愛玩人形の抱き方+
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外が曇ってしまったので窓をしめた。私は光にあたりたい。 昔は、いつか光がさすことを信じて背を向けていた。けれど今は窓を閉じてしまった。 窓を開けたら、晴れかもしれない。でも曇りかも雨かも、夜かもしれない。そんな窓は恐くて開けられない。
閉めたままの窓から光が入ることなどない。けれどわたしは窓を閉じてしまった。だから光が入ることはないと、知っている。それだけの話だ。
救済を信じてた絶望と、そうでない物のちがい。
2004年01月21日(水) |
一つの指針として、分析 |
市野の恋愛観は、ほぼ壊れているそうです
そうだろうなあ、と言うぼんやりした納得。
…ジャンル別コメントについては、そうかなあ?と思うところ多多。 (だって矛盾してるし。恋愛は重視なのか軽視なのか、どっちなの一体)
2004年01月20日(火) |
関係がないというかなしさ |
あなたに冷たくされてさみしいのではない。気持ちは通じないんだなあ、と再認識してかなしくなるだけだ。隣にいるのにあなたはあらぬ方をみている。隣にいられないよりよほどつらい。「あなたの幸せにわたしは『関係がない』」こんなにも哀しいことがあるだろうか?
リンクのページを今更ながら作ろうかと思ったのですが、思いつかなかったので、一日一サイトの創作雑記リンク(造語)をしようと思います。
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その日はとても寒かった。夕方に、彼女に会いたくなって携帯で呼び出す。久し振り、も、元気だった、も言わない彼女らしさ。私には似合わないコートを着た長身が、店の前に立っている。 「ごめん、待たせちゃった」 「別に良いよ。行こう」 私は彼女に言った事はないけれど、こうして二人で並んで歩くのが好きだった。背が高いこととか、一見ぶっきぼうな態度とか、そう言うの全部が好きだった。 こっそり歩調を合わせながら、冷たい空気の中を歩く。冬の街は私の大好きなものの一つ、彼女に似合うと思っているものの一つ。 彼女は私が会いたいと言えば会ってくれる。泣きたいと言えば泣かせてくれる。 私は彼女の、抱えてる寂寥のようなものや、恐怖や、自身に対する攻撃的な思考や、破壊性や、それら全てを知りたいと思っていた。聞きたいと思っている。一方的な思い込みでしかないかもしれないけれど、私とそれらと似ているような気がするからだ。そんな彼女が爪を立ててる子猫に見えるからだ。なんて言うと怒られる気もするけれど。 「…どうかした?」 と。横顔を凝視していた事に気付かれ、そう問われてしまう。 怪訝そうに覗き込んで来る、その表情をじっと見ながら思う。 ただ、何もしなくたっていい、私はあなたがそこにいるだけでいい、そう伝えたい。…けれど。私は私のこの思いが、勘違いであるという恐れと、思い上がりだと言う恥かしさで、今まで言い出したことはない。 「ううん。――格好いい顔だなあって、見てただけ」 「何言ってんのあんた?」 「ほんとよ」 いつか言えればいいと、いつも思ってる。
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献呈 i am a i. sitemaster/ 銀太さん
*このテキストは市野の勝手な創作でフィクションです。リンク先にインスパイアされただけの文章で、直接は何ら関係がありません。
私は病気なのだそうです。なるほど執着も嫉妬もここまでくれば立派な病気でしょう。 「病人の世話をして」と私は頼み、「病人の世話はもう疲れた」とあなたは言います。 となればもう、自分で直すしかありません。けれど私は修理工ではないので直し方なぞ知りません。だから悪いところを取ってしまいましょう。だってそれしか思いつかないから。
あなた。あなた。私は血塗れになるのだから、あなたにだって少しは、血を流してほしいの。喩えるならそういうこと。独りはさみしかった、ずっと。
メッキをはがさないで。あともうすこしなのだから、そうやって中を思い出させないで。うすく何枚もかさねた膜。貧弱で頼りない鎧でも、見えなければいいの。だからおねがい、わたしに忘れたままでいさせて。世界一幸福な女でいさせて。薄氷の上にいることなんて、おもいださせないでいて。
眩んだ目は直らない。 できるのはただ、閉じることだけ。
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まっすぐな目が欲しい。 何も恐れず、しっかと見据えられるだけの視線が欲しい。 そうして、笑いたい。
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愛玩人形を始めて、長くもあり短くもある時が過ぎました。 思うままに、理性の制御なく言葉を綴って、 それを読んで頂けて、 その上話しかけてくださった人たちまでいて、 思いがけずとても嬉しい体験をすることができました。
今日はそんな方々に向けて、書きます。
「愛玩人形の抱き方+」は、一月いっぱいで終了します。 …することになると思います。の方が正確ないいかたかもしれません。 元々、ここは、最初から、終わりの定められた場所でした。 願わくば、最も望ましい形で、閉鎖させたかったのですが、 恐らく、願いとは反する形で、終了する事になるでしょう。
それまで。 短い間ですが、同じように、言葉を重ねていきます。
よろしければ、もうしばらくだけ、お付き合いください。
市野 拝
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ケープの下でそっと手を繋いでくれたのが、嬉しくってはしゃいだ。 二人でお賽銭を投げ入れて、二人で鐘をがらがら鳴らす。 あなたはとても優しくて、私はとても嬉しい。なんだか、昔が戻ってきたみたいで。
二人並んで、そっと手を合わせ、祈る。 『楽しい時を過ごせますように。たくさん笑い会えますように。そして、どうか、この人に深い傷を残せますように』 祈り終えたら、一足先に横に退いていたあなたと目が合って、微笑み合った。
――そう、私はこの人を、傷付けたいのだ。深く。流れ出した血が一生止まらないくらい、深く深く。
どうか。どうか。
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