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2005年01月25日(火) デコイによる個人情報攪乱

ネット社会において個人情報(プライバシー)の「完全な保護」は不可能だ。
いくら企業や個人が自分の個人情報を保護しようとしたところで、限界がある。
個人情報保護は絶対に必要なのだけれど、完璧に守り抜く事は無理。
すでに僕の個人情報の保護は不可能である。
ここで言う個人情報とは、クレジットカード情報のような企業によって管理されている個人情報ではなく、主に「プライバシー情報」、である。

僕は、個人ドメインのウェブサイト、個人ドメインのメールアドレスを保有している。
個人ドメインを保有している時点で、自宅住所、電話番号がネットで公開されている。
プライバシーの議論も何も、最初っからバレバレなのである。
僕の個人情報をチェックしたいと思う人がいたとして、僕を調べる気になれば、簡単に僕を特定できる。
僕のスタティックな個人情報から思想信条趣味嗜好に至るまで、かなりの精度で調査可能。

僕の自分自身に関する個人情報保護に対するポリシーは明確である。
「脳はオープン」、「リアルボディーはできれば保護」、「具体的な仕事内容は徹底的に秘匿」である。
僕の思想信条趣味嗜好などの脳内の情報はオープンで構わない。
個人サイトを運営している時点で、脳内情報の保護は無理。
と、いうか露出しすぎだ。
一方で、リアルボディーに関しては、できるだけクローズドにしたいと考えている。
リアルの僕にアクセスしたい人がいれば、それはそれで拒まない。
来るものは拒まず、去る人は追わない。
だが、自ら顔写真など僕のリアルボディーに関する情報を公開するほどの露出狂ではない。
そして、何が何でも絶対に漏れると困るのは、僕の実際の仕事内容。
僕の担当クライアントがどこか、僕がどのようなプロジェクトについているか、については、絶対に漏れてはならない。

僕の個人情報はすでにバレバレだ。
でも、漏れてはマズい情報も多々ある。

僕はSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)上においても正確な個人情報を晒していない。
だが、SNSはクローズドだと「思い込んでいる人」も多く、個人情報を自ら晒している人が多い。
顔写真や学歴、勤務先を掲載している人もいる。
そして、僕が困るのは、僕自身は個人情報を晒していないのに、被リンク先を辿っていけば、僕が現在所属している企業、クライアント、業務に対して、類推できる危険が存在することである。
しかも、某SNSは非登録者でもGoogleでヒットする・・・。
僕のプライベートな情報はある程度流れても構わないけど、本業は守秘性が高いので、特定されると困るのですよ・・・。
僕の周りでも、既にSNSの登録を解除した人が何人かいる。

僕は、個人情報保護のための作戦のひとつとして、「デコイ」を使うことにしている。
欺瞞情報をばらまくことにより、僕の実像を見えにくくする。
「嘘ではないが僕のごくごく一側面をデフォルメした情報」を細切れに出す。
僕に関する細切れの情報のピースをうまくつなげていけば、僕の人とナリを把握可能だが、公開情報を偏ったものにしてしまうことにより、攪乱を行う。
僕の個人情報を調べれば調べるほど、実態が見えなくなる、という作戦。
情報過多にしてしまえば、逆に実像は見えなくなる(と、いいな)。
諸刃の剣。
素人にはおすすめできない。

僕の個人情報はすでに守りきれなくなっているので、僕としては「デコイ」しかないのである。
自分から発信する情報に関しては自己責任だけど、他人にリンクを張られてしまうと、どうしようもない。
僕は、たまにGoogleで様々なキーワードで、自分に関する情報をチェックすることにしている。
大量にヒットする僕に関する情報のなかで、「個人的なプライバシポリシー」を冒す行為がないかどうかについてチェックしている。
今のところ「個人的プライバシーポリシー」を冒す行為は見られない。
僕に関してのリンクや言及に関しては、「原則として容認」する事にしているけれど、把握をしておく必要はある。
まあ、僕のリアル職場、クライアント、プロジェクトに関する情報以外はほとんど黙認だけど。

今や個人情報を完璧に守り抜く事は、不可能だ。
便利さの代償として、ある程度は受け入れざるを得ない。

皆さんも、たまにはGoogleで自分自身を検索してみましょう。
意外なところで、個人情報が晒されてますよ。

■グーグル検索おそるべし--ウェブでの小論文公開が名誉毀損裁判に
http://www.japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20080275,00.htm
■個人情報保護法とはどんな法律か?
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0501/24/news003.htmlhttp://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0501/24/news003.html




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