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2004年10月19日(火) 混同される「成果主義」と「能力主義」

いつの間にやら年功序列は衰退し、「成果主義」、「能力主義」が当たり前の時代となっていた。
だけど、どうも「成果主義」と「能力主義」が混同されているような気がする。

「成果主義」と「能力主義」の定義は異なる。
「成果主義」とは「成果」に対して報いるものであり、「能力主義」とは「能力」に対して報いるものである。
「成果主義」は、ボーナス等の報償によって社員に報いるべきであるし、「能力主義」は昇進や配置転換によって社員に報いるべき性質のものである。
もちろん「成果」と「能力」には強い相関関係があると思う。
だが、たまたま「成果」が上がっただけかもしれないし、「能力」があるからと言って必ずしも成果があがるわけでもない。

特に、「成果」を持って、ご褒美的に配置転換や昇進が実施されることはおかしい。
本来「能力」が必要とされる職能に対して、「成果」で報いることには矛盾がある。
成果が出ているからといって、その人の能力を考慮せずに昇進させたり、その人の能力に見合わない配置転換を行ってはならない。
成果に報いるのは、ボーナスのような報償である。
地位や昇進ではない。
昇進や配置転換はあくまでも「能力」に基づいて行われるべきだ。
成果と能力を混同してはならない。
「成果」と「能力」に相関関係があることがほとんどだとしても、これらは切り分けて考えるべきである。

そして、成果に関しては、一時的なボーナスで報いるのが適切である。
成果主義の効果を上げるためにはボーナスを高額にすることが最も理に適っていると思う。
結果として、ヒラ社員でも年収が高い者や、地位が高くても給与の低い者が出てくるだろう。
だが、これは何ら変ではない。
スポーツ選手は、監督よりも選手の年俸のほうが高い事はごく当たり前の事である。
それと何ら変わらない。
部下のほうが、上司よりも年俸が高くてもおかしくない。
成果主義とはそういうものだと思う。

「成果主義」と「能力主義」は組み合わせて導入すべきものだ。
「成果」には報償を持って報い、「能力」には人事を持って報う。
その両面がうまく組み合わさってこそ「成果主義」、「能力主義」はうまく機能する。
どうも「成果主義」と「能力主義」は混同して利用されているような気がしてならない。




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