽薄な人間であって、そのときの気分によって平気で電話を取らなくなったりする。そんな友人たちが、今回、何を企んでいるのか、結婚後の鬱憤を晴らそうとしているのか、それとも何かしらの制裁を加えようとしているのか、集まってくれるという。
 
それよりも何よりも僕は妹の子供、甥の顔が見たい。実はその為にデジカメを購入したのです。
 
2004年10月16日(土)  是非もなし。
 
正直言って僕の住んでいる部屋は狭い。不動産屋のグラサンかけた親父は6畳はあるとか言っていたけど、ぜったいない。6畳もない。フローリングだからよくわからんけど。前住んでた部屋も6畳、あ、7畳だったかな。だったら納得。この部屋6畳かも知らん。ベッド置いて衣装ケース置いてパソコン置いてテーブル置いて本棚置いたらもう歩く場所なし。居場所がない。だからベッドの上で体育座りをして日本シリーズを見ている。
 
最近急に寒くなってきたからハロゲンヒーターを出したんだけど、置く場所なんてない。しょうがないのでパソコンデスクの横に置いたらこれやたら眩しい。目ぇチカチカしてパソコンなんてしてられない。あと1畳分あったらもう少しゆとりのある生活が送れると思うのにな。と、これだけ狭いくせにライターをよく紛失する。実はさっきから煙草が吸いたくてたまらないんだけどどこを探しても見つからない。彼女が隠したのかも知らんね。
 
そういえば最近、ていうか一昨日デジカメ買ったんだけど、未だ開包していない。部屋に帰った瞬間大喜びで開包すればいいのに、ビックカメラの、趣味の悪いハロゲンヒーターのように目がチカチカする紙袋を眺めていたら気が滅入ってしまい、未だ紙袋のまま。もういらないかも。
 
なんでデジカメ買ったのかと自問自答ですよ。ほんとに。毎日。ベッドの上で体育座りしながらビックカメラの紙袋眺めて。なんでだろ。もう。お金に余裕のある生活をしているわけではないのに。何? 一体どういった衝動で? みたいな。もーほんとにいらない。ほんとイヤになる。3万円? いいねこれ。いいね。買っちゃおうかな。なんてあの衝動買いをする時の思考。全然良くない。説明書とかきっと分厚いんだろうな。
 
本棚の収容密度がいっぱいになって、本が本棚外に溢れ出している。もー! 彼女がいなければ何にもできないじゃないか。なんだこの生活。独り暮らし何年目だよ。未だに豚めしばっかり食ってるし。スルメかじりながらビール飲んで日本シリーズ見てるし。終わってるなァ。終わってるよなァ。ベッドの上にはでっかいクマのプーさん。UFOキャッチャーでキャッチャーした。クマのプーさん分部屋が狭くなった。
 
2004年10月15日(金)  浮世と悪夢。
 
最近悪夢ばかり見る。パラシュートで落下していると着地地点が針の山だったとか、昔好きだった人とデートに行ったら怖い人にカツアゲされた挙句ネズミにされるとか、クマのプーさんに追い掛けられた挙句、全力を駆使しているはずなのになかなか階段を登ることができず仕舞いに食われてしまうとか、何の一貫性もないくだらない夢なのだが、怖い。ほんとやめてほしい。ばりうざいんだけど。と、夜中ハッとして起きる。そしてグッとくる。布団がベッドの下に落ちている。
 
これはきっとあれだ。寒いんだね。僕の胸とか腹とか手とか足とか全部寒い。でも僕の胸とか腹とか手とか足とかは言葉が使えないから寝ている僕を起こすことはできない。だから胸とか腹とか手とか足は脳味噌に相談を持ち掛けるんだ。
 
「ちょっと脳さん、オレらチョー寒いんだけどー。起こしてくんない? 悪い夢とか見せてさ」なんて相談してるんだ。んで僕の脳さんは馬鹿だから、というか僕が馬鹿だからパラシュートで落下したりネズミにされたりプーさんに追い掛けられるという夢を見せて僕を起こそうとしてるんだ。
 
そして決まって深夜4時頃に起床する。さみーよ怖ぇーよって。そしてベッド下の布団に気付き、それを取り上げ再び就寝。ふかふかぬくぬくの布団の中で今度は幸せな夢が見れると思いきやそうではなく目覚めると午前7時。浮世という悪夢が始まるわけで。
 
2004年10月14日(木)  アフターライフ。
 
彼女からオススメの本を薦められたけど、仕事帰りに寄った本屋で作家名がどうしても思い出せず、村上春樹の「アフターダーク」と、吉田修一の「パーク・ライフ」という本を買った。どっちとも名前がちょっと似ているけど、得した気分にも損した気分にも偶然に遭遇した気分にもならないので帰りに松屋に寄って牛めしを食べて帰った。
 
毎日寝る前に2時間くらい読書するんだけど、モブ・ノリオの「介護入門」は意味がわからず途中で断念。いや、意味はわからないでもないんだけど、どうも文章に馴染めなくて駄目だった。YO、朋輩。
 
僕は部屋で読むのはハードカバー、外出先で読むのは文庫本と決めているのだが、最近あまり外出しないので文庫本は読まない。うんこするときに読んだりする。今更ながらシェイクスピアを読んでいるんだけど、これがまた面白い。モブ・ノリオより面白い。
 
