独白「文字式」

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2005年08月29日(月) 短歌日記(ファンタジア越後(その10))

 旅2日目のお昼はとんかつ〜。ruiさんによれば、とんかつ屋さんは、味もさることながらボリュームがすごい、ということ。しかし、メニューを見た段階で、あ、そんなにたいした量じゃないな、と実は思っていたのである。普通に椀物、ごはん、おかずが並ぶ定食レベルかな、という感じの写真であったのだ。
 めいめい注文して、食事がやってくる。お味噌汁のおわん到着。でかい。人間の顔の大きさはあったような記憶がある。「まてよ、もしやこのペースで行くとご飯も・・・」。案の定、でかい。おじゃまんが山田君でも食べないよ(ってたとえがわかりにくい)くらい大きい。あきらかに学生飯である。ここまでくれば、とんかつの大きさもおわかりになることであろう。
 あまりのボリュームに、食事というか格闘めいてくる。それでも、樋口さんのカツカレーとか、ruiさんのハンバーグとかをつまみ食い。しかも、食事の終盤、あろうことか、ruiさんのご飯のあまりとかを茶碗に投入される。美味しいものを、「あまったから食べてくれ」といわれると食べずにはおれない太り心。しかも、少しやせなきゃね、なんて会話をみんなとしていたにもかかわらずである。味も美味しくて、地元に欲しいお店でした。
 おなかが激しくいっぱいになった後は、文学散策としゃれこんで、「雪国館」に行く。雪国(しかも川端康成の本すら)読んだことない、ということはこの際置いておこうではないか。貴重な資料を興味深く眺めつつも、疲れが出てきているのか、ベンチで思わずうたたねをする人も。完全に眠りに落ちた人をそのままにして、静かに周りから立ち去る、なんていたずらもかましてみた。また、「雪国」にまつわる絵のコーナーもあって、レディたちが妙な盛り上がり方をしていたのも懐かしい。
 と、まあ、2日目も力の限り遊び尽くしたのである。最後はruiさんにお土産までもらって感謝感謝であった。それにしても、よう遊んだなあ。みんなの楽しい気持ち、がうまく絡んでまわったんだろう。わいわい旅行もいいもんだね。(終わり)

短歌
・東京に越後の歌を刻んでは白い卵をほとほと落とせ


2005年08月28日(日) 短歌日記(ファンタジア越後(その9))

 軽〜い山歩きの末に、サマーボブスレー(そりあそびみたいなの)に到着。みんな自然の中を滑走したかったのか、長蛇の列。並びながら、他の人のすべりを観察。慎重派もいればレーサーもいて面白い。と、ここで問題が発覚。ruiさんがスカートだったのである。これは、いろんな意味で危険!思案に暮れた結果、安全ピンでスカートを留めることに。
 そりにまたがりレッツゴー。斜面を滑り降りるのはすごい気持ち良かった。樋口さんの後に滑ったちんじゅうさんが、ぴたっと後をつけて滑り降りてくるのが面白かった。
 緑の中をはしゃぎまわって、しばしお土産屋へ。いつのまにか消えているちんじゅうさんとか、にんにくの素揚げをいろんな人に食べさせるruiさんとか(私も買ったのだが、うまかった。)なかなか楽しい時間をすごした。
 お土産屋、なんて、別にそう面白いわけでもないし、買い物だって別にそんなに好きでないんだが、楽しいときは楽しいもんだよね。
 そうこうするうちにおなかも空いてきたので、ruiさんお勧めのとんかつ屋さんに向かったのである。

短歌
・とんかつの橇で斜面を切り裂いてつまらないもの二人で笑おう


2005年08月24日(水) 短歌日記(ファンタジア越後(その8))

 旅の二日目の朝の始まり。気がつくとちんじゅうさんは起きていてヨガをしていた。朝は弱いのだが何とか目を覚ます。朝は弱いのだがお風呂に入り、朝ごはんを茶碗3杯食べる。この段階でもう旅パワーでむんむんである。宿をあとにしてドライブスタート。良い天気。
 まず、最初の目的地は、「アルプの里」である。湯沢の自然をふんだんに活かした高原の中にある公園、とでも言うのだろうか。大きいゴンドラにのって山の上まで行く。ゴンドラがあまりにでかすぎで、人がいっぱい乗るとラッシュアワーの電車みたいなのがちょっと笑える。でも、街を眺めるとなんだかしみじみするのである。
 「アルプの里」に到着。緑がなんだかすがすがしい。沼のアメンボを道中眺めつつ、岩肌に咲く高原植物を見に行く。個人的には、植物の造詣も関心もまったくないのだが、高原植物はいいな。ひょん感がすばらしい。
 アイスを食べて一休みしてから、サマーボブスレーに乗りに行く。ただ行くのも芸がないので、軽いトレッキングコースを選ぶ。いやあ、しんどい。十分しんどい。レディたちはそれなりに歩きにくい靴を履いてるので、悪いことをしたな、とちょっと思った。でも久々の散歩に私、大汗かいて満足げに歩いていたのであった。
 
