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2005年02月27日(日) 放送と通信の融合は個人レベルで勝手に進んでいく

ライブドアの堀江氏が連日テレビに登場し、デムパ発言を繰り返している。
堀江氏のインターネットと放送の融合とは、「放送を入口にしてポータルへのアクセスを増やす」ということらしい。
僕も数年前、某ポータルのウェブマスターをしていたとき、テレビ番組をまるごと買った事がある。
僕のサイトのURLを放送中に常時表示してみた。
確かに放送を入口として、ネットへの誘導は効果がある。
でも、それは僕は数年前に既に実行済みである。
新しい発想でも何でもない。
1998年に僕は、放送からネットにユーザーを誘導し、会員化、コマースに結びつける、という行為を実行した。
構想ではなく、実行済みである。
堀江氏のやりたい事は、放送局を買わなくても、番組を買っちゃえば実現できる。

堀江氏は、ブルームバーグやロイターみたいになりたい、ともいう。
だったら買うのはニッポン放送ではなく、ラジオ短波であり、TXであり、日経グループだろう。

ニッポン放送の株を買ったのは、普通に新聞を読んでいるレベルの人間だったら誰でも知っていたニッポン放送のフジサンケイグループの資本のねじれに、ドサクサに乗じただけです、と素直に言えよ。
ニッポン放送の資本のねじれに対して、ライブドア以外の資本家が、攻撃を仕掛けなかったのは、良識があったからだ。
フジサンケイグループの資本のねじれは、フジテレビのTOBが正しいと、良識ある資本家は考えていた。
村上ファンドは、そのドサクサに紛れたお金儲けが目的であり、自身でそれを認めている存在なので、資本主義市場は否定しない。
堀江氏は矛盾した発言を繰り返すから、資本家からバッシングを受けるのだ。
世論が許しても、資本家は許さない。
ニッポン放送がフジテレビに対して、新株予約権の発行を行なう事は、それはそれでルール違反だ。
違法性は高い。
だけど、それは確信犯である。
売られたケンカを買ったに過ぎない。
法廷に持ち込まれることにより、ライブドアの時間外取引の脱法性についても同時に議論されるべきだ。
違法と脱法。
脱法はいいのか?
CSRはどうでもいいのか?
ガキ企業。
ライブドア擁護者は、買えるものならライブドアの株を買ってみろ。
恐くて買えないのなら、堀江氏に油取り紙とヘルシア緑茶でも、送ってやれ。
ついでに、堀江氏の社長日記に対して、「尿酸値には気をつけてくださいね」とコメントを書いてやれ。
更に言えば、ルイ・ヴィトンとトータルワークアウトは、堀江氏のせいで、イメージダウンの被害を受けてるぞ。

現在の地上波放送が、現在のカタチのまま生き残る事はあり得ない。
HDDレコーダーの普及によって、広告モデルが崩壊する事は、誰にでも理解できるし、明らかだ。
堀江氏の主張は「地上波放送を入口として、ポータルに誘導し、視聴者を会員化し、そこでコマースやらメールやらチャットやら諸々のサービスに結び付けよう。そこで収益を上げよう」って事らしい。
それは正しい。
地上波の視聴率は今後も高いだろう。
だけど、放送の広告モデルが崩壊することは誰の目にも明らかだ。
視聴はされつつも、収益はボロボロ。
広告主から見放されることは間違いない。
堀江氏の主張は正しいけれど、ライブドアにそれができるのか、というと「NO」だろう。
Yahooが、孫さんが、同じ事を言ったら、そうかも知れない、と思うけど。
孫さんが、それをやらなかったのは、テレ朝買収の際に学習したからだ。

放送のエコノミクスを放送形態から考えると、地上波放送は非常に無駄なモデルである。
インターネット放送はもっと無駄。
ライブドアのサイトは肝心なときに、落ちてるし。
放送を電波効率として単純にエコノミクスを考えると最も効率的なのは、衛星放送である。

地上波放送は、デジタル放送に向けて大きな投資を行なっている。
いちいちアンテナを立てなくてはならない地上波デジタルは、単純にエコノミクスから考えると効率が悪い。
衛星を一発上げちゃえば、全国に放送が可能だ。
地方局は、地上波デジタルに投資せず、安価なトラポン契約をしろよ。

地方局は、地元に根ざした放送を行なう、という存在意義はあるが、それは、情報として、地元に根ざしている必要があるのであって、放送形態が地上に設置されたアンテナである必要はない。