村上春樹はもう正直お腹いっぱいで読みたくないけど、新刊が発売されるとどうも気になって、今日買った「アフターダーク」の発売日が9月7日となっているから、今日までの1ヶ月と1週間、僕は本屋で「アフターダーク」の存在を確認しながらも買おうか買わまいか葛藤していたのだ。んで今日買ったんだけど、村上春樹の作品を読むと、どうも日記の文章などが春樹タッチになってしまって、ワキの辺りがむず痒くなってしまう。
 
その点、シェイクスピアは良い。何が良いってどう頭を捻らせても真似ができない文章が散りばめられているから。パブティスタとかヴィンセンショーとかルーセンショーとかアントニーオーとか、登場人物の名前が難解で、最後の章まで覚えられないのが欠点だが、それでも頑張って既に数冊の本を読破しているのは、それだけ魅力的な文章がそこに存在するからであろうと思う。えっと、あと何か書こうと思ったけど忘れたので終わり。
 
2004年10月13日(水)  ぱっつりヘアー。
 
最近パーマをあてて、久し振りに目も覆いたくなるようなチンチクリンな頭になっているけれど、職場での評判は上々で、なかなか似合ってる。似合ってるけど足が短い。似合ってるけど目ヤニついてる。似合ってるけど結婚できない等、不当な評価も混在されていて気分が陰。彼女に至っては、僕がパーマあてたと伝えてから、「あれ? ほんと? そういえばそうね」と言う始末。
 
本来、僕は長い髪より短い髪、過去そうしていたように坊主頭の方が好きなんだけど、彼女が昔、坊主頭の人に追い掛けられたという、僕とは全く無関係の思い出によって坊主頭が禁止されている現状、スタイリングが面倒臭いからと、気楽に坊主頭にすることができず、切るのが駄目なら伸ばすしか方法がなく、こうやって僕の意に反して伸び続ける髪を鏡で眺めながら、切りたいなぁ。さっぱりしたいなぁ。ぱっつりしたいなぁ。ぱっつり? ぱっつりって何ぞ。そうだ。松屋に行こう。と、髪のことを考えながら髪のことなどすっかり忘れ、松屋で豚めしを食し、腹が満たされたところで近所の本屋に行ったのだが、この本屋の店主、万引きを過剰に恐れている心情が丸見えで、僕のように髪の毛バサバサ、不精髭ザラザラの男などは、店に入った瞬間にマークされる。
 
いやだなぁ。この歳になって万引きなんてするはずないのにあのオジサンずっと見てるなぁ僕のこと。この視線が恋によるものだったら少しは耐えられようが、相手はオヤジ。尻毛が生えて痔核が突出してそうなオヤジ。いやだなぁ。やっぱり髪の毛を切らんといかんなぁ。と思いながら適当な文庫本を1冊取って、辺りを見回したり、突然店主の死角に潜り込むなど、少し挙動不審な態度を取って店主をドキマギさせてからレジに向かい、正当な動作で金額を支払い、本屋を出て美容院へ行った。
 
「今日はどのようになさいます?」と美容院のお姉さん。「ぱっつりとお願いします」と申す僕。「了解しましたー」と快くハサミを持ったお姉ちゃんに狼狽。「ぱ、ぱっつりって意味わかってます?」と、自分で言っておいて混乱する僕に、「なんとなくわかりまーす。もう2年この仕事やってますから」って、2年という短さも疑問だが、なんとなくわかるってのも困る。このお姉ちゃんの価値観に伴った「ぱっつりヘアー」と、僕が構想する「ぱっつりヘアー」の隔たりがあっては大変なので、「えと、サイドをもう少し短くして、トップを少し軽めにして、襟足は伸ばしたいのでそのままにしてください、あとモミアゲ少し短くして」と、えらく具体的に説明した後、「スタイリングが面倒臭いのでパーマあてて下さい」と受注。1時間後にぱっつりヘアーの完成。
 
「私ヴィレッジバンガード大好きなんですよー。後楽園と六本木にあるでしょ。あそこもまぁ楽しいんだけど、下北にあるヴィレッジバンガードが一番大好きなんですよー。男の人連れて行くとね、わかるんです。あ、この人、私と同じ感性持ってるとか、あ、この人、全然駄目だとかね。あ、私最近引っ越したんですよー。ここの近所。お客さんも近所なんでしょー。ヴィレッジバンガード、いいですよねー」
 
と、明らかに僕は誘いを受けている。今日出会ったばかりのサブカル好きの美容院のお姉さんに誘いを受けている。しかし僕には彼女がいる手前、その誘いを二つ返事で了承するわけにはいかず、「そうですねー。いいですねー。しかしあれですよねー。とまぁそんな感じで」と、巧妙に話を逸らし、下北のヴィレッジバンガードには一人で赴くことにした。ぱっつりヘアーで一人で。
 
2004年10月12日(火)  紫煙の向こう。
 
あっという間の3日間だった。今日は彼女が実家へ帰る日。午前10時。目覚ましが鳴っていた。鳴り響いていた。彼女はもう目覚めていた。目覚ましより大きな声で、「起きてー! 起きてったらー!」と連呼していた。うざかった。とてもうざかった。バリうざかったので聞こえない振りをして眠り続けていたのだけど、彼女はそのうち不機嫌になり、ベッドの上で四肢を駆使して暴れまわる、ぬいぐるみ、リモコン等を投げつける、僕の肩や腹に本気で噛みつくなどの無茶を始めたので、仕方なく身体を起こして、彼女を胸の部分に引き寄せて強く抱き、ヨシヨシ、イイコイイコ、モウオキルカラ、モウメガサメタと、ムツゴロウよろしく頭を撫でて彼女の鎮静を計り、それから大人しくなった頃を見計らって再び就寝。「もう帰る!」と、彼女が本気で怒り出してから、これはいけない。本気で怒り出した。と、ようやく僕も慌て始めて、オハヨウ。コンドハホンキデオキマシタ。ゴメンナサイ。エンキョリナノニネと、彼女に朝の挨拶と、朝のキス。軽く拒んだ彼女を再び抱き寄せ、ハラヘッタネ。ゴハンタベニイコウカ。と耳元で囁くと、「うんっ!」と元気な挨拶。
 
