愛玩人形の抱き方+
DiaryINDEX|past|will
2003年06月29日(日) |
従い尽くしはしないけれど |
引っこぬかれて、あなただけについて行く。
今日も、 愛を運ぶ、 毎日を戦う、 寂しいとかが増える、
そして、
食べられる。
たぶん、あなたは行動で示そうとしてくれているのだと思う。 あなたは言葉を語るのが苦手な人だから。
ずっと前、まだ私がわたしじゃなかった頃、あんなにもたくさん私に話し掛けて、喋って、笑わせていたのにね。肝心なことは何一ついえないのね。
「代わりを求めて、与えられて、それで満たされるのか?」 だってあなたは私に「それ」を与えてくれないから、と説明した時にあなたはそう言った。
満たされるわけない。
「それ」が欲しい。 「それ」があれば他のものはいらない。 あなたは代用品ばかりくれる。たくさんたくさんくれようとする。でも、あなた自身が言った通り、どれだけたくさん貰ったって、満たされないよ。
もう、愛して欲しいなんて言おうと思わない。 愛されているという実感を下さい。 本当に愛してるのか愛してないのか、そんなの、もう、どうだっていいから。
なんて、ひとり思う、夜だってある。
束の間の休息。
あなたと食事を共にし、テーブルを囲み、語り、抱き合い、鼓動を聞いて眠る。 そして目覚めて、食事を共にする。
二人で心から笑い合えるこの時間が、永遠に続けば良いのに。 あなたはドアから出て行って、私はその背中にそう祈る。 これから幾夜も私は独りで眠らなければならないし、あなたのせいで泣くだろうし、あなたもそうだろう。
けれど私は知っているから。 あなたにはまた会えると。会おうと思えば、すべて投げ打てば、いつだって会いに行けるのだと。手帳には、未来の日付に、あなたの名前がある。
だから私は、二人笑い転げながら共に過ごせる未来だけを、視線の先に見据えて、視線を外さず、一歩ずつ近付いて行けば良い。今は独りでも。今は悲しくても。そんな時間にすぐ会えるから。
いつからか、あなたが好きなのか、それとも独りが寂しいのか分からなくなってきてた。
私の世界には、わたしと、あなたの、二人だけでいい。 のに。
あなたは、ちがうの。
|