散歩主義

2003年04月04日(金) 光琳

尾形光琳の作品についての番組を見ました。
京都の生んだ天才芸術家。なぜ「京都の」という言葉がはいるかというと、彼の作品には京都ならではの生育歴が大きく影響しているからです。

彼の生家は「雁金や」という宮中御用達の呉服屋だったのです。いまでも残されている膨大な染物の図案帖を幼いころから見て育ったといいます。彼の代表作の一つ、カキツバタの屏風。(現在、根津美術館にあります。)この杜若図、色は3色しか使っていません。そのシンプルな美しさにひかれます。そしてよく見ると同じパターンが繰り返されているのです。まるで染物のように。

で、花の配置が絶妙。屏風なので折って使用しますが、屏風を左右に上座に座ってみると上昇する線に花が乗って行く一枚と、高いところをうねるような花の線が現れる一枚になります。正面から見ると杜若の群生する位置の微妙さが、繰り返しの破綻のなさで裏打ちされている。思いつきでも写生でもない。というか写生を基に、もっと「違うもの」にしてしまっているんです。

また、もうひとつの代表作、八橋の螺鈿細工の漆の箱。これをCGで透かして見せていたんですが、なんと天地の関係を立体的に箱にとり入れていたんですね。これには驚きました。今はCGで鮮やかなグラフィックが展開てきるけれど、光琳の頭の中にも驚くべき「図」がきっちりできあがっていて、世界を創るように箱を作っているんです。箱の中は透けては見えないけれど、「透かしてご覧」というような「ダイナミックな楽しみ」を秘めている。

ただただ驚嘆です。
なんだか刺激とヒントを頂いた番組でありました。




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