「私すっぴんなの。すっぴんでお出掛けなの」と、余程すっぴんに自信があるのか、しきりに同じ事を繰り返す彼女を連れて、彼女のお気に入りの近所のラーメン屋で味噌ラーメンを食べて、食べている間も「スッピン、キレイダヨ。スッピンデモ、ダイジョウブダヨ」と、彼女を誉めることを忘れない。彼女は辛いものが大好きなので、辛口のラーメンを汗ひとつ流さず完食。腹を満たして部屋へ戻り、帰宅の準備を始める彼女。「イイヨイイヨ。キョウモトマッテイインダヨ」と、彼女に申すと、「冗談じゃないわよ。明日から学校なんだから」と当然のことを言う。恋愛は恋愛、現実は現実。
 
池袋駅で、彼女はみどりの窓口で新幹線のチケットを購入すると言う。だったら僕は、ちょいと東口のカメラ屋でフィルムの現像を頼んでくると、別行動。彼女がみどりの窓口に入ったのを見届けてから、池袋パルコの方向へ走り、彼女に秘密のお買い物。15分後、何事もなかったように再会した二人は丸の内線に乗って東京駅へ。
 
別れの時が今迫る。連休最終日、人でごった返す東京駅。新幹線の出発まであと10分。僕たちの周囲には、やはり遠距離恋愛かと思われるカップルが1組。別れを惜しむアベックが1組。今さら頭がベッカムが1人。彼女は別れ間際に自分で持っていた土産袋を覗きこみ、頭をひねる。「何、これ」「コンドハ ナクサナイヨウニネ」彼女がみどりの窓口に向かってたとき、僕はフィルムの現像を出しに行ったのではなく、彼女にプレゼントを買いに行ったのだ。彼女は前回会った時、僕がプレゼントしたイヤリングを失くしてひどく悔やんでいた。僕と会う時は健気に片方だけイヤリングをつけていた。彼女のそういう行動が、いちいち愛惜しくさせるのだ。
 
「ツギハモウ カッテアゲナイヨ」
「ありがとう。本当にありがとう」
 
新幹線のドアが閉まる。僕はいつもこの電車のドアが閉まった瞬間に後悔する。もっと楽しませてあげたかった。もっといろんなところに連れて行きたかった。もっと手を繋いでいたかった。彼女は、わざわざ東京まで来て、僕といて、楽しかっただろうか。こんな朝の弱い僕といて、不満ばかり感じていたのではないだろうか。
 
新幹線のドアが閉まり、またしばらく直接会話することはできなくなって、新幹線が見えなくなるまで、笑顔と悲しい顔が混在した顔で、いつまでも手を振っていたということはなく、ドアが閉まった瞬間、小走りで駅の喫煙所まで向かった。彼女といるときは煙草が吸えない。今回3日間滞在していたので、3日振りの煙草。深く吸って吐きだした煙の向こうに彼女の怒った顔が浮かんでいた。
 
2004年10月11日(月)  スウィング9。
 
彼女と映画「スウィングガールズ」を観に行った。この映画、「ウォーターボーイズ」の矢口史靖という監督で、内容も女版「ウォーターボーイズ」であり、話の内容もそのままで、普段の生活に覇気がなく、生きる喜びも目的もはっきりせず、ただただ学生生活を送っている女子学生たちが、別にどうでもいいきっかけでジャズに魅力を感じて、それからまぁどうでもいいいろんな事件があって、最後は演奏会でフィーバーフィーバーめでたしめでたしという、この文章がすでにネタバレなのだが、ネタバレなんてどうでもいい。っていうか観てない人もとっくに知ってるようなストーリーで、退屈するだろうなぁ。しかし学生時代音楽をやっていた彼女が観たいって言ってるしなぁ。というあまり乗り気でない状態で映画館に行ったのだが、座席に座るや否や、予想外の面白さで映画に惹き込まれるという、僕の思考回路、日記の流れそのままの展開で、これは非常に面白かった。もう一度観たいと思った。終わり。
 
終わり。と、簡潔に映画鑑賞の件をまとめたのは、ビリヤードのことを書きたかったからであって、映画の前に彼女とビリヤードに行きました。実力はセミプロ級の僕が素人同然の彼女を連れてビリヤードに行きました。
 
なぜ僕がビリヤードの腕がセミプロ級かと申すと、鹿児島に住んでいた頃、僕の娯楽といえばビリヤードであって、時間さえあれば友人や職場の後輩を連れて、マイキュー片手に小さなビリヤード場に赴いていたのであり、大きなビリヤード場で開催されるトーナメントなどにも出場して、輝かしい結果を残してきたのであり、素人同然の彼女を連れてビリヤードなんてただのお遊びですよ。彼女を手取り足取り教えてあげるですよと高を括っていたのがこれ間違い。
 
