アタシノココロノナカイロイロ




2010年06月12日(土)

■ 物事を違う角度から見ているだけよ。

劇団四季の「ウィキッド」を見てきました。開演前、お友達から「SHOCK」の千穐楽に行けることになったという話を聞いて、他人事ながらびっくりパニック! えー! すごいすごい。電話もつながらず、帝劇からのご招待もいただけなかった私には、そんなこともあるのだねえと羨ましい限りでしたが。彼女の行きたいという気持ちが何ものにも勝ったということか。上手く気持ちの切り替えができなくて、ちゃんと「良かったね」と言ってあげられなかったかもしれないけれど(びっくりしすぎて、頭の中がぼーっとしてたの)、本当に良かったね(いや、ここで言っても……笑)。そんな私も、7月SHOCKには中盤に一度だけ行ける予定です。楽しみ! 

閑話休題。その前に「ウィキッド」です。んもう、期待以上の面白さでした。もう一つのオズの物語。「オズの魔法使い」に出てくる悪い魔女エルファバと善い魔女グリンダのお話で、原作は「オズの魔女記」。Wikipediaによると、エルファバ (Elphaba) の名前は「オズの魔法使い」の作者ライマン・フランク・ボーム (Lyman Frank Baum) の頭文字L、F、Baから作られたのだとか。そんなちょっとしたお遊びや「オズの魔法使い」につながる伏線がいっぱいあって、目から鱗のエピソードがてんこもり。見終わって、アレはこういうことだったのか! という驚きがいっぱいありました。そう、ドロシーにだって非はあるのです。ええー。「オズの魔法使い」には英語で読もうとして挫折したという苦い思い出があるのですが(…)、ちゃんと予習してから「ウィキッド」を見てたら、もっといろんな発見があったんじゃないかなあと思います。これから見られる方は是非。作品の持つテーマも深くて、たぶんいろんな見方が出来ると思うのだけれど、印象的だったのはオズの魔法使いの「みんなが信じたものが歴史と呼ばれる」というセリフ。何が正しくて何が悪いのか。元々、肌が緑色で嫌われていたエルファバは正しいことをしても誤解されて悪者にされる下地があったし、美人で人気者のグリンダはニコニコしてるだけで善い魔女としてシンボリックに祭り上げられやすかった。良い行いが必ずしも良い結果につながらない。理不尽なことだけど現実。でも、見てる人は見てる、とも言える。エルファバとグリンダの友情も見所のひとつ。最初は反発しあうふたり。「もやもやするこの気持ちは何?いやだきらい」とか言ってたふたりが(ここの群舞が好きでした)、ちょっとしたキッカケで仲良くなる。エルファバを人気者にするために「♪ポピュラー」なんて歌い踊るグリンダはアホっぽいんだけどチャーミングで憎めない。愛されたい女。こういう自分が正しいって信じてる、親切の押し売りをしてくる女子っているよね。でも、それが意固地で自分を上手に表現できない世渡り下手なタイプには必要でありがたい存在だったりもするんだよね(しみじみ)。好きな男性を巡って怒鳴りあい殴りあいケンカするふたりも壮快で気持ちいい(笑)。それでもやっぱり最後は親友同士だったりする女の友情の縮図。グリンダが本当に善い魔女になろうとするのは、それが死に別れたエルファバとの友情の証しだからです。じーん。しかし、とけて死んだはずのエルファバは生きていた! どどーん。なんだこの展開。これもある意味、勧善懲悪なのかなあ。本当に悪い人たちには自業自得な結末が待ってるわけだし。うーん。ふたりの歌もすばらしくて、これはきちんと声楽の勉強をしたことがある人に違いないわと思ってたら、後からお友達に「四季には独特の歌唱法があるんだよ」と教えてもらいました。へー。たぶん、わたしが以前「オペラ座の怪人」を見た時のクリスティーヌは沼尾さんだったんじゃないかと思うのですが(違ってたらすみません)。あの時は、クリスティーヌよりカルロッタの方が歌が上手くて納得いかないわ! とプンスカしてたのです。が、今回のグリンダ沼尾さんはソプラノがキレイで、キャラ通りキラキラおバカっぽくてハマってました(失礼)。エルファバは低音に厚みがあって地の底から響いてくるような大迫力。カッコイイー。フィエロも素敵だった。かかしの王子様(←あ)。エルファバと出逢って、考えることを知るのです。成長する彼(うふふ)。遠目に雰囲気だけで勝手に「斗真くん!」と呼ぶ私(違うから)。ネッサローズとボックは自分の不幸を他人のせいにしてどんどん性格がねじ曲がっていく様が他人事とも思えず、反面教師にしなくてはと思う。完全に逆恨みだもんねえ。あまり好きにはなれないキャラクターでしたが、最後のカーテンコールでは一緒に手をつないで出てきてくれましたー。あはは。カンパニーは仲良しな雰囲気。カーテンコールは拍手が続く限り何度も出て来てくれて、出てくる度に照れ笑いのエルファバ樋口さんがキュートでした。こんなカーテンコールもあるのだなとしあわせな気持ちで拍手をしてたら、自分の指にライトが当たって、そこから光が発光しているように見えて、最後まですごいすごいと変なところに感動してしまいました(笑)。行って良かったです! 余談ですけど、大阪の四季劇場はとてもきれいで快適でした。座席が急斜面に作ってあるので、後部座席からでも視界がクリア。見やすかったです。また行きたい。

そうそう、帰りに飲んだお茶に茶柱が立ったよ! やった!



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