TWILIGHT DIARY
music,art,book,food,fashion,and nature etc.etc...

2003年05月30日(金) 初夏に狐。。

今日は気温が高く、夏のような陽気であった。
5月にしては珍しく台風も発生して、TVニュースでは四国を通過中らしい。

さて深夜、車で人を送った帰り道、何かの二つの眼がキラっと光ったので見ると、
毛並みの至極立派な狐が、道路際に佇んでいた。
とても街の住宅街に存在しているとは思えない、精悍で引き締まった顔立ちの狐。

長い尾が、立てるでもなく下げるでもなく、ふわっと空間に浮いている。

はてさて、食糧を求めて、山から下ってきたのだろうか。
それとも近くの河原の生い茂る草わらに潜んでいるのだろうか。

彼は物言わぬので、事の真相はわからないが、
実は何回か、深夜や朝方に、この辺で狐は度々見かけている。
だが、こんなに、野性的な顔立ちの狐は見た事がなかった。

帰宅して、「狐」を歳時記で調べてみたら、冬の季語のところにあった。
さすがに「狐火」は夏のお盆に近い頃だろうかと思って、
そちらも調べてみたら、
やはりそれも、冬の季語であった。

こんな暖かな気持ちの良い初夏の夜に、狐を目撃すると、
住宅街がまだ造成されずに自然が満ち溢れていた頃には、季節に関係なく、
生きている餌を追い求めては、狐たちが自由に闊歩していた時代に思いを馳せてしまう。

それにしても彼はこんな住宅街の深夜に、何を追っていたのだろう。
「あ。人間に見つかっちまった」というような顔を、彼は一瞬したのである。



2003年05月28日(水) 独活(うど)の話。。

この間の日曜は、山菜採りをして来たのだが、
いつもは、多少でもあった独活が見つからなくて、
家族の者で独活好きの者は至極残念がっていた。

だがしかし、である。
昨日、ご近所から、それこそ今抜いてきたばかりの青々とした、
とても立派な独活を三本頂戴した。

「いやぁ、この間は採れなくても良かったんだね。こんな立派な独活を貰えるなんてねぇ」
と家族で言ったそばから、
大きなタッパー(直径30cm×深さ20cmほどの大きな円型)ごと、
違うお家の方から、又、何か頂いた。

開けてみたら、そのタッパーの中身全部が独活の水煮であった。
一体、何十本分の独活がそこ入っているのかは、多すぎて計り知れない。
天麩羅用に独活の芽もたくさん頂く。
二軒のお家から独活が届くなんて、とても有り難いことである。

山菜採りに行ってもタイミングが悪いと全く採れないこともある。

だが今回、こうしてみると、日曜は、独活が採れなくて大正解であった。



2003年05月26日(月) 嬉しき事と痛い事。。

今日は主人の誕生日だったが、仕事で時間がなく、お寿司の出前をとる。

近所に出来た出前専門のお寿司屋さんから初めてとったら、
茶碗蒸しがついて、リーズナブルなお値段。
メニューなどを見ていたら、ランチメニューやいろんなセットもあって、
様々なTPOに合わせて、使えそうな感じである。

昨夜、フィラデルフィア・クリームチーズで作ったチーズケーキは、
家族にほとんど食べられてしまった(笑)ので、
家の近くのケーキ屋さんで、生シフォンケーキを買ってくる。
色合いが、お寿司と白いケーキの、ごく普通のシンプルな食卓であった。

さて深夜、路肩のところでつまづき、顔から転んでしまった。
顔から転んだわりに、手足もあちこち痛いので、夜間当番の外科病院に行った。
何枚かレントゲンを撮ってもらい、検査した結果、骨折はなく打撲。
顔も擦り傷だけで済んだようで、ひとまず安心。
唇が腫れてきたので、ちょっと心配だったが、腫れ止めのお薬も出た。