短歌
・ヘンな色の新幹線が走り去る岩肌に咲くゴンドラの下


2005年08月16日(火) 短歌日記(ファンタジア越後(その7))

 お風呂も入って、いよいよ宴会である。さあさあ、酒だビールだ、どーんと持ってこい、なんて行きたいところだったのだが、ひそかに私、疲れのピークだったのである。ちんじゅうさんが激しく元気だったのが印象深かった。写真を撮ったり、血管を人に触らせたり。うーむ、これが温泉に長くつかったもののパワーというものか・・・。
 宴会が終わって、男子部屋に戻ってさらに酒盛り。この段階では、私、元気が回復しており、事前に買っておいた日本酒を美味しくいただく。この酒宴も、話が尽きることもなく続きそうだったのだが、それだけで終わらせてしまってはもったいない。ってなわけで、詩人4人で車座になって朗読会を開始したのである。
 4人が4人、自分の詩や好きな詩を持ち込んで朗読をする。みんな楽しそうなのが一番であった。詩が好きな人は好きだね。(もちろん、詩が好きなひとでも嫌いなひとはいるんだが)。樋口さんのムード、ruiさんの声、ちんじゅうさんの横顔等々堪能するポイントはもりだくさん。そんな中、特記すべきは、突如ひょいっと日本酒のラベルを読み出したruiさんであろうか。情感たっぷりでありました。
 朗読を楽しみ、ふと、気がつくとすでに12時になっていたので、名残惜しくもお開きとする。ちんじゅうさんは最後の力を振り絞ってお風呂へ。私は体力の限界でございましたので、いびきをかいてバタンキュー。
 女性2人は3時まで語り合ったらしい。元気だ・・・。

短歌
・ただいまの匂いを読んだ夜空には秘密を明かす六等星が


2005年08月15日(月) 短歌日記(ファンタジア越後(その6))

 しっかりと遊んで、いよいよ温泉宿に到着。ruiさんの車が大きいので、なかなか駐車場に入らずどきどきする。(その後、車のライトの消し忘れが発覚して、もっとどきどきする。)各性別で2人ずつに分かれて部屋に入る。
 今日初対面のちんじゅうさんと私。にもかかわらず、しっぽりと語りの時間になっていったのは、ひとえにちんじゅうさんの人柄と、私にとっても一部身につまされる話だったからであろう。
 話の名残は惜しくもあったが、食事の前に温泉へ。レディ2人組と同タイミングの入浴であったため、風呂場の壁の向こうから、声が聞こえてくる。
昔、私の属していたマンドリンクラブのメンバーで温泉に行ったことがあったのだが、その時も女性メンバーの声が聞こえてきたなあ、なんてことを思い出した。(あの時は女性8に男性2、の割合であった。妙な感じがしたよ。)
 まあ、そんなどきどき体験はさておき、お湯はぬめりもあって身体にしみじみと染み渡る感じであった。普段早風呂の私は、一通り堪能した後早々に風呂場を出て、宴会に備えたのであった。

短歌
・壁一面昔の人が貼りついて夜景ぬめるよ お湯で清めて


2005年08月13日(土) 短歌日記(ファンタジア越後(その5))

 おそばを食べて、いよいよ本格ドライブスタートである。おそばやさんまでは車の助手席に座りつつ、ruiさんのあれやこれやを聞いていたのだが、どうも日本酒がかなり聞いてきて、つい居眠りをしてしまう。その間に、ruiさんの秘密をあれこれ見逃したらしい。ちっ。
 ドライブの目的地は「三国川ダム」。私の記憶が確かなら、40年の年月をかけてつくったらしい。山道を抜けてダムに到着。結構気持ちいいもんだなあ、としみじみ。ダムの水を囲む切り立った岩肌が綺麗でした。水は集まると緑色なんだねえ。
 ダムを堪能して、さらにドライブはつづく。途中、車を降りて川辺まで歩く。山道を降りていると、キャッ、と悲鳴。なにごとと思ってみると、突如現れた蛇に驚いたruiさんの悲鳴でした。(なお、蛇との出会いはもう一回あり、そんときはruiさんは20メートルくらい飛んでいきましたよ。)
 川辺でしばらくぼんやりする。川の水に手をつける。冷たい。蝉が鳴いている。鳴き声だけは好きだな、蝉は。ぼーっといろいろ考えてみる。気持ちいいねえ水辺。
 さて、さらにドライブは続く。ダムをぐるっと一周しようかと思いきや、途中通行止め。で、道を引き返す。道路の脇に気配を感じ、車を停止させると、目の前をカルガモの家族が。可愛い出会いに、ついはしゃいでしまうのであった。
 ダムを堪能して、いよいよ宿に向かうのであった。

