きままくらし

2002年08月10日(土) 姉と、、、

姉に電話をして、明日の父の退院の事を聞く。自宅で余生を送ることになったのだ。とにかく家に帰りたい父には本当にうれしいことだろう。しかし、実家のお嫁さんにはかなり負担らしい。24時間の家政婦さんもお願いしてあるのだが。彼女は姉と母にその人の三食の食事をつくるのはいやだし、気も使わなくてはならないし、、、とにかく負担になるのが気に染まないといったらしい。
 
父が末期がんで治療は見込めないと告げられた時に、弟を含め母、姉この義理の妹とこれからの看護について話し合った。その時皆でいずれ在宅で父を看取ることを決め、緩和ケアしてくれる医師をさがし父にとってなによりよい方向を探してきた。

父は肺炎の脱水症状が回復し食事も取れるようになったので、明日帰宅できることになった。それは、一時的には喜ばしいことだと思う、何より父の希望をかなえてやれる。

一体何が不満なのだろう、、昔から自分の家で死ぬことを父は望んでいたが父に告知をしていない限り父には肺炎が治って帰るということだけで、それを家族は一緒に喜ばしいこととしてやればよいではないか。
まだ、先々どうなるとかどうなったと色々考えてもしかたないことだ。

彼女にとってこの家に来たことは確かに大変だったろう。しかし歳月は徐々に彼女の居場所もステータスも作り上げていっただろうし、、何より本当にいやなところに16年も居続けることができただろうか?
何も考えたくなくなった。
金銭的なことも、実際のこれからの看護も、、やはりそこに父は不在だ。
半分呆けてしまった父は、、、再び家にいた時のわがままな父と変わらないだろう。しかし彼の幕引きの日までの看取りはできうる限りしたいと思っている。それは家族としてしてやれる最低のことだと思っている。

人は自分の最期をどんなふうにしたいかなんて望むべくもないのだが、かなうものなら静かに穏やかに死んでゆきたい。
一切のこの世でのわずらいを断ちきることができればと思うのだが、、
父のことを思うとまた現実に立ち戻る私だった。


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