| 2011年09月21日(水) |
ゾラ著「愛の一ページ」読了 |
月曜日から読み始めた。恋愛をしたことのない未亡人エレーヌと社交的な妻を持つ医師との恋愛が主軸ではあるが、真の主役はパリらしい。エレーヌの病弱な娘ジャンヌの存在も大きい。彼女の病を通してエレーヌは医師アンリと出会い、そして離れることになる。様々な心情が綴られながらもパリの町は不動である。と、実はあまりよくわからなかったこの書のテーマを知ったのは、あとがきにあったゾラ自身のこの作品に関するコメントである。全文引用する。序文の一部らしい。「若く貧しかったころ、私は場末の屋根裏部屋で暮らしていたことがあります。そこからはパリの全貌が見渡せました。その広大なるパリ、じっと動かず無関心なパリ。いつもそこ、私の窓枠の中にいたパリは、私の喜びと悲しみに黙って耳を傾けてくれる、悲劇の中の聞き役のような存在でした。・パリを前にして、私はおなかをすかせ、涙を流しました。そして、パリを前にして私は恋をし最も幸せな体験もしました。そうなのです。二十歳のころから私は。大海のように屋根また屋根が連なるパリが古代悲劇のような登場人物となる小説を書いてみたいと夢見てきたのです。私には人間の内面を描くドラマが必要でした。小さな部屋の中にいる3,4人の人物と、常にそこにいて、その人物たちが笑ったり泣いたりするのを石のような目で眺めている、地平線上に果てしなく広がる大都会とが必要でした。
愛の一ページで私が実現させたかったのは、この昔からのアイデアだったのです。」 実はこの本、まだまだ読了には時間がかかったはずが、台風15号で会社が15:00帰社となったため、15:50頃の京王線に乗車して2,3分後に全線ストップのアナウンスが入り、それから延々と20:40頃に府中駅になんとか到達するまでずっと立ちっぱなしで車両に閉じ込められたまま読了したのである。 もっと面白い本を持っていればよかったと思わないでもなかったが、大冊を読了できた満足感もある。
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