帰宅して、顔を洗ったら、「えっ」と言う位、紅く擦れていて、
いやはや、お化粧の威力はすごい(笑)と改めて、思ったのであった。



2003年05月25日(日) 休日の野草摘み。。

今日は、お天気も良く暖かいので、近郊の林で野草摘みをしてきた。

こごみ、オランダカラシ(ほとんどクレソン。)、蕗、笹の子。

笹の子を摘んでいる時に、横の方でかさこそと音がしたので見ると、
まだ目覚めたばかりの初々しい春蝉であった。

昨年、この春蝉に初めて出会ったのだが、精密なデザインの羽が可愛い。
へぇ、お久し振りと思って喜んでいたら、奥の方に進むうち、
私の好きな、薄い藤色のシジミやクジャク蝶も飛んでいて、ますます嬉しくなる。
昨日今日と気温が上がっていたので、一気に孵ったのだろう。

広い林に響き渡る様々な鳥達の囀りも美しい音色で、
ほんの少しの摘み草でも、楽しい気分にさせてくれる。

娘が、一人静を発見して、一輪挿し用に手折ったが、
その後、群生しているところに出会い、なかなかの壮観。

帰宅して、摘み草料理。
家族総出で、笹の子の皮むき。
どの野草も二食分くらいの量しか摘まなかったので、夕方には食卓に上る。

こごみの胡桃和え。
オランダカラシは、二杯酢。
蕗と笹の子は、蒟蒻と油揚げ、さつま揚げなどとお煮しめ。

今年初めてのこごみも美味しかったが、
娘達は蕗のお煮しめが一番美味しいと云う。
すでに今年、家の裏に生えている京蕗の炒ため煮を食べているが、
山の新蕗は、香りも高く柔らかい。

森林浴も出来て、舌も満足な休日の野草摘みであった。











2003年05月23日(金) 利き手の悩み。。

さて今日は、右手が疲れ気味なので、試しにマウスを左手で使っている。

マイクロソフト社の光学マウスを使っているのだが、右手用なので、
カーブのデザインが、左手には合わない。
左クリックのところが山になっているので、
左の人差し指を、左クリックの部分にのせて作業しなければならない。

本来なら、中指か薬指をのせると、安定して作業しやすいのだろうが、
それだと、指先が微妙に届かなくなるので、人差し指で、左クリック。

右左が対称の小さめのマウスを左手用に買おうか。とも思う。

よくよく考えてみると、利き手というのは、疲労がたまるのは当たり前で、
私のように両手でピアノを弾いていても、
他の作業には、ほとんど利き手の右手が使われる。
当たり前のようで、右手にとっては、不公平なことかも知れない。

だが、おもしろいもので、
右手で慣れていることを左手でやろうとすると、
こうしてPCを打つだけでも、
Enterの後のクリックを右手でやるのを、左手に変換するのには、
一度、頭の中をリセットしないと、自然に右手でクリックしようとしてしまう。

マウスのない机の上を浮遊して、右手は「あ。」と立ち止まるのである。





2003年05月22日(木) オレンジ色の太陽に思う。。

今日の太陽は、風変わりなお日様であった。

スモーキーな曇り空にぽつんとオレンジ色にゆらゆらと燃えている。

車の窓から、そのお日様を見上げると、絵画のような写真のような、
一種独特の燃える月のような「円」なのである。

何か、特殊な気象現象なのだろうかと思っていたら、
TVニュースで、取り上げられていた。

どうやら、シベリアの森林大火災に起因する大気中の微粒子が原因らしい。
22日のアメダスの日照時間が「0」(ゼロ)だったそうで、
確かに、気温は上がっていたが、一日中、陽が照ることはなかったように思う。

