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2003年06月09日(月) サヨク教育を受けて資本家の手先となった僕

僕は大学では新聞学を学んだ。
新聞学とは、新聞およびジャーナリズムを批判する学問である。
ジャーナリスト養成学部ではない。

「日本のジャーナリズムは広告で成り立っており、資本家に支配されているブルジョア新聞である。よって批判されなければならない」

四年間かけて教育された事を一言で言えば、そういう事である。

そんな事は当たり前である。
懐かしのサヨク教育。
そんなおめでたい教育を受けた世代は僕らが最後だろう。

日本のジャーナリズムは広告で成り立っていて、資本家に支配されているブルジョア新聞である。
それには同意する。

でも、それのどこが悪い?
僕はジャーナリズムを信用してはいけない、という事には同意するが、資本家に支配されているからといって、それを批判するつもりはない。
僕は資本家の味方だからだ。

僕の大学卒業後の最初の就職先はメーカーの宣伝部だった。
役員が不倫などをして、マスコミに嗅ぎつけられると、そのメディアに大量に広告出稿をして、記事を抑え込んだりしていた。
スクープを上から抑え込まれたジャーナリストは、さぞムカついたことだろう。
いや、もしかしたら結果的に記事は表に出なかったが、大量の広告出稿を得る事ができて大喜びだったのかも知れない。

企業の広報の仕事の半分は、出てもらっては困る記事や報道を抑え込むことである。
そして、その方法は前述のように大量の広告出稿。
宣伝部と連携して、カネの力で記事を抑え込む。
宣伝部はスポンサーとしての立場を最大限に利用する。
大事件になってしまい、世間の目を欺けなくなると、このような手段は通用しないが、小さな事件であれば抑え込む事は難しい事ではない。

若かりし僕は、そんな現実を目の当たりにしても、なぜだかショックを受けなかった。
なあんだ、世の中はそういうふうにして動いていたのか!
なるほど、教授が言っていたブルジョアとはこういうものだったのか。

まあ、世の中そんなものである。
だって、日本は一応ではあるものの、資本主義国家だし。
税制や社会制度は社会主義なのかもしれないが、こんなところだけは資本主義なのである。

どう考えても、広告効果が見込めない媒体に広告が出稿されていたりすることが良くあるが、これはそういうカラクリである。
よって、世間知らずのマーケティングコンサルタントに広告媒体について広告効果の分析などされて、いろいろ意見されても宣伝部としては困ってしまうのである。
>>コンサルタントの皆さん、そういう事情も考慮して報告書は作ってね。はあと。

そんなワケで僕は、報道からは事実だけを読み取り、報道機関の主張に対しては自分の判断を必ず加える。
新聞の社説を読んで素直にうなずいたりはしない。

最後のサヨク教育を受け、結果的には資本家の手先となった僕にとってはジャーナリズムなどはプロパガンダの手段に過ぎないのである。
実際、僕はプロパガンダの手段としてマスコミを利用させてもらっていた。

大人って嫌ね。




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