愛玩人形の抱き方+
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2004年08月06日(金) |
迂闊にそんな言葉を言わないで |
――それなら、一度で済む。 その言葉がぐるぐると頭を回っている。ぶらぶらと爪先が床にとどかない椅子の上に座ったみたいに。ぶらぶらと。そんな心持ちで膝をかかえて、くらい夜の部屋でひとり。いますぐ悲鳴をあげたい。みずから招いた恐怖にのまれそうで、いまにもきょうきという優しい化物がそこここに在りそうで。 それでも、明るい部屋の中。椅子の上にひとり。膝を抱えて片足をぶらぶらさせて。 ――それなら、かなしいのは一度で済む。
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