f_の日記
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 ウタ

偽善がどれほど
善をたすけるだろうか

力無きものほど
声高に叫べばいい
それが無力をさらけ出すとしても

心無きものほど
偽りをおそれるだろう
それが隠し持つ希望を
認めたくはないから

光が悲しみに
心が冷たく凍る夜に

僕ら掲げよう
力無きウタを

2003年03月22日(土)



 反戦

大自然を前にして
出てきた言葉は

「美しい」

という
陳腐で工夫のない
飾りのない

その一つだった

その怖ろしさと
その無慈悲さを
知らないわけではないのに

本能の螺旋階段が知るそれ

言葉をこえた
螺旋階段のそれ

惑わずに
信じればいい

2003年03月21日(金)



 神々の憂鬱

願いを聞き届けようか
天上への申請を行う

滞る採決の中
ニンゲンの不信の言葉を耳に

ならば一度聞いてみたい
その願いが叶えば
誰が幸せになるのだろう
誰がそこからこぼれるのだろう

大きな時間の中で
無にも等しい願いを

唯々聞き届けることで
何がもたらされるのだろうか

振り払って日々
神々の憂鬱

2003年03月07日(金)



 眼差し

ああ
疲れたこの場所で

匂ひおこせよ
春の風

永久と久遠と彼の人と
夜空に描いた三角に

今日も疲れたこの場所で
虚ろな眼差しそそぐだけ

2003年03月02日(日)
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