愛玩人形の抱き方+

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2003年02月24日(月) 病む


身体を傷つけるのをやめたら、勝手に病んでいった。
病院通いか、傷をつけるか、切り捨てるか。さて、どれを選ぶ?
人形はメンテナンスが必要な生き物なので、持ち主か、自分か、他人が手入れをしなければ壊れてく。



恋の病、とは、上手い言葉だな、なんて思ってみる。


2003年02月19日(水) ホームの上で


その男の子(もっとも、「子」と言うのは不適切かもしれないけど。何しろ私より7つ年上)は私が生まれる前から私を見ていて、私があの人と過すようになってからも私を見ていてくれた。その人が言った。

「綺麗になったよ」

私が悩んで苦しんで泣いて泣いて、それで綺麗になったのなら。
綺麗になんてなりたくない。大人になんてなりたくなかった。


今、自分が大人だなんて、そんな勘違いした台詞は言えないけれど、けど、少なくとも子供ではないので。子供ではいられないので。でも。

大人になんてなりたくなかったよ。





甘えきった言葉だと、分かってはいるけれど。


2003年02月12日(水)

例えば、もし。私が自分に傷を付けるとしたら。

あまり痛まず傷を付けられるように、鋭いナイフを用意するでしょう。傷に雑菌が入らないよう消毒薬とガーゼを用意するでしょう。怖がりなので時は静かな夜を選ぶでしょう。痛がりなので皮膚を浅くしか裂けないでしょう。その夜はあなたの所為でたくさん泣いた日でしょう。


そんなことを予想して、ああ、私はまだ病めないのだなあ、と思ってる。






中途半端な自分。もし、もし病めたら、私は。


2003年02月11日(火) まだ大丈夫



あなたがほんの少しでも辛いというのなら
私が全部辛くなりましょう


あなたが少し我慢して私の望みを少し叶えて欲しかった
けれどそれですらいやと言うのなら
わたしが全て我慢する
大丈夫、頑張るって決めたもの

大丈夫大丈夫







3時間泣きつづければ、その先にあるのは頭痛と、虚脱感。もう悲しくも、辛くもない。まだ大丈夫、頑張れるから。そう言ったら、そんな言い方は止めろとあなたは少し怒ったようだったけど、そのくらいは引き受けて。ね。ごめんなさい。


2003年02月09日(日) 悪夢

明け方悪夢を見た日のこと。


あなたが私の知らない女と歩いてたところへ遭遇した。あなたはその人に私以上に優しく、礼を尽くし、丁寧に接していた。私は泣きながらあなたにどう言うことかって訊いた。あなたは苦笑しながらはぐらかす。私がどんなに泣き喚いても、これは自分の時間だから邪魔をするなと私に言う。

絶望して目が覚めた。最悪の寝覚めだった。
そう言えば今日は、あなたと会えない休日だったことを思い出す。あなたは予定が入ったから今日は会えないと言っていた。予定に付いて少し訊いた時、あなたは曖昧に笑って答えなかった…だからこんな夢を見たのか。
胸の中に冷たいしこりのような物を感じて、それに寒気を覚えて反射的に携帯電話を手に取った。

…けど。

一体何をどう話せばいい?今どこで誰と何をしてるのって訊くつもりだったのか?そしてまた、あなたを苛立たせて、また邪魔だと言われるの?――

「耐え切れなくなるまで頑張る」
私はそう決めたはず。
12月25日、クリスマスの決意。

まだ大丈夫。大丈夫よね。そう言い聞かせる。
泣きながら過ごした一日のこと。




2003年02月02日(日) 残酷な言葉

いつも。

ネガティブになると必ずその分だけ掬い上げてくれる。そしてそのあと、高く差し上げてくれる。
それを知ってるはずなのにわたしは。
わたしは。



ごめんなさい。
大好き。



  *   *   *




「一乃がそうなれる為なら、世界中全部不幸になって構わないので」

倒れるかと思った。

まさかあなたからそんな言葉を聞くことになろうとは。
あなたはいつも言葉をくれないし、好きだとか愛してるとかそんな言葉も聞いたことがなかったし。(無理矢理言わせたことならあるけれど、そういうのではなくて)

なんて素敵で残酷な言葉なんだろう。らしくない言葉、それでいて似合う言葉。この上なく勝手で、利己的な台詞。
その当事者に、幸運にもなれてしまったので。わたしは。言葉を失うほど嬉しくて、抱き付いて沢山キスをしたかったのだけれど。
惜しむらくは、その場にあなたはいなかったのよね。

回線越しの、幸福。


ichino |MAILBoardText庵Antena

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