FILL-MIND [フィルマインド]心情記 

   
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2003年04月30日(水)  ■真っ当な道■

真実のようでいて、メッキに埋まった姿なんて、世の中はほとんどそんなものばかり。もしわずかながらの本物があったとしても、だから何だというのだろう。その価値だ、こだわりだなど、しょせん狭い視野の主観でしかない。

この世に不要なものなどひとつもないと、本当は誰もが知っている。無駄だと思える数々も、どこかで何かに連なっていて、必要な鎖に結ばれている。無駄な仕事など、実際はどこにもない。

消費されるためだけの生産や、真実からの回避にしか思えない物事に、たまらず辟易してしまう時はある。
でも、幾多の人の重ねた淘汰に今があるという事実を知れるならば、繋がってきた結果が今の刹那をつくりあげてきたと、いつか体は思い出すだろう。

無駄ではないはずの今日を、明日の創造の糧に生きる。
その原動に目を伏せるまいと思う。なぜなら、そこを見つめる以外に人のものさしに潜む暗鬼から脱する方法を、私は知らないから。

この場所、この時代、この環境に生まれてきた生を謳歌するために、自分にしか生み出せない真実は必ずある。それが真っ当というものだ。

だから諦めるまいと思う。諦めるなかれと願う。

自分に。そしてあなたに。




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2003年04月22日(火)  ■風の強い日■

 いい仕事をするには、他のいい仕事に触れてみる。単純なようでそこに究極はある。少しでも多く高く、そのチャンスを得るために努力とは惜しまれずに存在する。

 試験を受けるのも資格を取るのも、師匠につくのも、一流企業に勤めるのも、要はいかにいい仕事をするか、目的はそこにある。

 いい仕事とは何だろうか。

 純度が高いか否か、ではなかろうかと私は思う。

 今までにいくつ、満足のいく純度の高い仕事が私にできただろうか。その成果を知るために、報酬という価値を見いだすのは、それもまた当たり前の理屈。

 仕事って、そういう仕組み。

 それが上手く体に馴染まなくて、青臭い幼さの基準から抜け出せずに、私はいつも袋小路に迷うのだろう。

 純粋に素直にあるべき。まずご託を並べる前に、いいからやればいいってこと。
 結論はいつもそこ。それが仕事というもの。

 いい仕事には、理屈はいらない。いい出会いが結果を導いていく。

 出会うために努力する。それでいいんじゃなかろうか。


 寒に戻る突風は素足の肌に絡んで。春の強風にあおられた日に思う。





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2003年04月19日(土)  ■嬉しい偶然■

この出来事は、私の行動や心の内を見透かしたように今、ここにあるのだろうか…、と考えたくなるほど、不思議な偶然というものがある。

最近、そんなインパクトによく突き当たる。

昔よく通っていた閉鎖したサイト跡地にふと出向いたら、その日が1年ぶりの再開の日だったり。ぜんぜん違うルートで見ていたお気に入りのサイト同士が、実は私の知らぬところで昵懇の仲だったり。よく行くサイトの更新に、最近私が読んだ古い小説についての所感が、まるで語りかけられるように綴られていたり。

私のネット活動も以前のように少しずつ復活できてきた矢先に、それらの偶然が次々にあった。

そのどれも嬉しくなることだから、ゆえに心も弾む。

きっとここのところ冴えなかったFILLに、やる気を戻させようとでもしているのだろうか。図りごとのように周りが用意周到にお膳立てしてくれているとさえ、ことごとく自分に都合よく考えては、悦に入った。

どんな些細なことも、自分の思い方で喜びにも楽しみにも変わる。それが迷惑にならないのであれば、いくらでも自分に都合の良い偶然にしてしまいたくなった。

ともかく、それらのサイトとは意図しなかった繋がりにおいても、どうやら私の肌に相当合っているらしい。

FILLにリンクページを作らないのは私の怠慢ゆえなのだけど、そろそろ贔屓にしているサイトのリンクぐらい貼っておきたい気持ちになった。きっと作ろう。

そして、今もそこでサイトを続けていてくれて、ありがとう。




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2003年04月17日(木)  ■夢の姿■

 夢を抱くということは野心を覚悟することに等しい。

 携えた理想を絵空事に終わらせない究極は、その一言に尽きる。どんな口滑らかな正当を唱えられたとしても、貪欲な執着なくして掌握できる現実はあり得ない。

 そんな、単純な法則をいつまでも体に馴染ませられなくて、幾つの言い訳ばかりに隠れていたのだろうか。

 澄ました顔して越えていくプロフェッショナルに出会う度、感嘆をもらさずにはいられなくなる。その裏にある葛藤を野心に宿さずには、進むことなどできない下積みの時代を思う。それが、夢の姿。

