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2003年09月26日(金) 中国へ旅立つ彼に

今日、同僚が中国に赴任する、という話を聞き、盛大に送別会を敢行した。

彼は人件費の安い中国でシステム開発を行うインフラを構築するため、不退転の覚悟で中国に赴任することにしたのだそうだ。
中国の人材を活用し、日本の経済を立て直すことが彼の夢らしい。
もう日本には帰ってくる意思はない、中国に骨を埋める覚悟だ、という。
まずは、7年間、中国で生活をする。
ビジネスが立ち上がって軌道に乗るまで、日本には帰らない。
チケットも片道のみ。
日本に帰るチケットは買わない。

僕らは不退転の覚悟に感動した。
彼は、既婚者で家族がいる。
家族は日本に残し、単身中国でビジネスをはじめるのだ。
今は中国語を話せるワケではなく、これから語学学校に通い、中国語を学ぶという。

伝え聞いた彼の覚悟に感動し、賛同した多くの仲間が集まった。
既に退職した人間も駆けつけた。
仕事で遅くなった人間も深夜になってもやってきた。
彼には、もう一生会うことができないかも知れない。
最後に一度会っておきたい。

花束を用意し、胴上げをした。
記念写真もたくさん撮った。
だって、もう一生会う事がないかも知れないのだから。

彼は、最後に言った。

「いやあ、最初は中国に骨を埋めるつもりだったんですけど、とりあえず、来週の月、火、水の3日間の出張です。木曜日には帰ってきます」

え?

「片道しかチケットは買ってないんですけど、現地でチケットを買ったほうが安いって聞いたもんで」

あれれ?

「い、いや、今後、中国への何度か出張はする思います。で、でも、基本は今までどおり東京中心なので・・・」

ひっこみのつかなくなった僕らは、彼はもう二度と日本に帰ってこないことにして、宴会を続行した。
3日間の出張だということは、みんなで忘れて、別れの言葉をかわした。

「さようなら、お世話になりました!」

これって新手のイジメなのか?




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