その不思議な太陽を発見した時、はてさて、
普段の太陽はどんな太陽だったろう、と考え込んでしまった。

少なくとも、あんなにはっきりと円を描いたオレンジ色の物体ではなかった。
じっと見ることが出来ないくらい、まぶしくはなかったか。

大気が何かの原因で汚染される事によって、このような現象が起こるのなら、
これ以上は汚してはならないのだなぁと思う。

毎日が日照時間「0」では、光合成も出来ず、育つ物も育たない。
天日の多大な恩恵も受けられずに、地上は悪い雑菌で満ち溢れる。

そういえば、こういうストーリーのSFを昔何処かで読んだような気がする。
人工の太陽と月が空に浮かぶ地球。

明日、オレンジ色の太陽は元の普段の太陽に戻ってくれるだろうか。






2003年05月21日(水) 身体のリセットとセイロン新茶。。

先日初めて行った「てもみん」で、今日も20分間のタイムマッサージ。
首筋から、肩、腕、指などをやってもらう。
頭のマッサージもしてくれたのが、とても良かった。
眼も、何だかはっきり見えるように感じる。

花粉症気味なのか、くしゃみ・鼻水の症状が出ているので、
小青龍湯を薬局で購入して飲む。
少し症状も軽減。

さて、久々にレピシエを覗いたら、ダージリンやセイロンの新茶が入っている。

私は紅茶好きのわりに、ダージリンだけは胃にささるので、セイロンを選ぶ。
ダージリン好きの人には、多分こたえられないラインアップだと思うのだが、
身体の方が合わないので仕方がない。
そんな私の胃は玉露もだめなのである。
お抹茶や烏龍茶は大丈夫なのに、不思議な現象。

実をいうと缶コーヒーや缶入りお茶類も全部ダメ(味より胃が)で、
ラジオの放送日は、自分でおとしたコーヒーや紅茶をタンブラーで持参している。
ただ単に、カフェインに過敏だけなのかも知れない。

今日買った「セイロンクオリティブレンド2003」は、
何故か、中国茶の青茶と東方美人をブレンドしたかのような、
さっぱりとしたアジアンテイストなお茶に仕上がって、
実にフレンドリーな味わい。

だがそれは、新茶の由縁だからなのかも知れない。




2003年05月20日(火) 秋吉敏子ジャズオーケストラコンサートfeat.ルー・タバキン。。

今日は、ZEPPSAPPOROにて、秋吉敏子さんのコンサート。

秋吉さんのお噂は、いろんな方から聞いているが、
ご本人の演奏を生で聴くのは、これが初めてであった。

秋吉さんはもうすでに70歳を超えており、
それでも尚、個性的な音楽を創造し、演奏し続けているだけでもすごいことである。

秋吉さんのオリジナル曲は、日本そのものから題材をとっているものが多い。
外国では、自分の属する民族色を主張するのも大切なことなのかも知れない。

祝詞から始まる「NORITO」は宮中音楽のような響きのブラス。

多分、能楽のサンプリングであろう掛け声と鼓にのせて演奏される「孤軍」。

「孤軍」では、ルー・タバキン氏のフルートのソロが、
まるで平家物語を思わせる雅な横笛のように、かつての哀しい戦を物語る。
この曲は秋吉さんがあの小野田さんにインスパイヤされて作られたそう。

さて、今日のライヴでは、テナーのヤン・クリステンセンのプレイが印象に残った。
安定感のある、クレバーなのに情熱的な演奏で、
非常に感情と理性のバランスが良い音である。
リーダーアルバムでもあれば探してみたい人である。






2003年05月19日(月) 北大構内散歩。。

昨日は上の娘に彼女のキャンパスの北大構内を案内して貰い、
下の娘と三人でお散歩してきた。

10年程前に口腔外科に治療で通っていた以来、
北大構内には入っていなかった(前や裏は良く通る)ので、
なんだか懐かしかった。

クラークの胸像は、小学生の時、写生遠足で見た以来なのだが、
どことなく場所が違うように感じた。
昔は、草わらの日陰にポツンと佇んでいたように思う。

さてこの広い大学構内の休日には学生だけでなく、いろんな人が訪れている。

野草摘みをしている人。
広場でジンギスカン・パーティをしている人。
ひょうたん池のほとりで、写真を撮っている人などなど、
公園のように利用されている部分も少なくない。

