寺本写真館職員日報
寺本写真館



 正方形の妙

さて、今日は今までも少し触れていたNewカメラの
お話をする予定の寺田です(途中で諦めなければ)。



現在の愛機であるCanon EOS 20D。
かねてから熱望していたこの機種を手に入れたのは、
早いものでもう3年が経ちました。

耐久シャッター数は1万回から2万回と言われています。

しかし半年ほど前、急にシャッターがおかしいと感じて
サービスカウンターで修理をお願いした時には
4万回以上ものシャッターを切っていました。
それほど自分の手にも、目にも馴染んだ、紛れもなく
寺田写真史に燦然と輝く偉大なカメラです。

「デジタルの色」というものを、疑問から、実際に自分の
目で見て「いける!」と思った最初の機種ですし(手の
届く価格帯のカメラで)、買って間違いはなかったと
胸を張れる一台です。



フィルムとデジタルの1番の違い。
人によって色々ありますが、その代表例とも言えるのが
「失敗が消せる」ことだと思います。

正直言って、写真は撮れば撮るほどうまくなるというのは
疑いの余地がない所ですし、その点では「撮れまくる」と
いう点は最高のメリットです。

しかし、「必要が発明の母なら、不満は進歩の友」と
言われるように、進歩に失敗は必要不可欠です。

フィルムを現像・プリントしている時のドキドキ感と、
実際に目にしたときの感動・驚き・落胆は、写真の、
そして自分の成長に大いなる手助けをしてくれていると
思います。



このたび、少しフィルムに戻ります。

デジタルを捨てるというわけではありません。
やはりあの愛機には、これからもお世話してお世話されて
いくものだろうと思いますし。

じゃぁ何のカメラで?と考えたときに、最初の浮かんだのが
minolta AUTOCORDです。

写真好き(マニア)なら一度は聞いたことのあるであろう
このカメラは、今となってはお父さんが泣いて喜ぶ
「二眼レフ」なるものです。

ある写真雑誌を読んで「絶対いつか買う」と心に決めたのが、
2002年1月のこと。

思い立ったが吉日生活。オークションで粘りに粘って、
念願の二眼レフを手に入れたのです。



何と言っても、その空気感。

製造は1950年代の日本。当然レンズの性能なんて、今の
カメラについてるレンズの方が、数値的にはよっぽど
いいわけです。

しかし、数値だけでは表せない「味」というものが、
確かにこのレンズには存在します。

前後のボケの暖かさと、ピントのシャープさは、
思わずぞくっとする程の気持ちよさが混在しています。



そして、撮影時の緊張感。

この二眼レフの特徴は、フィルム1枚のの大きさが、
6cm×6cmであること。
簡単に言うなら「正方形写真」なのです。

一般的に35mmと言われる写真はフィルム1枚の大きさが
24mm×35mmで、約2:3の比率で構成されています。
おそらく皆さんがお持ちのカメラもこの比率です。
最近では4:3なんてのも見ますが、だいたいこの辺です。

慣れ親しんだ比率から、新しい(古風な?)写真に挑戦する
難しさを肌で体感しているのですが、これが本当に緊張する。


綿密に構図を決め、正確にピントを合わせ、そして、
いつもより1つ多めの深呼吸の後に、シャッターを切る。


一眼レフや大きいカメラからすると、本当に撮れてるのかが
不思議なくらいに小さいシャッター音が、心地いい。

これか、自分が求めていたものは。

そう思うと、毎週末、カメラを持ってどこかに出かけて
しまうのです。



寺本写真館もそろそろ第4期に入ります。

第3期の今のデザインを一新。年末には完成予定です。
本田と2週間に1回打ち合わせしてるので、何とか完成まで
持ち込みます。

それまでに、どうしてもこの空気感をみんなにも見て欲しくて
とうとうmixiのフォトアルバムに手を出してしまいました。

適当に名前やらで検索すると出てくると思いますし、
アップしてる写真で、寺田の言いたいことを受け取って
下さい。

ちなみに、フィルムをスキャニングして、色はいじらずに
保存してるので、ほとんどそのままの色が出てると思います。

まぁ暇があったら見てやって下さい。




密かに100人ポートレートの続編を撮ろうかと考えてます。

もちろん、新しく懐かしい二眼レフで。

2007年10月17日(水)
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