f_の日記
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 銀杏

そろそろ
あの大銀杏が

いい頃だろうか

もの言わず
遠い山の中で

静かに時を数えて

何を主張するでもなく
誰かに見せるためでもなく

2007年10月31日(水)



 振り返って我が身を

最初に何を書いたのかは
よく覚えていないけど

ここに書き始めて
もう5年ほど経つらしい

早い…

とはいえ
その間2回くらいは引っ越しをしたり…

それなりだったのかとも
思えなくもないけど

最近古い知り合いと
少し連絡をとることになったり

時が確実に
また流れていくことが

本当なんだなあと

そんなことを
ふと凡庸に思う

2007年10月29日(月)



 

老いること
病や死だけでなく

生きることさえも
苦しみと気付いた遠い賢人の

それでも世界は美しい
そう感じる人の心の不思議さに

生きることを選んだ
遠い賢人の

知り得ないほど深い
そんな洞察を浮かべながら

果てしなく広いこの世界の

塵のように狭い人の世の
滅びゆく様に

ただ杯をかたむけている

憂うでもなく
為す術もなく

杯をただ

かたむけている

2007年10月17日(水)



 

旅を終えた部屋の片隅で

ぼんやり成功とか
敗北とか

そんなことを考えていた

世の中をあるがままに眺め
人の心をつぶさに観察しても

幸せとか
失敗だとか

そんなところに人なんかいなくて

胡乱な仔羊が道に迷うように
混沌とした夜に僕は

そんなことを考えていた

2007年10月15日(月)



 明日は誰にも新しいから

そのベンチから
僕の転校した小学校が見える

川の向こうには海が広がっていて
見飽きた商店街はもうそこにはなくて

思い出を拒絶しながら
ただそれを見ていた

心の片隅で
さよならを告げる

明日は誰にも新しいから
時は誰にも取り戻せないから

2007年10月14日(日)



 はじまり

コーヒーを飲みながら
少しずつ目を覚ましていく

空が透き通ったような朝

冒険のはじまりに
とても相応しいような

そんな朝

2007年10月11日(木)
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