9ボールという、まぁこれは運にも大きく左右されるんだけど、もちろん実力が伴っていなければいけないのだが、そのゲームを遊戯して、セミプロ惨敗。余裕かましてビール飲みながら遊戯したのがいかんかった。とかそういう言い訳をしたくなったが、単に彼女の腕もなかなかであって、油断していた僕が悪かった。彼女強かった。もう彼女とはビリヤードには行かない。部屋に帰るとプレステの「もじぴったん」で一向に勝てないし。もう彼女とは勝負なんてしない。二人協力して何かをやり遂げたいと思った後、映画を見た僕は彼女と一緒にビッグバンドを結成しようと思った。
 
2004年10月10日(日)  夢のパラレルワールド。
 
ナンジャタウンに行ってきた。ナンジャタウンとはサンシャインシティのワールドなんとかというビルの2・3階に存在するナムコの都市型テーマパーク。驚きと不思議が詰まった夢のパラレルワールド。
 
しかし問題なのはこの驚きと不思議の詰まり具合で、こういうのが都市型テーマパークというのだろうか、とにかく限られたスペース内に詰められるだけ詰め込んどけという都会的な意志意向がひしひしと感じられる館内は、アトラクションの途中に別のアトラクションがあったり、トイレがあったり、休憩所があったり、店があったりと、統一感の欠片も感じられず、
 
そんな混沌とした休日のテーマパークに大衆が詰め寄り、皆それぞれのアトラクションを楽しもうと、狭い館内を随意の方向へ歩くものだから、これ混雑するのは当然の成り行きであり、しかもこれが都会たる所以か、館内には迷子で泣き叫ぶ子供、悪臭を放つ酔っ払い、肩を寄せ合い狭い通路を塞いで歩くカップルなどでごった返しており、その様相は池袋駅や渋谷駅のそれと全く変わりない。
 
沢山遊ぶのであれば、入園と16のアトラクションが1日遊び放題のパスポートが断然お得であるので、これを購入して楽しめばよいというようなことを、ナンジャタウン入口の目付きの悪いネコのキャラクターが必死に営業活動をしていたのでしょうがない、3900円、彼女の分まで購入して、7800円を支払い、16の素敵なアトラクションを遊びまくろうと思ったのがこれ間違い、この大混雑のお陰で4のアトラクションしか楽しむことができず、しかも僕はそのうちの1つをアトラクションの途中で挫折してしまい、人ができるだけ少ない場所を探し、そこを確保し、ずっと体育座りして彼女を待っていた。
 
このナンジャタウンは、「街で遊ぶ」というテーマがあって、このテーマに則ったいくつかの街で構成されているのだが、アメリカの街「ナンダーバード」イタリアの街「マカロニ広場」などそのネーミングにセンスがあまり感じられないのは街のせいではなく、その街で遊んでいる人種が皆利己的な行動によってカメラ片手に右往左往する日本人なのであって、僕も日本人なのだけど、この人波に押し出されたように館内の端っこで迷子になって泣き疲れた女の子と体育座りしている。
 
それでも彼女は楽しそうで、「ご当地アイスステーション」で頬が落ちるような笑顔を見せたり、「東京シュークリーム畑」で幸せ以外の感情を持ち合わせていないような笑顔を見せたり、「餃子スタジアム」で歓喜の雄叫びを挙げて餃子を頬張りながら笑顔を見せたり、往々に笑顔。しかし館内を出ると冷めた口調で、「あんたとデートすると太る」などと逆ギレなどをされるのだが、彼女はまだ若干二十歳。太っても明日がある。いくら太ったってその笑顔を見せてくれれば僕はキミに何も望まない。
 
ロールケーキの国に迷い込んだ二人は、ロール博士の用意した様々な結婚ドックの診断を受けるというアトラクションで、あまり芳しくない結婚診断の結果を受け取ったが大丈夫。ナンジャタウンよりも驚きと不思議が詰まった夢のパラレルワールドでキミと一緒に手を繋いで守っていくから。だから早くここから出よう。
 
2004年10月09日(土)  アイアイガサ。
 
台風22号は今日の午後、静岡・伊豆半島に上陸した後、関東南部を横断して、夜には太平洋に抜けた。
 
僕は関東南部に気象庁が統計を取り始めた1951年以降、最大級の勢力の台風を体験しに行ったのではなく、東京駅に彼女を迎えに行ったのである。四国から新幹線に乗ってきた彼女を。
 
台風真っ只中の東京駅は、台風の影響で新幹線や在来線の運休による足止めを食った乗客の怨念、鬱憤、瞋恚などが構内に充満しており、不快な湿度がそれを増大させており、これはいけない。暴動も起きかねない。だいたい皆、台風の日に所用を作るからこんな羽目になっているんだ。それを何だ逆恨みなんかしてみっともない。皆僕の彼女を見習えばいいと思う。台風が関東を上陸する前に到着する為に午前5時に家を出た彼女を見習えばいいと思う。
 
賢い彼女は正午前に東京駅に到着した。東京駅まではスムーズに来ることができたはずなのに、最後に改札口で1人で足止めを食らっていた。改札口が開かず四苦八苦して駅員の所へ走って行ってた。その一部始終を見ていた僕は何をしていたかというと、彼女へ救いの手を差し伸べるわけでもなく、なんだか面白いのでただその光景を眺めていた。そうやって約1ヶ月振りに僕たちは再会した。
 
