きっと夢を見たからだ。 そうでなければ、この行動にどんな説明ができるだろう。
ある日突然連絡が取れなくなった彼。 違うかな。 ある日突然連絡が来なくなった彼。
彼からの電話とメールを待つだけのあたし。 あたしは彼の秘密のアドレスにしかメールできない。
彼からの最後の連絡は去年の10月のこと。 仕事で地元に帰っていたあたしに、 電話をくれた。
彼と最後に会ったのはそれよりもずっと前のことだけど。
最後に会ったのは8月の終わりだった。 いつものように地元へ帰って、 彼が嘘をついて家を抜け出すのを待った。
仕事で地元を離れてから、 彼が離婚して、就職することを夢見てた。
彼を車に乗せて、 いつものようにホテルへ向かった。
久しぶりに会えて、あたしは浮かれてた。
だから、気付かなかった。
そろそろ帰らなきゃ。 次はいつ会えるかな。 そんなこと、どうしてあたしは言えたのだろう。
彼は青ざめて言った。 「嫁にばれた。」
そのあとのことは、あまり覚えてない。
彼をいつもとは違う場所で降ろして、 彼が言った。
「大丈夫だから。必ず連絡するから。」
しばらくして、彼から連絡がきた。
「いろいろあるけど、大丈夫だから。 もう少し待っててほしい。」
でも、それから連絡はなかった。
しばらくして久しぶりの連絡で、 彼が大学を辞めて専門学校へ編入したことを知った。 来年には卒業して、就職する、と。
あたしは希望を持った。 就職したら、彼が離婚してくれるんじゃないか。
そんな阿呆なこと考えてしまった自分に、 今だったら呆れてしまう。
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続きはまた今度。
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