f_の日記
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 月夜に想う

途方もない時の彼方へ
風に轟く雲の行方は
遙か遠き王国に臨んで

僕ら波に揺れる瓶の中の帆船
誰も知らない大海の星空
真空に詰め次の陸へサスラウ

月に浮かぶ白砂
忘れ去られた岩肌
忍び寄る虚無と混沌の中で

失われた石櫃
隠されし本能と炎が

恋と博愛
純然たる欄干に
みたび我ら誘わん

2003年10月14日(火)



 近況

恥ずかしい思いや
悲しいことや

でもそんなことがあって

ほんの少しだけ
大人になったような気がした

僕はちっぽけだけれど
僕のまま続けていこうと思っている

何をするというわけでもなく

ただ恥をかきながら
自分を知っていこうと

今は思っている

2003年10月10日(金)



 ススキ揺れる川原

壊れたバイクを
ひきずりながら
あやかしの夕暮れ
風に吹かれて

2003年10月06日(月)



 人々

何かを削って生きている人々

保証もなく
賞賛もなく

あるいは侮蔑や悲しみの深い淵に
弔いや一輪の花さへもなく



何かを削っている人々



2003年10月02日(木)
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