| 2012年06月26日(火) |
ジェラルディン・ブルックス著「古書の来歴」読了 |
「100年前から行方が知れなかったハガダーが発見された。連絡を受けた古書鑑定家のハンナは、すぐにサラエボに向かった。ハガダーはユダヤ教の祈りや詩編が書かれた書で、今回発見されたのは、実在する最古のものと言われ、ハガダーとしては珍しく彩色された細密画が多数描かれていた。鑑定を行ったハンナは羊皮紙のあいだに蝶の羽の欠片が挟まっていることに気づく」下巻「500年の時を生き延びた稀代の古書サラエボ・ハガダー)それはなぜ作られ、どんな人々の手で守られてきたのか。鑑定をまかされたハンナがその本の中で見つけた白い毛、塩の結晶、ワインの染み、留め金の痕跡、蝶の羽が15世紀スペイン、17世紀ヴェネチア、19世紀ウィーン、20世紀サラエボで起きた驚くべき苦難の物語を雄弁に語っていく。 」最終章、ついに本の作成者の物語が語られる。なんと父を絵師に持つ少女だった。自分の姿を家族団らんの輪の中にそっと書き加え、サインをしたためた少女。最後に本物と再会したハンナは光の中、そのサインに気づく。感動的なシーンだった。
|