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2005年02月25日(金) 脳のオープンソース運動

僕が毎日、文章を書き続けている理由は、何なんだろう?と自問してみる。

僕は、オープンソース活動をやりたいのだ。

僕にはソフトウエアをコーディングする能力はない。
だけど、リーナス・トーバルズ氏が、対価を求めずにリナックスを開発しつづける理由を「それがぼくには楽しかったから」と言い切る気持ちは良くわかる。
僕も、文章を書く理由は「それがぼくには楽しかったから」なのだ。

ハッタリが重要な戦略コンサルタントにとって、僕のように知性の浅さをさらけだすような行為は致命的だ。
僕のように、毎日大量の文章をネットにアップすれば、どうしてもボロが出る。
過去ログも含めて、簡単に検索もできる。
自分の考え方の浅さ、薄っぺらさがどうしても出てしまう。
コンサルタントが運営しているブログは数あれど、僕と同じように脳内をさらけ出して運営しているサイトは存在しない。
コンサルタントの日常生活、について書くか、一般論について述べるかに留まっている。

コンサルタントの日常生活について書いているサイトは、自虐的な内容が多く、おもしろいので僕は好きだ。
でも、一般論について偉そうに書いているB級コンサルタントのブログは、大嫌いだ。

コンサルタントにとって、自分の知力をさらけ出すことは、自殺行為に近い。
自分がアホである、という事実をネットでは出せない。
僕のように、自分がアホである、ということを堂々とさらけ出せるものなら、やってみろ。
できないでしょ?

僕の書いた文章について、あれこれと批判する人は多い。
でも、僕は書く。
「それがぼくには楽しかったから」。
僕は、僕の書いている文章は、ベータ版ですらないことを自覚している。
でも、プログラミングのできない僕が、オープンソース的な行動をとりたければ、バグだらけのソースコードとも言える文章をネットにアップするしかない。

僕の書いている文章はバグだらけだ。
それは僕自身、自覚している。
僕は、バグだらけのソースをネットにアップし続ける。
「伽藍とバザール」で言うところの「バザール」がこのサイトである。
「伽藍」は、クライアントからお金を貰っているので、オープンにはしない。
でも、「バザール」活動は続けるし、対価を求めるつもりもない。
その代わりにバグだらけ。
僕が書いている内容について、バグを見つけたら、自己責任でバグフィックスしてください。
バグは報告しなくても構いません。

僕がプログラマーだったら、オープンソース運動に参画していただろう。
だけど、残念ながら僕はプログラマーではない。
プログラミングもできない。
僕が提供できるのは、僕の脳のソースだけだ。
たぶん、僕が書きなぐっている文章は、何の役にも立たない。

僕がネット上で文章を書きなぐる行為は、リスクは多く、メリットは全くない。
自己顕示欲を満たすどころか、自分のアホさ加減を晒すデメリットのほうがずっとずっと大きい。
クライアントも僕のサイトを読んでいるので、僕のアホさ加減をさらす事は、現役のコンサルタントにとっては危険極まりない。
でも、僕は書く。

「それがぼくには楽しかったから」と、言い切る自信はあるから。




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孤独に歩め 悪をなさず 求めるところは少なく 林の中の象のように

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