公園並みに緑も少なくない。
道路際に向うまでずっと続く背の高い街路樹。
校舎の横で咲いている八重桜。
蓬。蕗。名も知らぬ野草。

草木の匂いに包まれて、構内を南から北に向かって歩いていくと、
すうっと風が通り抜けて気持ちが良い。

札幌農学校の建物が保存されている所で、構内散歩も終わり。

すぐ近くのセンスの良いカフェに寄ったら、
手作りのケーキや、キッシュの美味しいお店で、
別の発見も出来て、なかなか充実した休日散歩であった。







2003年05月16日(金) リズ・ライトとキャンティ・クラシコ。。

今夜も寒く、車の外気温計は10℃以下。
身体が冷えたので、帰りにコンビニでキャンティクラシコを買ってきた。
1500円くらいだが、今、味見をしたら意外と美味しい。

キャンティを飲みながら、今日購入したCDを聴いている。

リズ・ライトのデビューアルバムと、ロニー・ジョーダンの新譜。

リズは試聴していいなぁと思ったので買ったが、
さてデビューのはずなのに、聴いたことのある声と名前。。

帰宅して、あれだと思ったアルバムを引っ張り出したら、
やっぱりそうだった。
この人はジョー・サンプルのアルバムに参加している。

このリズの「SALT」に収録されている「アフロ・ブルー」がいい。
試聴した時も、この曲が決め手となった。

裏ジャケットのリズは黒いシンプルなドレスを着て、
お行儀の良い靴に、傘をさし、道路際に佇んでいる。
傍らに、チープなチェックのボストン。

長年家族と暮らした、住み慣れた家を飛び出して来たのだろうか。
それとも何かに訣別して、ボストン一つで、何処へ旅に出るのだろうか。

7曲目の「Goodbye」は何に告げた「さよなら」なのだろう。





2003年05月14日(水) ちょいと漢字の調べ物。。

最近、日中は比較的暖かいが、夜は冷え込む。

私のような寒がりでなくても、
夜は薄いコートやウィンドブレーカー、
ブルゾンを羽織っている人をたくさん見かける。
近年、冬は大雪が降らなくなった分、
春や夏はあまり気温が上がらない。

昼夜の気温の差が激しいのは、環境の砂漠化が影響しているのだろうか。
大気汚染。オゾンホール。
寂しい話である。

それでも、歩道でふと見上げると、街路樹は青々と茂って、清々しい。
銀杏の木は、ミニチュアなあの特徴のある形の青い葉が可愛い。
一重の桜は終わりつつあるが、
今度は八重桜が、街の所々で綺麗に花を咲かせている。

さて、今日ある方が、仕事上で文書に「葺」という漢字が出てきたが、
なんと読むのかがわからない、というお話をなさっていたので、
部首から出してみたら、読み方は「シュウ」「ふ・き、ふ・く」と出てきた。

広辞苑を開いて調べてみたら、
「葺き足」「葺板」「葺下」「葺替」「葺草」「葺籠」。。どんどん出てくる。
意味は家屋の屋根に関する事柄ばかりなので、
ははーん(笑)と思って「葺く」で調べたら、
いわゆる、瓦や萱で「屋根をふく」の「ふく」=「葺く」の意であった。

言葉ではよく聞く事柄だが、建築関係の仕事ならいざ知らず、
普通の生活をしていたら、あまり日常出会うことは殆んどない漢字である。

だが、その漢字「葺」を見せていただいたとき、私を含めその場にいた者全員が、
「かや。でしょうか?」と言ったのも、後から考えるとなかなか面白い。

多分それは「萱葺き屋根」という言葉を、
どこかで見た記憶からきていたのに違いないのである。





2003年05月12日(月) 目に見えぬ敵。。

SARSの猛威は恐ろしい。

思うところがあって、SARSと共にペストについて調べていたら、
肺ペストというのもあるそうで、SARSと共にこれもまた恐ろしい。

私はずっとペストの媒介者は「鼠」だと思っていたが、
そうではなく、厳密には鼠につく「ノミ」だそうで、目に見えぬ敵に近い。
そのノミが猫につくと何故か人間には伝染しづらくなるそうで、
それも不思議な話である。