外は大雨で、折角東京にやって来たのに、どこにも出掛けることができない。家の近所の商店街で夕食の買い物、僕が手料理を作ってあげるなんて珍しいことを言ってしまったが為に、料理の材料を買いに、といってもこの部屋に引っ越してきて、手料理なんてしたことがなく、醤油、油、塩、胡椒、マヨネーズなどの各種調味料から買い揃えなければならず、ちょっぴり面倒臭かったけれど、傍らには可愛い彼女。面倒臭いこともキミがいるから大丈夫。傘だって1本しかなくてアイアイガサになってしまうけれど、彼女がその3分の2の範囲を使用して、僕の身体の3分の2は大雨に打たれてびしょ濡れだけど大丈夫。キミがいるから。
 
キミがいるから。と、びしょ濡れになってしばらく歩いてから彼女は「ちょっと待って」と立ち止まり、バッグの中から折りたたみ傘を取り出す。遅せーよ。最初から使えよ。僕もびしょ濡れだよ。なんていつもだったら怒りを露にしてるけれど、怒りの対象が彼女となると事情は別。ハハ。傘持ってたんだね。こりゃいいや。僕も必要以上に濡れなくて済むね。といたって穏便。
 
笑顔で部屋に戻り、早速料理に取り掛かろうと思ったが、まだ午後3時。夕食にはまだ早い。何するー。何しようかー。と表面的な会話をした後、遠距離恋愛で久々の再会を果たした恋人同士がすることといえばただ一つ。
 
2004年10月08日(金)  彼女22号。
 
明日から3日間、彼女が僕の部屋に滞在するんだけど、これがまた最近喧嘩ばかりで。あっちが叩いてくるのでこっちが殴り返すと、小説を投げてくるので、茶碗を投げ返し、今度はカッターで僕の腕を切るので、包丁で彼女の腹を刺すなどの修羅場と化してはおらず、ただメールで、私はこう思うけどお前はどうか。僕はそう思っているのでお前の考えは間違っている。お前は今そう言ったけれどもこの前は違うことを申したではないか。あの時はそう申したかもしらぬが、時は過ぎて当然。思考も同じ場所に停滞しているわけではないのだ。お前はそうやって弁ばかり立ってちとも男らしくない。お前だってそんなに興奮ばかりしてちとも女らしくない。何を。やるか。やるのか。やっぱよそう。よしましょう。今何してる。風呂に入ろうと思っていた。そちらは。僕は耳掻きをしていた。などと、メールという媒介を用いた文字による小さな争いで、大して重要な件で喧嘩をしているわけではない。
 
そんな彼女が明日から新幹線に乗ってやって来る。台風で来れないかもしらんけど、予定上、とにかくやって来る。しかし、こうしたメールで喧嘩をしてばかりの二人だけど、会ってしまえば途端に喧嘩がなくなるわけで、どうして喧嘩がなくなるかというと、彼女はすぐ泣くからであって、泣いたらそれでお仕舞いと思っているのか、現に泣いたらそれでお仕舞いなのだが、あの大きな瞳から涙がポロリポロリと流れ出すと、今まで彼女に向かっていた怒りの矛先が途端にUターンして、我が身に向けられて、あぁ、また女の子を泣かしてしまった。28歳にもなって。最低な男だなぁ。遠い所からわざわざ会いに来てくれているというのに、汚い言葉でおもてなしすることしかできないのか俺は僕は。まったく最低な野郎です。ほら飴玉あげるから涙を拭いてちょうだい。と、甚だ弱気になり、飴玉を口に含んでニコニコしながら機嫌を取り戻した彼女を抱き締めて、ゴメンなさいと謝罪。悪いことをしたと陳謝。
 
まぁ台風が関東地方に近付いているから、予定通りに来れるかわからないが、というか多分来れないと思うが、彼女の到着を待ちわびるというのもこれ遠距離恋愛の醍醐味であって、来れなければ来れないで、しょうがない。遠距離だから。と収まりがつくわけで、数ヶ月前、僕が彼女の住む四国へ行った時も、台風によって飛行機が飛ばないかもしれない。飛んだとしても新関西空港に着陸するかもしれぬというアナウンスが流れて冷や冷やしたが、どうもこの台風というのが、僕たちの遠距離恋愛を阻害しようとしており、これは何だ。地球規模で僕たちの恋愛を邪魔しようとしているのか。それとも気象庁の陰謀だろうか。と、被害的に考えたりするけれど、単に僕の日頃の行いがあまりよろしくないだけということも考えられる。というかそれしか考えられない。むむむ。
 
2004年10月07日(木)  東京深夜2時。
 
東京というものは僕のような夜型人間にも優しくできていて、テレビなどは一晩中何かしらの番組が流れていて退屈しない。田舎に住んでいた頃は、午前2時頃には全ての番組が終了してしまい、後はこの世にはこのような色があるのですよ。虹とかもこのような色の組み合わせでできているのですよと伝えようとしているのか、ただただ様々な色が記された固定画面しか放映されておらず、色はいいから他の番組見せろよと深夜に酒を飲みながらテレビのチャンネルを変えるのだけど、あとは砂嵐ばかり。しょうがねぇなぁと思い、暗い部屋で独り固定画面の虹を眺める。
 
