世間はGW。騒がしくて。賑やかで。 嬉しくて。楽しくて。ワクワクする。 最後には満足と心地よい疲労を残していく。 そんな春の大型連休。
あたしは。明日からひとり旅に出る。
思いもしなかった5連休がとれた。 神様からのプレゼントやと思って。浮かれて小躍りした。 真っ先に思いついたのは。もちろん愛しい人との時間の共有で。 その夢を成し遂げることは。易くはなかったけど不可能でもなかった。
でもなぜか。今はずっと一緒にいるべきじゃない気がした。
そうるとは。うまくいってないわけじゃない。 ケンカしたり言い争ったりしたわけでもなければ。 全然連絡を取らずに冷え切ってるわけでもない。 むしろ何の問題もない。穏やかで優しい時間が流れてる。
愛しい気持ちに変わりはない。 大切に思う気持ちに嘘はない。
でもなぜか。今はちょっと1人になってみたいと思った。
なりたいとゆーか。なるべきとゆーか。 ほんまにうまく説明できんのやけど。 日常から離れて。自分を見つめ直す時間が欲しくなった。
慌しい日々は。あたしにそんなことを考える余裕を与えてくれん。 時間の流れに取り残されんように。バタバタ働く毎日の中で。 1番大切なことをどんどん置き去りにしてる気がするから。
そーゆうものと。ひとりでちゃんと向き合いたくなった。
この前そうるに会ったとき。この話をしたら。 「ええやん。行っておいで。」って拍子抜けするほどあっさり言われ。 さらには。なんかすごい満足そうににんまりされた。 「なんやねん。なんで笑うん。」って聞いたら。 「いや成長したなーと思って。」って言われた。 「えらいえらい。」って頭をポンポンされた。
ちょっとぐらい寂しがってくれるのかと思えば。 すべて見透かしたように笑ってやがる。 ほんまこいつ。あたしのこと絶対なめてるわ。 ちくしょうめ。なんて憎たらしい顔やねん。
そう思うのに。相変わらず鼓動が早くなる。 叩かれた頭のてっぺんに全神経が集中する。 これっぽっちのことで満たされるあたしのカラダ。 なんて分かりやすいねん。ほんまええ加減にしてくれ(笑)。
「ほんならうちもバイクでどっか行こかなー。」 そうるはあたしから視線を外して考え始める。 「うぇ・・・バイク・・・やっぱそっちがいいかも・・・」 思わず言ってもたあたしに目を細めてにやつく。
「ほーん。あんたに1人は無理かーやっぱし。」 眉をぴこって上げて。いつもの顔であたしをバカにする。 「もーあんたは!そんなんばっかりやん!」 キィキィ言うあたしを指差して。ゲラゲラ笑う。
あんたとあたしの作る空気。世界で1番愛しい時間。
ねぇそうる。あたしね。 1人で行くって言ったあたしに対して。 引き止めるでもなく。一緒に連れて行けって言うでもなく。 ただにんまり笑って「行ってきー。」って言ったあんたに。 ちょっとむかつきもしたけど。ほんまはだいぶ惚れ直した。
ぐちゃぐちゃ理由を聞いたりせんかった。 驚くほどあっさりと全てを理解してくれた。 その流れは。鮮やかとさえ言えるほどやった。 多くを語らんでも通じるって。まさにこれやと実感した。
ねぇそうる。あんたやっぱりずるいよね。かっちょよすぎやんね。
だってさ。普段はいろんなことを見落として。 あたしのちっちゃな気持ちとかをさっぱり汲み取ってくれんくて。 なんでそうやねんって思わせることが多々あるくせに。 こーゆう肝心なところは実にしっかり押さえてるんやもん。
その絶妙なアンバランス具合こそ。あんたの最大の魅力。 長年見つめ続けてきたあたしが言うんやから間違いないわ。 それは見抜けるのになんでこれが分からんねん、とか。 ほぉーそこは分からんくせにここは気づくんや、とかさ。 あんたと一緒におったら。そーゆうこと考えてるだけでも飽きへん(笑)。
でもそんな大好きなあんたと。少し離れてみるね。 こんなん言いつつ。寂しくなって電話するかもやけど。 そうしてみたいと本能で思ったから。そうしてみるね。
「行ってくるよ。」「行っておいで。」 そんなふうに離れられることを誇りに思うよ。 きっと何かを見つけて帰ってくるから。 あんたも1人で。バイクで春の風を切っておいで。 あったかい日差しを浴びて。何かを感じておいで。
お互い見た景色のこと。考えた未来のこと。またゆっくり話そう。 ↑だいぶ楽しみ。気持ちいい天気やといいなぁ。 |