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2005年02月28日(月) 戦略コンサルタントのボケとツッコミプレイ

僕は、クライアントとのミーティングやシステム担当者とのミーティングの際に「ボケ」発言をよくやる。

「それってこう言うことですよね」

僕の発言は、「ボケ」である。
あえて間違った理解を示す。
当然ながら、現場の方々からは「全然違います。それはこう言うことです」的なツッコミが入る。

僕は、本気でボケているわけではない。
現場の人々の理解を促すため、現場の人々の認識を変えてもらうために、「ボケ」発言を行なう。

「全然違います。それはこう言うことです」的なツッコミが入ると僕は、「う〜ん、よく分からないなあ。何だか矛盾しているような気がするんですけど」と、更にボケる。

現場の人やクライアントは、「だからそうではなくて、こういうことです」と、必死にツッコミ攻撃を返してくる。

僕は「う〜ん、難しくてよくわからないので、アホでもわかるように説明してもらえますか?」とまたまたボケる。
現場の人やクライアントは、ボケの僕に対して、懸命に説明を行う。
ボケ役の僕に対して説明を行なううちに、自分達の主張に矛盾があることに気づく。
本当の問題点にたどり着く。

僕は、現場の人、クライアントの口から、本来、達するべき答えにたどり着いて欲しいのだ。
僕の口からは、言わない。
僕は、ただただボケ続ける。

戦略コンサルタントは、現場から遠いところにいる。
CEOだとかCOOに仕えていることが多いので、現場には疎い。
現場の事は現場の人が一番良くわかっている。

僕は、現場の事を最も理解している現場の人たちに、自分達の力で答えを見つけて欲しい、と考えている。
だから、僕はあえてボケる。

僕のようなボケをかますと、現場の人たちに、「何てボケた戦略コンサルタントだ、高いフィーだけ取りやがって、現場の事を全然理解していないじゃないか」、とバッシングを受けそうなものである。
だが、実際には、現場の人たちもアホではないので、僕がワザとボケていることに気づく。
僕は僕で、「現場の事は全然わかりませ〜ん」という態度を取りつつ、裏では必死に現場の情報を掻き集めている。

戦略コンサルタントに必要なのは、「経営者の目線」と「現場の目線」のバランスだ。
僕は、「経営者の目線」の態度を取りつつ、「現場の目線」を「経営の目線」へと誘導する。
経営者は往々にして現場が見えていないし、現場は経営の視点でものごとが見えていない。
僕は、ボケ役を演じて、現場の人たちの目線を経営の視点に持ち上げる。
ほとんどの人は僕が、ワザとボケ役を演じている、という事に気づくのだけれど、たま〜に、僕が本当のボケだと思い込んでしまう人もいる。
それはそれでいいんだけど。

戦略コンサルタントは、あえて現場の視点からはずれた発言をする事がある。
確信犯として、現場からはずれた発言をする。
現場に近づき過ぎると、クライアントと同化し過ぎてしまうと、本来の答えからズレてしまう事が多いからだ。

クライアントの皆さん、現場の皆さん、僕はボケ続けるので、きちんとツッコンでください。
僕が期待しているのは、僕のボケに対して、ツッコんでもらって、現場で答えを見つけてもらうことです。
現場の人たちが、自分達で答えを見つけたのなら、納得感も強いでしょ。




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