その点、東京はそんなことない。いかなる時間であろうと何かしらの番組を放映している。しかし深夜番組というものは、シェイプアップされたムキムキの外人が、私はこんな便利な機器でこんな身体を大した苦労もせずに手に入れたので、視聴者も是非この機器で楽してシェイプアップすればいい。24時間電話受付してますし。というような通販番組や、年頃の女性がとりあえず水着を着て騒いでいれば男ってのはとりあえずチャンネル止めるから、番組の内容なんてどうでもいいからとりあえず水着なんていう低俗なバラエティや、
 
こんな時間にアニメなんて見る子供はいないけれども、アニメを好んで閲覧する酔狂な大人もこの世には存在するので、大人向けのアニメを流せばよい。登場人物に水着とか着せれば尚更良い。というような排他的なアニメ番組や、どうせこんな時間に真面目に映画なんて鑑賞するやつなんていなんだから、ストーリーも適当なやつで、なんかあの倉庫にいっぱいあったでしょ。昔の映画。あの倉庫にあったテープ流しとけばいいんだよ。俺は帰るよ。今から六本木行かなきゃなんないし。というような適当な内容の古いのか新しいのかさえ判断しかねる映画などが流れており、
 
僕は水着の女性が好きなので、好んで水着の女性が騒いでいる番組を見るのだけど、この女性たちは将来どうするのだろうか。ずっと水着を着て騒いでいるつもりなのだろうか。親とか兄弟とか、こんな姿見てどう思うのだろうか。などといちいち杞憂し、寝る前に気持ちが陰になってしまうので、10分見ると悲しくなってきて、結局はダイエットなんてしていないのに通販番組を見たりして。
 
先日などは朝4時15分から「鈴木タイムラー」という番組を放映していて、どんな番組だろうと缶ビール片手に眺めていたら、終始一貫、内容がぶっ飛んでおり、狂人が製作したとしか思えないその番組内容にどんどん見入ってしまい、窓の外を見るともう明るくなっている。あちゃぁ。朝までテレビを見てしまった。朝まで生テレビしちゃった。今寝ると多分起きるの夕方だし。どうしよう。このまま起きていようか。寝ると負ける。僕の休日は敗北してしまう。よし、走ろう。というわけで、ジャンバーを羽織り、外に出てジョギングを始めようとする意思のみでトイレで入眠。
 
2004年10月06日(水)  共感のいたちごっこ。
 
友人がまた結婚するということで、とうとう僕の友人の中では、独身者を探すことの方が難しくなってきた。一生独身でいるって言ったじゃんよー。と、憤りながらその友人に電話すると、「いや、気持ちは一生独身だから」なんてオバサンみたいなことを言うので厭になってしまい現実的な話をしようと、交際期間は如何程なのかと訊ねると、「あぁ、3ヶ月かな」と、尋常な口調で言う。
 
「ちょ、ちょっと待て。3ヶ月で、お前は何を理解して、何を与えて恵んでもらって、それから何が通じ合って、その、うっそーん。3ヶ月? なにそれ。芸能人? いいの? そんなんでいいの? 3ヶ月って。なにそれー。ちょっと待って落ち着けよ」
 
と、混乱してるのか興奮してるのかわからない状態になり、電話を切ってからシャワーを浴びて足の爪を切って、クイックルワイパーでテーブルの下を掃除して、ベッドの上で洗濯物をたたんでから、冷静になった頭で3ヶ月で結婚することについて考える。
 
だいたい3ヶ月で何が理解できるというのだ。僕は今の彼女と何ヶ月付き合ってるか知らんけど、確実に3ヶ月以上は付き合っている。だのに。だのになぜ。歯を食いしばり、キミは行くのか、そんなにしてまで。と、ここまで書いて、こら何の歌詞だ。何かの歌詞だったけど、この部分しか思いだせない。まぁいいや。僕たちは3ヶ月以上付き合っているというのに、未だに理解しなければいけないことが山積みで、一つ理解できてもまた一つ理解できないことが生まれて、共感のいたちごっこ。こんな状態で結婚しても先が思いやられるので、彼女の全てを理解してから、そして僕の全てを受け止めてもらってから、さぁ、結婚でもしましょうかという話が出てくるのが当然であるというのに、その前に今の彼女との歳の差を考えて、果たして結婚などできるものかと、俺は高橋ジョージかと。何でもないようなことが、幸せだったと思うのかと、そこから考えなければいけないというのに、友人ときたら、別にできちゃったわけではないのに、たった3ヶ月で、90日で、2160時間で、その人に一生を捧げるのか担うのかわからんけど、結婚なんぞしてしまって、僕は意味がわからない。理解できない。彼女に電話。
 
「ねぇ、そろそろ結婚しようか」
「ちょっと待って。今ごはん食べてるから」
 
共感のいたちごっこは続く。
 
2004年10月05日(火)  悋気について。
 
僕は昔から嫉妬を感じない性向があり、彼女に対しても無関心。「好きだよ」という言葉に心はなく、ただの言語として発せらる。「昨日何してたの?」という言葉は相手の行動を検閲するためではなく、ただ何も伝えることがないから。「今日帰り遅くなるね」なんて言われると歓喜の嵐。僕は嫉妬から一番遠い場所で恋愛していると思っていた。
 
しかしこの歳になってこの喪失恐怖。なんだこれは、なぜ相手にこんなにも無関心になれないのだ。所有の同権性、人権の同化。格好悪いなぁ。僕は僕、彼女は彼女でいいじゃないか。彼女が何をしようが僕には関係ないはずじゃないのか。なかったのか。
 
というわけで、最近彼女に対する嫉妬心がなんだか抑制できないので、ここはひとつ冷静になって、冷やし中華でも冷しゃぶでも食って頭を冷やして、これは一体なんぞと考えてみることにします。
 