短歌
・ダムを背に君の住む街眺めれば水面に鳥の夫婦生活


2005年08月06日(土) 短歌日記(ファンタジア越後(その4))

 ドライブのスタート。まず最初に行ったのは、ruiさんお勧めのおそば屋さんだった。何でもボリュームたっぷりとのこと。(なお、このボリューム、今後のキーワードでもあるのだ。)美味しいものを食べるには、地元の人のお勧めプレイスに行くのが手堅い。47都道府県に友達が出来たら、日本旅行も相当楽しいに違いない。
 それはさておき、おそば屋さんに到着。仕事は熱心なものの、大事なところでポカをするおじさんの接客を受けつつも、へぎそば4人前・てんぷら2人前・冷酒を注文する。
 日本酒をちびちびやっているうちに、おそば到着。でかいっ。へぎそばとは、「「剥ぎ」を語源とする剥ぎ板で作った四角い器に、冷やしたそば3〜4人前を一口程度に丸めて盛りつける」というものなのだが、その丸まりがこぶし大もあるのだ。
 その迫力に驚きつつも、そのつるりぷりぷりとした喉越し・歯ごたえに、みんなでぺろりと平らげました。あんなおそば屋さん、近くにあるといいなあ。なお、へぎそばって魚沼地方発祥なんだそうな。もうちょい海沿い発祥なのかと思った。

短歌
・子供だった君は縄跳びしただろう固い緑を育む蕎麦で


2005年08月02日(火) 短歌日記(ファンタジア越後(その3))

 ビール2缶のみほして、無事越後湯沢に到着する我々。ruiさんがお待ちのはずの新幹線改札出口に向かうも、ruiさんらしきかたが見つからない。まあ、そもそも顔を知らないのだから当然である。で、携帯電話。
 会話をしつつ、眼を凝らして良く見ると、電話をかけてる人がいる。ruiさん発見。早速ご対面かつご挨拶。ビールで真っ赤な私をruiさんは優しく迎え入れてくれたのであった。ご対面の最初の感覚で、「ま、楽しい旅行になるわいな」という確信をしっかりと持ったのである。駅のホームにみやげ物を忘れた人がいたことは軽く触れておくだけにしておこう。
 越後湯沢なので、さっそく日本酒に触れましょう、とばかりに駅のすぐそばの「ぽんしゅ館」へ。ここではお酒を売っているばかりでなく、試飲も出来るのである。ruiさんの車でこれからドライブ、の予定のため、試飲はまずかんべなあ、なんて思っていたのだが、みんなでちょっとずつ味を楽しむことにした。
 ビール党の私なのであるが、やっぱしうめえなあ、日本酒。ふわりとうまみだけが口の中に広がり、身体に暖かさを残していくのだ。本場で飲む日本酒だからこそなんだろうな。あんまりおいしいので、旅館用のお酒を1本みんなで買って、いよいよドライブに出発なのである。

短歌
・体表に雪をひとひら身につけて魚は出逢う 生臭くない


2005年08月01日(月) 短歌日記(ファンタジア越後(その2))

 新幹線に乗った私。新幹線では、樋口さんとちんじゅうさんが私をあたたかく迎え入れてくれた。焼売とビールを持って。
 あれ?
 そーいえば焼売買っといてって樋口さんに伝えていたのを忘れてた〜。(どーでもいいけど、新幹線と焼売と私の切ない関係については以前に記載した気がする。)
 まあ、それはさておき、新幹線でみんなと乾杯。ちんじゅうさんとは初対面なのだが、そんなことは気にしないことにする。ちんじゅうさんは、なんだか妙に見たことがあるお顔立ちなので、なんだか自分勝手に人見知りバリヤーを解除する。なんだか連絡の取れない後輩に似ているのだ。
 ちんじゅうさんは人生の先輩なので丁寧語を使いつつ、ずけっと踏み込んだりもしてみる私。この距離感のおかしさが私の人生を不思議に規定しているのだがそれはおいておく。新幹線のビールがあんまりおいしくて、そしてなんだか会話も自然にもりあがってるので、顔もどんどん赤くなっていった。これからruiさんにお会いするというのに・・・・・。
 失礼を犯しかねないリスクを抱えつつ、新幹線は目的地、越後湯沢にたどり着いたのだ。

短歌
・鉄道の速さでビール飲んでます 君と同じの胸焼けしたい 


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