僕は、関西出身の首都圏住民である。
帰省すると、深夜帯の放送は首都圏とは大きく異なる。
関西だけの放送文化は確かに存在する。
関西と関東の深夜帯の番組構成は全く異なる。

関西出身者で首都圏住民の僕は、関西でしか放送されていない番組を首都圏でも見たいと思う。
だが、地上波である限り、僕は関西の番組を首都圏で見ることができない。
僕は、首都圏では深夜に放送される「探偵ナイトスクープ」は、HDDレコーダーに録画することによって見ることができるが「たかじんのそこまで言って委員会」は、見ることができない。
「たかじんのそこまで言って委員会」を首都圏でも見せろや。

衛星放送であれば、僕は首都圏在住でも「たかじんのそこまで言って委員会」を見ることができるようになる。
サンテレビの阪神戦全試合完全生中継も首都圏でも実現しろや、と。
野球のオフシーズンの阪神選手のカラオケ大会を首都圏でも放送しろや、と。
サンテレビがスカパー!で放送されれば、僕は契約するぞ。

逆に、関西の実家に帰ると、テレビ東京が見れない。
僕は毎日、WBSをHDDに録画して「速送り」で見ている人なので、WBSが見れないと、どうも不安になる。
僕のように経済ニュースマンセーな人が、WBSが見れない地域に滞在すると、何だか置いていかれる感が強くなる。
衛星で全国に放送してくれ。

僕は、モバイル放送のノートPCチューナーを注文した。
モバイル放送そのものは、たぶんダメ放送だろう。
でも、僕にとっては重要だ。
僕にとって、いつでもどこでも日本国内であれば、全国放送を見ることができる環境は必要だ。
モバイル放送のPCチューナーは来週に届く予定。

僕は、ノートパソコン用のモバイル放送チューナーを常時携帯することに加えて、自宅のHDDレコーダーを外部アクセス可能にしようと、目論でいる。
これから1ヶ月以内に、自宅のHDDに蓄積されたテレビ放送をインターネット経由で試聴可能な環境を構築する予定でいる。
勝手オンデマンド放送。
僕の自宅のHDDコンテンツを僕が見たい時間に見たい場所で見ることを可能にするつもりだ。
インターネット放送局など関係ない。
僕個人で個人用のインターネットで放送受信環境を構築してしまう。

自宅のHDDにどんどんと放送コンテンツを蓄積する。
蓄積されたコンテンツに外部からインターネット経由でアクセスする。
構築作業自体は難しくない。
DDNS環境さえ構築してしまえば、ちょっとしたフリーウエアだけで実現可能だ。

「放送と通信の融合」と通信会社や放送会社は、議論しているが僕には関係ない。
ハードウエアがどうこう、放送法がどうこう、関係ない。
僕は個人として、勝手に環境を構築する。

仮に僕が、僕個人のインターネット放送試聴環境のためのURLを公開したとする。
それは、立派な放送行為だ。
もちろん、僕は自宅サーバーが放送にたえられるわけはないのでやらない。
僕は、個人的に放送をHDDに録画し、僕個人に対して最適化された放送を通信を経由して再送信を行なう。

放送メディアをエコノミクス的に捉えると、最も効率が良いのは、衛星放送である。
ちまちまと、地上にアンテナ立てなくても、衛星一機で、全国をカバーできる。
衛星から受信された放送をHDDに録画し、自分の都合の良い時間に見たい番組を勝手に試聴する。
僕は、あくまでも個人的な環境として、このようなシステムを構築中だけれど、これが次世代の放送のありかたのような気がする。

他人は僕をアフォだと言うだろう。
だけど、「衛星放送 + HDD + ブロードバンド」が、僕にとっては最適解なので、僕は勝手に自分の環境を整備中、である。

放送と通信の融合は、企業や政府によって行なわれるものではなく、僕のような個人によって、勝手に進行していく。
メーカーも通信会社も放送局も関係ない。
ライブドアなどもっと無関係。

僕は、自分自身で構築した環境で、地上波、衛星放送をHDDに録画し、それをネット経由で、地球上のどこからでも試聴する。
必要なのは、DDNSを導入するだけだ。
ザマミロ。
放送と通信の融合は、個人レベルで勝手に進んでいく。

■モバイル放送
http://www.mbco.co.jp/




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