ペストの悲劇的な大流行と魔女狩りには密接な関係があるそうで、
猫も悪魔の使いのように断定され多くが駆除された為、敵の減った鼠は増えるし、
ノミがつく場所が猫からどんどんと鼠にうつるわで、悪循環だったようである。

SARSは今、患者さんを治療するだけでも、とても大変で、
原因解明などはまだまだ追いつかないと思うが、
何か目の届きづらいところに発生や蔓延の原因がありそうで、
私のような素人がちょっと考えるだけでも、何だかぞっとする。

果たして、根絶すべき目に見えぬ敵は何処か。。



2003年05月10日(土) 白ワインとチーズ三種。。

今夜は、頂いた白ワインをお気に入りのチーズをつまみながら飲んでいる。
普段は赤ワインを飲んでいるので、たまに白ワインもいいものである。

ワインは、浦臼産の多分ドイツワイン系の品種、
ミュラー・トゥルガウを原料に生産された99年の「光芒」という白ワイン。
北海道産のワインにしては、甘すぎずすっきりとした飲み口。
日本のワインにしては、フルーティ過ぎないのが良い。

最近、チーズは、熟成期間の長いヴィンテージチーズや、
ハードタイプが気に入っている。

お気に入りはフランスの「コンテ」と「バルテルミ・ミモレット24ヶ月」。
イギリスの「ヴィンテージ・チェダー」。

「コンテ」はフランスではかなりポピュラーで生産は第一位だそうである。
ほんのり日本酒の酒粕のような芳醇な香りがして、味は濃厚。
色はアイボリー。

「バルテルミ・ミモレット24ヶ月」は、
名前の通り、24ヶ月間丹念に熟成させたミモレットチーズで、
オレンジ色の硬質なボディ。
薄く削って食すると、深いコク、まるで発酵バターのような上品な風味がある。

「ヴィンテージ・チェダー」は、チェダーが今一つ好きではなかった私が、
フランスチーズと同じくらいに美味しいと感じる唯一のイギリスチーズである。
口に含むとほろっと崩れ、あっと言う間に溶ける。
熟成されたコクのある味に、ふっと蜂蜜のような匂いの繊細な残り香。

今日の甘味の少ない白ワインにもこの三種のチーズはよく合うので、
多分、シャンパンにも合うのではないかとも思う。





2003年05月09日(金) フローラ・プリムを聴きながら。。

今日は、明日ラジオで特集するフローラ・プリムの新譜を聴きながら書いている。

フローラ・プリムは音の上で出会って、かれこれ二十年以上聴いている人である。
彼女はどんな難曲、どんなジャンルの曲であってもうまくこなして、
ダイナミックでありながら、至極丁寧に自分のカラーに染めていく。
コンスタントにアルバムをリリースするバイタリティも凄い。

このアルバムは、深みのあるアコースティックな音で緻密。

どの曲も良いが、ウェイン・ショーターの曲をやっているのが、すごくいい。
管が良いので、誰だろうと思ってクレジットを調べたら、Gary Meekとある。
アルトとテナー、クラリネット、フルート、
その上バスクラリネットまで吹いている。
非常にオールラウンドな人である。

プリムのボサノバやサンバも当然お家芸であり、
こうして聴いていても非常に伸びやかで、
最近の世情不安を一瞬忘却して、ハッピーな気分にしてくれる。

世の中は不条理で、不幸な出来事で溢れている。

恐ろしい伝染病をめぐるショッキングで暗いニュース。
カルトな宗教。
正常な外交をしない国。
離れ離れになった家族。
望まない戦争で、家族や仕事、住む場所など大切なものを失った人々。

