| 2012年03月13日(火) |
川上弘美著「夜の公園」を借りる |
2002年から2005年にかけて中央公論に掲載されたらしい。普通の主婦「りり」、夫の幸夫、りりの友人で独身の高校教師春名。春名は幸夫とつきあっている。りりが夜の公園であった暁。アルバイトをして生計を立てている。トレーニングが好きだ。自分で自分を律するのが好きらしい。その弟の悟。悟は春名を愛している。裏切られれば殺してしまう程に。そんな面々がひとりずつ語る。こういう形式は、誰かに感情移入したい私はあまり好きではない。ただ、人の主観に騙されずに済むという利点はある。「私はどうしてここにいるのだろう」というのはりりの言葉だったか、春名だったか。春名は結局悟とも幸夫とも違う他の人との結婚を決める。りりは、子供が生まれることを暁にも告げることなく一人暮らしを始める。それでも、お腹を蹴る子供を感じながら、「今、わたし、ここにいる」と強く思うのだ。以前はいろいろなことをこんな風に考えたなと思う。いまはもう思わない。その日その日で手一杯だから。
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