 ついこの間まで、真っ暗な地底を這っていたのに。
 まるで上下落の激しいすごろくゲームのコマのような自分の心の歩みに、春が訪れたのだと気づく。

 脱兎のごとく吸収した読書の栄養は肥やされて、今、自分の幅を増やす。






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2003年04月16日(水)  ■苦悶の楽園■

 苦悶の最中にいる時、苦闘する状態を書くには忍びない。
 だからといって、平静な時に辛酸を思い描くのも、重い仕事なわけで…。

 元来、人は未来を創造するための能力に長けているのであって、わざわざ苦さを募るための生産など、時間も労力も費やすに値しないのだろう。
 それでも、心を震わせる何かがそこにはある。だから迷い漂う。

 霞み掛かった向こう側を明らかにしたくて、記憶は果たすべき役割を待っている。幻想でないなら、そのもやを晴らすことができた者にだけ、知る価値があるのかもしれない。その時、真髄に触れる快楽を覚える。

 苦渋にすらさまよって、永遠の楽園を探して。創作への動機は、深く心の底にたたずんでいる。




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2003年04月13日(日)  ■心の不自由■

 心がなければどんなにか気軽に生きられるだろうか。従えずに揺れ動く感情さえなければ、上手く解決できる問題はきっといくつもあるだろう。
 そういう悔やみ方をナンセンスだと戒める以上に、自由が息苦しくなった。

 すべての行動理由に自分の感情を優先できる選択権は、恵まれた時代や環境の挑戦だ。

 人の望むわかりやすい理想像を、例えば富や地位や権力や名声や、それらを存分に持った生き方をできても、そこに愛や喜びを見い出せるかは、各々の心の趣に委ねられる。
 持ち物の良し悪しは、最終的には自分の気の持ち用で決まるものだと思う。それを選ぶのも自分。そんな重責を心は背負っているのかと、気も遠くなる。

 歴史が辿った道、人に頼った道しるべに委ねたまま、自尊心を揺れ動かさずに進めるなら、どんなにか楽か。でも、その道に納得できなくて模索にあがくのが人の常なのだろう。

 疎ましく、振り回される自我のわずらしさに溜め息をつく。
 他人事のように存在を傍観してる自分に辟易する。

 人として心を持った不自由。
 持っていなかったら、すべてに開放されるだろう。
 
 でも、開放された時、生きる意味をそこにみつけることは難しい。


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2003年04月08日(火)  ■散る言葉■

 今この一瞬にある思いつきを瞬間凍結できたらいいなと、夜桜に昨夜願う。

 あれこれと空想にふける時、そのままそれを瞬時に記録できていたなら、きっと皆をあっと言わせるサプライズに結びついたかもしれない。決まって、降って湧いたように咲き乱れる言葉の群れは、あっという間に散り去ってしまう。
 高い水色の空に浮かぶちぎれ雲のように、途切れては生まれ、流れては形を変えていく。どんどん押し流していってしまう風の力を疎ましく思いながら、消えていく雲を見送って春を香る。

 下降し続けるモチベーション。
 食い止める術がみつからないまま、そよ風のいたずらに惚けて。はぐらかされて、天辺に戻る意識に帰る。

 軽やかに沈む穏やかな日。
 去年の今ごろを思い起こし、そのテンションのあまりな違いに苦笑いしていた。

 桜は恋も問わずに、今年もまた咲き誇って命のほのおを尽くしていった。
 また翌年のこの日、何を思っているだろう。
 暮れる花びらに包まれながら、何を思いあぐねるのだろう。




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2003年04月04日(金)  ■徒労■

 文章を書くという行為自体に、何が見いだせるのだろうか。書く以上に考えるという不可思議に戸惑う。

 この数日間に読んだ本の中に、30年以上前に書かれた米国のベストセラー小説があった。古本だったけれど、発行部数を知ろうと奥付を見たら、改訂版なうえに、さらには30版と記されていた。それほどの有名な著書だったにも関わらず、私はそれまで知ろうともせず、知るチャンスも通り過してきたようだ。

 私は自分で認めたくないだけで、実際はとてもシンプルで単純なありきたりな人間なのだと思う。

 文字から得る透察とは、そういう本質に出会わせてくれる。

 生存するための営みと、種を残すための本能。
 ただそれだけに従って生きていけるなら、たとえそれが動物的本能としか意味しないのだとしても生存の証しであると…、思いつきの闇の中で反芻していた。

 理由に迷うという行き止まりは、人の多くを徒労に費やす。


 本当は、心理学書を読んだほうが良かったのかもしれない。

 逃避の夜はまだ続く。






 
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