誰か出来る事なら、魔法の消しゴムで不幸を消し去って欲しい。

真っ白になった紙の上に、幸福で平和な世界を描き出す事はできないのだろうか。




2003年05月07日(水) 春の雨に広重を想う。。

今日は、夜から本格的に雨。

深夜のビル街は、雨で煙っており、さながら、にごり絵のようである。

街路樹の新芽が雨に濡れ、萌黄色で美しい。

雨脚が強く、道行く人々が足早に過ぎ去り、
雨が風で煽られ、堅く描かれた斜線のように降っているのを見ていると、
この風景は以前何処かで見たなぁと歩きながら考えている内、
「そうか広重だ」と思い当たった。

帰宅して、色々と画集を引っ張り出して調べたら、その一枚の複製画があった。

東海道五十三次の『庄野』であった。

その画集は、私が小学生の頃、
暇な日曜や夏休みの昼下がり、畳に寝転んではよく眺めていた。
その画集は家庭用に各国の名画をテーマごとに編んだもので、
その広重は「生活・風俗」集で選ばれていた。

強い雨脚に煙る山道と人里。
風に靡く、奥深い山林。
坂を急いで駆け上る駕籠。
里に向かって早足で駆け下りる傘をさした旅人。
彼らの踏みしめる坂道には青々とした草色。

絵の風景は、時を超えて、江戸時代の昔からそこに留まっているが、
今まさに降り出した突然の雨の一瞬が、
まるで自然な写真のように、画面に切り取られている。

「あぁ。これこれ」と眺めて満足したが、
なるほど子供の頃の記憶は、なかなか侮れないものだと驚いた深夜である。



2003年05月02日(金) 誕生日プレゼントは。。

今日は私の誕生日だったので、家族がお祝いをしてくれた。

プレゼントは、前々から欲しかったシュレッダー。

手動なのかと思ったら電動のシュレッダーで、
試しに、いらなくなった書類やメモ、古いFAXなどを裁断してみたら、
面白いほどよく裁断できる。

手動だったら、こうはいかないと思う。

ほんのちょっとやったつもりが、ゴミ袋一杯になってしまい、
裁断された細長い紙を見ていると、まるで会社で出たゴミみたいである。

会社勤めをしていた頃は、大型のシュレッダーで、
エラーの出たコンピューターの出力データを、
ばんばん(笑)裁断していたものである。

今となっては、それも懐かしい思い出になってしまった。

さて、今度は何をシュレッダーにかけよう。。









2003年05月01日(木) ちょいと散策。。

お天気が良かったので、近くを散策。

この近くに私設美術館が出来たらしいと聞いたので、探すが、見つからず。

だが、そうして歩いていると、
ところどころに枝ぶりの良い桜やこぶしが満開で、
甘い匂いが漂ってくる。

それだけでも、お天気の良い午後の散策は満足である。

いつもは車で通るところが、足を使って歩くと、色々と発見があって面白い。

自宅から、ほんの数町しか離れていないところに、新しいお店が出来ていた。

看板のある通りから、少し入っていくと、可愛い輸入生活雑貨と蘭のお店。

様々な蘭の他にも、ガーデニング用のお花の苗や素敵な鉢がたくさん。

手作り感のあるイラストの紙の箱の紅茶が気になったので、
ストロベリーティーを買ってみた。

「この付近に私設美術館が出来た話を聞いたのですが」とお店の方に言うと、
「そういえば、この間、パンフレットを頂きましたよ」と探してくれて、
そのパンフを頂いて見たら、もう閉館時間を過ぎていた。

6月には、カフェも開く予定だそうで、歩いて行ける素敵な場所を発見でき、
美術館のケガの功名であった。

美術館には、今度また時間のある時にでも訪ねようかと思っている。


 < past  INDEX  will>


izumi [HOMEPAGE]

My追加