その他 作者:現代 日本 出版社・値段:新潮文庫 今年の新潮文庫の100冊の1冊 著者は手に取るまで知りませんでした。実は新潮文庫の100冊から2冊買うとパンダのキーホルダーを貰えるというCMにつられ、なにがなんでも2冊買おうと見回したのですが、結構読んだことがあるものか、またはこれから読もうと買ってあるものばかり。結局この本と同じ著者の[ポプラの秋]を買いました。著者は東京音大を出てオペラの台本を書いている内に物書きになったようで、この本は日本児童文学者新人賞をとっています。内容は悪ガキ3人組が[死]というものに興味を持ち、近所の今にも死にそうなおじいさんを四六時中見張ることにより死に遭遇してみようと試みます。ずっとおじいさんの行動を見ている内に両者に妙な連帯意識が発生し、子供たちの目にはただの老人と映っていたおじいさんがだんだんに一個の尊重すべき存在に変わり、まだただ毎日を惰性で暮らし、死をまつばかりだったおじいさんの方も見られているという意識により、身辺を小ぎれいにしたり、という変化がでてきます。もちろんなによりも孤独からの解放のききめでしょう。 昨年の神戸の事件以来、子供に[死]というものを理解させる試みが多く報道されていますが、そういったことを考えると作者の意図が丸見え、という感じで少々興ざめな点もありますが、最後にはやっぱり涙が...心温まる一冊でありました。(1998年7月15日)
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