FILL-MIND [フィルマインド]心情記 

   
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2003年10月28日(火)  ■朽ちる心■

今年の春ごろもそうだったのだけど、一年前の自分っていうものを振り返ると、まるっきり赤の他人のそれのように思えて、不思議な感覚に陥る。

偉そうな言葉やまだらっこしい言い回しが、ぽんぽんと思い浮かんでは文章にしていた姿を垣間見て、哲学もどきに悦に入ってる様には、自分ながらに可笑しくなってしまった。

私はほとんどの場合あまりストレスを溜めないたちだから、うつな気分を実感するなどあり得ないと思っていたのだけど、どうにも覇気がなくなってしまった生活感には、うつとしか言いようがない状態だったのだと思う。

昔、多分、バロウズの本だったか、「人間がずっと同じ格好をしたままトイレにも立たずに座り込んでいたら、そのうち内臓は下部に溜まるように落ち込み、終いには使い物にならなくなって朽ち果てていく」といったような記載を読んだことがあった。

結局その本は私にはマニアックすぎて読み切れなかったけど、妙にそのシーンだけは生々しく記憶に残っている。現実から逃げ出したくなる時、私は決まってその鮮明に焼き付いた情景を思い出してしまうのだ。

自堕落で怠惰な生活の極限にうつつになってしまうのは、ある種の逃避的幻想の世界が脳に渦巻いた、うつの一種なのだろうと私は分析するのだけど、実際のところはどうなのかはよくわからない。

心が朽ちるという表現はそんな私の深層心理から生まれてきた。

ポキンと折れてしまったり、カラカラに枯れてしまったり、年令とともに心は状態を変えて、治癒に時間が掛かるようになるなんて、十代のころは思いもよらなかった。

何かに傷付いたり、落ち込んだりするのとは微妙に違う。それが年令によるものなのか、環境なのかは、今の私には計り知れないけれど。

本当に朽ちてしまう時、人はどうなってしまうのだろうか。少なくとも私は、朽ちて溶けてしまうほど、おそらく一所に立ち止まってはいられない。朽ちてしまう前に、欲が手を伸ばしていつか宙をまさぐってしまうだろう。

今、ここに言葉をこぼしているように。



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2003年10月26日(日)  ■チェンジャー■

世の中の色味は、自分の感じる心でいかようにも変わる。
そのチェンジャーは、それこそ出会いなんだと思う。
大切で重要な事柄はいつもシンプルで単純なんだ。

孤独は心の酸素だと今も信じて止まないけど、心が朽ち果ててしまいそうな時、孤独すぎる孤独は、生きる覇気への侵食以外の何ものでもない。

きっかけは、赤絨毯に導かれた道にあるのではなく、普段着で歩む雑草の道に転がっている事実を、どうしてまるっきり忘れてしまう瞬間があるのだろうかと思う。

何かがなければ変われないのではなく、積み重ねて行く日常にいくらでもチャンスは転がっているものなんだ。感じる心に鋭利でいられるならば、転がっている幸運など容易くみつけ続けられるのだろう。

おそらく、うつ状態というんだろう。ここに書けなかった期間の私の状態。

何もしたくなかったし、誰とも話したくなかった。何も生み出せなくて、どんなきっかけからも拒絶していた。
十年以上信じてきた仕事だって簡単に捨ててしまえると本気で考えていたし、全部投げ出して、上手く逃げ出す方法ばかりが重要な問題だった。
現実を突き付けられて、差し迫ってくる真実のあり方に、心は簡単にめげてしまうものだから、どう立ち向かえば良いのか本当にわからなかった。

それでもまた戻ってこれたのは、どんなに不安に蝕まれていても、訪れる毎日を放棄できずにいたからだろう。つまらなく辛いだけに思えた雑草の道で、出会いが私を見放さずにいてくれたからだろう。

少なくとも私はここに存在できている現実は、周りにある全てのものの連鎖が連なってできている証しだってことだ。

なんと伝えれば上手くこの気持ちを届けられるかは、まるっきり私は苦手だ。おそらく面とむかっては伝えられない人たちばかりだから、せめてここで言葉にしておきたくて。

感謝の思い、その重みを今こそ心にこめて。

変換できる言葉を持っている自分を信じて、変換された明日を見つけだせたなら、またきっとやっていけるだろう。

ありがとう。




 
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