| 2012年04月07日(土) |
カトリーヌ・アルレー著「二千万ドルと鰯一匹」読み始め |
「わらの女」の著書。ふと図書館の書棚で見つけたので借りてきた。ヒロインのヘルタは、40歳になろうとしている後家らしい。看護婦の免許を持っている。墓地からの帰り道から話は始まる。家に帰ると間もなく訪ねてきた一人の女性。同じ葬儀からの帰りだという。お茶を飲みながら話は意外な方向へ。女性はヘルタの職業を知っていた。老人の介護に依頼されながら、一方旅立ちの日を人為的に早めることにより報酬を約束されるのだ。こうしてヘルタは既に9人の老人をあの世に送り込み、既に莫大な財産をスイスの銀行に預けていた。40歳になったらこの仕事をやめて残りの半生は贅沢に生きる予定だった。そんな矢先に依頼された10件目の仕事は、最近財産家の夫を自動車事故で失った若い未亡人からの依頼だった。未亡人には義理の27歳になる息子がいた。亡くなった夫の遺書により、その財産のほとんどを占める不動産は未亡人と息子の共同財産とされ、しかもその分与は10年後となっていた。一刻も早く全財産を手に入れたいとあせる未亡人はヘルタに義理の息子を自分が知らない内に殺害するように依頼する。 一方初めて息子に会ったヘルタは、早くも寝返りすることを考えるようになる。ところで、この妙な題名は、ヘルタを訪ねてきた未亡人との会話で早くも言及されている。未亡人がヘルタに尋ねる。「ご主人はあなたに何も残さなかったの?」「いいえ、残してくれましたわ、奥様、とても素晴らしい贈り物をね。をれを、あなた方は経験と呼んでいらっしゃるわ。でも私はそれを二千万と鰯一匹といっています」「わからないわ」「二千万円は夢の中で男たちが残してくれた遺産。鰯一匹は実際に男たちがくれたもの」なにはともあれまだ三分の一を読んだところだが期待できそうだ。それにしても、一昨年「わらの女」を久しぶりに再読した際、絶対にヒロインが助かると思い込んでいたのに、処刑されたには驚いた。忘れていた私もたいしたものだが、非常にクールな著者であるから、ヘルタも10番目の仕事で失敗するのかもしれない。 図書館から、予約図書の順番が来たというメールが届いたので早速行ってみたら「冬の灯台が語るとき」だった。年初に吉祥寺のジュンク書店で見て、買おうかと迷ったが、やめて図書館に予約していたのだった。嬉しい。
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