生きる。を消費する
電車で隣に座った若い男の子の匂いがとっても懐かしかった。 その匂いを嗅いだだけで私の心の一番奥にしまってある大事な物が うわっとこぼれ落ちた。 深夜の山手線がゴトゴト揺れるたびに彼のその匂いが私の思い出をガンガン引き出していく。 ずっと忘れていた、私の大事な物が1つづつ溢れ出る。
そう、あの時の私は恋をしていたんだ。確実に恋をしていたんだ。
彼が一緒にいた人と話してた内容から、どうやら魚河岸で働いてるらしい。 そうか、だからなんだ。 思い出と共にあの白衣の洗い立ての香りと、生臭さが蘇る。 会わなくなってから、もうかれこれ4年が経つけれどやっぱり一番好きだったんだ。 結局未だにあの気持ちを越える事は無いから。 だから私は涙が止まらなかった。 恥ずかしいけれど、ボロボロと涙がこぼれてしまった。
思い出だけで、私は生きていけるのだろうか。
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