嫉妬なんていうものは、心に疑いを持っていると、暗闇の中に、ありもしない鬼の形を見たりするという、いわゆる疑心暗鬼の状態で、疑う心があると、何でもないことまで、恐ろしく思えたり、疑わしく思えたりするものですが、遠距離恋愛というものは相手が見えないので、声だけを頼りに暗闇の中で恋愛しているようなものだが、ここにインターネットという、離れていきそうな心を辛うじて繋げようとするものが存在して、これがあるから救われる。
 
インターネットを用いた遠距離恋愛なんて遠距離であって遠距離じゃないと思う。イヤホンマイクを使ったらほら彼女の声がこんなに近くに。ADSL万歳。メッセンジャー様様。このようなものがあるから相手がオンラインで話し掛けるとすぐに反応が返ってくる。反応が返ってこないと彼女はパソコンの前にいないということだから風呂に入ってるかご飯でも食べてるのでしょう。だから今のうちに僕も風呂に入って飯を食おう。笑顔で。彼女も僕と話しているときに見せるような笑顔でシャワーを浴びて食事を摂っているのだろうか。あぁ天使がいる。愛の神がいる。光の中に。光ファイバーの中に笑顔で僕たちを見守っている。彼女は「離れてても嫌いにならないでね」なんて言うけれど、僕たちはNTTやらマイラインやらプロバイダーによって、しっかりと繋がっているんだ。離れていても一人じゃない。
 
と、ここ数ヶ月、インターネットによって僕たちはしっかりと繋がっている。そこに一筋の光明まで存在するのだ。恋の勝利。愛の賛歌。来週彼女が僕の部屋にやって来る。電話回線ではなく、身体で繋り愛を囁く。
 
2004年10月04日(月)  悋気について。
 
僕は昔から嫉妬を感じない性格で、彼女に対しても無関心。「好きだよ」という言葉は胸から出さずに舌から出す。「昨日何してたの?」という言葉は相手の詮索ではなく、ただ話が続かないから。「今日帰り遅くなるね」なんて言われると喜ぶ始末で。僕は嫉妬から一番遠い場所で恋愛していると思っていた。
 
しかしこの歳になってこの独占欲。なんだこれは、なぜ相手にこんなにも無関心になれないのだ。所有の同権性、人権の同化。みっともないなぁ。僕は僕、彼女は彼女でいいじゃないか。彼女が何をしようが僕には関係ないはずじゃないのか。なかったのか。
 
というわけで、最近彼女に対する嫉妬心がなんだか制御できないので、ここはひとつ冷静になって、冷たいシャワーでも浴びて頭冷やして、これは一体なんぞと考えてみることにします。
 
嫉妬なんていうものは、心に疑いを持っていると、暗闇の中に、ありもしない鬼の形を見たりするという、いわゆる疑心暗鬼の状態で、疑う心があると、何でもないことまで、恐ろしく思えたり、疑わしく思えたりするものですが、遠距離恋愛というものは相手が見えないので、声だけを頼りに暗闇の中で恋愛しているようなものだが、ここにインターネットという中途半端に2人を結びつけるものが存在して、これが厄介。非常に厄介。
 
インターネットを用いた遠距離恋愛なんて遠距離であって遠距離じゃないと思う。なんなんだ僕たちを中途半端に結び付けようとするこの電話回線は。ADSLは。忌わしい。こんなものがあるから相手がオンラインで話し掛けても反応が返ってこないと、誰か他の男と話しているのではないだろうか。笑顔で。彼女はあまり僕の言うことでは笑わないのだけど、他の男の言葉では心から笑ってるかもしれない。あぁ鬼がいる。暗闇の中に、電話回線の中に鬼が潜んでいる。彼女は「ひとりよがりの嫉妬はやめて」なんて言うけれど、嫉妬とはそもそもひとりよがりでするものなのだ。誰も助けてくれない。一人でこの見えない鬼と戦わなければいけない。
 
と、ここ数ヶ月、この見えない鬼と戦っているけど、一筋の光明すら存在しないのでやはり形勢不利。そろそろ負ける。負けこます。
 
2004年10月03日(日)  殴られたときのストレス発散法。
  
やっぱり一番のストレス発散は睡眠だと思うのです。人間は寝てナンボだと思うのです。
 
僕は12時間も13時間も平気で寝ることができる。その間、一度も排尿に行かない。病院では患者さんが8時間小便が出なければ導尿といって、尿道に管を入れて排尿させることがあるけれど、仕事で導尿をしながら、心配ないと思うけどなぁ。僕なんて13時間も小便しなくても平気なのになぁ。痛そうだなぁ。でも婦長さんの命令だから仕方ないよなぁ。と、うじうじ考えながら患者さんの尿道に管を入れるんだけど、13時間排尿しなくたって僕はこんなに元気に生きている。ストレス知らずで。それはなぜか。寝るからである。呆れるほど寝るからである。
 
僕が働いてる病棟は急性期病棟といってそれはそれは忙しい。猫の手でも孫の手でも手だったら何でもいいから借りたいくらい忙しい。そして物騒。おっかない。誰もが理解しない説明をすると、急性期とは慢性期ではない病棟のことで、更に精神科であるので、アルコールを浴びるほど飲んで周囲の物や人を破壊した者、覚醒剤をしこたま打ってレロレロになりながらもやはり破壊活動を行う者など、日常生活において、接することがあまりないような方たちをどうにかして治療しましょうというところなんだけど、これがまたおっかない。
 
覚醒剤を打つなんて、最近こそ学生やサラリーマンもいるという話を聞くけれど、やはり背中に色鮮やかな花や龍などを刻んでいる人が大多数であり、急性期であるから思い切り怒鳴られたり喧嘩売られたり、時には殴られたりすることだってある。それでも我々医療職はまぁまぁ落ち着いて。これ飲んで。飯もちゃんと食って。うんこして寝てください。なんて穏便に看護することが求められるわけで、どう考えたってストレスが溜まらない方がおかしい。殴られてストレス感じないなんて、そっちの方がおかしい。
 
だからストレスの発散方法を知らない若い看護師たちは、すぐに辞めてしまう。僕はもう若い看護師ではないのですぐに辞めてしまわないけれど、よく考えると殴られずにここより高い給料を貰える所なんて探せばいくらでもある。若い者は忍耐力はないけれど、判断力は優れているので、すぐに青い芝生に走ってしまう。僕はもう若くはないので、若くないというか辞めてまた新しい職場で新しい人間関係やら何やかやを築くという過程の方に面倒臭さを感じてしまうので、多少物騒な職場でもこうして頑張っている。
 
その代わり僕は寝る。眠り続ける。おそらく自分では感じていないんだろうけど、職場でのストレスは並大抵のものではないと思う。だから心がそのストレスに気付く前に、身体が安息を求めているのだと思う。僕の心は鈍感だから、そのストレスに未だ気付いていないのだ。それでいいと思うけど。それだからこそいいと思うけど。だから不眠症に陥ったら最後、僕はもう駄目になってしまうだろうと思う。
 
2004年10月02日(土)  瓶を捨てる日がわからないから。
 
ほぼ毎晩ビールを飲んでいる。夜勤の日以外は寝る前に、セブンイレブンで118円で売っている馬のチンコのようなソーセージにマヨネーズをつけて食べながら缶ビールを1本飲む。小説を読みながらビールを飲む。それが僕の夜の生活。
 
このように夜は毎日ビールを飲んでいるのに、実はビールが美味しいだなんて一度も思ったことがない。高校3年の時、同じバイト先の大学生にビールを勧められて初めて飲んだときの感想と、あれから10年経った時の感想に大した違いはない。不味い。苦い。なのに僕は毎晩ビールを飲む。なーんでだ。
 
独り暮らしにおいて、ビールが一番手頃なのである。しかし瓶のビールではいけない。缶に限られるのだ。だって瓶なんて捨てる日がわからないから。じゃあ瓶を捨てる日を調べればいいじゃないかと思うかもしれないけど、そんなわざわざ調べる労力を使うのであれば缶ビールを飲むよ俺は僕は。と、ここに、この思考過程に、如何に無駄無益な億劫さが潜んでいるか、少し考えれば理解できそうだけど、なんだかそれも面倒くさいので、瓶とか缶とかそんなもの如きに思考を巡らすほど暇じゃないので、暇なんだけど、暇な時間に考えるほどの問題ですらないので僕は苦い缶ビールを飲む。たまには焼酎も飲みたいけど、やはり瓶ビールと同様の理由で家では飲まない。
 
缶チューハイとかカクテル、こういう種類のものは、缶であれどあまり飲まない。全然酔った気がしないから。こんな寂しい独り暮らしの部屋で何中途半端な酒を飲んでいるんだ俺は僕はと思ってしまう。だけど発泡酒は飲む。中途半端だけど飲む。これはビールを買いたいけど財布の中は1000円しかないし。というような経済的に切迫した、主に月末などにやむを得ず飲む。
 
たまに外に飲みに行くとビールは飲まない。こんな苦いの飲んでられるか。皆ビール飲んでるから僕も飲むけれども。最初の一杯で充分だよ僕は俺は。焼酎焼酎、焼酎持ってきてー。ロックでもお湯割りでもいいから持ってきてー。と、僕は鹿児島の人間なので焼酎を好んで飲む。夏の暑い日でも焼酎のお湯割りを飲む。こんなに焼酎大好き人間なのに家では飲まない瓶を捨てる日がわからないから。
 
2004年10月01日(金)  遠距離操作。
 
今月の勤務表を紛失したので、明日仕事なのか休日なのかわからなくて冷や冷やしている。
 
いや、明日は休日なんだけど、こうやって1人でパソコンの前に座って日記の更新したりオンラインボンバーマンやったりしてると、「あれ? 明日ほんとに休みだっけ?」と、小さな疑念が沸き、やがてその疑念は膨張を続け、雲を包み空を覆い、「明日仕事だったような気がする」と疑念は確信に変わり、あぁ明日はきっと仕事だ。休日だなんて僕の勘違いだ。なんて毎回そういう思考回路に陥ってしまうので、今とても困っている。
 
というわけで明日は休日のはずなんだけど、イマイチ自信がなくて、現在何も手につかない状況。だから部屋の掃除もしないし洗濯だってしない。明日仕事かもしれんからね。へへ。うへへ。
 
「明日は休みなのー!」
 
と、彼女。僕は勤務表が配布されたその日に、彼女に勤務内容を逐一報告するのであて、勤務表がなくても彼女が勤務表といっても過言ではなく、彼女が明日休日と言ってんだから休日。仕事といえば仕事。「明日休みなんだから早く洗濯しなさい」と僕は遠距離操作。
 

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